消費増税5%は、賛成か反対かだけの政策なき長く激しい党内論議の結果、30日ようやく閣議決定にたどりついた。肝心の税と社会保障の一体改革、財政再建策、経済活性化などは置き去りのままでの増税案の決定であるから、とても喜べるようなものではないが、どうせやらねばならないことだから、そしてまた、このあたりで野田内閣が行き詰ってしまい、首相交代というような事態が避けられたことは良かったと言わざるを得ない。しかし、今後の国会審議の先行きは全く予断を許さない。
このような中で、焦点の小沢氏は、3月29日の産経新聞の「単刀直言」の中でその主張を明らかにしている。今回はこれを‘とんでも’発言として、この虚偽性、欺瞞性を徹底的に暴いてみたいと思う。この発言の全体を貫いているのは、一つには、虚偽、欺瞞である。二つ目には、批判だけで、彼自身の政策が全く示されていない、あるいはたとえ示されていても全く抽象的で内容が不明なことである。三つ目には、彼自身が民主党の代表、幹事長をやった人間であるにも拘わらず、民主党が行ったこと、今やっていることに対して全く「他人事」と見ている。つまり、当事者意識が全くないということである。こういう姿勢でもって、現在の国会あるいは民主党内における反対のための反対を行い、日本の政治の混迷を作り出しているのであるから、これらは全体として政治と国会を冒涜し、国民を愚弄するものであると言わざるを得ない。だから、この小沢発言をこのままにしておくことは出来ない。以下「単刀直言」の全文に対して、批判内容を< >で示すこととしたい。
■【単刀直言】小沢一郎民主党元代表「橋下維新にお株奪われた」「秋にも衆院解散」
マニフェスト(政権公約)で国民に約束した政策は、すぐにできるものもあれば、大きな改革となればそう簡単にはできない。そのことは国民の皆さんもよく理解していると思う。
ただ、自分たちが掲げた政策や主張、理念に向かって一生懸命努力している姿を見せず、実現が難しいからといって、国民との約束を忘れ去ったり捨て去ったりして、今までの流れに乗ってしまった。それが人心が民主党から離れた最大の原因だ。民主党がまじめに努力してくれれば、こんな惨めな支持率になることはなかったろう。
<これは摩り替えの虚偽でしかない。民主党がもう少しマニフェスト実現に力を入れれば、支持率も少しは違っていたかもしれないが、所詮は焼け石に水でしかなかったろう。というのは、民主党の支持率下落の主要な理由は、一つに、財源が無くて出来もしないことをあたかも出来るかのごとく喧伝した、その詐欺性にあるのであり、財源が無いという事情は今でも変わっていない。二つ目には、小沢氏と鳩山氏、トップツーの巨額の金をめぐる疑惑がなんら解明されないことであり、三つ目には、普天間問題、八ッ場ダム(やんばダム)、仕分けによって科学技術などの振興予算が理不尽に大幅カットされたことなど、重要政策の迷走が相次いだこと。四つ目に、労組、特定の企業・業界、外国諸団体などに依存した党の体質により、これらの勢力の及ぶ分野の改革に手をつけることが出来ないこと。五つ目に、史上最低の首相、最悪の首相、そして次々と明らかになる不適格閣僚に端的に表れているように、適正、能力、経験、人格などの点において、これらを備えた人材の圧倒的な不足、などになる。だから小沢氏の言うような「マニフェストの実現に向けての懸命の努力があれば、民主党の支持率は上がる」というようなことでは全くないのである。マニフェストの主要政策は4Kを始めとするバラ撒きであるが、財源が無いことがはっきりした以上は、マニフェスト実現など出来るはずもないのである。
そもそも、マニフェストの実現に目を背けていた、そしてそれを破ることに先鞭をつけたのは、ほかならぬ小沢氏その人だった。彼が鳩山内閣の幹事長のときは、「天下り廃止」をうたいながら、元財務官僚の斉藤氏が日本郵政社長に天下りすることを黙認した。重要施策である「公務員人件費二割削減」のようなことについても、何もしなかった。その他の政策についても、彼は何もせず、積極的には動かなかった。彼は、「政府への政策の一元化」を口実に、見て見ぬ振りをしていたのであるが、実際は、政策そのものの非現実性、人材不足、財源不足という問題に対して、打つ手がなかったということであろう。
のみならず彼はまた自らも大きなマニフェスト破りをしている。それは、2010年の予算案が財源不足でまとまらない状況を受けて、幹事長であったにも拘わらず「政府への政策の一元化」を破って、「ガソリン税の廃止」のマニフェストを葬り、政府にそれを存続させ、2.5兆円の財源を確保させた。彼は、政権の発足当初から、財源難に直面し、「背に腹はかえられぬ」とばかり、自らマニフェストを破らざるを得なかったのである。だから、上述の彼の発言は、現実、事実から全く遊離した虚偽でしかないのである>
「今までの流れのまま」とは、長い自民党政権下の官僚行政におんぶに抱っこで官僚機構に乗っかるだけの政治になってしまったことだ。今や「自民党政権より悪い」という批判さえある。
<高学歴の議員が多いといわれる民主党にあっても、官僚を十分に統制し、活用することが出来なかった。小沢氏の息がかかった一川、山岡、田中などの閣僚は、さらに悲惨であった。これらの人は、官僚に「おんぶに抱っこ」されても、それでもどうにもならない人達だった。こういう人材しか抱えていない小沢氏が、どうやって官僚依存から脱却し、政治主導を実現すると言うのだろうか>
しかし、自民党への期待が増えたわけでもない。
橋下徹大阪市長の言う「維新」が本来の民主党の主張であったのに、民主党が忘れてしまったので橋下さんにお株を奪われ、人心はそっちに流れてしまっている。
<維新と民主党では、理念も政策も情熱も実行力も全く違う。たとえば、教育改革、公務員改革、国旗、国歌に対する考え、労働組合政策、地方自治の区分わけ、憲法改正などを見れば、このことは明らかだ。維新には、小沢氏のように金の疑惑にまみれた人はいない。維新は支持者、候補者の自前の金で選挙に勝ってきたが、小沢氏は国民の税金である政党助成金を、使い道を明らかにしないままバラ撒いたり(総額は百億円とも言われているが…)、業者からの収賄疑惑もある金で選挙をやってきた。鳩山氏は、12億円もの金を母親から贈与されていたにも拘わらず、贈与税を脱税していた。しかもその金の使途は不明のままである。維新と民主党では月とスッポンほどの違いがある>
<奪われるような「お株」はもともと無かったのである。小沢氏がもし本当にそう思うのなら、「民主党がやっていない」などというような他人事のようなことを言わないで、なぜ小沢氏自身が維新のような改革案を示し、実際の政策の実行を行わないのか。100人も議員を抱えていればたとえ執行部に入っていなくても方法はいくらでもあるはずだ>
そこに最大の原因がある以上、政権交代の原点に返り、国民の皆さんに訴えたあのときの思いをもう一度思い起こして、努力することが大事だ。
<「あのときの思い」とは、「反自民」=「自民憎し」、「政権交代」=「政権にさえ就けばあとはなんとかなるだろう」だけだったはずである。つまり、国政の理念も政策も、情熱も実行力も、こうした国政のための不可欠な要素はもとから民主党にはなかった。そのことは、今の民主党を構成している主要なグループのやってきたこと、今やっていることを見れば明らかである。「反日」であり、何でも反対の旧社会党、「新しい装い」だけを求める鳩山氏、消費者運動やウーマンリブだけしか知らない市民運動家、疑惑だらけの金の力と、議員の数合わせ、ドブ板選挙、バラ撒き政策しか知らない小沢一派、こういうものの寄せ集めが民主党であるので、民主党の原点とはこれらそのものなのだ。だから、政権交代のときの情熱に立ち返っても、何の役にも立たない。そのことに気づいた党内の少なからぬ良識派の人達は、もはやそのようなばかげたもの、不誠実なものに帰ろうとはしない。いまだに虚偽の幻想を振りまいているのは、小沢一派だけである>
