もとなりくんの「今週の政治 ‘とんでも’」

日本の経済、安保危機を打開する力は、国民の結束と強い政治しかない

「反日」がままならなかった中韓首脳会談! 安倍外交の毅然たる姿勢、戦略性の賜物だ!

2013-06-29 19:32:48 | 政治
韓国の朴大統領が27日、国賓として中国を訪問し、習国家主席と会談した。そこでは、北の核、FTA交渉の進展、情報通信、金融、エネルギーなど各分野での協力強化や文化交流強化などが話し合われたが、これらはどの国でもやるありきたりのメニューだから取り立ててどうこう言うことでもない。注目すべきことは、領土や歴史認識問題での「反日」連携が、強く打ち出されるのではとの予想もあった中で、結果は極めて抑制的なものにとどまったことである。
「(日本非難をする)一方で、日本との関係改善を模索する様子もうかがえた。共同声明では、中韓が最近、日本を念頭に歩調を合わせていた歴史認識問題や領土問題については言及せず。「日中韓の関係発展は、北東アジアの平和と繁栄に重要な役割を果たす」と盛り込み、日中韓首脳会談の年内開催を検討することも合意した。」(28日 日経)
これは方向としては歓迎すべきものではあるが、韓国、中国にとっては、やむを得ずそうなったもの、つまり不本意な結果だろうから、日本は内実をしっかりつかんで、今後の対処をしていく必要がある。つまりこの結果をもたらしたものは、安倍政権が進めている、日米の強い同盟関係の再構築、そして中国包囲外交の成功、さらにはアベノミクスに対する世界の期待などであるだろう。両国が本心から「日中韓関係の改善、強化」を望んでいると早合点、誤解すると、日本外交は再び誤った方向に迷い込むことになるので、このことには強い注意が必要である。

《中国、韓国はいずれも危険な時代錯誤の妄想国家だ! 尖閣を奪取して太平洋進出することにより、世界制覇を狙う中国、日本の国際的地位と利権を奪おうとする韓国》
確認されるべきことは、中国や韓国は非常に危険な時代錯誤の妄想を抱いている国家だということである。習主席が唱える「中華民族の偉大な復興」、「中国の夢」とは、世界制覇の夢であり、まずは米中二か国で世界を分割統治すること(「G2」論)であるだろう。尖閣は、東シナ海の海洋権益、資源を確保する意味で重要であるばかりか、中国が太平洋に進出するにあたってどうしても奪取しておかねばならない戦略的海域でもある。他方、韓国は、日本が得ている国際的地位、利権を横取りしようと虎視眈々と狙っている。韓国にとって日本を越えることは民族の悲願なのだ(異様な情念!)。このような両国が、尖閣あるいは竹島を奪取することを含めた彼らの野望を実現するための有力な武器が「歴史認識問題」であり、これをベースに「戦勝国クラブ」を作ることである。これで日本を揺さぶると同時に、日本タタキを実行して、日本の力を弱め、彼らの目標を実現しようということである。
これらは荒唐無稽な目標、外交路線ではあるが、かつての日本外交がこういうエゴに満ちた政略的外交とは無縁の、ひたすら戦争の贖罪と、日中と日韓の友好親善を目指す純情路線のそれであったがために、彼らの策動は効を奏することとなった。長期政権にあぐらをかいて腐敗堕落したかつての自民党政権は、「歴史認識問題」によって完全にかき乱され、国政を混乱と低迷に貶めた。両国の策動は、中韓の傀儡と言ってもよいほどの親中韓の政権、民主党政権を作ったことで頂点に達した。民主党政権の三年間で、日本は著しく国防力を弱め、領土を侵略され、経済状態を悪化させ、国際的影響力を低下させた。

《「反日」はあっても、日韓友好、あるいは価値観による日韓連携などは眼中にない韓国》歴代の韓国大統領は、米国に次いで日本を訪問していたが、今回は慣例を破って先に中国を訪問した。このことはほとんどの国内メディアが一種の衝撃をもって報じていることである。しかし、これは事実であるにしても、当然と言えば当然のことであり、ことさら驚くようなことではないだろう。もともと韓国には(中国もそうであったようだが)日本と協調してうまくやっていこうという気がなかったのだから、本音が出たということだろう。これまでしぶしぶながらも日韓連携、友好などと言っていたのは、日本に強い経済力があったこと、そして米国からの「日米韓」連携の強い要求と圧力があったからこその話である。しかし今や日本の経済力はかなり落ち、代わって中国が台頭し、米国の力もかつてほどではない。金、力の切れ目は縁の切れ目でもある。「韓国関税庁によると、12年の輸出総額に占める対中輸出は24.5%。米国の2倍、日本の3倍に達している。」(27日 日経) 朴大統領が日本より先に中国を訪問したというのは、こうした現状を反映したものであると同時に、韓国が「自由や民主主義」と言った人類普遍の価値観で行動する国ではなく、金と力、そして不合理な情念で動く国であることを示すものでしかない。
韓国は「反日」が国是とでも言うべき国であり、「反日」のためなら何でもするという異様な国であることをしっかり抑える必要がある。米韓首脳会談では、北問題で意図的に「日本外し」を行い、国防よりも「反日」が重要であるかのごとき態度を見せた。「慰安婦」への保障要求、対馬の仏像強奪事件、靖国放火犯引き渡し問題、駐韓日本大使館前の「慰安婦像」設置などの問題で見られるように、「反日」のためなら、日韓条約、協定、国際条約を破ることなど平気でやる国なのだ。今回、韓国がとった「中韓蜜月」の行動は、韓国に実益をもたらすと同時に、日本に一泡吹かせる面でも意義ある、まさに一石二鳥の方策だったはずである。

