先月の中頃に、税・社会保障の共通番号制度の検討を前倒しの方針と報じられたが、管副総理・大臣へのインタビューで具体的なスケジュールが明らかになった。
2009年度
・「番号制度に関する検討会」などの検討体制を立ち上げ
・基本的な方向性を議論
2010年度
・夏頃までに、基本的な考え方(3類型)を整理。年末までに絞り込み
2011年度
・関連法案の提出、成立
2013~2014年度
・共通番号の付与やITシステムの改修などの施行の準備
・2014年1月から制度導入
2011年度に関連法案を提出してから、共通番号の導入までに1~2年は必要になると述べているので、検討の開始から法案の提出までを1年間ほど前倒しすることになる。税と社会保障の制度にかかる全国民(外国人を含む)に番号を付与し、本人に通知したり、勤務先に知らせたりするための「準備期間」には、1~2年は必要になる。国や地方自治体のITシステムだけでなく、民間企業などにおいてもITシステムの改修・機能追加が必要になるし、社員・職員から共通番号などを集め、管理するための事務処理も必要になる。2014年度から導入しようとすると、検討の前倒しが必要になるとの判断なのだろう。
全国民に番号が付与する仕組みとしては、既に住民基本台帳ネットワーク(住民票コード)がある。しかし、国民は付与された番号を知らなくても構わないし、住基カードを持っていなくても何のペナルティもない(残念ながら、持っていたとしても、大きなベネフィットがない)。しかし、今回の共通番号は、知っていないと報酬を受け取れないし、社会保障の給付を受けられないかもしれないというような日常生活に直結する番号である。いつ、どこで必要になるかわからないので、常に携帯していなければならないし、書くように求められたときに書けるようにしておかなければならない。日常生活に直結する番号だけに、全国民に漏れなく番号が付与したことを確認してからでないと制度を導入できない。準備期間の大変さは、これまでの諸制度とは比にならないだろう。
なお、共通番号の基本的な考え方の3類型は、以下のとおり。
1)新しい番号を付与
共通番号として、国民一人ひとりに番号を付与していく。このブログでも取り上げているが、住民異動との連動性が求められるので、既存の番号制度とのインタフェースを持つことになると思われる。
2)基礎年金番号を活用
基礎年金番号をそのまま使う。しかし、基礎年金番号を持っていない国民も多く、所得の把握や社会保障給付に支障が出るおそれがある。年金制度に未加入であっても共通番号が必要になれば、基礎年金番号を付与するような運用になると思われる。
3)住民基本台帳(住民票コード)を活用
全国民に付与済の住民票コードをそのまま使う。外国人登録は別なので、日本国内にいて、国内の企業などから報酬を得ている外国人労働者には新たに番号を付与する必要がある。また、住民票コードの利用にあたっては、厳しい制限が加えられている。日常生活に直結する番号として使うことを想定していなかったため、法改正は困難を極めると思われる。
3類型ごとにメリットとデメリット、費用、実現可能性などを評価して絞り込みがなされることになる。個人的には、社会保障カードの導入にあたって検討したことが使えると思いつつ、政権も変わったことだし、体制を一新してゼロベースで検討してほしいと思う。また、全国規模のITシステムを前提とした制度になると思われるので、実務的な検討をする委員会のメンバーには、現実的な検討と他分野の専門家と正面から議論ができるIT業界の代表(専門家)を探し出して加えてほしい。
2009年度
・「番号制度に関する検討会」などの検討体制を立ち上げ
・基本的な方向性を議論
2010年度
・夏頃までに、基本的な考え方(3類型)を整理。年末までに絞り込み
2011年度
・関連法案の提出、成立
2013~2014年度
・共通番号の付与やITシステムの改修などの施行の準備
・2014年1月から制度導入
2011年度に関連法案を提出してから、共通番号の導入までに1~2年は必要になると述べているので、検討の開始から法案の提出までを1年間ほど前倒しすることになる。税と社会保障の制度にかかる全国民(外国人を含む)に番号を付与し、本人に通知したり、勤務先に知らせたりするための「準備期間」には、1~2年は必要になる。国や地方自治体のITシステムだけでなく、民間企業などにおいてもITシステムの改修・機能追加が必要になるし、社員・職員から共通番号などを集め、管理するための事務処理も必要になる。2014年度から導入しようとすると、検討の前倒しが必要になるとの判断なのだろう。
全国民に番号が付与する仕組みとしては、既に住民基本台帳ネットワーク(住民票コード)がある。しかし、国民は付与された番号を知らなくても構わないし、住基カードを持っていなくても何のペナルティもない(残念ながら、持っていたとしても、大きなベネフィットがない)。しかし、今回の共通番号は、知っていないと報酬を受け取れないし、社会保障の給付を受けられないかもしれないというような日常生活に直結する番号である。いつ、どこで必要になるかわからないので、常に携帯していなければならないし、書くように求められたときに書けるようにしておかなければならない。日常生活に直結する番号だけに、全国民に漏れなく番号が付与したことを確認してからでないと制度を導入できない。準備期間の大変さは、これまでの諸制度とは比にならないだろう。
なお、共通番号の基本的な考え方の3類型は、以下のとおり。
1)新しい番号を付与
共通番号として、国民一人ひとりに番号を付与していく。このブログでも取り上げているが、住民異動との連動性が求められるので、既存の番号制度とのインタフェースを持つことになると思われる。
2)基礎年金番号を活用
基礎年金番号をそのまま使う。しかし、基礎年金番号を持っていない国民も多く、所得の把握や社会保障給付に支障が出るおそれがある。年金制度に未加入であっても共通番号が必要になれば、基礎年金番号を付与するような運用になると思われる。
3)住民基本台帳(住民票コード)を活用
全国民に付与済の住民票コードをそのまま使う。外国人登録は別なので、日本国内にいて、国内の企業などから報酬を得ている外国人労働者には新たに番号を付与する必要がある。また、住民票コードの利用にあたっては、厳しい制限が加えられている。日常生活に直結する番号として使うことを想定していなかったため、法改正は困難を極めると思われる。
3類型ごとにメリットとデメリット、費用、実現可能性などを評価して絞り込みがなされることになる。個人的には、社会保障カードの導入にあたって検討したことが使えると思いつつ、政権も変わったことだし、体制を一新してゼロベースで検討してほしいと思う。また、全国規模のITシステムを前提とした制度になると思われるので、実務的な検討をする委員会のメンバーには、現実的な検討と他分野の専門家と正面から議論ができるIT業界の代表(専門家)を探し出して加えてほしい。