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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

★2012年度★2学期末おはなし会-6年生-

2012年12月23日 | 日記
【6年生】
『しあわせ(あなたへ)』
レイフ・クリスチャンソン(文),ディック・ステンベリ(絵),二文字理明(訳)/岩崎書店


しあわせってなに
夏の太陽 それとも ふりつづいた 雨のあとの太陽だろうか

しあわせってなに 
勝つこと それとも ベストをつくすことだろうか

しあわせってなに
つぎつぎと成功をおさめること それとも できないと あきらめていたことを やりとげることだろうか

しあわせってなに
ほしいものを すべて手に入れること それとも ほしいものを さがし求めることだろうか

しあわせってなに
王様のように おもいのままにできることだろうか それとも たいせつだと思ったら 勇気をだしてやってみることだろうか

しあわせってなに
人気者になること それとも ひとりぼっちで悲しいとき だれかが気付いて 心配してくれることだろうか

しあわせってなに
なにかを やりとげること それとも なにかに取りくみはじめることだろうか

しあわせってなに
自信をもつこと 自分をたいせつにすること

そして 自分とおなじくらい ほかの人も たいせつにできること

(全文掲載)


スウェーデンでロングセラーを続け、日本でも話題の小さな絵本シリーズのひとつ。
詩のような文とさわやかな絵がとても魅力的です。

シーンと聴いていた6年生。

今自分は幸せですか?
自分にとっての幸せとはなんですか?
6年生,この冬休み,静かに,考えて欲しいことがいっぱいです。



『でっかいでっかいモヤモヤ袋』
ヴァージニア・アイアンサイド(文),フランク・ロジャース(絵),左近リベカ(訳)/草炎社


ジェニーはいつも幸せでした。
ところが、心がだんだんモヤモヤしてきて、色々なことがすっきりしなくなってきました。
そして、ある日起きたら、でっかいでっかい、モヤモヤ袋があったのです。
それは、どこにもついてきて、ひっついて離れません。
何とかしようとがんばっても、全く歯が立ちません。

ジェニーは,お兄さんや両親や学校の先生に相談しようとしますが,
うすうす,なんと言われるか分かってしまい,あてにならないと諦めて思いとどまります。
自分なりに解決しようとしますが…。

そんなとき,となりの優しいおばあさんが手伝ってくれます。
「モヤモヤにっとて,みられるのが一番いやなの。ひとつひとつ,ゆっくり出してごらん]

おばあさんは,モヤモヤのグループ分けをし,ひとつひとつ,取りだして解決してくれます。


あけてみると,モヤモヤは,なんてちっぽけ。
どうにもならないものはおばあちゃんが引き受けてくれた。
他の人のモヤモヤもあったから,それはその人の返した。
あって当たり前の,大人も子供のも先生も,誰でも持ってるモヤモヤもあった。

最後は,モヤモヤ袋は空っぽに。
えいっと,袋を投げ飛ばして,すっきりです。



人に言えない不安や不満、心配、疑いを抱えた女の子が主人公の絵本。
身の上相談の回答者としても活躍している作者ならでは、そんな年頃の子供たちの不安の数々をモヤモヤ袋に表現した秀作です。

大人になると,あんなことでなぜ悩んでたんだろ…と分かる日がくるのに,今,渦中にいる子供たちには,まだまだ,分からない。自分も経験がある。

だから,親として,もどかしい。

でも,大丈夫だよ!みんなそうだったのよ!
モヤモヤ袋は,大人だって持ってるんだから…。あんなこと,こんなこと…。
そんなとき相談するのは,やっぱり,経験者の年長の方だったり,尊敬できる友人だったり…。
お酒でクダ巻いて発散したり…(おっと失礼

尊敬できる大人,先輩,友達,いますか?

親子でぜひ読んでみてはいかがでしょうか?


『ピンクのれいぞうこ』
ティム・イーガン(作),まえざわあきえ(訳)/ひさかたチャイルド


ネズミのドズワースは,いつもボーっとしたり,テレビを観て毎日を過ごしていました。
ある日,がらくた置き場でみつけたピンクの不思議な冷蔵庫。
「絵をかいてみよう」とメッセージが張ってあります。ドアを開けると、絵具とスケッチブックが。
最初は自分のお店で売ろうとしましたが,自分で絵を描いてみることに。

次の日は本が、その次の日はトランペットが…、毎日違うものが入っているピンクの冷蔵庫。

ドズワースは,そうこうするうちに,いろいろとやってみることが楽しくなってきました。

そんなある日、冷蔵庫を開けると中はからっぽで…。

ドズワースは途方にくれ,また元の生活に戻るかと思いきや…。
自分の世界を広げるために,これまで冷蔵庫に入っていたものをいっさいがっさい積み込んで,未知の世界に自転車をこぎ始めるのでした。