今からでも遅くはない。まだ衆院任期満了まで1年半近くある。野田佳彦首相はじめ政府・民主党の要職にある人たちは、その気持ちをもう一度思い起こして、みんなで頑張るというふうになってもらいたい。
<野田首相は、輿石、一川、山岡、田中と、人事で内閣支持率を大きく下げてまでも小沢氏に徹底的に配慮し、しかも消費増税の条令案でも、大きく譲歩している。つまり、党内融和と挙党体制に、これ以上はないほど努力している。にも拘わらず、あれやこれやと細かいことでいちゃもんをつけ、屁理屈をこねて、全く執行部に協力しようとしていないのは、小沢グループではないか。「みんなで頑張る」ということをどこまでも壊しているのは、小沢氏とその一派なのだ>
政権交代後最初の予算は自民党政権下で作られた概算要求基準を基に編成しなければならなかったが、鳩山由紀夫政権は全国のさまざまな要望も取り入れて、われわれが思っていたことをかなりやり、民主党らしい「芽」は出た気がする。
<一般会計総額は過去最大の92兆2992億円。鳩山内閣が公約に掲げた新設の子ども手当や高校の授業料無償化などの施策が盛り込まれ、新規国債発行額も過去最も多い44兆3030億円に! 財政再建の目標もめどもない、過去最大のバラ撒き、水ぶくれ、赤字垂れ流し予算。必要な科学技術予算などを強引に削減。歳入を揚げるための本当に効果的な経済活性化策なし。「無駄削減で、10数兆円」との公約に沿って大々的に行われた事業仕分けによる無駄削減は、(なぜか3兆円が目標とされたが…)対予算削減効果は1兆円程度にとどまるという惨憺たる有様であった。財源不足は覆い隠すすべもないことになった。不足を補うために、小沢氏主導でまず行われたのが「ガソリン税撤廃」のマニフェスト破りであったが、これでようやく2.5兆円を確保。それでも焼け石に水であるため、虎の子の「埋蔵金=積立金、剰余金など」に手をつけ、あらかた使い切ってしまった。結局、これは恒常的な財源が基礎になっているわけではないので、表面的な体裁だけをなんとか取り繕っただけの予算であり、国の改革に貢献するどころか、その後の放漫財政を助長するものでしかなかった。また、2010年の参院選の票集めのための、バラ撒きという党利党略のための政策でもあった。これが小沢氏の言う「民主党らしさの芽」なのである! もう既にここから2年が経過しているにも拘わらず、まだ事実を覆い隠し、国民を虚偽の中に連れ込もうとしているその精神、意図の厚顔無恥さには驚くばかりである>
ところが、それがまた元に戻ってしまった。その後の民主党は政権にいること自体が目的化したというか、居心地が良くなったのだろう。
<埋蔵金もほとんどなくなり、財源がなければこんなデタラメ予算は、二度と作れないわけだから、本来あるべき全うな予算、全うな政策に帰らざるをえないことになる。その正しい方向に戻ることがなされようとしているだけであるが、小沢氏はこれを「変節」と非難しているのだから、その精神構造を疑わざるを得ないだろう。>
<自らは国会を欠席し、配下の若手にも国会に出ずに地元周りが重要だと号令し、党内の政策議論にも参加しない。国会と党内でやっているのは、数を頼んだ「反対のための反対」運動ばかり。このように不真面目な対応をしておいて、「政策(マニフェスト)を実現しようとする誠意が見られない」とか、全うな政治に戻ろうとしている人たちを「変節した」などと批判しているという状況はだれがみても異常と言わざるを得ないだろう。小沢氏はなぜ、現在の民主党の中で、党の改革、そして自らの政策の実現をやろうとしないのか。なぜ、このように民主党を他人事として無責任に、第三者的に批判することが出来るのか。その感覚の方がよほど「変節」と言わざるを得ないだろう>
身を退いたら…
鳩山さんに退陣を促したのは(平成22年の)参院選を控え、参院の人たちがもたなくなったからだ。役員会で参院側から「このままでは困る」という話が強く出された。参院選で過半数を取れば、衆参共に過半数を握る安定政権が実現できるからその大義のためにわれわれが少しでもマイナスになるなら一緒に身を退こう、ということになった。
<「少しでもマイナスになるなら」ではなく、「破壊的ダメージ」であったからこそ、辞任せざるを得なかった。小沢、鳩山の巨額の金にまつわる疑惑への非難に堪えられなかった、そして普天間基地移転問題で、鳩山氏が沖縄県民にも、国民にも、そしてアメリカにも大嘘をつき、それに対する強い非難に耐え切れなくなって、辞任に追い込まれただけの話である。この辞任劇の大儀は国民にあるのであり、彼らに大儀などあるはずもない!>
それなのに参院選後の結果はご覧の通りだ。しかも、菅(直人前首相)さんは参院選に負けても首相を続けた。トップは主権者の判断で負けたら辞めるのが当然なのに、けじめのない話にしてしまった。
<責任があるのは、何も総理だけではないだろう。参院選の敗北は、菅前首相の唐突な消費税上げの主張が要因の一つであることは確かだが、それ以上に、それまでの小沢、鳩山両氏がやってきた政治への失望、反発、批判があったのだ。小沢氏は参院選の敗北のA級戦犯であることは疑いがないのだから、その責任をどうとったのか聞きたい。
さらにまた、この惨敗の原因となった小沢氏の金にまつわる問題の責任のとり方が問題である。自民党の場合は、議員秘書が逮捕されれば議員も辞職してきた。小沢氏は、秘書が三人も逮捕されても、そして自身が刑事被告人になっても、まだ議員を辞職しない。鳩山元首相も、「首相辞任後は、代議士を引退する」と明言していたのに、またまた嘘をついて、代議士を続けている>
さらに、昨年3月の東日本大震災だ。僕は震災直後から「福島第1原発ではもう炉心が溶融している。非常に危険だ」と言い続けてきたのに、
< 小沢氏は原子炉の専門家? どこの誰から入手した情報? そもそも、原発事故に対しては政治家としてもっと出来ること、やるべきことがあるはずなのに、優れて高度な技術的問題に対して、素人であるはずの小沢氏がなぜこのように突っ込むのか?>
政府がメルトダウン(炉心溶融)を認めたのは2カ月後だ。要するに、なるべく真相を隠そうとする、いわゆる「事なかれ」の手法だった。今も「収束宣言」などとのんきなことを言っているが、何にも収束していない。今でさえ危ない。
<これは明らかに事実とは違うだろう。というのは、完全に収束とまでは言えないまでも、昨年よりは、はるかに良くなっているからである。こんなことを言うのは、野田政権への批判を正当化するために、こうやって国民の不安を煽っているのだろう? しかし、これは公党の指導者の発言としては、極めて不穏当、無責任だ。これでは、「原発全廃」を声高に叫ぶ過激派連中と変わらないではないか>
国が自ら前面に立って原発事故の対応に当たらなければならないのに、それができなかった。
