旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

野生のカエル

2009年10月08日 | 旅行一般
 台風18号の影響もあって、ここ数日は悪天候続きでしたね。いつもはバイクで移動している私も今週は電車で移動です。事務所までの移動は片道につき約30分追加となりますが、普段なかなか読み進めていない類の本を読むちょうど良い時間と考えて電車に揺られ、東京トレッキングのコースに使えそうな所をがないか注意を払いながら駅からの道中を進みます。
 
 そんな私の目に飛び込んできたのが写真の看板。神保町駅から靖国通りを東へ進んでいく途中で発見したのです。よく読んでみると、”人類よ、野生にカエレ”と書いてあるわけですが、私には”野生のカエル”に見えました。ワイルドステーキセットはカエルのステーキなのだと理解した私は、料理そのものの写真を見ながら、それにしてもカエルをどういう風に捌けばこのステーキのような形になるのかを立ち止まって考えていました。

 過去の記事でヘビを食べ、犬を食べた事に触れた事がありますが、もちろんカエルは食べた事があります。日本でも食べますし癖のない味はけっこう好きです。でも、カエルのステーキというのは食べた事ありませんし、神保町の表通りでいくら”ワイルドステーキセット”とはいえ、カエルのステーキをこれだけ大々的にプロモーションするお店はどんな種類のお店なのか、想像をめぐらせている途中でようやく、”カエル”じゃなくて”カエレ”である事に気がついたのでありました。

 少なくともこの看板は私を立ち止まらせ、写真まで撮らせるだけの力を働かせたわけで、10月限定キャンペーンの看板としては成功作と言えましょう。

 カエレをカエルに見せたのは私の先入観あるいは偏見という奴ですね。ここの看板から離れながら私が考えたのは、私にとって、”カエレ”は”帰れ”と記述されるものであってカタカナで記述されるものではないという固定観念があったのだという事です。

 慣れ親しんだ日本語を読むという行為においても、時として先入観は目で見た事実とは異なる情報を脳に届けることがあるという事を改めて確認した次第です。

 旅に情報収集は欠かせないという意見がありますが、あなたが収集した情報は、あなたに先入観を与え、事実とは異なる体験をあなたの脳に届けていないでしょうか。情報収集を行う際にはそれが固定観念、偏見、先入観を形成することがないように細心の注意を払う必要があります。

 いや、そんな事に細心の注意を払うのは面倒なので、いっその事、情報収集そのものをやめてしまう勇気を持ってみてはいかがでしょうか。旅に情報収集が欠かせないと言っている旅行者は、結局、既に他人が歩んだ轍だけしか歩けない旅行者であることを公言している事でもあるのです。

 旅人なら人が歩んでいない荒野を目指すときがあってもよいと思います。まさに”人類よ。野生にカエレ”というわけです。


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2 コメント

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Unknown (sina)
2009-11-02 16:34:23
そろそろ落ち着きましたか??♪
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あともう一息 (E&G)
2009-11-02 17:15:50
あともう一息です。頑張ります。
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