goo blog サービス終了のお知らせ 

研究・論文作成のためのブログ

医学部で臨床医をしつつ大学院に進学し、博士号の学位を取るまでをつづります。

学位審査の経過・結果報告。

2007年10月30日 | 日記・備忘録
昨日、私の博士号を決める学位審査が大学の方で執り行われました。
開始は夕方の5時。日程や時間は、審査委員の教授方の都合により決まります。私の審査は、委員会に上がってから審査までの時間が1ヶ月半と比較的早いほうでした。

当日、昼過ぎに静岡をでて、以前ワインの取り置きをお願いしていた百貨店に立ち寄って、ワインを買ってから大学に行きました。
教授4人分ですので4本のワインが箱に入っていて大変な大荷物でした。

審査が始まる1時間前に学事課に寄り、プロジェクターとポインターを借ります。審査をする予定の会議室に行き、プレゼンのセットアップ。
原稿を読んだり、少し論文を眺めたりしていたらあっという間に予定時間が近づき、最初に内科の教授が会場にいらっしゃいました。
続いて私の主査の教授。時間ちょうどになって、医学部長である基礎の教授と、産婦人科のもう一人の教授がいらっしゃいました。
4人そろうとすぐに審査が始まりました。審査委員長というのが主査とは別におり、今回の審査委員長は産婦人科のもう一人の教授でした。

プレゼンは当然立ってするものかと思っていたら、座って話してくださいといわれいきなり戸惑いましたが、教授陣の気遣いなのでしょう。
言葉に甘えて、座ってプレゼンを開始。おおむねスライドに沿って、ときどき説明を追加して棒読みでないように気をつけながら話しました。
最初ゆっくり話していたら、けっこう時間がたってしまったので、中盤から少しテンポアップし、特にメソッドのあたりはざーっと読み飛ばしました。
どうにか所定の20分で説明が終了しました。
続いて試問です。試問といっても知識を問われるような意地悪な質問はなく、皆さん研究者として、自分の研究室のデータなども紹介しながらいくつか質問がなされました。
運がよかったのは、医学部長をされている基礎の先生は、私が所属していた研究室のボスのことをよーくご存じで(共同研究もしている)、私の研究の苦労をわかって質問してくださっていたことでした。
3人の先生方は総じて研究内容に前向きで、今まで考えていなかったような新しいアイデアまで出てきて、審査のはずなのに研究のディスカッションのような雰囲気で、後半はかなり余裕というか、いい雰囲気で進めることができました。
所定の時間が近づくと、委員長の先生がまとめるような感じの話をして、私を一度外に出します。「ではちょっと、外の方でお待ちください」。
いつもは審査される人が外に出ると、そこで審査委員が話し合いを行って、医学博士にふさわしいか、今回の仕事が博士号を与えるにふさわしいかというような相談をするそうです。
でもなんか聞いていると、今回の研究の内容をまだ続けているようでした。自分が思っている以上に、仕事のクオリティとしてはよいものだと評価してくださったみたいでした。
このことは私にとっては大変な驚きでした。自分としては、論文の内容は、本当にたいしたことを言っていなくて、ある実験結果から考えられるspeculationを書いてあるだけだと思っていたのですが、審査の先生方は、抗体がいい抗体だとか、ランゲルハンス島で発現しているのはとても興味深く、それだけに絞って研究するのも十分におもしろい、といった評価がなされました。

終わると教授陣が帰っていき、最後に主査の先生が残っていて「合格だよ」と笑顔で知らせてくれました。
審査で落ちることはないとは聞いていましたし、試問のやりとりでも落ちるとは思っていませんでしたが、やっぱりそれを聞くと本当に肩の荷が下りました。

終わってから教授陣に挨拶回りをしました。

以上、私の学位審査の経過でした。

終わってみて、まあこんなにあっさりと終わるならもっと早くやっておけばよかった、という気持ちがやっぱりありました。
春先の連合地方部会で発表したときに、学会会場で学位の仕事進めるようにと教授に声をかけられてからはだいたい6ヶ月くらいでした。
それにつけ、そのときの連合地方部会に発表してよかったと思いました。そのときの発表は日本語の論文としてまとめることができて、その連合地方部会の来月号の雑誌に掲載されます。


このブログを通じて、応援してくださっていた皆様、心から御礼申し上げます。本当に本当にありがとうございました。
これからは医学博士として、その名に恥じない医師になるよう切磋琢磨していく所存です。研究者には向いてないかもしれませんが、自分のやれる範囲で、やっていきたいと考えています。
来年は大学人になる話がありましたが、医局人事により来年度も静岡に残留し臨床を続けなくてはなりません。
それでも、少しずつ仕事を作っていきたいと思います。

ブログはもう少し更新を続けると思いますよ。





いよいよ、明日。

2007年10月28日 | 日記・備忘録
私の学位審査が、いよいよ明日に迫ってきた。
プレゼンテーションについては、まだつっかえてしまうところはあるし、細かな説明は少々怪しげなところもあるが、全体的な流れとしては、原稿なしでも大まかに話せるようになった。
何しろ指導教授からは、原稿は読まないで発表しなさいといわれている。
(恥ずかしながら、いつも学会では読み原稿を用意し、当日発表の際にはその原稿を読み上げる発表をしてしまうのです)