旅立つ前に立ち寄ったがらくた置き場。おんぼろだったピンクの冷蔵庫が,ドズワースには輝いてみえました。



新しいことにチャレンジしてみたら、毎日がどんどん楽しくなったネズミのおはなし。
6年生にはどんな風に捉えられたでしょうねぇ?このお話。

挑戦しないと失敗もしない。
「そんなこと,つまんねぇよ…」「一生懸命やる=ダサイ」と言って,何も行動しない。好きなことばかり,気に入ったことばかりやって,それ以外は気が乗らないからと,いい加減な態度,挑戦するチャンスを与えてくれる大人や先生に対して失礼な態度で臨む風潮がみられます。
本当は子供時代って,損得なしでいろんなことに無謀に挑戦できる時期でもあるのですがね。未知の分野を覗いてみる,敢えて苦手なことに挑戦してみる試してみる,そんな勇気を持って欲しい。

成功する事よりも失敗した事から学ぶことは多いのですよね…。

自分の子供が「失敗する」のを過剰に恐れる親もまた多し。


私は失敗したことがない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ。
I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work

私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。
Our greatest weakness lies in giving up.
The most certain way to succeed is to try just one more time

(トーマス・エジソン Thomas A. Edison )


『おおはくちょうのそら』
手島圭三郎(作)/リブリオ出版


北の国へ帰らなければならないオオハクチョウの家族。
1羽,病気の子どもがいます。その子を置いて旅立つ家族。
悲しい決断。
ところが,家族は舞い戻って来て,その子の最後を看取ります。
再び北の空へ向かう家族。昼夜を問わず飛び続け,北の国へ着くと…。
空には,逝ってしまった子ハクチョウが…。


手島圭三郎(北海道在住)さんの版画による素晴らしい芸術作品ともいえる北の動物シリーズのひとつ。
1988年、ニューヨークタイムズ紙選、世界の絵本ベストテンに選出された名作です。
その他にも「しまふくろうのみずうみ」「ひぐまのあき」「きたきつねのゆめ」など,ぜひ手にとって読んでみて欲しいと思います。

厳しい自然の中で逞しく生きている動物の生活をありのまま紹介しつつ,家族の愛,親子の愛をも匠に,その素晴らしい版画技術で表現されています。

余談ですが…,私の姉が北海道江別市に住んでおり,地元の本屋さんに勤めていますが,手島圭三郎さんご本人が,絵具を買いにいつもやってきては,ほとんどの絵具を買い占めて困らせている…とか。羨ましい限り。私もぜひお会いしてみたい



『めがねやとどろぼう』
桂 文我(作),東 菜奈 (絵) /童心社


こちらは,5年生にも読み聞かせした紙芝居です。
ストーリーはこちらからどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/ehonnokai/e/e4d0a3ff900ca380484d576595ee9ece

メッセージ性の強いおはなしが続いたので,最後は上方落語の紙芝居で「クスッ!」と笑ってもらいました。まだまだあどけない笑顔。その笑顔がたくさん見たいのですよ,私たちは。



最後の冬休み,有意義にお過ごしください。
3学期も,旅立ちに向け,はなむけになるようなお話をお届けしたいと思います。

メリークリスマス


★2012年度★2学期末のおはなし会-1・2年生-

2012年12月23日 | 日記
【1年生】
①『へんしんトンネル』 あきやまただし(作)/金の星社

言葉遊びの絵本。

あるところに,不思議なへんしんトンネルがありました。
かっぱがやってきて,トンネルを通ると…
「かっぱかっぱかっぱかっぱかっ…」
ぱかっ!ぱかっ!と,馬になってしまいます。


という具合に,いろんなものが変身~!
今回は,絵本の絵を取り出し,大きなトンネルを作って小道具駆使して,変身前後を動きをつけて楽しく表現しました。

②『ゆきのともだち』 イアン・ホワイブロウ(作),ディファニー・ビーク(絵),木坂涼(訳)/理論社

本を読むのが大好きなこぶたのピッグは,ベッドのまわりに,どんぐりと本がたくさんあれば幸せ。
ある日、ピッグは、本の中に3つの言葉をみつけました。
「ねがい」
「かわること」
「ともだち」
くりかえし、くりかえしつぶやいていると、「ぼくのねがいはかわること、ともだちいっぱいつくること」とひとつに思うようになりました。
外の世界に出たこぶたのピッグは、雪だるまに誘われ、ペンギンに出会います。そして、「いっしょ」という言葉にうきうきしてきて、「いっしょ」とつぶやくと楽しくなった3人は、森のはずれに広場を作ったのです。

その広場は,誰でも本を読んだり、遊んだり、新しい友達をつくれる楽しい広場。


子どもたちには,たくさん良い本に出会って,大切な言葉にたくさん出会って欲しいものです。


③『あおくんときいろちゃん』 レオ・レオーニ(作),藤田圭雄(訳)/至光社

あおくんの一番の仲良しはきいろちゃん。
ある日あおちゃんのママは、あおちゃんにお留守番を頼んでお買い物に。
ところがあおちゃんはきいろちゃんと遊びたくて外へ。でも,きいろちゃんはどこをさがしてもいません。
やっと出会ったきいろちゃんとあおくんは,嬉しくてくっつき・・・みどりちゃんになってしまいます。