<原発のことは重要ではあるが、少なくとも事故収束は進んでいるのだから、小沢氏にとってもっと重要なのは遅々として進まない地震と津波の復旧、復興ではないのか? 小沢氏はなぜ、この問題を取り上げないのか? 自身が被災地の選出議員でありながら、復興にほとんど何もしていないのはなぜ?「国民の生活が第一」と唱えていた自らの主張はどこに行った?小沢氏の原発関係発言は、選挙民に対する、政治家としての活動怠慢を隠すためのカモフラージュではないのか、そうとしか考えられない。なにしろ、被災地訪問は昨年の12月、震災後なんと9ヶ月後なのだ!! こんな、詳しくも知らない原発のことを言う暇があったら、遅々として進まない復旧、復興に力を注ぐべきだ。こんな必要なこともせずに、消費税反対派の人数を集めることばかりに奔走しているのはどういうことか。こういう政治家に震災問題を語る権利はないだろう>
それでは、民主党代表、すなわち首相として適任ではないのではないか。それが(昨年6月の菅内閣不信任決議案に同調しようと考えた)要因だった。
<なぜ、菅内閣不信任案に同調しなかった? あれだけ、菅氏を批判していたのだから、不信任案への賛同は当然のこととなる。しかも小沢氏の内閣不信任案賛成の方針に進もうとしていた多くの仲間を裏切って、松木氏を見捨ててまで、方針を急に変える理由はないはずである。密談とかメモ書きとかで、政治行動を変えるとすれば、それ自体が密室談合政治、隠蔽体質政治となり、小沢氏が唱えているような政治とは相容れないものになってしまう。ところが、小沢氏はルーピー鳩山のいい加減さに振り回されて、簡単に方針を転換してしまった。その後、鳩山氏による菅氏への「ペテン師」発言が飛び出すというお粗末さを露呈しつつも、菅氏は首相を降りず、そのため震災復興が更に遅れることになった。結局のところ小沢氏の政権批判とは、政策や信条によるものではなく、このようにルーピー鳩山の気まぐれ、あるいは吹けば飛ぶようなわけのわからない小片のメモ書きで簡単に変わるほどのものだったということだろう。小沢氏が見せた行動は、小手先の数合わせの話でしかなく、そこにはなんらの、政治理念も、信念、政治家としての矜恃(きんじ)もなかった!>
「増税単体」だ
僕は、消費税の論議を否定しているわけではない。むしろ、一番先に消費税は必要だと主張していた一人だ。自由党のときは、基礎年金と高齢者医療、介護を消費税でやる、その場合は直間比率を見直して所得税と住民税を半分にするとも言った。
しかし、民主党は、前回の衆院選で消費税の増税はしないと国民に約束した。消費税を上げる前に、まず日本の統治・行政の機構を根本的に改革して、官僚支配の中央集権体制から地域主権体制へと大転換する。
<具体的にどう変えるのかは何も言ってこなかったし、今も言っていない! 官僚は不要ということ? まさかそういうことは言わないだろう。そうであれば、誰が官僚を統制する?小沢氏、一川、山岡、田中? 松下政経塾出身の心身気鋭の若手のバリバリがやってもなかなかうまくいかないのに、小沢氏の息の掛かった人たちは、大臣どころか議員さえ失格な人たちばかりだ。誰がどうやって官僚を主導するのか。
小沢氏の地方政治改革とは、全国を300程度の市町村に分け、それを基礎単位の自治体とするというもの? こんなに狭い日本をそんなに細かく切り刻んで何をしようというのか? 現在の主流である道州制の構想とは、真っ向から対立することになるが…?>
それによって行政の無駄を省いて主要政策を実行するための財源を生み出そう。新しい時代に対応できる仕組みを作り上げよう。こう主張した。
<何をどう変えたら、どういう理由で行政の無駄遣いが省かれることになる? そもそも、現在の地方自治体に、それほどの大きな無駄遣いがあるとは思えないのだが…。出来もしないことを出来ると詐欺まがいの嘘を言って、政権交代を主導したのは小沢氏である。こんどもまた、嘘で、地方と国民をだまそうと言うのか>
そのマニフェストが支持されて、民主党は政権を与えられたんだ。
<実体は、国民が民主党マニフェストを支持したと言うよりも、自民党の体たらくに愛想をつかした国民が、消去法で民主党を選んだということではなかったか。民主党の、バラ色の「バラ撒き政策」などを信じた国民はそんなに多くはなかっただろう。そんなにうまい話があるはずがないことは、少し考えればわかることである。国民が民主党に期待したのはむしろ、自民党に常に付きまとっていた「政治と金」の問題、「官僚・公務員の天下り」、低迷する経済、閉塞感あふれる社会、こういうものを民主党が打ち破ってくれることだったはずである。しかし、小沢氏が鳩山氏と組んだ政権も、その後も、ほとんど何もしていない。これは、財源、人材、民主党の支持母体などの制約により、民主党マニフェストが日本の現状、そして民主党の能力に適合していなかったからであり、この二年半の間に、それがはっきりと確かめられた。だから、ある人たちは、マニフェストに期待していたかもしれないが、もはやそうではないだろう>
野田さんたちは「社会保障と税の一体改革」というが、社会保障は全然姿が見えない。増税だけの「単体」ではないか。マニフェストでは、最低保障年金と所得比例年金による二階建て年金の確立、医療・介護の改革も約束したのに、どこにもない。「増税単体」では全く話が違う。ウソをついてはいけない。
<「政権につけば財源などはどうにでもなる」と発言したのは、小沢氏ではなかったか。要は、財源さえあれば、消費税など上げる必要はないのだから、小沢氏は約束どおり、財源を出して欲しい。これが出来ないのなら、嘘つきは小沢氏のことになる>
世論調査では国民の6割が消費税増税反対だが、実際は8、9割の国民が反対だ。
<この「8、9割」という数字はどこのもの?小沢氏の好みのインターネットサイトの偏った調査結果なのだろうか。せめて出所ぐらいははっきりさせるべきだ。消費増税についての国民の意見はこれまで、賛成と反対が拮抗してきたが、賛成が優勢であったことも少なくない。国民は日本の窮状を知っているのである。しかし産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が3月24、25両日に実施した世論調査では「消費税増税関連法案の今国会成立について59.1%が「させるべきではない」と答え、「させるべき」(38.2%)を20ポイント強も上回った。」増税反対論が勢いを増している。ここにきて6割にも上がったのは、全く無益で、延々と続く小沢グループによる党内抗争と、国会の論議に嫌気がさした国民が、こんなことなら先延ばしにしてくれと怒っているということでしかない。 その証拠に、「「小沢氏らは社会保障財源や財政再建に向けて説得力のある方策を示していると思うか」との問いに87.2%が「思わない」と回答した。小沢氏による新党への期待も薄い。」(27日 産経記事より)
「また、消費税増税への理解が深まったわけでもないのに最近の内閣支持率が回復し、民主党の支持率が過去最低レベルにまで下がったのは、小沢系の「反対のための反対」路線を世論が支持していないからと考えられるのである>
旧来の仕組みを前提にして、カネがないから上げなければいけないというのは自民党政治と同じだ。今までと同じようにやるのなら財源など出てくるわけがないし、政権を代える必要があったのか、となる。賛成できない
「大改革なくして増税なし」「社会保障のビジョンなくして増税なし」「経済の再生なくして増税なし」だ。それを全部無視した議論はまったく間違っている。単なる消費税の大増税には賛成できない。
<だから、小沢氏は、「大改革」というのなら、何をどう改革するのかを具体的に言ってほしい。政策論争を全くしないで、反対のための反対を唱える小沢氏は、昔の社会党と同じにまで堕落してしまっている>
亀井静香代表が言っているように国民新党が消費税増税法案に反対すれば連立解消になるし、国民の反対の声はもっと強くなる。そんな中で閣議決定を強行すれば、いろいろと問題が生じるのではないか。