質問とその受け答えについては、予想外の質問や自分の勉強していた分野から外れてしまうと答えられないが、自分が研究してきたこと、研究しているときに考えたこと、ネガティブデータなどについては話ができるつもりだ。
おそらく学位審査は試験ではないから、一定の知識を要求されるものではなく、研究の内容にある程度のクオリティを要求し、あとは審査でのディスカッションで、一定のレベルのディスカッションが教授とできれば、通してもらえるものなのだろう。

明日の今頃は、ほっとしている自分の姿があることを祈る・・・


当直の回数。

2007年10月24日 | 日記・備忘録
大学に勤める若い先生たちは、大変当直の回数が多いです。
常識では考えられない回数当直しています。

詳しくは、Bermuda先生のブログを読んでみるとわかるのですが、月に15回から20回なんていうこともあります。
来る日も来る日も、大学病院や関連病院の当直室にお泊りです。

自分もかつて大学で研修医をしていましたから同様の時代がありました。
それにしても、大学病院って言うのはやっぱりかなり忙しいです。
それに比べると、一般病院ではまず雑用(点滴入れるとか、包帯交換とか)はナースのみなさんがやってくれることが多いので、そういう雑用から開放されるすがすがしさがあります。
ほんとうに、大学にいたころは、夕方大学病院を出て、関連病院の当直室に着くとほっとしてた気がします。

たまに頼まれて、当直したことのない病院に行くことがあって、そういう時はなんだかワクワクしてしまいます。
でも、ご飯をどこで食べるかとか、仕事をどういうふうにするかとか、わからないことが多くて不安があるのも確かです。

あと、関連病院の当直室って、たいてい漫画がたくさんある!
待機の時間つぶしにゴルゴとかみんな読むわけです。

仕事を持っていってやっている先生もいますが、やっぱりなんとなくはかどらないんですよね。週末に当直しているときとかは特に。週末くらい休みたいじゃないですか。
病院に監禁されている感覚も苦痛で、結局仕事が手につきません。
論文とか持っていっても、読もうとすると睡魔が・・・

外の空気を吸いに言って、ご飯食べて、コンビニによってお菓子買って当直室に戻る。

時間つぶしにお菓子を食べる。何もなさそうならビールを飲むことも(不謹慎ですな)。


こうやって、産婦人科の医者は太っていくのです・・・

ちなみに私は大学院の4年間で4キロくらい太りました。ズボンがどんどんはけなくなっていくのが情けなかった。
今は臨床に復帰して、ジム通いもしたので(最近行ってないな)、無事4キロ戻すことができました。もちろん以前はいてたズボンも穿けるようになったよ。

学位審査の練習をしなくてはならないのに、現実逃避してます・・・。

いよいよあと1週間

2007年10月22日 | 日記・備忘録
学位審査があと1週間に迫った。

今日は外来を速攻終わらせて、大学まで行ってきた。審査委員の先生に挨拶して論文を渡し、簡単な打ち合わせをするのだ。

私の審査には、内科の教授が入っている。おそらく論文の内容が脂質代謝に関与しているからだと思われる。

打ち合わせは10分程度で終わった。さすがに教授、私の論文をさっと見て、すぐに研究のポイントを把握している。率直に疑問点を挙げて下さり、審査の当日に話した方がよい点を鋭く指摘された。

さあ、あと1週間、スライドを完成させて、練習を何度もやって、当日はプレゼンと審査を流れるように終わらせたい。


新型iPod、どうする?

2007年10月20日 | 日記・備忘録
いまさらのように、往年の名バンド、VAN HALENのベストなど聴いている。

やっぱりJumpは名曲だし、サミーヘイガー時代のDreamsなんかも聴いててほんと心地がいい。
Can't Stop Lovin' Youとかも素直にいいですね。キャッチーって言うのか。

なんか高校生くらいのころ夢中で聴いてて、久しぶりに懐かしくなった。5150というCDを、池尻大橋駅の裏側にあったYou&Iでレンタルした覚えがある。


検索してたら、こんなサイト見つけました。

これで歌詞カードというものは不要ですな。

しかし自分のiPod、第三世代でいまだ現役なのですが、またバッテリーがヘタって来ました。(一度applestoreで交換済み)

今回のiPodシリーズはかなり斬新なようで、魅力あるものが多いのですが、買い換えるのは実はちょっと迷っています。

というのも、classic, nanoなどのインターフェースと、touchのインターフェースがギャップがあるからです。
touchのインターフェースは今後のiPodシリーズの標準になっていくと思われるので、今classicを買っても、ちょっとしたら古くなってしまいそうです。
かといってtouchは容量と値段のバランスがやや悪い。WiFiがあるのは魅力だが、逆に言えばWiFiの環境がない場所では、パワーが半減します。