遊びつかれた帰宅した二人,それぞれパパ,ママに「うちのこじゃない」と言われてしまいます。
あおくんときいろちゃんは悲しくて,泣いて、泣いて、ふたりは全部涙になってしまいます。
そしてももとのあおくんときいろちゃんに戻り,パパやママはあおくんが帰ってきて大喜び。
パパとママはなぜみどりちゃんになったかを子どもを抱っこして理解しました。


色の組み合わせの不思議に出あう本。いろんな色(個性)があってもいいじゃない。ときどき混じり合っていいじゃない。…という気持ちにさせてくれます。

レオーニが孫のために作ったことで有名な絵本。素朴なちぎり絵の絵本ですが,長い間世界中の子どもたちに愛されています。



④『もちづきくん』 中川ひろたか(文),長野ヒデ子(絵)/ひさかたチャイルド

もちづきくんは、お餅つきやさん。助手はネコちゃん。
なかなか見られなくなった,臼と杵でつくお餅つき。
この手順をコミカルに紹介しています。
「ぺったん,ぺったん」
「こねこねこ」
の掛け合いが可愛らしい。


お餅がつきあがって、伸び~るお餅が,ワイドページになるしかけで子どもたちもお喜び。
大きな鏡餅に驚いていました。

皆さんもたくさんお餅を食べて,よいお年を~。


【2年生】
①~②までは1年生と同じプログラムです。

③『ゆめみこぞう』 若林一郎(文),藤田勝治(絵)/童心社

金持ちのだんなが小僧さんたちに初夢の話をさせようとしましたが,チビの小僧さんだけは,「おいらの夢はおいらのもの!」と、誰にも話さない。とうとう殿さまの怒りも買い,海に流されてしまいます。

小僧が流された先は,大勢の鬼たちがすむ鬼が島。
鬼たちにも初夢を話すように迫りますが,「宝物を見せてくれたら話す!」と言って、まんまと鬼の3つの宝物を手に入れ、逃げ出します。

3つの宝物を使って,見事に幸せを手に入れる小僧さん。


最後に,やっとどんな初夢をみたのか…,わかります。子供たちも「あぁ…そうだったのかぁ」とニンマリ。いいお顔になりました。


④『マーシャと白い鳥』 ミハイル・ブラートフ(文),出久根育(文,絵)/偕成社

マーシャの両親が「弟のワーニャの面倒をみてね」と言い残し、町に買いものに出かけました。
なのに、マーシャは、弟を放っておいて、お友達の家に遊びに行ってしまいます。
その間、ワーニャは白い鳥たちに、森の奥へと連れ去られてしまいました。

マーシャは、弟を助けに森へと入っていきます。
道中、ペチカ、りんごの木、ミルクの川が、マーシャに行く手を教えてくれますが、それと引き換えに、マーシャは、それぞれで頼まれたお願いをそつなくこなします。

やっと見つけたワーニャは、ババヤガー(北欧の鬼婆)の家にいました。
マーシャはワーニャを抱え、一目散に逃げますが、逃がすものかとババヤガー。
白い鳥たちがどこまでも追いかけてきます。
さぁ、マーシャとワーニャは逃げ切れるでしょうか?

彼女たちを助けてくれるのは…



お姉さんとして,弟を必死に抱えて逃げるマーシャ。
自分のせいで弟がさらわれてしまったのですからね,最後まで自分で解決しないと。

何も知らないおとうさん,おかあさんがお土産を手渡します。

「いい子にしてた?」
「うん,いい子にしてたよ」

な~んて,よくある会話をしたのかもね。
知らぬがホトケ。


これにて,2012年最後のおはなし会が終了しました。
お昼休みのおはなし会(合計8回)含め,1・2年生は,よく聞きに来てくれました。
ありがとうございました。
また来年も元気にお会いしましょう。
楽しいおはなしを用意して,待っています。

★2012年度★2学期末のおはなし会-5年生-

2012年12月20日 | 日記
お届けしたお話は,以下の3作品。

①『1つぶのおこめ-さんすうのむかしばなし-』デミ(作)/光村教育図書
②『めがねやとどろぼう』桂 文我(作),東 菜奈 (絵) /童心社
③『ピーボディ先生のりんご』マドンナ(文),ローレン・ロング(絵),村山由佳(訳)/集英社


『1つぶのおこめ-さんすうのむかしばなし-』

【ストーリー】
強欲な王様が、村人の年貢米を一人占め。
飢饉が来ても、村人には配給してくれません。

ある日、村娘ラーニが、蔵から運び出したときに落ちたお米を、王様に届けました。
「なんでもほうびをとらせるぞ!」と、王様。
娘は、「それでは、お米をひと粒下さい」と言いだします。

