風呂場の方から、小さな「トスンッ！」という音が聞こえた。 音に聞き覚えはある。
風呂場に向かうと、先客が居た。
アリス（犬）～、大丈夫ですよ。オカァサンには見当が付いているからね。
やっぱりね♪
風呂のお湯を流した後、フタを一部開けていたのだ。
風呂桶の中はもうすっかり乾燥している。
気温がだんだん高くなって来ると、このひんやりした感触が気持ちいいらしい。
そして今日は風呂場の方から「カタカタン！」という音がして来た。この音もよく聞く音だ。
ジャ～スミ～ン（猫）、そこにいるのはわかっていますよ～。
ほらね♪
じゃあジャスミン、オカァサンこれからちょっと出掛けて来ますからね。
アリス（犬）と仲良くお留守番をしていてね。
と言って振り向くと、
聞き耳をたてているアリス（犬）が居た。
風呂場でしゃがんでジャスミン（猫）の写真を撮っていたのだが、立ち上がると、
私に「ホネ」を放ってもらおうと、私の後を追って来たのがわかった。
ごめんね、アリス（犬）。 じゃあちょっと行ってきますからね。
甘えん坊のアリス（犬）は、私が居ないと食事も喉を通らない……。
それでも近頃はだいぶ慣れて、昼はひとりで食べられるようになった。
お腹空かしのアリスは、ジャスミン（猫）の自動給餌器のチャイムが鳴っただけで、
自分の番を待っている。
だから夜だって、そうして食べてくれればいいものを……。
どうしてオカァサンが帰って来るまで食べられないんですか！外が暗いだけで。
私が玄関を入って来るのを見定めて、食事処にすっ飛んで行くのだ。
そして、私の顔を見て安心して用を足すのである。
まぁね、私の後をくっついて離れないという慕われ感は、満更でもないが不便でもある。
そんな私も、ジャスミン（猫）の後を追い掛け、アリス（犬）からも片時も目を離さない。
あ、起きちゃった？ いいんだけどね、そこソファから落ちそうだな～と思ってね。
気を付けなさいよ。
ふと考えたら、私はジャスミン（猫）に追い掛け回されるほど慕われているのだろうか？
思い当たるフシがない……と思っていたら、あったあった
私がオヤツを手にしている時である♪
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