迷ってしまうのですよ。

打ち合わせ2回目

2007年10月19日 | 日記・備忘録
指導教授と学位審査の打ち合わせをおこなった。
2回目なのでざっと流す程度かと思っていたら、じゃあちゃんとプレゼンやってみて、といわれて焦る。


プレゼンの練習はあんまりやっていなかったので・・・(汗)




でもやっぱり人に見てもらったり、発表の練習をすると、スライドのおかしいところとか、流れの不自然なところを指摘してくれるので有難い。
自分だけでやっていると、おかしなところがあっても、気がつかずそれでいいような気がしてしまうからだ。





打ち合わせに行く前に、少し早く東京に出て、都内の某百貨店に立ち寄った。
審査委員の先生方にお礼をするのだが、菓子折(と○やの最高級羊羹を持っていくというのが慣わしとか)を持っていってもまああまり有難くはないだろうから、すこし高級なワインでも差し上げる方が気が利いているというものだ。
私もワインは好きだが、ぜんぜん詳しくないのだ。特に、どちらかというとコストパフォーマンスからニューワールド(チリ、カリフォルニア、オーストラリアなど)のワインを好む傾向がある。
なのでソムリエの方に、贈り物にするワインでお勧めのものを、と相談。
金額を伝えるとしばし考えて、選び出してくれた。

一般的に贈り物にするならば、フランスのボルドーがいいでしょうとのこと。少し予算奮発した2本は、ボルドーの中でもトップ5本に入るとされる作り手のもの。
予算を少し抑えた方の2本は、トップレベルからは少し落ちるけれどもクオリティはほぼ同等というもの。

その百貨店のワインコーナーは大変有名なのだが(こういうだけでもうピンと来る人はくるはず)、ソムリエの方も大変心得ていらして、決してどんなことにご入用なんですかとか野暮なことを聞かない。

いい買い物ができた。

アクセプトされました

2007年10月18日 | 日記・備忘録
先だってより再投稿などしていた、症例報告の論文が昨日無事アクセプトされました。
投稿先はInternational Journal of Gynecological Pathologyという雑誌です。1年に4回発刊されます。
再投稿してから返事が来るまで1週間でした。

レフェリーの一人はかなり厳しいコメントでしたので、この人さえクリアすればなんとかなるだろうとは思っていました。
逆に、この人が反対して、その意見をエディターがききいれてしまうと厳しいかもしれないとも思っていました。
もともとエディターの返事は割といい感じだったと思いましたし、そもそもあの英語の原稿を受け付けてくれた時点で、少なくともGynecologic Oncologyのエディターよりは心の広い人だと思われました。

ともかく、無事通ってよかったです。病理の先生に報告したらとても喜んでくださり、おめでとうございますと言ってくれました。
これからもどんどん書いてくださいなんて言ってもらっちゃいました。

この勢いで学位審査も乗り切るぞ!

あと2週間。

2007年10月14日 | 日記・備忘録
私の博士号についての学位審査が、いよいよあと2週間となった。
あまり万全な準備ができているともいえないが、論文自体は変わりようがないから、内容が大きく変わることはない。
それでも、より正しく審査委員の先生方に論文の内容を理解してもらうためにプレゼンをするわけで、プレゼンについては少なくともこちらの意図・論文の内容が明確に聴いている人に伝わるものでなくてはならない。

ひとつ、論文を書くときにも説明が苦しかったのが、私が研究していたたんぱく質が、膵臓のランゲルハンス氏島という場所に発現していたことについての考察だ。
ランゲルハンス氏島というと、血糖調節のホルモンであるインスリンが分泌される場所として知られるが、その場所での発現がそのたんぱく質の機能とどう結びつくかを説明するのが難しいのだ。
それでいて、膵臓における発現はランゲルハンス氏島にとても特異的なので、なにか意味がありそうで興味深いとはいえるのだが。その説明となると、それについて詳しい研究をしたわけではないから、あまり込み入った話ができない。

まあなんとかなるかな。

症例報告の論文は先週投稿して、今返事を待っているところ。favorableなレスポンスがあるといいなあ。



最初の雑誌にはねられた理由

2007年10月09日 | 日記・備忘録
症例報告の論文をいよいよ再投稿する。締め切りはあさってだ。

editageという会社に英語の校正をお願いした。
reviewerにも可能であれば英語をnative speakerに直してもらうほうがよいとコメントをもらっていたからだ。
editageという会社は、インド人がやっているようなのだが、非常に仕事は丁寧である。おそらくかなり慣れている人の、しかも割と専門の近い人に仕事を割り当てているようで、大変満足できる校正の結果だった。

それにしても、最初の雑誌(Gynecologic Oncology)にはねられたのは、今思えば、英語のひどさと内容の雑さの2点に尽きるということに、いまさらのように気がついた。
逆に言えば、よくまあ二番目の雑誌(International Journal of Gynecologic Pathology)はあの原稿を受け取ってくれたものだと思う。

それくらい、自分ではきちんと英語を書けていると思っても、学術英語からは程遠い、ひどい英語を書いているのだ。悲しくなるが、native speakerではないから仕方ない。


ちなみに、今日は息子の5歳の誕生日。