《空回りの外交、経済不振で焦りを強める中韓! 安倍外交、そしてアベノミクスによって、動きがままならなくなってきた中韓》
中韓は、安倍政権の誕生、そして閣僚などの言動を日本の「右傾化」、「軍国主義化」と騒いでいたし、「慰安婦」問題の橋下発言は日本タタキに最適な環境であるようにも見えたはずである。にも関わらず、今回の中韓首脳会談で、国際的「反日」プロパガンダに打って出ることができなかったのは何故か。それは安倍外交が日米同盟の再構築に成功し、対中包囲網を構成する外交を成功させ、中国や韓国の外交を空回りさせ、彼らの動きを強く牽制したからに他ならない。更に、先月、「慰安婦」問題で、橋下氏が、日本の主張を世界に発信し、韓国や米国も慰安婦を使っていたことを指摘したことによって、韓国の策動が強く制約されることになった。なにしろ、日本批判は、そのまま自分たちの批判、主要先進国の批判につながる可能性があるわけだから、慎重にならざるえを得なくなった。
中韓が従来から目指している「戦勝国クラブ」を作って日本包囲網を敷こうという時代錯誤の戦略も空回りしている。
「昨年11月に発足した習近平指導部は日本との対決姿勢を強めており、第二次大戦の戦勝国を軸に歴史問題で対日包囲網をつくろうとした。共産党筋によれば、習主席はこれまで、ロシア(3月)と米国(6月)を訪問した際に、米露に対し歴史問題で日本を牽制する内容を共同声明に盛り込むように要請したが、いずれも拒否されている。…略… 一方、韓国の場合、朴槿恵大統領が5月の米韓首脳会談で、当事者ではないオバマ米大統領に対し、日本が「正しい歴史認識」を持つことが重要だと発言した経緯がある。米国はその後、韓国に「突出した日本批判を避けるよう強く働きかけてきた」(日米外交筋)とされる。」(28日 産経)
なお、そもそも、現在の中韓は「戦勝国」ではないということはしっかり確認される必要があるだろう。中国で一応形式的に戦勝国と呼べるのは蒋介石の国民党であり、現在の中国共産党によって統治されている中京ではない。日本の一部であった韓国は、日本との戦争を全くしていないのだから、戦勝国どころか参戦国ですらない。このように、日本と戦ってもいない国が、「戦勝国」面をして、「戦勝国クラブ」を作ろうとするのは笑止千万であり、本当の戦勝国から見れば不快以外の何物でもないだろう。それよりも重要なことは、中国が今まさに、「新帝国主義」国家として、近隣諸国への侵略行動を強めていることであり、批判されるべきものはこの中国の行動なのである。
中韓にとってもう一つの足かせは、経済の問題であろう。昨年まで日の出の勢いのようにもてはやされていた中国、そして韓国の経済の先行きに暗雲が垂れこめている。両国の問題は多岐にわたるし、根が深いのでここではこれ以上述べないが、要は「反日」に力を入れる余裕がなくなってきているはずである。それどころか、かなりの期間の日本との関係悪化の影響が経済にも及び始めている。両国は日本の協力なくしては、自分達の繁栄は難しいことに気づき始めたのかもしれない。これに対して、日本のアベノミクスが今のところ順調に推移し、世界的に注目を集める中で、中韓の存在感が薄くなっていることも彼らにジレンマを与えているはずである。
だから、今回中韓が「日中韓」の重要性に言及したからと言って、これをもって彼らがようやく日中友好、日韓友好に対する日本の誠意を理解してくれたと考えると、とんでもない間違いとなる。彼らは「水に落ちた犬は叩け」という考えの国であり、日本のように「水に落ちた犬は救え」というような甘い国ではないのである。さらにここで次の二点には注意が必要であるだろう。
一つは、中韓は、「反日」を国内政治の混迷を乗り切る常套手段にしているわけだから、彼らが苦境に立てば立つほど、「反日」カードを使う可能性があることである。日本はいかなる「反日」行動にも断固反撃していかねばならない。
二つ目には、「日中韓」の連携を言うことは、「日米韓」の連携を切り崩すこと、すなわち米国外しに流れる危険を持つことでもある。これは鳩山元首相の「東アジア共同体」構想に通じるものである。これは、尖閣を巡る野中発言、鳩山発言などを始めとする日本国内の親中勢力の策動環境を整えるための作戦とも見える。日本はこうした国内分断工作、日米の分断工作にも断固対処していく必要がある。

《中韓を現実より大きく見せかけ、「日本の孤立」などという虚偽によって、日本に不安を与え、譲歩を迫ろうとする策動に惑わされぬことが重要!》
現実は以上に述べたようなことであるにも関わらず、国民にゆがんだ、誤った認識を与えるような論調がある。次はその例である。「中韓の接近に日本政府内では「孤立化」懸念も出ている。中韓との関係改善を図るため、日本はブルネイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に合わせ、岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相の会談を7月1日にも行う調整をしているほか、中国の王毅外相とも非公式な立ち話などでの対話を模索している。」(27日 毎日)
今回の首脳会談によって「日本の孤立化」が深まったなどととらえるのは、おかしな状況認識である。孤立しているのはむしろ中韓なのだ。このようなセンス、能力しか持ち得ない政治家がいるとすれば、そういう無能な政治家には辞めてもらうしかないだろう。韓国、中国との関係改善を目指すのは良いとしても、姑息なすり寄り、無原則な譲歩や妥協は禁物だ。
「安倍政権は政権発足から半年が経つが、中韓両首脳と会談する見通しは依然立っていない。まず日韓関係を改善し、対中関係で国際世論の理解を得たい日本の戦略に影響が出そうだ。」(28日 朝日) これもおかしなニュアンスだ。日本がいかにも首脳会談を切望しているかのような表現であるが、安倍首相は中韓に会談を懇願しているわけではない。中韓が会談をしたいと言えばするし、したくないのであればそれはそれでやっていくということである。また、現在のような状況下で韓国が、日本の味方をするはずがないのだから、安倍首相は、(表面はともかくも)こんな甘いことは考えていないはずだ。
これら二つの内容は、中韓を誇大視し、日本を弱く見せるだけの、虚偽であると言わざるを得ない。かつての日本ではこうした虚偽が、日本の不安、焦りを誘い、日本をして無原則、無節操なすり寄り、譲歩、妥協に走らせていた。しかし、安倍外交では、こんな幼稚な考え、行動はない。日本は、こんな虚偽の論調に惑わされることなく、毅然たる態度で国益を守る外交を展開すべきであるし、安倍首相はこのことをしっかり理解しているはずだ。いま求められていることは、国民が安倍外交を支持し、日本外交をより強固なものへと進化させることであるだろう。

参院が衆院の「0増5減」を‘不採決’! 機能不全の参院は根本的に改革されるべきだ!