<いかにも、国民が許さないと言わんがばかりの言い方であるが、これは亀井氏と結託した小沢氏が、自分達の選挙事情で(つまりこのままでは、小沢グループも国民新も多くの議員が落選し、ほとんど残らないというさんざんな結果になってしまう)、つまり自分たちの勝手な都合で反対しているだけにしか過ぎない>
(党員資格停止が解除されたら)「われわれが目指したものは何だったのか」「われわれの大義は何だったんだ」
<上述のように、民主党には「反自民」という目標があっただけなので、政権交代してしまえばそれ以上は何も無く、そこに大儀はない。そもそも、民主党には、民主主義国の、しかも政権を担うという政党であるなら当然備えているはずの党綱領というものがないという、まったく信じられないほど非現代的、非合理な政党なのである。本来、党綱領の理念にもとづき、志ある人が結集したものが政党である。この党綱領こそ政党の理念、目的であり、大儀であるはずである。しかし、綱領がないのだから、大儀などあるはずもない。だから、そこに集まってくるのは、政治をする人ではなく、見栄え、身分や利権が欲しいだけの人、つまり政治を通じて利益を得ようとする政治屋である。だから、民主党は野合集団であり、その目的は利益確保のために政権に就き、政権を使って利益を得ようということにならざるを得ない。とは言え、全員がこうであるわけではなく、民主党内にも本当の政治家、良心の政治家は存在するだろう。しかし、党全体で見ればこういうことにしかならないだろう。結論として、民主党には本当の意味での大儀はないのである。こう言われるのが嫌なら、民主党は直ちに党綱領を作るべきであろう(最近、遅まきながらも、検討を始めたらしいが…)>
-それを実現するために、一兵卒であれ何であれ、一生懸命、最後のご奉公をする。
僕自身が首相になりたいという気は別にない。
<なりたくても、なれないだけの話だ。こんな人に総理大臣などになってもらっても困るし、またなれるわけもない。「なるつもりがない」と言うのなら、そのつもり、つまり「主導される側にまわる」ことを示すべきだ。すなわち、総理大臣は日本の最高指導者であり、一議員である小沢氏は、野田首相に議員としての最低限の敬意、礼節は示すべきだ。また、野田市は民主党党首だから、党員(「一兵卒」)である小沢氏は、党首に最低限の敬意、礼節は尽くすべきだ。それが出来ないのなら、小沢氏は国会議員も、党員も辞めるべきだ。もしこれも出来ないというのであれば、この言葉は大嘘ということになる>
2年半前の政権交代でホッとしたが、残念ながら民主党政権は、政権交代可能な民主主義が定着したといえるような評価ではないから、もう一度、それを定着させるための作業をしないといけない。その役に立つなら、天の命ずるままに何でもする。
<「疑惑まみれの金」と「理念も理性もない政治屋集団の数の力」だけを使って、党と国会を混乱に落としいれ、政治の役割を「選挙」だけに、そして政策を「バラ撒き」だけに矮小化し、民主主義を徹底的に堕としめている張本人が、小沢氏である。民主党が民主主義的でない以上に、小沢氏こそ、民主主義の敵対者であるだろう。民主主義のために何かをしたいのであれば、まず、民主的な行動をとってからにして欲しい>
9月まではもたない
野田さんは今国会での法案成立に「政治生命を懸ける」と言ったようだけれど、どういう意味か分からない。通らなかったらどうするの?
<通さないように自分がしているだけではないか! 自分が野田政権を追い詰めておいて、あたかも国民がそれをしたかのような欺瞞はやめてほしい>
例えば、橋本龍ちゃん(故橋本龍太郎元首相)は(平成10年の)参院選で負けたら首相を辞めた。自民党にはそういう最低限の「憲政の常識」というものがあった。
<憲政の常識がないのは小沢氏ではないか>、ところが民主党ではそれが通じないから推測では判断できない。
野田さんが党内でも国民の間でも反対が多い増税法案を成立させようと強行すれば、党内の支持基盤がなくなるのではないか。党内の大方の意思を無視して強権的な政治行動をしたら、「これでは代表として困る」となりかねない。最終的には党内と国民がどう考えるかだ。
では、法案が成立しないまま9月の民主党代表選まで行ったときに、国民が野田首相のままで「ああそうですか」と言う? 何もしないで9月まで過ごすことは多分国民が許さない。
民主、自民両党の大連立という話も、政治家が考えるのはご自由だが、自民党との連立は民主党内で多数ではない。野田さんに「民主党の反対派を切れ」と迫る谷垣(禎一総裁)さんも、今の自民党を見渡せば他人のことを言っているような場合ではないだろう。
恐らく衆院解散・総選挙は今年の秋にもあるのではないかと思う。来年の衆参ダブル選挙とはいかないのではないか。そのときに民主党がちゃんと今の形であるかどうかも問題だ。
(野田内閣不信任決議案が国会に提出されたときの対応については)国民がどう見ているかだ。あくまでも国民の動向次第だ。
<これだけ野田首相に敵対し、その政策の実行を妨害しておいて、不信任にするかどうかはまだわからないとは一体どういうことか?! 野田首相が全面的に小沢氏の軍門に下って来るのを待っているのか。そんなことはあり得ないだろうから、これは、いつでも撤退することが出来るようにしておく布石だろう。 場合によっては、いつでも逃げ出せるようにしておいて、党内、国会で野田首相に「徹底抗戦」を宣言しているとすれば、これほど政治、国会、国民を馬鹿にした話はないだろう。古代の戦争であれば、このような千変万化、権謀術数も兵法の基本として妥当なものとなるだろうが、なにしろ、今は「現代」だし、政治は「戦」ではない。政治は勝つだけではなく、理念と信条を持ち、信義を重視するものでなければならない。この調子では、昨年の菅内閣のそれの再現、すなわち、ちょっとしたことですぐに翻意し、彼を信じたものはゲタを外されるということである。結局、こういう人は信頼できないということでしかない>
他党などと糾合して政界再編することも、他に選択肢がなくなった場合は別だが、僕らが民主党を出る理由はまったくない。もし離党するなら、国民との約束を忘れた人たちが出ていけばいい。僕らは本当の民主党を取り戻すために努力する。
<小沢氏は、民主党代表戦で、すでに三連敗している。つまり、民主党の最高意思決定機関は、いわゆる反小沢勢力を、民主党の意思と認定しているのである。小沢氏が、もし民主主義的な政治を行うつもりがあれば、この経緯からして、自分達が民主党だとは言えるはずがないではないか。
また、彼は、民主党の原点がマニフェストであり、そのマニフェストを守ろうとしているのが自分達だから、自分達こそ民主党だということを言いたいのだろうが、マニフェストといっても、それは2009年のそれでしかない。他の時期のマニフェストもあるわけだから、これをもって、民主党の原点とすることは出来ない。党の原点は、党の綱領であるはずなのだ。これだけを特別扱いするのは、これが現在の野田内閣批判に好都合だからだろう。ご都合主義と言わざるを得ない。しかし小沢氏が、しっかり認識しなければならないことは、上述のようにすでにこのマニフェストは完全に破綻しており、「お蔵入り」した過去のものとなっているのである>
(4月26日の政治資金規正法違反事件判決については)裁判所として公正な結論を出していただくことを期待している。