今日は、1つぶ。
明日は、その倍の2つぶ。
あさっては、その2倍の4つぶ。
その次の日は、8つぶ…
というふうに、お米をもらいに行くことに。

さて、そうして、続けていくと、30日目には…



2の30乗ですよね。ふふふ

大きな数を習ったあとの中・高学年向けの絵本ではありますが、増えていくお米を分かりやすくダイナミックにイラストで見せてくれますので、大きな数がわからなくても、量的にだいたいのお米の数をとらえられますから、低学年でも大丈夫。

巻末には、実際、最終的に何粒になったのか、数字でも表記してあります。


どんどん米粒が多くなっていくごとに,子どもたちの「うへぇ~」という声が。
ちょうど,総合学習でお米を収穫し調理した後ということで,とてもタイムリーなお話となりました。

『めがねやとどろぼう』


【ストーリー】
新米のどろぼうと親方。
どこの家に泥棒に入ろうかと相談中。

この街で一番金持ちなのは?との親方の問いかけに,新米泥棒は,トンチンカンな答えばかり。
ようやく,めがね屋に泥棒に入ることに。

ところが,このめがね屋の丁稚の小僧は,泥棒たちのこそこそ話を聞いていて,メガネ屋の品物を上手く利用して,トンチを働かせ,泥棒を負かしてしまいます。



上方落語を楽しい紙芝居でお届けしました。
流暢な関西弁(読み手は関東出身)に,子どもたちが要所要所でウケてくれました。
期待通りのリアクションに,安心しました。
ときどき,笑いのつぼに若干の世代のズレがあったりします。それがまた新鮮な驚きでもありますが


『ピーボディ先生のりんご』


【ストーリー】
地元のリトルリーグのコーチ、ピーボディ先生は、小学校の歴史の先生。
子供たちの信頼も厚い。ところが、ある土曜日、尊敬するピーボディ先生が、
通りの八百屋のリンゴをお金も払わず、カバンに入れているところを、
教え子のトミーが目撃。そのことを友達に話します。
 
次の土曜日、八百屋を見張っていた子供たち。その目の前で、先生がリンゴを
また店のヒトに黙って、失敬しているのを目撃しました。
噂は親たち、近所中、町中に広がります。

いつしか、リトルリーグの練習には誰も来なくなりました。
ひとりビリー少年が現れ「みんなあなたのことを泥棒と思っているんだ」と話します。

先生は、ビリーを八百屋に連れていきます。
そこで、八百屋のご主人から聞かされた真相は…。

その後、ピーボディ先生は、野球場に羽毛の枕を持ってきて、ハサミでその枕を切るように言います。枕から出た何千枚もの羽毛が、風に流され待っていきます。

先生は言います。
「あの羽毛を全部拾っておいで。あの羽根の一枚一枚がこの町の人々だ。君の流した噂はもうなしにすることはできないんだよ」
そして、
「そんなにあわてて人を判断してはいけないこと、そして、自分の口から出る言葉に宿る、ものすごく大きな力のことを考えてくれ」と。


 あとがきに、マドンナは【すべての先生に捧ぐ】として、
「言葉の持つ力と、そして、他人を傷つけることのないよう注意深く言葉を選ぶにはどうすればよいか、が主題です」と記しています。

先生だけではありません、子供と接する大人みんなが、自分から発せられる言葉の力について、考え直さなければならない…と思います。


聖書にもあります。私の大好きな一節。
「悪い言葉をいっさい口にしてはいけません。ただ,聞く人に恵みが与えられるように,その人を造り上げるのに役立つ言葉を,必要に応じて語りなさい」

(「エフェソの信徒への手紙」4章29節)

聖書にも,育児のヒントがたくさん記されています。


以上,今回のおはなし会,さすが5年生ということもあって,みんな集中してよく聞いてくれました。
来学期も楽しいお話をお届けしたいと思います。

よいクリスマスと新年をお迎えください

★2012年度★第8回お昼休みのおはなし会

2012年12月07日 | 日記
お届けしたのは,以下の3冊。

「ウラパン・オコサ」谷川晃一/童心社

1と2だけで数を数える,楽しい数遊びの絵本。

さるが1匹で…「ウラパン」
バナナが2本で…「オコサ」
シマウマが3匹で…「オコサ・ウラパン」

次々と対象の数が増えていき…,子供たちは,頭をフル回転。
「オコサ・オコサ・オコサ・オコサ…ウラパン!」
元気に答えてくれました。


「パンケーキをたべるサイなんていない?」アンナ ケンプ(文)、サラ オギルヴィー(絵)/BL出版

「魔女の宅急便」でおなじみの角野栄子さん翻訳の絵本。子供の心を上手く表現してくれています。

まずは冒頭の場面。
「ママもパパも忙しくて,子供の話を聞いてくれないことあるよね…」
で始まると,子供たちほぼ全員が,

『うん,うん!』
と大きくうなずいていました。ツカミはOK!
もうあとは,子供たちはもう主人公になってグイグイお話にひきつけられいきます(笑)。

両親とも忙しくて,話を聴いてくれないディジーのもとに,紫色のサイが突然現れ,一緒に過ごすことに。
でも,パパとママは,全然サイの話を聴いてくれません。
サイがいる事にも気付かないパパとママ。
でも,ある朝,パンケーキがなくなってからは…。
「紫色のパンケーキを食べるサイなんていないわよ」とパパとママ。
そこで,本物のサイを見に家族で動物園に行くことに。
なんと!サイが行方不明であることが判明。

