物欲大王

忘れないために。

チャールズ・R・ジェンキンス「告白」

2007年06月11日 02時01分44秒 | 読書、書評
告白

角川書店

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日本人拉致被害者の一人、曽我ひとみさんのご主人ジェンキンスさんの本である。
読んでみたかったのだが、文庫本になっていたので購入。
報道だけでは知り得なかった事実が書いてあった。
本物のノンフィクションと呼べるのはこういう本なのだろう。

軍から脱走し、北朝鮮に逃げ込んだジェンキンスさん。
その時はまさか北朝鮮が「あんな国」だとは思ってもいなかったらしい。
当時北朝鮮はバリバリの社会主義。
アメリカ人のジェンキンスさんにとって「ありえね~~」的な事が日常なのである。
彼も「自己批判」をやらされたそうだ。つか、映画でしか観たことがないよ。自己批判。
北朝鮮側に顔色を伺いながら従順に生活していたのかな?と思っていたが、結構不良外国人だったそうで(笑)。
監視員の目を盗みながら結構悪い事をしていたそうで。
もうお茶目なんだからジェンキンスさん。
2人の娘さんにも「この国(北朝鮮)は間違っている」と教えていたそうだ。
ジェンキンスさん一家が日本に来日するまでの経緯も書いてあり、「知らなかった事」が多かった。

曽我ひとみさんが一人で日本に帰国し、北朝鮮に帰らないことを宣言。
その後、日本のテレビがジェンキンスさんにインタビューした事があるが覚えているだろうか?
ジェンキンスさんは「なぜひとみを北朝鮮に帰さない!」とブチ切れていて、「ああ。北朝鮮に言わさられているんだろうな」と思っていたが、
ガチでキレていたらしい。
一人になったジェンキンスさん寂しくて
酒浸り
北朝鮮を脱出したのは、それが一番の目的ではなく、とにかく家族一緒に暮らしたかったのだろう。
家族って大事だなぁと感じた実話だった。

 2~3日で彼の人生を読了し、軽い気持ちで感想を書いてしまったのだが、本人は1冊の本だけでは語り尽くせない辛さがあったのだろう。
ごめんなさい。ジェンキンスさん。
今では佐渡でのんびり暮らしているそうだ。
他の拉致被害に遭われた方々も早く帰国できる事を祈りたい。
評価5★★★★★(5段階)

北野武「監督・ばんざい!」

2007年06月11日 00時34分05秒 | 日記
妻と近所の映画館へ北野監督の最新作「監督・ばんざい!」を観に行ってきた。
評価が分かれる映画だとは思うが、俺たち夫婦には面白かった。
ていうかすっげーバカバカしくて楽しかったな。
ストーリーを簡単に説明すると、映画監督 北野武の頭の中はどうなっているんだろう?
という感じ。
大笑いしたのがラーメン屋のシーン。
とある親子が代金を返して貰おうとラーメンにゴキブリを入れようと画策。
すると隣の席のプロレスラーの様な団体も「ラーメンにゴキブリが」入っていると店主に詰め寄った。
「オーナーを呼ぶ」と店員。
出てきたのは白衣を着た蝶野選手と天山選手。
ラーメン屋で壮絶なプロレスが始まった。

もう笑いすぎて腹が痛かった。
だってラーメン屋でプロレスなんだもん。
そう。まんまプロレスなんですよ!
試合終了後(?)はうやうやしく頭を下げる蝶野選手と天山選手。
こうやって書いている今でも思い出し笑いが止まらない。
プロレスファンなら必見!(とはいってもそんなにプロレス好きではないが)
蝶野選手のあの声がスクリーンで聴けるとは(笑)。
そう。あの声。わっかるかな?

ビートたけしのベタなギャグが好きな人にはオススメの作品でした。

小説版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」

2007年06月11日 00時02分09秒 | 読書、書評
小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

集英社

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 これは買い。買っておけ。
国民的マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」を日本の小説家が書いたらどうなるか?という企画物。
7名の作家が描いているのだが、メンバーが凄い。
大沢在昌
石田衣良
今野敏
柴田よしき
京極夏彦
逢坂剛
東野圭吾

圧巻である。それもそのはず日本推理作家協会のコラボレート作品なのである。
とはいってもあの「両さん」だから参加したのだろう。
この小説版「こち亀」では色々な「両さん」が登場する。
石田衣良版ではマコトの依頼人として登場。
いつもの「池袋シリーズ」の展開なのだが、ここでの両さんはすげ~格好いい!
そんな感じで各々の作風が影響して面白い。
逢坂剛版はちょっとブラックな両さんで、東野圭吾版はマンガの「あり得ない」両さん。
個人的に好きなのは今野敏「キングタイガー」。
定年を迎え葛飾区に戻った警視庁の元警視。
退官後、小学生の頃ハマったプラモデルづくりを再開。
近所の模型店に行くと店頭に素晴らしい戦車の模型が飾ってあった。
店主曰く、「派出所のお巡りさん」が作ったそうだ。
名前は「両さん」というそうだ……

粋で、尋常に厚く、ガサツだけど格好良くて……皆が知っている両津勘吉がそこにあった。
評価5★★★★★(5段階)