2013-06-22 21:49:26 | 政治
国会のこんな堕落ぶりを見せつけられると、政治不信が増大するのも無理からぬことと言えるだろう。
「衆院小選挙区定数の「0増5減」を実現する区割り法案は21日、参院に送られてから60日となり、憲法59条で衆院が否決されたとみなすことができる期限を迎えた。 自民、公明両党は採決のため参院本会議の開催を求め、応じなかった平田参院議長(民主党出身)の不信任決議案を提出した。東京都議選の投開票や参院選を控え、与野党の駆け引きと非難の応酬が激しくなっている。このあおりで、電気事業法改正案など参院で審議中の法案成立に黄信号がともった。 衆院議院運営委員会は21日午後の理事会で、参院が区割り法案を否決したとみなし 24日の本会議で再可決の手続きをとることを決めた。与党などの賛成多数(出席議員の3分の2以上)で成立する見通しだ。」(6月22日読売)。違憲の定数是正は緊急課題だから、衆院での再可決を行うことは当然のことだ。しかし、採決をしないという参院のやり方は、なんとも腹立たしく情けない話である。

《あぶりだされる民主党の出鱈目さ、そして参院の堕落、弊害 院としての意思を示さないのは自殺行為だ!》
この責任は党利党略を優先させた参院第1党の民主党にある。そもそもこの法案は、野田前首相が昨年11月に衆院解散の前提とし、民主党も賛成して成立した「0増5減」関連法案に基づいて提出された法案だから、民主党が法案を審議しないこと自体、理屈に合わない。現在 違憲状態にある衆院定数の是正は緊急の課題であり、定数の抜本的な改革の点で不満があるにしても、それはそれとして、ともかく、この法案に賛成か反対かの採決はすべきだった。
民主党の池口参院国対委員長は、参院の意思を示さなかったことについて「やろうと思ったがチャンスがなかった。いろいろなトラブルで採決できる状況ではなかった」と述べた。しかし、これは言い訳のための虚偽でしかない。法案が4月23日に衆院を通過して以来、民主党は与党側に衆院の大幅な定数削減や抜本改革への熱意がないとし、みんなの党の「18増23減」関連法案との並行審議を求めて審議入りを遅らせてきた。抜本的改革案については、与党(自公)、民主党、そして野党各党も、党利党略むき出しのばらばらな案であったので、今国会中にまとまるはずもなく、継続審議とするしかないことは明らかであった。にも関わらず、これの審議を要求し、あまつさえ みんなの区割案までからめたのは、「0増5減」を先延ばししようとする意図であったはずだ。これは、国会を混乱させ、政権の足を引っ張って、参院選に有利な状況を作り出そうとする党利党略の行動であるとしか言いようがない。また、採決を行い、この法案に反対して、民主党が違憲状態の解消に反対していることが国民に明らかになることを嫌がって、あるいは民主党内が反対と賛成に分裂することを回避するために、なんとかこの問題をうやむやのうちにやり過ごそうとしたものと思われる。国政のことなど一顧だにせず、ただただ党利党略のためだけに汲々としている民主党の、姑息さ、哀れを誘う発想がよく表れているではないか!
自民、公明両党が、平田参院議長(民主)に対する不信任決議案を提出したのは当然だ。これによると「新区割り法案は21日中に参院本会議で採決できる可能性があったにもかかわらず、平田議長が21日午前の参院本会議を散会したことで「参院全議員の法案に関する議論、採決の権利が剥奪(はくだつ)された」としている。」(6月22日 朝日)。