家族でサイを本当の家族のもとへかえしてあげる計画を立てます。
それからというもの,ディジーにもパパとママにも変化が。
パパとママはディジーの話を聴いてくれるようになるのですが…。

最後のオチに,子供たち全員が,ドッと大笑い。

皆で,オチが分かって共感できる一瞬が,集団での読み聞かせの醍醐味。
「やった~っ!」「爽快っ!」な,良い笑顔になる瞬間がたまりませんね。

「こびとのくつや」グリム(著), バーナデット・ワッツ (絵)/西村書店

グリム童話の中でも有名なおはなしのひとつ。
いろんなグリム童話の絵本が出ていますが(アニメ調のものも…),以前もご紹介しましたが,このバーナデット ワッツさんのグリム絵本シリーズがお薦めです。

この「こびとのくつや」さんに登場する小人さんはほんとに裸んぼなんですよ。
くつやさんとおかみさんがこっそり作業部屋をのぞくシーンなどは,読み聞かせの声のトーンも押えて読みますが,子供たちもシーンと聴き入っていました。
見開きいっぱい情景を描いているページもあり,ゆっくりページをめくって,絵の素晴らしさも見てほしいななんて…。

素話ももちろんいいですが,絵本でぜひ読んであげて欲しい,秀作もたくさんあります。

では,2学期はこれにて終了。
また3学期にお会いしましょうね~

11月の定例会のお知らせ

2012年11月06日 | 日記
11月の定例会を下記のように行います。


★日時:11月15日(木)10:30~12:30
★場所:旧生徒寮 西談話室にて
★持ち物:季節の絵本,お薦めの絵本・童話など

★お昼休みのおはなし会:13:05~
★場所:初等学校 読書室


定例会で紹介し合った本の中から,お昼休みに子どもたちに読み聞かせするお話を選びます。


10月の定例会日程変更になりました

2012年09月22日 | 日記
10月の定例会は,10月25日(木)10:30~(旧生徒寮西談話室に於いて)に変更になりました。

再変更,申し訳ございません。

お昼休みのおはなし会(初等読書室に於いて)も同日13:05~より行います。


ご興味のある方は,事前に代表までご連絡をお願い致します。

『たまごを持つように』まはら三桃

2012年09月20日 | 日記
【内容紹介】
たまごのように不器用な中学弓道部男女3人。

自信が持てず臆病で不器用な初心者、早弥。

ターゲットパニックに陥った天才肌、実良。

黒人の父をもち武士道を愛する少年、春。

たまごを持つように弓を握り、手探りで心を通わせていく、中学弓道部の男女三人。こわれやすい心が、ぶつかりあう。




仕事柄,過去の高校入試問題を探していたら,この作品が出題されており,続きが読みたくなって図書館でさっそく借りてみた。



部活。

中学・高校時代,部活動にどのくらい情熱を傾けるか,その温度差で部員同士省衝突した経験は,誰にでもあるのではないでしょうか?

真面目に練習も休まずこなして,情熱は人一倍あっても,上達しない者。

不真面目で練習もサボり気味なのに,天性の技術やセンスをもっていて好成績をあげる者。

はたして,顧問や監督は,いったい,どちらを試合に出すのか…


「先生!どうして,○○さんはレギュラーになんですか?納得いきません!」

と,メンバー選抜でもめたり…,


「あたし,部活辞める…」と突然言い出す部員がいたり…。



先輩後輩の上下関係。

部員同士の恋愛。


青春だったなぁ…。(シミジミ)






まはら三桃さんの他の著書,同じく中学・高校生主人公の青春小説。(←もっか読書中)

現役中高生,特に女子には,ぜひ読んでみて欲しいなぁと思います。

『鉄のしぶきがはねる』…工業高校機械科唯一の女子が主人公。
『鷹のように帆をあげて』…鷹匠をめざす女子中学生が主人公。

私は読書感想文が苦手…。

10月の定例会の日程が変更になりました!

