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子ども手当、満額の支給は困難か 財源論は避けて通れず

2010年02月01日 09時45分42秒 | 子ども手当・子育て
野田財務副大臣は、31日のNHKの番組で、2011年度からの子ども手当の満額支給について、「難しい。ハードルは高く、これからの作業になる」と述べた。前日の30日、愛知県豊田市で開かれた民主党支部の総会でも同じように述べており、財務省からの牽制が早々に始まったと思われる。
政府の方針として決まったわけではないが、財政状況を客観的にみれば、満額の支給が先送りされても仕方ないようにも思える。子ども手当の満額支給よりも子育て環境の整備に予算を振り分け、支出を抑えて財政の健全化に取り組むほうが、国民の理解を得やすいのではないだろうか。野田副大臣は、「中期的な財政フレームを作っていく。3か年にわたる歳出計画、歳入の見通し、歳出削減をどうやるかを作る。その流れの中で予算編成をやっていく。できないとは言っていない。これからの作業だ」「どういう知恵を出すのかだ」とも述べているので、いろいろな考えを出しつつ、世論を見極めようとしているのかもしれない。

子ども手当満額「難しい」=11年度以降見通し-野田財務副大臣
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100131X297.html

2011年度予算を組み上げる前に、特別会計を含めて事業仕分けと組み替えに取り組み、予算化していくことになる。ただ、子ども手当の満額支給には5兆円を上回る予算が必要との試算があり、それだけの額が簡単に出てくるとは思えない。さらに、このブログでも取り上げた「子ども・子育てビジョン」の実現には、年間7千億から1兆円ほど必要になることを考えれば、限られた予算をどう割り当てるべきかという現実を踏まえた議論を始めなければならないことがわかる。

<子ども手当>11年度満額「厳しい」 税収低迷理由に--野田副財務相
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20100131ddm002010114000c.html

政府の国家戦略室は、「中期的な財政運営に関する検討会」を開催し、中長期的な財政健全化や複数年度予算などに関する検討を始めている。伸び続ける社会保障費を支えるための財源の確保と、確保した財源を年金・医療・介護・福祉などのどれに割り当てるのか、さらに子ども・子育てに割り当てられた財源を「現物=子育て環境整備」の給付と「現金=子ども手当など」の給付のいずれに割り当てるのかといった「財源論」を避けては通れない。

財政健全化目標めぐる検討開始-政府
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-26056.html


野田副大臣の発言に対して、管副総理・大臣と平野官房長官から、さっそくと打ち消すようなコメントが出されている。子ども手当の財源確保の時と同じように、いろいろな考え方を並べておき、制約条件下でベストな「落としどころ」を探ろうということだろう。
平野官房長官は、「どういう財源を充てられるか、これから汗をかかなくてはならない」と述べ、管副総理・大臣は、「社会保障分野だけで6兆円の増額が見込まれる。これをどういう形で埋め込んで、出せるかが問題だ」「やるといったら、やらないといけない」などと述べている。いずれも満額の支給に必要となる財源を確保したうえでの発言ではなく、野田副大臣の発言とバランスをとるためのコメントと思われる。
あと半年もすれば、社会保障費の増額分の「6兆円」をどうするのかに取り組み、何らかの答えを出さなければならない。またまだ様子を探り合っている状況なのだろう。

子ども手当満額支給、菅氏「やるといったらやらないと」
http://www.asahi.com/politics/update/0131/TKY201001310252.html?ref=goo

子ども手当は満額支給=平野官房長官
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100201X385.html