物欲大王

忘れないために。

戸梶圭太「CHEAP TRIBE」

2006年08月19日 08時25分34秒 | 読書、書評
CHEAP TRIBE―ベイビー、日本の戦後は安かった

文藝春秋

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~~炭鉱労働、安保闘争、『ノストラダムスの大予言』や『エクソシスト』の大流行、某ヨットスクール事件に、バブル崩壊と援助交際…。戦後日本を象徴するチープな事件をモデルに、運命に翻弄され、転落の一途をたどる主人公・沼田永吉の人生を描く。日本の昭和は、これでよかったのか?霞っ子クラブと著者との座談会を収録(アマゾンより)~~

 世紀のダメ人間沼田永吉の生涯を描いた作品。
ダメ人間を描くのが得意の著者だが、今回の主人公はホントどうしようもない。
もう読んでいて
哀れ。

勝ち組セレブが書いた本を読んで夢を見るのも良いが、この本を読んで現状の幸せを感じた方が現実的だろう。
「俺よりも最低人間がいるんだ」とかなり前向きになってしまう、ある意味素晴しい自己啓発本。
でも、心して読むように。夢も希望もない小説でかなり凹む。
だって哀れなんだもん。
評価★★★★★(5段階)
※徹夜明けでかなり適当(パート2)


柳原慧「パーフェクト・プラン」

2006年08月19日 07時51分10秒 | 読書、書評
宝島社文庫「パーフェクト・プラン」

宝島社

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最近話題の新人賞「このミステリーがすごい!」第2回大賞受賞作。
新人作家の登竜門であるだけに、濃く詰まっている印象。
身代金を受け取らず、5億の金をせしめるという面白いプロット。
代理母、幼児虐待、オンライントレード、ES細胞などなど
それぞれのテーマで小説が書けそうなものだが、著者は全て約400Pの作品に詰め込んだ。
ゴチャゴチャになるのかな?と思ったが、上手く噛合っていたのが驚き。
今後が楽しみな作家で、今度は一つのテーマでじっくり書いて欲しい。
評価★★★★★(5段階)
※徹夜明けでかなり適当。