<これは地裁の判決にしか過ぎない。万が一、これで無罪が出ても、彼が刑事被告人から解放されるわけではない。二審、三審もあることを忘れてもらっては困る。また、小沢氏の罪は司法だけではなく、立法府、すなわち国会の承認喚問としても裁かれるはずであり、さらには、選挙によって裁かれるはずである。そうでなければ、日本の明日はないだろうからである>
このような中で、焦点の小沢氏は、3月29日の産経新聞の「単刀直言」の中でその主張を明らかにしている。今回はこれを‘とんでも’発言として、この虚偽性、欺瞞性を徹底的に暴いてみたいと思う。この発言の全体を貫いているのは、一つには、虚偽、欺瞞である。二つ目には、批判だけで、彼自身の政策が全く示されていない、あるいはたとえ示されていても全く抽象的で内容が不明なことである。三つ目には、彼自身が民主党の代表、幹事長をやった人間であるにも拘わらず、民主党が行ったこと、今やっていることに対して全く「他人事」と見ている。つまり、当事者意識が全くないということである。こういう姿勢でもって、現在の国会あるいは民主党内における反対のための反対を行い、日本の政治の混迷を作り出しているのであるから、これらは全体として政治と国会を冒涜し、国民を愚弄するものであると言わざるを得ない。だから、この小沢発言をこのままにしておくことは出来ない。以下「単刀直言」の全文に対して、批判内容を< >で示すこととしたい。
■【単刀直言】小沢一郎民主党元代表「橋下維新にお株奪われた」「秋にも衆院解散」
マニフェスト(政権公約)で国民に約束した政策は、すぐにできるものもあれば、大きな改革となればそう簡単にはできない。そのことは国民の皆さんもよく理解していると思う。
ただ、自分たちが掲げた政策や主張、理念に向かって一生懸命努力している姿を見せず、実現が難しいからといって、国民との約束を忘れ去ったり捨て去ったりして、今までの流れに乗ってしまった。それが人心が民主党から離れた最大の原因だ。民主党がまじめに努力してくれれば、こんな惨めな支持率になることはなかったろう。
<これは摩り替えの虚偽でしかない。民主党がもう少しマニフェスト実現に力を入れれば、支持率も少しは違っていたかもしれないが、所詮は焼け石に水でしかなかったろう。というのは、民主党の支持率下落の主要な理由は、一つに、財源が無くて出来もしないことをあたかも出来るかのごとく喧伝した、その詐欺性にあるのであり、財源が無いという事情は今でも変わっていない。二つ目には、小沢氏と鳩山氏、トップツーの巨額の金をめぐる疑惑がなんら解明されないことであり、三つ目には、普天間問題、八ッ場ダム(やんばダム)、仕分けによって科学技術などの振興予算が理不尽に大幅カットされたことなど、重要政策の迷走が相次いだこと。四つ目に、労組、特定の企業・業界、外国諸団体などに依存した党の体質により、これらの勢力の及ぶ分野の改革に手をつけることが出来ないこと。五つ目に、史上最低の首相、最悪の首相、そして次々と明らかになる不適格閣僚に端的に表れているように、適正、能力、経験、人格などの点において、これらを備えた人材の圧倒的な不足、などになる。だから小沢氏の言うような「マニフェストの実現に向けての懸命の努力があれば、民主党の支持率は上がる」というようなことでは全くないのである。マニフェストの主要政策は4Kを始めとするバラ撒きであるが、財源が無いことがはっきりした以上は、マニフェスト実現など出来るはずもないのである。
そもそも、マニフェストの実現に目を背けていた、そしてそれを破ることに先鞭をつけたのは、ほかならぬ小沢氏その人だった。彼が鳩山内閣の幹事長のときは、「天下り廃止」をうたいながら、元財務官僚の斉藤氏が日本郵政社長に天下りすることを黙認した。重要施策である「公務員人件費二割削減」のようなことについても、何もしなかった。その他の政策についても、彼は何もせず、積極的には動かなかった。彼は、「政府への政策の一元化」を口実に、見て見ぬ振りをしていたのであるが、実際は、政策そのものの非現実性、人材不足、財源不足という問題に対して、打つ手がなかったということであろう。
のみならず彼はまた自らも大きなマニフェスト破りをしている。それは、2010年の予算案が財源不足でまとまらない状況を受けて、幹事長であったにも拘わらず「政府への政策の一元化」を破って、「ガソリン税の廃止」のマニフェストを葬り、政府にそれを存続させ、2.5兆円の財源を確保させた。彼は、政権の発足当初から、財源難に直面し、「背に腹はかえられぬ」とばかり、自らマニフェストを破らざるを得なかったのである。だから、上述の彼の発言は、現実、事実から全く遊離した虚偽でしかないのである>
「今までの流れのまま」とは、長い自民党政権下の官僚行政におんぶに抱っこで官僚機構に乗っかるだけの政治になってしまったことだ。今や「自民党政権より悪い」という批判さえある。
<高学歴の議員が多いといわれる民主党にあっても、官僚を十分に統制し、活用することが出来なかった。小沢氏の息がかかった一川、山岡、田中などの閣僚は、さらに悲惨であった。これらの人は、官僚に「おんぶに抱っこ」されても、それでもどうにもならない人達だった。こういう人材しか抱えていない小沢氏が、どうやって官僚依存から脱却し、政治主導を実現すると言うのだろうか>
しかし、自民党への期待が増えたわけでもない。
橋下徹大阪市長の言う「維新」が本来の民主党の主張であったのに、民主党が忘れてしまったので橋下さんにお株を奪われ、人心はそっちに流れてしまっている。
<維新と民主党では、理念も政策も情熱も実行力も全く違う。たとえば、教育改革、公務員改革、国旗、国歌に対する考え、労働組合政策、地方自治の区分わけ、憲法改正などを見れば、このことは明らかだ。維新には、小沢氏のように金の疑惑にまみれた人はいない。維新は支持者、候補者の自前の金で選挙に勝ってきたが、小沢氏は国民の税金である政党助成金を、使い道を明らかにしないままバラ撒いたり(総額は百億円とも言われているが…)、業者からの収賄疑惑もある金で選挙をやってきた。鳩山氏は、12億円もの金を母親から贈与されていたにも拘わらず、贈与税を脱税していた。しかもその金の使途は不明のままである。維新と民主党では月とスッポンほどの違いがある>
<奪われるような「お株」はもともと無かったのである。小沢氏がもし本当にそう思うのなら、「民主党がやっていない」などというような他人事のようなことを言わないで、なぜ小沢氏自身が維新のような改革案を示し、実際の政策の実行を行わないのか。100人も議員を抱えていればたとえ執行部に入っていなくても方法はいくらでもあるはずだ>
そこに最大の原因がある以上、政権交代の原点に返り、国民の皆さんに訴えたあのときの思いをもう一度思い起こして、努力することが大事だ。
<「あのときの思い」とは、「反自民」=「自民憎し」、「政権交代」=「政権にさえ就けばあとはなんとかなるだろう」だけだったはずである。つまり、国政の理念も政策も、情熱も実行力も、こうした国政のための不可欠な要素はもとから民主党にはなかった。そのことは、今の民主党を構成している主要なグループのやってきたこと、今やっていることを見れば明らかである。「反日」であり、何でも反対の旧社会党、「新しい装い」だけを求める鳩山氏、消費者運動やウーマンリブだけしか知らない市民運動家、疑惑だらけの金の力と、議員の数合わせ、ドブ板選挙、バラ撒き政策しか知らない小沢一派、こういうものの寄せ集めが民主党であるので、民主党の原点とはこれらそのものなのだ。だから、政権交代のときの情熱に立ち返っても、何の役にも立たない。そのことに気づいた党内の少なからぬ良識派の人達は、もはやそのようなばかげたもの、不誠実なものに帰ろうとはしない。いまだに虚偽の幻想を振りまいているのは、小沢一派だけである>