2012年09月19日 | 日記

以下のように変更になりました。


10月17日(水) 旧生徒寮西談話室にて

 10:30~12:30 定例会:持ち寄った絵本や童話の紹介とおはなし会用絵本の選定
             子育てトークなど

 13:05~13:20 お昼休みのおはなし会(初等読書室)

お待ちしておりま~す。

★2012年度★第5回お昼休みのおはなし会

2012年09月13日 | 日記
今回お届けしたおはなしは,この2冊。

①『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー 』
  ジョン・バーニンガム:作/谷川俊太郎:訳/あかね書房

②『じごくのそうべえ』田島征彦:作/童心社


『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー 』

いつも学校に遅刻ばかりしている男の子。

その名も,「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」長いっ!!!(笑)

なぜ,遅刻しちゃうか…それは,学校に来る途中,次々と彼に災難が襲いかかるから。

これがまたすごい。

ワニにかまれたり,ライオンに襲われたり,高潮にのまれたり…。

先生はその理由を信じてくれず,キレまくります。

そして,ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーに,「もう嘘を言いません」と300回,400回と書かせる罰を下すのです。

しかし,最後には,先生に災難が…。



毎回キレまくる先生に,子供たちも大笑い。
「ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー!そんなことありはしない!」
そして,与えられたひどい罰に同情している様子でした。

遅刻の理由はホントか嘘か…。誰にもわかりません。
でも,これだけ,楽しい言い訳には,そうくるかっ!と感心し,「そうだったの~!大変だったねぇ~!」と,ちょっと許してあげたくなっちゃうのは私だけでしょうか。



『じごくのそうべえ』

関西弁でおくる,落語絵本。

軽業師(大道芸人?)のそうべえが,綱わたりの最中、綱から落ちてしまい,気が付くとそこは地獄。

そこで出会った、医者のちくあん,山伏のふっかい、歯医者のしかいと4人で火の車に乗って三途の川をわたります。

糞尿地獄や熱湯の釜に投げ込まれたり,人呑鬼(人を食べる鬼)に飲みこまれたり,針の山におくられたり…。

そうべえたちは, それぞれ生前の職業や得意分野を活かして,乗り越えていきます。

どうにもこうにも手に負えなくなったこの4人,とうとう,えんま大王もあきらめて…。



どきどきハラハラの連続。地獄の絵図がちょっと怖いですが,元が落語だけあって、おはなしは関西弁でリズミカルにテンポよく進みます。

そうべえが生き返ったあとの,最後のオチは,ちょっと難しいかなと思っていましたが,さすが,うちの子供たち!「あっ!あのお医者さん…」と,しっかり,伝わっていましたよ。

きっと,これからも,「とざい、と~ざ~い!」で,このおはなしを想い出してくれればいいなぁ。

「ウソをついたら,舌を抜かれるよ~」に女子が「ひえぇ~」と小さい悲鳴をあげていました。ふふふ


2学期も,こうした日本ならではの楽しいお話を主軸にお届けしたいと思っています。

子どもたちの笑顔と笑い声,それが私たちの活力源になっています。

また次回,元気にお会いしましょうね~。

あ,その前に運動会でみんなに会えますね。

『ひまわりの おか (いのちのえほん)』葉方 丹/松成真理子

2012年09月12日 | 日記
74人もの児童と10人の先生,大きな津波によって大切な命が奪われてしまった小学校。

言いようのない悲しみの底にありながら、なんとか前向きに生きていかねばと、小学校そばにあった避難所に,ひまわりの種を植えはじめた,我が子を亡くした8人のお母さんたち。

家族だけではなく,町のひとたち,捜索を終えたおまわりさんたちも,帰り道に水やりをし,育てました。


中には,最愛の子供3人を,一度に失った方もいらっしゃるのです。

なかなか,子供が見つからないお母さんの気持ち。

想像を絶する深い深い悲しみ。

切ない…。本当に切ない。



それでも,必死に前に進もうとしているお母さんたちの我が子への優しい語りかけに,胸が熱くなります。


「ママ,うちゅういち 大すき!」と言ってくれた。

妹想いの優しいお姉さんだった。

スポーツがっ大好きだった。

あと一週間で卒業式を迎えるはずだった六年生。

きっと,どの子もそっくりに描かれているのでしょうね,どの子どもたちのイラストも素敵な笑顔いっぱい。



あしたは,たなばたです。

空には きれいな天の川。

家も町のあかりも みんな 流されて

まっくらだから

星が きれいに見えます。

大川小学校に,線を一本ひいてあげると,

天の川小学校。

みんな 見てるね。

先生もいっしょだね。

わらってるね。

(本文より)



お母さんたちは,そっと,ひまわりと やくそくしました。

「もう,泣かないからね」

やくそくできない やくそくだけど。

ひとつぶの小さな種が,

千つぶもの種になりました。

そのひとつぶひとつぶが,

ひとりひとりの子どもたちの,

思い出のように思えました。

また 夏がきたら 会おうね。

ずっと ずっと いっしょだよ。
(本文より)



巻末には,絵本のもとになったお母さんたちの手紙が全文載っています。

日々の忙しさから,我が子がいかに尊い宝物であるか忘れがちになっています。
今ここにこうして一緒に生きて,笑っていられる,それだけで充分幸せなのに。
早く立派な大人になれと何をそんなに急かすのか。