《堕落し尽くした参院の機構・機能の抜本的な改革が必要!》
参院が衆院の「カーボンコピー」化していると言われて久しい。参議院の「衆議院化」によって、元来参議院に期待されていた「良識の府」としての機能が、果たされなくなっている。現在では衆議院も参議院も「選挙区+比例区」の構成となっており、参院は完全に政党化し、衆院と同じような党派対決の場へと変貌した。今では参院は「政争の具」に堕落してしまっており、これに伴って、必要なことが「決められない政治」、時間と労力を浪費するだけで、何の価値も生まない参院のイメージが定着している。参院の堕落ぶりはたとえば次のようなことによく表れているだろう。「安倍晋三首相が(3月)29日の参院予算委員会で、憲法の条文に関する細かい質問を続けた小西洋之氏(民主)をたしなめる場面があった。小西氏から「包括的な人権規定といわれる憲法の条文は何条か」などと執拗(しつよう)に質問され、首相は「クイズのような質問は生産的ではない。聞かなくても調べればいいじゃないか」と不満顔。 首相を指さして「知らないとは内閣失格だ」と挑発する小西氏に、「大学の講義ではない」「このやりとりに何の意味があるのか」とあきれていた。」(3月29日 産経)
内外の緊急課題を分刻みでこなしている首相、首相就任以来ほんの数日しか休日を取っていない首相に対して、こんな馬鹿げたことに時間とエネルギーを浪費させる民主党、そして参院に対しては、「消えてなくなれ」とでも言いたくなるのは私だけだろうか。参院は根本的に改革されるべきだ。
日本維新とみんなの党は一院制を主張している。みんなは、一院制への移行について、「社会変化が激しい時代に、迅速に 決められる政治が絶対条件だ」(江口克彦氏)と強調。維新は「衆院と参院を廃止し、 新たな一院制の国会を創設する」(水戸将史氏)と唱え、「 衆参両院が対等合併する」(小沢鋭仁国対委員長)と言っている。これらは参院を廃止、ないしは、衆参を統合する案であるが、有力な案として検討する必要があるだろう。
一院制の利点としては、両院の意見が対立し、必要に応じた法律の整備が遅れるということがない。 両院の意見が一致する場合の議論の重複を省くことができ、速やかに立法が行われる。人件費、選挙実施費用といった経費を削減できる。
ところで、一院制を採用する国には地域的な偏りが見られ、例えば一院制を採用しているのは、西欧やアメリカ大陸ではほとんどが人口1000万以下もしくは1000万強であるのに対し、アジアや旧共産圏では人口に関係なく一院制を採用する傾向があると言われる。ただ、先進国と言われる国々は殆ど二院制で、一般的に先進国の部類の中で一院制なのはポルトガル、ギリシャ、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、アイスランド等である。
しかし、「政治学者のアーレンド・レイプハルトは、両院制を推奨する前提として(1)人口が多い(2)連邦制である(3)多民族国家である、のうち2つ以上に当てはまる場合とし、日本は「人口が多い」という条件しか当てはまらないため参議院は不要である、と結論付けている。」(ウィキペディア「参院不要論」)
だから、一院制導入に当たっては、次のような点の対策を十分にとる必要はある。議会内での両院相互の均衡と抑制(チェック・アンド・バランス)が働かない結果、議会が暴走する可能性があること。一通りの審議で法律が成立してしまうので、その時の雰囲気に流されて立法がなされる恐れがある。こうした点については、さまざまな対策案があるので、それは検討していけばよいだろう。
改革には、自民党がどう考えているかが重要になる。参議院不要論は長く政権を担っていた自民党から主張されることが多かった。「参議院不要論は単に「審議・採決の手間と時間を減らし、自民党の議案を通しやすくしたいだけではないか」との批判も強い。事実、与党時代の自民党は参議院で過半数拮抗(伯仲国会)や過半数割れ(ねじれ国会)になれば不要論を唱え、逆に参議院で過半数または安定多数になれば不要論を唱えなくなる傾向があった。そして、2009年に自民党が下野した後の2010年の参院選で参院で与党過半数割れ(ねじれ国会)になる一方で、自民党が野党第一党として影響力を大きく持つと参議院不要論は口にされることはなくなり、2012年に自民党が政権復帰を果たしてねじれ国会が問題になると、またしても参議院改革、そして一院制の必要性が論じられるようになった。」(ウィキペディア 同) 現在のところ、自民党は一院制に対しては慎重な姿勢を見せており、参院選でねじれが解消すると、消極的になる可能性がある。しかし、衆参のねじれが解消して、決められる状態になったときこそ、公平・中立で国益にかなう、長期的な政治の安定と効率化のための改革を実行できるチャンスであるので、自民党の当面の党利党略に安住することなく、改革を推進してもらいたいものだ。
参議院を不要とするのではなく、参議院の衆議院化こそが問題なのであり、参議院改革によって存在意義を取り戻せるという考え方もある。そのためには、各国の状況を見てみる必要がある。「上院は世界各国の例を見ると、間接選挙や任命制を用いるなど有徳有識の者を集めることを目的とされ、その議員は下院議員より敬われる傾向がある。また、国民の代表となる下院よりも権限が弱く、その有識者による議員立法や、下院をチェックし法案の修正案を提示することなどに特化して、存在意義を示している場合が多い。また、下院のような政党対政党の対決をよしとせず、政党化しないで中立な視点から有識者による審議を目指す傾向にある。)(ウイキペディア 同)。
参院を廃止するか、改革で対処するかは、検討と議論は必要だろうが、いずれにせよ、参院の機構・機能を早急に改革する必要があることは間違いないだろう。ここでも、改憲論議と同様、自民、維新、みんなの動きが重要になってくるのである。

《合わせて、国会改革が必要だ! 維新の提案は注目に値する!》
「日本維新の会は(5月)31日、国会改革案をまとめた。衆参各院で行われている首相の施政方針と所信表明演説を衆院か、参院のどちらかに一本化することを提言。首相が外交などに専念できるよう、副大臣を国会での主な答弁者と位置付けたほか、国会同意人事の対象を13機関(現行は36機関)に減らす内容。今国会中に法案化し、提出する方針。」(6月1日 毎日)。
良い提案と思う。首相の超過密スケジュールを、国益に直結した主要課題に重点的に使う必要があるだろう。それは外交、安保、そして経済などの主要な政策の検討、立案、それらの実現のための行動などに重点的に汗を流してもらうべきだろう。少なくとも、上述のような「クイズ審議」には使うべきではない。参院改革には、一定の時間を要するので、それまでの衆院と参院のダブり、無駄は徹底的に削減する必要がある。首相の施政方針演説や、国会答弁などがそうだ。同じことをなぜ二回もする必要があるのか?! 無駄削減は、何も予算の削減のことだけではなく、こういうことも含めて総合的に行うことが重要であるだろう。無駄削減と効率化は一体のものだ。

慰安婦問題 維新石原氏の橋下批判は‘らしくない’! 「タブー」に切り込まずして「維新」はできない!