今からでも遅くはない。まだ衆院任期満了まで1年半近くある。野田佳彦首相はじめ政府・民主党の要職にある人たちは、その気持ちをもう一度思い起こして、みんなで頑張るというふうになってもらいたい。
<野田首相は、輿石、一川、山岡、田中と、人事で内閣支持率を大きく下げてまでも小沢氏に徹底的に配慮し、しかも消費増税の条令案でも、大きく譲歩している。つまり、党内融和と挙党体制に、これ以上はないほど努力している。にも拘わらず、あれやこれやと細かいことでいちゃもんをつけ、屁理屈をこねて、全く執行部に協力しようとしていないのは、小沢グループではないか。「みんなで頑張る」ということをどこまでも壊しているのは、小沢氏とその一派なのだ>
政権交代後最初の予算は自民党政権下で作られた概算要求基準を基に編成しなければならなかったが、鳩山由紀夫政権は全国のさまざまな要望も取り入れて、われわれが思っていたことをかなりやり、民主党らしい「芽」は出た気がする。
<一般会計総額は過去最大の92兆2992億円。鳩山内閣が公約に掲げた新設の子ども手当や高校の授業料無償化などの施策が盛り込まれ、新規国債発行額も過去最も多い44兆3030億円に! 財政再建の目標もめどもない、過去最大のバラ撒き、水ぶくれ、赤字垂れ流し予算。必要な科学技術予算などを強引に削減。歳入を揚げるための本当に効果的な経済活性化策なし。「無駄削減で、10数兆円」との公約に沿って大々的に行われた事業仕分けによる無駄削減は、(なぜか3兆円が目標とされたが…)対予算削減効果は1兆円程度にとどまるという惨憺たる有様であった。財源不足は覆い隠すすべもないことになった。不足を補うために、小沢氏主導でまず行われたのが「ガソリン税撤廃」のマニフェスト破りであったが、これでようやく2.5兆円を確保。それでも焼け石に水であるため、虎の子の「埋蔵金=積立金、剰余金など」に手をつけ、あらかた使い切ってしまった。結局、これは恒常的な財源が基礎になっているわけではないので、表面的な体裁だけをなんとか取り繕っただけの予算であり、国の改革に貢献するどころか、その後の放漫財政を助長するものでしかなかった。また、2010年の参院選の票集めのための、バラ撒きという党利党略のための政策でもあった。これが小沢氏の言う「民主党らしさの芽」なのである! もう既にここから2年が経過しているにも拘わらず、まだ事実を覆い隠し、国民を虚偽の中に連れ込もうとしているその精神、意図の厚顔無恥さには驚くばかりである>
ところが、それがまた元に戻ってしまった。その後の民主党は政権にいること自体が目的化したというか、居心地が良くなったのだろう。
<埋蔵金もほとんどなくなり、財源がなければこんなデタラメ予算は、二度と作れないわけだから、本来あるべき全うな予算、全うな政策に帰らざるをえないことになる。その正しい方向に戻ることがなされようとしているだけであるが、小沢氏はこれを「変節」と非難しているのだから、その精神構造を疑わざるを得ないだろう。>
<自らは国会を欠席し、配下の若手にも国会に出ずに地元周りが重要だと号令し、党内の政策議論にも参加しない。国会と党内でやっているのは、数を頼んだ「反対のための反対」運動ばかり。このように不真面目な対応をしておいて、「政策(マニフェスト)を実現しようとする誠意が見られない」とか、全うな政治に戻ろうとしている人たちを「変節した」などと批判しているという状況はだれがみても異常と言わざるを得ないだろう。小沢氏はなぜ、現在の民主党の中で、党の改革、そして自らの政策の実現をやろうとしないのか。なぜ、このように民主党を他人事として無責任に、第三者的に批判することが出来るのか。その感覚の方がよほど「変節」と言わざるを得ないだろう>
身を退いたら…
鳩山さんに退陣を促したのは(平成22年の)参院選を控え、参院の人たちがもたなくなったからだ。役員会で参院側から「このままでは困る」という話が強く出された。参院選で過半数を取れば、衆参共に過半数を握る安定政権が実現できるからその大義のためにわれわれが少しでもマイナスになるなら一緒に身を退こう、ということになった。
<「少しでもマイナスになるなら」ではなく、「破壊的ダメージ」であったからこそ、辞任せざるを得なかった。小沢、鳩山の巨額の金にまつわる疑惑への非難に堪えられなかった、そして普天間基地移転問題で、鳩山氏が沖縄県民にも、国民にも、そしてアメリカにも大嘘をつき、それに対する強い非難に耐え切れなくなって、辞任に追い込まれただけの話である。この辞任劇の大儀は国民にあるのであり、彼らに大儀などあるはずもない!>
それなのに参院選後の結果はご覧の通りだ。しかも、菅(直人前首相)さんは参院選に負けても首相を続けた。トップは主権者の判断で負けたら辞めるのが当然なのに、けじめのない話にしてしまった。
<責任があるのは、何も総理だけではないだろう。参院選の敗北は、菅前首相の唐突な消費税上げの主張が要因の一つであることは確かだが、それ以上に、それまでの小沢、鳩山両氏がやってきた政治への失望、反発、批判があったのだ。小沢氏は参院選の敗北のA級戦犯であることは疑いがないのだから、その責任をどうとったのか聞きたい。
さらにまた、この惨敗の原因となった小沢氏の金にまつわる問題の責任のとり方が問題である。自民党の場合は、議員秘書が逮捕されれば議員も辞職してきた。小沢氏は、秘書が三人も逮捕されても、そして自身が刑事被告人になっても、まだ議員を辞職しない。鳩山元首相も、「首相辞任後は、代議士を引退する」と明言していたのに、またまた嘘をついて、代議士を続けている>
さらに、昨年3月の東日本大震災だ。僕は震災直後から「福島第1原発ではもう炉心が溶融している。非常に危険だ」と言い続けてきたのに、
< 小沢氏は原子炉の専門家? どこの誰から入手した情報? そもそも、原発事故に対しては政治家としてもっと出来ること、やるべきことがあるはずなのに、優れて高度な技術的問題に対して、素人であるはずの小沢氏がなぜこのように突っ込むのか?>
政府がメルトダウン(炉心溶融)を認めたのは2カ月後だ。要するに、なるべく真相を隠そうとする、いわゆる「事なかれ」の手法だった。今も「収束宣言」などとのんきなことを言っているが、何にも収束していない。今でさえ危ない。
<これは明らかに事実とは違うだろう。というのは、完全に収束とまでは言えないまでも、昨年よりは、はるかに良くなっているからである。こんなことを言うのは、野田政権への批判を正当化するために、こうやって国民の不安を煽っているのだろう? しかし、これは公党の指導者の発言としては、極めて不穏当、無責任だ。これでは、「原発全廃」を声高に叫ぶ過激派連中と変わらないではないか>
国が自ら前面に立って原発事故の対応に当たらなければならないのに、それができなかった。
<原発のことは重要ではあるが、少なくとも事故収束は進んでいるのだから、小沢氏にとってもっと重要なのは遅々として進まない地震と津波の復旧、復興ではないのか? 小沢氏はなぜ、この問題を取り上げないのか? 自身が被災地の選出議員でありながら、復興にほとんど何もしていないのはなぜ?「国民の生活が第一」と唱えていた自らの主張はどこに行った?小沢氏の原発関係発言は、選挙民に対する、政治家としての活動怠慢を隠すためのカモフラージュではないのか、そうとしか考えられない。なにしろ、被災地訪問は昨年の12月、震災後なんと9ヶ月後なのだ!! こんな、詳しくも知らない原発のことを言う暇があったら、遅々として進まない復旧、復興に力を注ぐべきだ。こんな必要なこともせずに、消費税反対派の人数を集めることばかりに奔走しているのはどういうことか。こういう政治家に震災問題を語る権利はないだろう>