子供の成績や将来が心配…,そういうことも,なんと幸せで贅沢な悩みなのかと。

★2学期の活動予定★

2012年09月07日 | 日記
暑い暑い夏休みも終わり,子どもたちは元気に2学期をスタートさせています。お母様方は,お弁当作りがスタートしましたね。まだまだ,アメナイように保冷剤が必要ですね。
※アメル=腐る,痛む(津軽弁)

最近感動した言葉から
千代里さんの言葉はいつも素敵な勇気をくれます。

ときどき、誰かと自分を比べてがっがりしたり、自分がとってもつまらなく思えてがっかりすることがあるけど、「すごいなぁ」と感じた人がしている努力や習慣に目を向けると、自分にもできるのにやってないことがたくさん。周りから見て恵まれてる人は、今あるいろんなことに感謝して活かしているな。
(千代里さん:エッセイスト・元新橋芸者)

自分の人生なんやから、ほんまは誰の承認も、誰の賞賛もいらん。でも、本心を定めきれず、責任をとる肚も括りきれへんとき、つい、常識や人目という測りに載せてしまう。そして人から認められることを行動の出発点にしてしまう。自分で自分を認めればいい。自分の人生に責任を持てる人になりたい。
(千代里さん:エッセイスト・元新橋芸者)


将来の自分は今の自分が作る。自分の子どもは,「自分の人生に責任を持てる人」になって欲しいですなぁ…。まずは,自分の言動に責任を。


敵と味方はともに我々の思考と行動の産物です。我々は敵の創出に責任があり、だから我々自身の思考と行動に気づくことのほうが、敵や味方と関わるよりも重要なのです。
(クリシュナムルティ:インドの哲学者・宗教家)

敵を作った自分に責任がある…深いですね。



2学期の活動予定

①9月13日(木) 旧生徒寮西談話室
 10:30~12:30 定例会:持ち寄った絵本や童話の紹介とおはなし会用絵本の選定
             子育てトークなど(グダメギも?)
 13:05~13:20 お昼休みのおはなし会(初等読書室)

②10月18日(木) 旧生徒寮西談話室
 10:30~12:30 定例会:持ち寄った絵本や童話の紹介とおはなし会用絵本の選定
             子育てトークなど
 13:05~13:20 お昼休みのおはなし会(初等読書室)

③11月15日(木) 旧生徒寮西談話室
 10:30~12:30 定例会:持ち寄った絵本や童話の紹介とおはなし会用絵本の選定
             子育てトークなど
 13:05~13:20 お昼休みのおはなし会(初等読書室)

④12月(日程未定)
 学年別のおはなし会を予定していますが,日程は先生方と相談の上決定となります。



【お知らせ】
今年度は,残念ながら,バザーでのおはなし会は催さないことになりました



※グダメギ=愚痴(津軽弁)

『なかまことばえじてん』深谷 圭助/鈴木 アツコ

2012年09月03日 | 日記
夏休みの宿題,自由研究,自主学習,日記…と,作文物で最終日まで,バタバタしていた我が愚息。

語彙の乏しさに,ありゃりゃ…と,親として「ちょっとこれでは…」と,今の息子の実力を見せつけられたしだい(笑)

なんとかならんものか…と,図書館でウロウロしていて,たまたま見つけたこの本。

上手くまとめられていて,私自身も大変勉強になった。

「うれしい」,「悲しい」を表す言葉がこんなにあるなんて!

たとえば,「うれしい」や「楽しい」を表現する言葉。

「有頂天」…すっかり喜んで夢中になること。
「気分がよい」…気持ちが良くて楽しい様子。
「胸が膨らむ」…希望や喜びで胸がいっぱいになる様子。

その他,「眼を輝かす」,「笑いが止まらない」,「愉快」,「声が弾む」などなど。
たくさんの例文と共に,楽しいイラストとともに紹介されている。

・「話す・聞く」をあらわすことば
・「好き・きらい」をあらわすことば
・「痛い・つかれる」をあらわすことば
・「笑う」をあらわすことば
・「おどろく」をあらわすことば

などなど…。

ひとつひとつの言葉・表現が,個性豊かなキャラクターたちによって,動作や顔でも表現されており,眼で見ても印象づけられるようになっています。


なんでもかんでも「キモイ」,「ダサイ」,「ウザイ」,「ムカつく」で済ませてしまう傾向にある最近の子どもたち。自分の気持ちをもっと上手に表現できるようになって欲しいものだ。