2013-06-19 16:42:46 | 政治
各社の世論調査で維新の支持率が軒並み急落しており、これに焦りを募らせたのか、石原氏が橋下発言を唐突に批判した。
「日本維新の会の石原慎太郎共同代表は18日、共同通信のインタビューで、共同代表の橋下徹大阪市長による従軍慰安婦発言が党勢低迷を招いたことについて「大迷惑だ」と批判した。参院選の結果次第では、橋下氏の進退判断もあり得るとの認識を示した。橋下氏を擁護してきた石原氏が厳しい姿勢に転じたことで、日本維新の混乱が拡大する可能性もある。…略… 橋下氏の慰安婦発言について、石原氏は「言わなくてもいいことを言って、タブーに触れた。いまさら強弁してもしょうがない」と述べた。」(18日 共同)。
まったく石原氏‘らしくない’発言であり、維新の理念からしても問題ある発言と言わざるを得ない。これに対して橋下氏は、19日、次のように反論している。
「「(発言は)間違っているとは思っていない。有権者に繰り返し丁寧に説明していく」と述べ、撤回や謝罪をしない考えを示した。その上で「歯止めがかかる党だというのが表になって良かった。これが日本維新の会の姿だ」と強弁した。 参院選や東京都議選を控えていることを踏まえ「敵は外にいる。内部でエネルギーを割く時期ではない」と党内に呼び掛けた。選挙への影響に関しては「有権者に党内の議論を知ってもらうのはいいことだ」と述べるにとどめた。 慰安婦発言には、「ここまで幅広くこの問題が知れ渡ったのは(河野官房長官談話が出た)平成5年以降初めてだ」と自賛した。」(19日 産経)。
これは当然かつ正しい主張であるだろう(「強弁」、「持参」というのは色眼鏡と言うしかない)。

そもそも、維新の失速、急落の原因は、複合的なものであるだろう。もともとの大阪維新の異常とでも言うべき人気は、民主党、自民党のだめさ加減の裏返しだった。だから、安倍首相という強力な指導者を得た自民が勢いを取り戻した今、維新の存在価値が相対的に低下するのはある意味で当然である。旧「立ち上がれ日本」の切り札としての石原氏の参加も期待通りの支持の広がりが得られなかった。また、太陽の党と合流したことによって、大阪維新の斬新なイメージが損なわれたこともある(もちろん、太陽の、国会・国政ノウハウが得られたというメリットはあった)。大阪維新は地域政党であり、地域に根差した政治を手作りで行うことと橋下氏のキャラクターとの二つを売り物として伸張したが、国政に進出してそれが、素人くささ、国政ノウハウの不足というマイナスの形で表れてきたということもある。もともと理念や政策の違いが少なくなかった太陽との合流を行ったことは、「政策重視」という維新の看板を曇らせた。国政政党に脱皮するためとは言え、知名度はあるものの維新の斬新、清潔なイメージにそぐわない人たち、政策的に無節操な人たちを受け入れたこともイメージを悪くした。今回の橋下発言が、維新人気の低落に追い打ちを掛けたことは事実であるが、だからと言って、これにすべての原因があるかのような言い種はいかがなものか。
石原氏の発言で耳を疑いたくなること、それゆえ、より深刻な問題は、「言わなくてもいいことを言って、タブーに触れた。いまさら強弁してもしょうがない」と言っていることである。沖縄米軍に風俗を勧めることなどは、確かに「言わなくてもいいこと」であり、こういう発言をするようでは橋下氏の本性がこの程度であると誤解されても仕方がなく、これの撤回、謝罪は当然のことである。これはモラルの問題だから、「タブー」以前のことである。しからば石原氏の言う「タブー」とは「慰安婦問題」についての日本の立場を公にし、韓国、米国に反論し、国際社会に理解を求めることと言える。しかしこれがなぜ「タブー」なのか?! もしこれが「タブー」であるならば、これを破っていくのが、日本のやるべきことであり、日本維新がやるべきことではないのか? 日本が根も葉もないことで侮辱を受け非難されているのに、これを「タブー」視して、ひたすら黙り込むようなことで、どうして日本の「維新」ができようか、どうして日本に「立ち上がれ」などと呼びかけられるのか? 一体に、今回の橋下「慰安婦」問題においては、これまで国士気取りで、「濡れ衣を晴らせ」とか、「政府は何をしているのだ」とか、「韓国、米国はけしからん」などと言っていた政治家、知識人、国民の多くが(すべてではない!)、黙り込んでしまい、のみならず橋下批判に走ったように見える。本来 平沼氏などは、橋下発言以前の問題として「慰安婦」問題に先頭を切って取り組むべき立場であるはずだが、氏がこれまでにやる気を持って取り組んできたようには見えないし、今回の橋下発言に対しては、迷惑千万という態度であった。なぜ今回の騒動を「慰安婦問題」の不当性、虚偽性を訴える千載一遇のチャンスとして、橋下氏とベクトルを合わせて、国民と国際社会に訴えないのか?! これではいくら国士を気取っても、国民の人気取りのためのそれ、ポーズだけのそれということになってしまう。橋下発言の本旨は安倍首相、自民党の右派とも共有されているはずのものであるが、安倍首相は「日本政府の立場は橋下氏のそれとは違う」と述べた。これはいわばトカゲのしっぽ切りであるが、政党が違うのだし、何よりも安倍首相は日本の代表であるから、橋下氏の不用意な発言の尻拭いをするようなことになっては我々国民も困るので、これは止むを得ない意味がある。だからこそ、‘草の根’の運動、下からの運動が必要なのではないか。橋下氏は、維新(共同)代表であり、安倍首相よりははるかに発言しやすい立場にある。橋下氏の発言の本旨は正しく、そしてそれは「タブー」に挑む勇気ある行動なのだから、心ある国民はこれを擁護し、支持すべきであった(実際、こういう動きはある)。少なくとも、維新のメンバーがこれを擁護することは当然のことであるだろう。
現に石原氏も当初は「軍と売春はつきもの」として橋下氏を擁護していた。もともと橋下氏にはフライング発言が多く、物議をかもすことが多かった。そのような橋下氏に「義経(橋下)を守る弁慶になる」と言って大阪維新と太陽を合流させたのが石原氏なのだから、この程度の問題発言で、そしてこれくらいの維新低迷で、簡単に橋下批判に走るのは、‘らしくない’と言わざるを得ない。
いずれにせよ、橋下発言は、日本の主張を初めて国際社会に具体的に堂々と発信したという意味で、その意義は大きい。だから「いまさら強弁してもしょうがない」とはならない。橋下氏は先月27日の海外メディア会見で、2時間半にわたる説明、質疑応答をこなした。この種の会見は弁明だけに終始し、質疑応答などは形だけで早々に打ち切り、逃げ切りを図るのが一般であるが、橋下氏は質問がなくなるまで反転攻勢を含んだ積極的説明を続け、ついには、記者の方が疲れてしまったようだ。橋下会見以後、国際社会の日本たたき、特に韓国の理不尽で情緒的な「反日」合唱は勢いを失ったように見える(国連拷問禁止委員会などのマイナーなものはあるにせよ)。とにかく効果はあった!「言わぬことは聞こえぬ」のであり、国内だけでいろいろ言っても、海外に発信しないかぎりは国際社会には通じない。正しいことは断固として主張し、その実現のために果敢に行動していく、これが、維新の真骨頂のはずだから、維新は石原・橋下両氏の協力でもって今回の問題を乗り越えて頑張ってもらいたいものだ。

