ISIの上にも30x年

映画を見た時の感想を入れときます

2014/05/15 「ボウリング・フォー・コロンバイン」

2014-05-15 00:00:00 | 日記
ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年米カナダ独)

 99年。コロンバイン高校で銃の乱射事件が発生し、多くの生徒が殺される。
ライフル協会の会長チャールトン・ヘストンは、
事件の10日後に事件の地を訪れて集会を開き、住民感情を逆なでする。
事件以降、生徒たちを危険視する風潮が広まり、
持ち物検査で武器を持っているとされた生徒は停学に。
犯人はボウリングをしてから犯行に及んだと言う。
ボウリングが事件に影響を及ぼしたと言う事はないだろうか。
米国の銃犯罪による犠牲者は、年間1万人に及び、諸外国より2桁以上多い。
事件は多くの場合、黒人男性のせいにされ、センセーショナルに報じられる。
カナダのある町で3年間に起きた射殺事件は1件のみ。犯人は米国人だった。
カナダにも黒人は多く、銃の所持者も多い。だが市民は必要以上に警戒しないのだ。
対する米国人は好戦的で、他国にも干渉する。
6歳の少年が6歳の少女を射殺する事件が発生。ここでもヘストンは集会を行った。
少年の母親は貧しかったが、911以降、米国は貧困問題を後回しにしてきたのだ。
ムーア監督は、コロンバイン高校の事件で負傷した生徒と共に、
犯人に銃弾を売ったKマートを訪れる。
事件について追及すると、Kマートは段階的に銃弾の販売をやめると告げる。
監督は続いてヘストン邸を訪問。
ヘストンは、ライフル協会の会員だというムーアを歓迎するが、
事件についての意見を求められると退散。
その後も米国で銃は売られ続けるのだ。

 と言うわけで、マイケル・ムーアによるドキュメンタリー。
米国のコロンバイン高校で銃の乱射事件が発生。
この映画は、事件自体についてはほとんど描かず、
なぜ米国でこんな事件が起こったかを追う。
銃犯罪による米国の犠牲者の数は、他の国に比べて突出。2桁違うらしい。
その理由として、世間では人種差別や貧困なんてものが理由に挙げられる。
だから仕方ないのだと。
だがそうした状況は他国もたいして変わらず、それが理由とは言えないのだ。
一番面白いのはカナダとの比較で、
かの地の住人は、護身用として銃を持つ事は持つのだが、
実際に撃つつもりはなく、玄関の鍵もかけないと言う。
対する米国は、いつ誰に襲われるかわからないと疑心暗鬼になり、
ともすると過剰に警戒してしまうように。
ムーアによる作為も感じられるが、
ここで言うカナダの考え方から、米国の考え方に切り替わる時が一番危険て事ですね。
その責任がヘストンだけにあるとは思わないけど。
コメント
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