それでは、民主党代表、すなわち首相として適任ではないのではないか。それが(昨年6月の菅内閣不信任決議案に同調しようと考えた)要因だった。
<なぜ、菅内閣不信任案に同調しなかった? あれだけ、菅氏を批判していたのだから、不信任案への賛同は当然のこととなる。しかも小沢氏の内閣不信任案賛成の方針に進もうとしていた多くの仲間を裏切って、松木氏を見捨ててまで、方針を急に変える理由はないはずである。密談とかメモ書きとかで、政治行動を変えるとすれば、それ自体が密室談合政治、隠蔽体質政治となり、小沢氏が唱えているような政治とは相容れないものになってしまう。ところが、小沢氏はルーピー鳩山のいい加減さに振り回されて、簡単に方針を転換してしまった。その後、鳩山氏による菅氏への「ペテン師」発言が飛び出すというお粗末さを露呈しつつも、菅氏は首相を降りず、そのため震災復興が更に遅れることになった。結局のところ小沢氏の政権批判とは、政策や信条によるものではなく、このようにルーピー鳩山の気まぐれ、あるいは吹けば飛ぶようなわけのわからない小片のメモ書きで簡単に変わるほどのものだったということだろう。小沢氏が見せた行動は、小手先の数合わせの話でしかなく、そこにはなんらの、政治理念も、信念、政治家としての矜恃(きんじ)もなかった!>
「増税単体」だ
僕は、消費税の論議を否定しているわけではない。むしろ、一番先に消費税は必要だと主張していた一人だ。自由党のときは、基礎年金と高齢者医療、介護を消費税でやる、その場合は直間比率を見直して所得税と住民税を半分にするとも言った。
しかし、民主党は、前回の衆院選で消費税の増税はしないと国民に約束した。消費税を上げる前に、まず日本の統治・行政の機構を根本的に改革して、官僚支配の中央集権体制から地域主権体制へと大転換する。
<具体的にどう変えるのかは何も言ってこなかったし、今も言っていない! 官僚は不要ということ? まさかそういうことは言わないだろう。そうであれば、誰が官僚を統制する?小沢氏、一川、山岡、田中? 松下政経塾出身の心身気鋭の若手のバリバリがやってもなかなかうまくいかないのに、小沢氏の息の掛かった人たちは、大臣どころか議員さえ失格な人たちばかりだ。誰がどうやって官僚を主導するのか。
小沢氏の地方政治改革とは、全国を300程度の市町村に分け、それを基礎単位の自治体とするというもの? こんなに狭い日本をそんなに細かく切り刻んで何をしようというのか? 現在の主流である道州制の構想とは、真っ向から対立することになるが…?>
それによって行政の無駄を省いて主要政策を実行するための財源を生み出そう。新しい時代に対応できる仕組みを作り上げよう。こう主張した。
<何をどう変えたら、どういう理由で行政の無駄遣いが省かれることになる? そもそも、現在の地方自治体に、それほどの大きな無駄遣いがあるとは思えないのだが…。出来もしないことを出来ると詐欺まがいの嘘を言って、政権交代を主導したのは小沢氏である。こんどもまた、嘘で、地方と国民をだまそうと言うのか>
そのマニフェストが支持されて、民主党は政権を与えられたんだ。
<実体は、国民が民主党マニフェストを支持したと言うよりも、自民党の体たらくに愛想をつかした国民が、消去法で民主党を選んだということではなかったか。民主党の、バラ色の「バラ撒き政策」などを信じた国民はそんなに多くはなかっただろう。そんなにうまい話があるはずがないことは、少し考えればわかることである。国民が民主党に期待したのはむしろ、自民党に常に付きまとっていた「政治と金」の問題、「官僚・公務員の天下り」、低迷する経済、閉塞感あふれる社会、こういうものを民主党が打ち破ってくれることだったはずである。しかし、小沢氏が鳩山氏と組んだ政権も、その後も、ほとんど何もしていない。これは、財源、人材、民主党の支持母体などの制約により、民主党マニフェストが日本の現状、そして民主党の能力に適合していなかったからであり、この二年半の間に、それがはっきりと確かめられた。だから、ある人たちは、マニフェストに期待していたかもしれないが、もはやそうではないだろう>
野田さんたちは「社会保障と税の一体改革」というが、社会保障は全然姿が見えない。増税だけの「単体」ではないか。マニフェストでは、最低保障年金と所得比例年金による二階建て年金の確立、医療・介護の改革も約束したのに、どこにもない。「増税単体」では全く話が違う。ウソをついてはいけない。
<「政権につけば財源などはどうにでもなる」と発言したのは、小沢氏ではなかったか。要は、財源さえあれば、消費税など上げる必要はないのだから、小沢氏は約束どおり、財源を出して欲しい。これが出来ないのなら、嘘つきは小沢氏のことになる>
世論調査では国民の6割が消費税増税反対だが、実際は8、9割の国民が反対だ。
<この「8、9割」という数字はどこのもの?小沢氏の好みのインターネットサイトの偏った調査結果なのだろうか。せめて出所ぐらいははっきりさせるべきだ。消費増税についての国民の意見はこれまで、賛成と反対が拮抗してきたが、賛成が優勢であったことも少なくない。国民は日本の窮状を知っているのである。しかし産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が3月24、25両日に実施した世論調査では「消費税増税関連法案の今国会成立について59.1%が「させるべきではない」と答え、「させるべき」(38.2%)を20ポイント強も上回った。」増税反対論が勢いを増している。ここにきて6割にも上がったのは、全く無益で、延々と続く小沢グループによる党内抗争と、国会の論議に嫌気がさした国民が、こんなことなら先延ばしにしてくれと怒っているということでしかない。 その証拠に、「「小沢氏らは社会保障財源や財政再建に向けて説得力のある方策を示していると思うか」との問いに87.2%が「思わない」と回答した。小沢氏による新党への期待も薄い。」(27日 産経記事より)
「また、消費税増税への理解が深まったわけでもないのに最近の内閣支持率が回復し、民主党の支持率が過去最低レベルにまで下がったのは、小沢系の「反対のための反対」路線を世論が支持していないからと考えられるのである>
旧来の仕組みを前提にして、カネがないから上げなければいけないというのは自民党政治と同じだ。今までと同じようにやるのなら財源など出てくるわけがないし、政権を代える必要があったのか、となる。賛成できない
「大改革なくして増税なし」「社会保障のビジョンなくして増税なし」「経済の再生なくして増税なし」だ。それを全部無視した議論はまったく間違っている。単なる消費税の大増税には賛成できない。
<だから、小沢氏は、「大改革」というのなら、何をどう改革するのかを具体的に言ってほしい。政策論争を全くしないで、反対のための反対を唱える小沢氏は、昔の社会党と同じにまで堕落してしまっている>
亀井静香代表が言っているように国民新党が消費税増税法案に反対すれば連立解消になるし、国民の反対の声はもっと強くなる。そんな中で閣議決定を強行すれば、いろいろと問題が生じるのではないか。
<いかにも、国民が許さないと言わんがばかりの言い方であるが、これは亀井氏と結託した小沢氏が、自分達の選挙事情で(つまりこのままでは、小沢グループも国民新も多くの議員が落選し、ほとんど残らないというさんざんな結果になってしまう)、つまり自分たちの勝手な都合で反対しているだけにしか過ぎない>