いよいよ選挙モード! 各党の現状概観_「日本の再生」に寄与する勢力の伸張を!

2013-06-16 00:28:45 | 政治
都議選(23日開票)が告示され、7月4日告示、21日開票の参院選と相まって、国内政治は選挙のモードに入った。今回の都議選では目立った都政上の争点がなく、それゆえ争われるテーマは国政のそれになるものと予想されている。ここで都議選の話をするつもりはなく、議論のテーマは国政のそれ、参院選のそれとして、主要政党の現状について概括してみたい。各党が何を言っているのかを示すために、各党の最初に6月14日付けの 読売記事「都議選告示、主な党首らの訴え」の中のキーになる主張を示した。なお、主要政党については、今後 別途個別に取り上げて、より詳しい議論をしたいと思う。

《1_自民党_ 安倍首相の強い指導力で、今のところアベノミクスも外交も絶好調》
安倍総裁_「経済においても、復興においても、教育においても、外交・安全保障においても、日本を覆っていた暗い空気、これは一変したと思う。…略…やはり参院のねじれを解消していかなければ、もっと、今進めている政策を加速化していくことはできない。ねじれを解消して力強く経済を成長させ、政治の安定によって強い外交力を得ていくためにも、前哨戦となるこの東京都議選、準国政選挙として臨み、勝ち抜いていきたいと思う」(首相官邸で_6月14日 読売 以下同)。
 
現在までのところアベノミクス、外交・安保が順調であり、そのおかげで日本の国際的な存在感も随分改善された。日本がこのように存在感を高めたのは実に7年ぶり、小泉政権以来のことである。国家の指導者がいかに重要であるかの証明と言ってもよいだろう。しかしながら、いろいろ不安要因も抱えており、諸手を挙げて喜んでいるわけにもいかない。政権、そして自民党の現状と問題点については、日を改めて、評価を加えていきたいと思う。

《2_民主_ もはや政党の体を成していない! もう歴史的役割は終えているので、解党してそれぞれが信じる道に進むべきだ!》
海江田代表_「安倍内閣はまもなく半年を迎える。暮らしは良くなっていないというのが明らかになっている。期待感が先行しているが、株や円相場が乱高下し、ジェットコースターに乗っているようだ。私たちが目指すのは、持続的で長続きする景気回復だ。中間層を大きくして景気を良くしていくことを目指す。民主党は日本の民主主義を守るためにも、大切な仕事をしていく。憲法の問題でも(改正の発議要件を定めた)96条だけを改正することは反対だとまとめた」(JR羽村駅前で_同)。
よく言うよと言いたいところである。民主党政権の3年間の無為・無策な失政によって、超円高、超株安、輸出の減少、財政赤字の拡大…という危機的状況が生じたことをまるで忘れたかのような厚顔無恥ぶりである。確かに、アベノミクスの先行きには不透明なところもあるが、それでも民主党時代のそれよりは、円相場も株価も、格段に良くなった。自分たちの失政を十分反省して、新たな実効性ある経済政策を打ち出しているのであればともかくも、何の具体的アイデアもなく、単に「批判のための批判」をしているのだから、もはや民主党は政権党になり得る姿、体を成していないこと、それゆえ自民党の受け皿足り得ないことは明らかである。憲法についても、変えるのか変えないのかいまだにあいまいなままである。憲法を改定して、国の体制を改革し、防衛力を強化しなければ、日本は数十年後には経済的に「最も悲惨な国」になってしまうだろうし、近隣国から尖閣他の領土(もちろん、それとともに広大な海も)を完全に略奪されてしまうだろうことはまず間違いのないこととなっている。これにどう対処するつもりなのか?! 脳天気ぶりにもほどがあると言いたい。このような体たらくを見るにつけ、民主党は歴史的使命を終えており、意志を持ってかそれとも自然にかのいずれかの形で、解党に向かうしかないものと思える。
このような中で、民主党政権の中核メンバーだった野田前首相、岡田前副総理、前原前国家戦略相、玄葉前外相、安住元財務相、枝野前経済産業相の6人が、政権復帰や、日本維新の会などとの連携を含む将来の野党再編をにらんで会合を重ねているとされる。「今月11日、東京・永田町の日本料理店で6人が一堂に会した。6人が集まるのは2月の初会合以降、4回目だ。この日は、政界を引退した渡部恒三・元衆院副議長を招き、ウナギ料理を食べながら、党の立て直しなどについて意見交換した。…略… 6人は民主党政権時代、要職を歴任し、党を代表する政治家だ。小沢一郎元代表(現・生活の党代表)と距離を置くという共通項もある。」(6月15日読売)。参院選後の野党再編は避けられず、このような動きはしごく当然なことだ。