『いじめと戦おう!』玉聞伸啓

2012年07月16日 | 日記
著者自身が、いじめっ子といじめられっ子を経験。

いじめの「しくみ」が、子どもにも分かりやすく書かれています。

いじめをどのように克服したか、多くの体験談も載っていて、参考になります。

著者は、いじめっ子を改心させるのは難しいし、無理だと言っている。

私も、残念ながら、そう思う。

大事なのは、いじめを見たら、周りの人がどうするか。


仲間外れを怖がって、いじめられていると言えない子ども。

仲間外れを怖がって、いじめに加担する子ども。

仲間って、怖いときは怖い。


「集団になるとねぇ…」と、それで終ってしまっている親が多い。

ならば、その集団心理とやらについて、大人がよく理解しておいた方がよいかと。
子どもの世界のことだけではないのだから。

世の中を驚かせる大きな事件は、意外にささいなことから発生することが多いものです。集団効果でその問題を大きく発展させることのないように、一人ひとりが集団心理 の特性を理解しておくことが、大切なリスク管理につながるのではないかと思います。

【いじめ、暴行・・・集団心理が危険な結果を招くわけ】より
http://allabout.co.jp/gm/gc/395998/

『広い海へ出てみよう』さかなクン/『立ち向かわなくてもいい』松井秀喜さん

2012年07月12日 | 日記
「広い海へ出てみよう」東京海洋大客員助教授・さかなクン


 中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。
 でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

 広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

 中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。

 ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。

(朝日新聞2006年12月2日掲載)


「立ち向かわなくてもいい」大リーガー・松井秀喜さん

 君は、無理して立ち向かわなくていいんだ。
 学校やクラスにいても楽しくない。仲間にうまく入れない。それなら、それで、別にいいんじゃないかな。だれかがつくった世界に君が入らなければいけない、ということはないんだよ。

 それより、君には、居心地のいい場所で、自分の好きなことに夢中になってほしい。何かに没頭(ぼっとう)することによって、いやなことが気にならなくなることって、あると思うんだ。逃げるんじゃない。自分から好きな世界を選ぶんだ。その中で同じ夢を持った友だちに出会うこともあるだろう。新しい仲間ができるかもしれない。

 ぼくは小さいころ、体が大きいだけでなく、太っていた。それを悪く言う友だちがいたかもしれない。ぼくはまったく気にならないタイプだからコンプレックスを感じることもなく、ただ大好きな野球に没頭していた。そのうちに、自然と体も絞(しぼ)れてきた。もちろんいい仲間とも、たくさんめぐり合うことができた。

 だから君にも大好きなことを見つけ、自分の夢を持ってほしいんだ。スポーツが好きな人もいれば、音楽が好きな人もいるだろう。何かを書いたり、つくったり。見ることでもいい。どんなことでもいいんだ。大好きなものに出会えたら、それを大切にして欲しい。

 君をいじめている人がいるとしたら、その人もきっとつらい気持ちでいると思う。だって、人をいじめることが夢なんて人はいないはずでしょう。いじめは夢の遠回りなんだ。その人にも、自分の夢を早く見つけて欲しいと言いたい。後悔(こうかい)するような時間は、短い方がいいからね。

 だから、いま君が立ち向かうことはないんだ。

(朝日新聞2006年12月6日掲載)


アサヒ・コムより
http://www.asahi.com/edu/ijime/




6月の定例会のお知らせ

2012年06月09日 | 日記
大型の台風4号もどうにか、夜のうちに通過してくれて、無事にお子は登校しました。



まったく、読み聞かせと関係ない話かもしれませんが…。



学習指導要領が改訂され、仕事柄、新課程の教科書のチェックをしておる。

特に高校生物にいたっては、バイオサイエンスの発展が目覚ましいということもあって、我々が習得した頃とは、内容が遥かに進んでおり、「ここまで教科書に載せるのか~!」と驚くばかり。

入試問題なども、最新のバイオ技術(PCR法とか以前は無かったし…)を問われたり、サイエンス系時事問題のチェックも欠かせないので受験生は大変だなぁ~。

日々、科学系(おもに生物寄り)のニュースをチェックしていると、

我々が教科書で習ってきたことが覆されるような内容があったり…

DNAは染色体の中で適当に折りたたまれている
→http://www.nig.ac.jp/Research-Highlights/992/1018.html
きちんと折りたたまれていると習ったんだよね、たしか…

肝臓の再生を担う肝細胞の驚くべき性質を解明
→http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240601_02_j.html
いろんな常識が覆されちゃうんですよね~。

そういえば、昔は、かさぶたをつくった方が傷口の治りが早いと言われていたのに、今では消毒もしないでさっと洗って湿潤状態にした方が治りも早いし傷も残りにくいそうな…。

やぎゅうげんいちろうさんの『かさぶたくん』の今後が心配…。


それに、こ~んなブタちゃんが作られていたり…
免疫不全ブタ開発に成功 体内で人間の肝臓作れる可能性
→http://digital.asahi.com/info/?ref=comkiji_a

将来、養豚業者は食肉用ではなく、臓器培養用のブタちゃんで販路拡大?なんちゃって。


真理の探究から医療に役立つのは素晴らしいと思う反面、どこまで神の領域に入り込むつもりなのか…と、いつも思ってしまうのは私だけ?