(党員資格停止が解除されたら)「われわれが目指したものは何だったのか」「われわれの大義は何だったんだ」
<上述のように、民主党には「反自民」という目標があっただけなので、政権交代してしまえばそれ以上は何も無く、そこに大儀はない。そもそも、民主党には、民主主義国の、しかも政権を担うという政党であるなら当然備えているはずの党綱領というものがないという、まったく信じられないほど非現代的、非合理な政党なのである。本来、党綱領の理念にもとづき、志ある人が結集したものが政党である。この党綱領こそ政党の理念、目的であり、大儀であるはずである。しかし、綱領がないのだから、大儀などあるはずもない。だから、そこに集まってくるのは、政治をする人ではなく、見栄え、身分や利権が欲しいだけの人、つまり政治を通じて利益を得ようとする政治屋である。だから、民主党は野合集団であり、その目的は利益確保のために政権に就き、政権を使って利益を得ようということにならざるを得ない。とは言え、全員がこうであるわけではなく、民主党内にも本当の政治家、良心の政治家は存在するだろう。しかし、党全体で見ればこういうことにしかならないだろう。結論として、民主党には本当の意味での大儀はないのである。こう言われるのが嫌なら、民主党は直ちに党綱領を作るべきであろう(最近、遅まきながらも、検討を始めたらしいが…)>
-それを実現するために、一兵卒であれ何であれ、一生懸命、最後のご奉公をする。
僕自身が首相になりたいという気は別にない。
<なりたくても、なれないだけの話だ。こんな人に総理大臣などになってもらっても困るし、またなれるわけもない。「なるつもりがない」と言うのなら、そのつもり、つまり「主導される側にまわる」ことを示すべきだ。すなわち、総理大臣は日本の最高指導者であり、一議員である小沢氏は、野田首相に議員としての最低限の敬意、礼節は示すべきだ。また、野田市は民主党党首だから、党員(「一兵卒」)である小沢氏は、党首に最低限の敬意、礼節は尽くすべきだ。それが出来ないのなら、小沢氏は国会議員も、党員も辞めるべきだ。もしこれも出来ないというのであれば、この言葉は大嘘ということになる>
2年半前の政権交代でホッとしたが、残念ながら民主党政権は、政権交代可能な民主主義が定着したといえるような評価ではないから、もう一度、それを定着させるための作業をしないといけない。その役に立つなら、天の命ずるままに何でもする。
<「疑惑まみれの金」と「理念も理性もない政治屋集団の数の力」だけを使って、党と国会を混乱に落としいれ、政治の役割を「選挙」だけに、そして政策を「バラ撒き」だけに矮小化し、民主主義を徹底的に堕としめている張本人が、小沢氏である。民主党が民主主義的でない以上に、小沢氏こそ、民主主義の敵対者であるだろう。民主主義のために何かをしたいのであれば、まず、民主的な行動をとってからにして欲しい>
9月まではもたない
野田さんは今国会での法案成立に「政治生命を懸ける」と言ったようだけれど、どういう意味か分からない。通らなかったらどうするの?
<通さないように自分がしているだけではないか! 自分が野田政権を追い詰めておいて、あたかも国民がそれをしたかのような欺瞞はやめてほしい>
例えば、橋本龍ちゃん(故橋本龍太郎元首相)は(平成10年の)参院選で負けたら首相を辞めた。自民党にはそういう最低限の「憲政の常識」というものがあった。
<憲政の常識がないのは小沢氏ではないか>、ところが民主党ではそれが通じないから推測では判断できない。
野田さんが党内でも国民の間でも反対が多い増税法案を成立させようと強行すれば、党内の支持基盤がなくなるのではないか。党内の大方の意思を無視して強権的な政治行動をしたら、「これでは代表として困る」となりかねない。最終的には党内と国民がどう考えるかだ。
では、法案が成立しないまま9月の民主党代表選まで行ったときに、国民が野田首相のままで「ああそうですか」と言う? 何もしないで9月まで過ごすことは多分国民が許さない。
民主、自民両党の大連立という話も、政治家が考えるのはご自由だが、自民党との連立は民主党内で多数ではない。野田さんに「民主党の反対派を切れ」と迫る谷垣(禎一総裁)さんも、今の自民党を見渡せば他人のことを言っているような場合ではないだろう。
恐らく衆院解散・総選挙は今年の秋にもあるのではないかと思う。来年の衆参ダブル選挙とはいかないのではないか。そのときに民主党がちゃんと今の形であるかどうかも問題だ。
(野田内閣不信任決議案が国会に提出されたときの対応については)国民がどう見ているかだ。あくまでも国民の動向次第だ。
<これだけ野田首相に敵対し、その政策の実行を妨害しておいて、不信任にするかどうかはまだわからないとは一体どういうことか?! 野田首相が全面的に小沢氏の軍門に下って来るのを待っているのか。そんなことはあり得ないだろうから、これは、いつでも撤退することが出来るようにしておく布石だろう。 場合によっては、いつでも逃げ出せるようにしておいて、党内、国会で野田首相に「徹底抗戦」を宣言しているとすれば、これほど政治、国会、国民を馬鹿にした話はないだろう。古代の戦争であれば、このような千変万化、権謀術数も兵法の基本として妥当なものとなるだろうが、なにしろ、今は「現代」だし、政治は「戦」ではない。政治は勝つだけではなく、理念と信条を持ち、信義を重視するものでなければならない。この調子では、昨年の菅内閣のそれの再現、すなわち、ちょっとしたことですぐに翻意し、彼を信じたものはゲタを外されるということである。結局、こういう人は信頼できないということでしかない>
他党などと糾合して政界再編することも、他に選択肢がなくなった場合は別だが、僕らが民主党を出る理由はまったくない。もし離党するなら、国民との約束を忘れた人たちが出ていけばいい。僕らは本当の民主党を取り戻すために努力する。
<小沢氏は、民主党代表戦で、すでに三連敗している。つまり、民主党の最高意思決定機関は、いわゆる反小沢勢力を、民主党の意思と認定しているのである。小沢氏が、もし民主主義的な政治を行うつもりがあれば、この経緯からして、自分達が民主党だとは言えるはずがないではないか。
また、彼は、民主党の原点がマニフェストであり、そのマニフェストを守ろうとしているのが自分達だから、自分達こそ民主党だということを言いたいのだろうが、マニフェストといっても、それは2009年のそれでしかない。他の時期のマニフェストもあるわけだから、これをもって、民主党の原点とすることは出来ない。党の原点は、党の綱領であるはずなのだ。これだけを特別扱いするのは、これが現在の野田内閣批判に好都合だからだろう。ご都合主義と言わざるを得ない。しかし小沢氏が、しっかり認識しなければならないことは、上述のようにすでにこのマニフェストは完全に破綻しており、「お蔵入り」した過去のものとなっているのである>
(4月26日の政治資金規正法違反事件判決については)裁判所として公正な結論を出していただくことを期待している。
<これは地裁の判決にしか過ぎない。万が一、これで無罪が出ても、彼が刑事被告人から解放されるわけではない。二審、三審もあることを忘れてもらっては困る。また、小沢氏の罪は司法だけではなく、立法府、すなわち国会の承認喚問としても裁かれるはずであり、さらには、選挙によって裁かれるはずである。そうでなければ、日本の明日はないだろうからである>