《3_維新_ 失速・低迷は隠すべくもないが、未来につながるものはある。徹底的な改革志向で自民との差別化が可能。すべてはこれからだ!》
石原共同代表_「私が都知事に就任して会計制度を変え、財政を再建した。東京は世界の大都市で一番治安が良くなった。東京における維新をほかの自治体にも及ぼして日本全体を変える。私は14年間東京を預かってきたが、何か新しいことをやろうと思うと国がすぐにだめだという。これを変えるのが都議会だ。…略… 新しい発想やアイデアを持った政治家を都議会に送ってほしい。東京から本当の日本の維新をやりたい」(JR渋谷駅前で_同)。
東京は石原氏の本拠地だから、厳しい情勢ではあるが頑張ってもらいたいものだ。
大阪のみならず、東京からも‘維新の炎’を挙げることは非常に良いことである。
「日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は9日午前のNHK番組で、「安倍晋三首相は『いざというときは維新と組めばいい』という政治判断をちらつかせながら、自民党を改革の方向に進めることができた」と述べ、政権との距離をアピールした。 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関連し、橋下氏は「維新という『徹底した改革をやろう』という勢力があるからこそ、自民党は党内の抵抗勢力を振り切り、交渉参加にも踏み切ることができた」と指摘、「そういう意味で維新の存在は大変大きい」と述べた。 参院選については「自民、公明両党の過半数獲得阻止」「改憲勢力で『3分の2』確保」を改めて目標として示した。」(6月9日 産経)。
維新があるから安倍首相も活躍できるというのは事実であり、鋭くそしてやる気に満ちた発言である。この発言を、手柄を横取りするための「我田引水」の主張とみなしたり、維新が自民の補完勢力であることの証明とする批判もあるが、これらはそれなりに正しいにしても、残り半分は正しくない。なぜなら両者の関係は協力する面もあれば対立する側面もあるからである。と言うよりも一般に、与党と野党とは本来、問題に応じて(特に、国益に関わることについては)協力すべき関係であり、意見が合わないとき対立する関係であるべきなのだ。自民や公明は本質的に「現状維持正当」であり「改革を志向する政党ではないから、彼らだけでは日本の改革、再生はできないだろう。維新のような、自民党を前から引っ張る勢力があって初めて、安倍首相も、自民も改革に向けての動きをとることができる。維新の勢いは現在どん底にあるが、こんなことでへこたれてはいけないし、また両共同代表の発言を見ると、へこたれるつもりもないようである。とは言え、橋下氏にはフライング発言が多く、物議を醸すことも少なくないので、今後更に精進することが求められている。しかし、目指している方向は国益にかなうものである。すべてはこれからの勝負だ。

《4_みんな_政策にいま一つ迫力、総合性がない。民主党の後継にならぬように!》
渡辺代表_「東京都は(財源が)豊かなだけに、無駄遣いも日本一多い自治体だ。自民党がぼろ勝ちし、自民、公明両党で過半数を制すると、民主党も日本維新の会も(加えた)オール与党状態の都議会に改革ができるのか。みんなの党は、徹底して改革のメスを入れていく。『何でも反対』の野党ではなく、もっと東京を良くするにはどうしたらよいか、提案を山のようにしている。…略…我々は、必ず東京都を変え、日本を変えていく」(JR新宿駅前で_同)。
言葉だけを聞いているとやる気にあふれているように見えるが、中身をよく見るといま一つ頼りない。規制緩和、農業改革、TPP参加、憲法改正、公務員改革、地方分権、…は評価できるにしても、非現実的な「原発ゼロ」政策を掲げていることや、国防政策が見えないところが不安を感じさせる。「無駄削減」、「消費増税反対」も綺麗ごと過ぎるのではないか。無駄の削減については、もはやそんなことでは(もちろんそれ自体は重要であるにしても)、国の財政を賄うには焼け石に水であることは民主党の3年間で証明されている。中国の尖閣侵略の策動にはどう対処するつもりなのか?! みんなが、維新との連携を破談にして以後、民主や、生活にすり寄っているのも気にかかるのである。

《5_公明_ とにかく‘与党願望’だけで、政策は二の次》
山口代表_「国民目線に立ち、生活者の声をしっかり受け止める、大衆とともに歩む公明党が勝たなければ日本の未来はない。4年前の都議選は、政権交代の風が吹き荒れ、民主党が第1党になったが、都政の混乱と停滞を招いた。風ばかり追い求め、地に足を着け実績を作る力もない候補者に、これからの都政を任せるわけにはいかない。今本当に求められているのは、政治の安定だ。」(東急線中目黒駅前で_同)
今必要なことが「政治の安定」であることは確かだが、現状維持の安定では意味がなく、現状変革のための安定でなければならない。公明党は、改革の足を引っ張ることには熱心だが、改革を進めることには極めて消極的である。しかし、自民党政権に数の安定を与える点では存在意義がある。また、政策を状況に応じて変更していく柔軟性もあるので、それなりの存在意義はあるだろう。

《6_生活_ 醜態さらす小沢氏 引退こそが日本への「最大の貢献」!》
小沢代表_「(安倍政権の経済政策の)『アベノミクス』で国民のためにいいことがあるのではないか、という淡い期待を抱かせたが、実態が何もないことを国民は感じ取ったと思う。私たちは国民の生活が第一。政治は生活だ。暮らしを守らないで何が政治だ。国民の暮らしを守る、命を守る、地域社会を守る本当の政権を、もう一度作り上げなくてはならない。」(板橋区内で_同)。
いまや「過去の人」になった小沢氏は誰からも相手にされない人となっている。その姿は哀れとさえ見える。この人ほど言うこととやっていることが違う人も珍しい。大震災で地元が壊滅的な被害を受けているのに、すっとんで行くどころか、放射能被曝を恐れ東京から逃げ出し、被災地を訪問したのは危険性が一段落した8か月も後のことだから、「国民の生活が第一」と言われても聞く気にもなれないだろう。そもそも彼の言う「国民の暮らし」が守れない状況が生まれている原因は、日本の長期の経済不振で財政状態が極度に悪化しているからであり、経済問題にどう対処していくかが政治の課題であり、政治家の仕事である。具体的な経済政策を何も言わずに、誰でもわかっている「生活が第一」などと叫び続けるのはどういう神経だろうか。「原発廃止」、「消費増税反対」、「TPP反対」、「憲法改正反対」などと、反対に次ぐ反対であるが、こんなことで経済が良くなり、国民の暮らしが良くなるのであれば、だれも苦労はしない。小沢氏の主張は今や社民党のそれと同類のものにまで後退、堕落しており、ならば生活は社民党に合流すべきではないのか(もちろん、社民党と共に、自然消滅の運命を辿ることになる)。
小沢氏は、元衆院議員のパーティーで、「次の総選挙までに必ず受け皿となるグループを作り上げ、もう一度政権交代を図りたい。最後の奉公として、 最後の闘争を繰り広げたい」(5月22日 時事)と語っている。もはや妄想に過ぎないが、権力に対する執念だけは凄まじい!
 そもそも、自分が自民党幹事長であったときも、自分で作った細川政権でも、自自政権でも、幹事長をやっていた民主党政権でも、政権側にいながら政策の実現にはほとんど力を尽くさず、やっていたのは、自らが作った政権のぶち壊しのための権力闘争であり、残されたものは政治の混迷だけであった。この人の政治理念、目標も、自民党保守派のそれから、徐々に左にシフトし、現在では社民党と同様の、最左翼のそれ、「なんでも反対」の状態にまで変節した。「もう一度」と言うが、こんなことを二度と繰り返してもらいたくないのが、国民の思いだろう。さっさと引退してもらうのが最大にして「最後の奉公」であることは明らかだ。

その他の政党については、日本の再生にあまり影響がないので、評価は省略したい。

同床異夢の米中首脳会談! 日本は、中国の脅威に対抗するための防衛力と外交の強化を急ぐべきだ!

2013-06-09 19:17:06 | 政治
米中首脳会談が終わり、概要も明らかとなったので、ここでとりあえずの感想を述べておきたい。一言で言って、わかりにくい会談結果であり、あえて言うとすれば、お互いが自分の主張を自分の観点で言い合っただけの‘同床異夢’の結果と言えるのではなかろうか。サイバー攻撃問題、北制裁の問題などでは一定の前進があったと言えるが、尖閣をはじめとする中国による周辺国への領土侵略問題についてはまさに‘同床異夢’の結果であったと言ってよいだろう。
「オバマ大統領は尖閣諸島を巡る日中の対立について、両国に緊張緩和の取り組みと話し合いを求める立場を改めて表明した。 8日の会談後に記者会見をしたドニロン大統領補佐官(国家安全保障担当)によると、両首脳は7日に尖閣諸島を巡る日中の対立についても意見交換した。オバマ大統領は、「関係国は緊張を高めるのではなく緊張緩和を求めるべきであり、行動ではなく外交チャンネルを通じて話し合おうとすべきだ」と指摘したという。
また、中国の外交全般を担当する楊潔●(●は竹かんむりに褫のつくり)国務委員(副首相級)も8日の会談後に記者会見した。楊氏によると、習主席は7日の夕食会で、南シナ海での領有権問題や尖閣問題が取り上げられた際、「国の主権と領土をしっかりと守る」としたうえで、話し合いによる問題の解決を主張したという。習主席は「関係する国々が責任ある態度を取り、挑発的な態度をとることをやめ、なるべく早く問題を適切に解決するための道に戻るべきだ」との考えをオバマ氏に伝えたという。」(9日 朝日)。

オバマ大統領の発言は、中国の武力による領土侵犯行為への強い牽制ではあるが、「関係国」や「外交チャンネルによる解決」の意味が(表面的には)曖昧であるから、「尖閣の領有権をめぐる」日中対話促進のことと解釈する余地を残している(もちろん、こういう主旨ではないはずではあるが)。現に、次のようにも報じられている。
「中国の楊潔●国務委員(外交担当)は8日(日本時間9日)、「関係方面が責任ある態度をとって挑発行為をやめ、対話を通じて妥当な問題処理と解決の軌道に立ち戻るよう望む」と述べ、名指しは避けながらも、日本などに対して、中国との領土交渉に応じるよう求めた。」(9日 産経)。
これでは話が全くアベコベである! 数千年の歴史に育まれた中国の自己中心的発想と、高度な詭弁の技術には、恐れ入るしかない。このようなわけで、今回の会談内容は、お互いにかみ合わぬ議論であった。
看過できないことは、習主席が「太平洋には両国を受け入れる十分な空間がある」と述べ、米中は「新型大国関係」であるべきと主張している点である。先の「中華民族の偉大な復興」というスローガンと相まって、ここには中国の海洋進出の野心、米中二か国(G2)による世界支配の野望が露骨に表れている。

このような中国の露骨な力の発想、詭弁的なやり方の中で、米国が戸惑いながらも、(中国のみならず、日本他にも)様々な配慮を尽くしたということは言えるだろう。ともあれ、一部に懸念されていたような「米国の中国傾斜」は今のところ見られてはいない。しかしながら、このような米国の対応は、日本を‘大船に乗った気’にさせるものではない。遅かれ早かれ中国は米国を抜いて世界一の経済大国になるだろうとの予測もある現状において、米国だけで中国を抑え込むことはもはや困難であるから、日本としても「米国頼み」一辺倒の発想に立ってはならないだろう。今回の会談結果が示していることは、日本は自力で国を守れる防衛力、外交力を早急に強化する必要があることである。特に、尖閣については「領土問題は存在しない」という原則を貫くのはもちろんであるが、これだけでは不十分であることは明らかだ。国際司法裁判所での決着をも視野に入れて、尖閣が「日本の固有の領土」であることの根拠の強化と、その広報・宣伝活動の強化が急務である。同時に、日米同盟の実質を更に強化し、一連の民主主義国、利害を共有する国々(現状では、韓国はこれに値しない!)との連携強化の必要性である。