研究・論文作成のためのブログ

医学部で臨床医をしつつ大学院に進学し、博士号の学位を取るまでをつづります。

行く年、来る年。もう一度、一年を振り返る。

2005年12月31日 | 日記・備忘録
この一年で、やったことと、やれなかったこと。

・研究をまとめて、論文を書いた。現在リバイス中。

・大学院卒業には、間に合わなかった(すでに締め切られている)。でも論文が通れば、あと4年の間に学位申請をすれば課程博士として学位が取れる。

・大学にいるうちに、細胞診の指導医という資格を取ろうと思っていたが、諸般の事情や研究のことなどで、取れなかった。今後の課題。

・PDA市場が衰退し、自分もCLIEのバッテリーがへたってしまったので、使わなくなった。買い換えを検討しつつ一年過ぎてしまった。

・パソコン自作。調子の悪かった自宅のEpsondirectのマシンを解体して、ASUSのベアボーンキットを買ってきてパーツを取り付けた。
Epsondirectのマシンは約2年使ったが、電源のファンがうるさかったのと、TV録画出来るというのが売りだったけれど実質ほとんど録画出来なかったので。自作、けっこう楽しい。

・ACOG参加。一週間だったけど意義は大きかった。



来年一年で、やりたいこと。

・論文の再投稿。これは年明けすぐだ。

・学位取得。遅くなると面倒なので、来年中に審査を受けたい。

・臨床。大学院4年で臨床の力がすっかり落ちてしまった。また研修医に戻ったつもりで一から勉強。

・趣味のカメラを、もう少しきちんとやりたい。もはやフィルムカメラは骨董品と化し、ほとんど使っていないので、使える一眼レフデジカメを買うのと、プリンタを買い換えて、楽しみたい。

・妻と子供の留学。3ヶ月ほど、夏にカナダのトロントに行かせる予定。

・自分も診療で使える英語を身につけたい。

今日見た 年末テレビ番組

2005年12月30日 | 日記・備忘録
年末年始は、例年当直です。

毎年、30日と大晦日は都内にある病院で過ごしています。

日中空き時間にテレビを見ていたら、NHKが面白い番組をやっていました。

帝国ホテルの総料理長を長くつとめられた、ムッシュ村上こと村上 信夫さんの番組
引きこもりやリストカット、薬物中毒の子供たちにむきあう、夜回り先生こと水谷 修さんの番組
天才棋士が年老いても棋士の指導に取り組む、藤沢秀行とその妻の番組

どれも自分の仕事に非常に真剣に取り組んでいて、心を打たれました。

特に藤沢秀行さんの、「なぜ藤沢さんは酒を飲むのですか?」という質問に対する答えがすばらしかった。「上に立つと言うことは、とてもつらいんだよ」といったことでした(筆下手で伝えられないのが残念)

藤沢秀行さんの言葉は人の心をうつらしく、こんなサイトをみつけました。


村上信夫さんが料理人たちに「勉強してますか?」と聞く、という話も身につまされる思いでした。




一年を振り返る

2005年12月29日 | 日記・備忘録
いよいよ年の瀬となりました。

この一年を自分なりに振り返ってみたいと思います。

自分にとって大きかったのは、5月にアメリカの学会に参加したことだと思います。
この学会はかなり臨床寄りの学会だったので、大学院で研究のことばかり考え、悩んでいた自分にとってはリフレッシュのいい機会であり、内容も日本では知ることの出来ないアメリカの臨床を垣間見ることもできてとても有意義でした。

なぜこの学会の参加が自分にとって大きかったのかというと、この学会から帰ってきて、ふと「このままではやばい、もうどんなのでもいいからデータをまとめて論文を書こう!」と思い立ったというか、ふんぎりがついたからです。
この学会に行かなかったら、いつまでもうまく行かない研究や実験のことで悩み続け、論文が書けなかったと思います。

そして論文を自分で書き、いろんな人に面倒を見てもらい、ようやく投稿までこぎつけたこと。
このことについては、上司が論文を書いてしまう大学院生というのが世の中には結構多いと思われますが、私の環境に置いてはそういったことは(残念ながら?)あり得なかったため、一から自分で書いたのでした。
このブログも、その過程で学んだことや知ったことを少しでも人に還元したいということから始めたものでした。
以前にも推薦しましたが、「アクセプトされる英語医学論文を書こう!」(ねる・L・ケネディ著、メディカルビュー社)という本が初心者が英語論文を書く際に大変参考になるのであらためておすすめしておきます。

研究は、実験をたくさんやることももちろん大事なのですが、論文を書いてまとめるという過程で得られることもたくさんあり、それもとても大事なステップだと思います。

いろいろと苦労もあり、回りの方々に心配をお掛けした大学院生活でしたが、こうやって論文をまとめることが出来たことは本当によかったと思います。


Gmailの凄さ

2005年12月27日 | 日記・備忘録
前に一度、googleのwebmailであるGmailについて紹介しました。
今日改めてその凄さを実感しました。

ある人(Eさんとしましょう)が、私を含め多数の関係者にメールを送りました。その中に、Wさんが含まれてました。さて、私がWさんにメールする用事ができて、送信アドレスの所にWさんのアドレスを入力し始めると、なんと送信者の候補としてWさんのアドレスを表示するのです。私自身はWさんにメールするのは初めてのはずなのに!

これには驚かされましたが、他にもGmailには普通のwebmailにはない優れた面があります。

是非皆さんも試してみて下さい。

ただし今の所、使用するには紹介が必要になっています。

レビュアーのコメントに対する返事。

2005年12月27日 | 日記・備忘録
さて、今論文のリバイスについて、レビュアー(Referee)のコメントに対する答え(rebuttal)を書いています。

英語をチェックして、細かいところ(補足データをどの辺に入れるかとか、細かな修正を加える)をチェックしたら再投稿です。
ラボのポスドクが言っていたことは、このステップではエディターへの手紙の内容が重要になるということでした。
ここで、「いかにレビュアーのコメントが私たちの論文をよくするのに役立ったか」ということをアピールすると、エディターの心証がよくなり通して貰いやすいそうです。
逆に、レビュアーのコメントに対しては極力言っていることに従うようにして、あまり反論するようなことは書かない方がいいということです。
まあ、これはある意味当然ですよね。
レビュアーからすれば、忙しいのに人の論文に目を通していくつか欠点をみつけて指摘するわけですから、それに対して感謝の意があると、レビューした甲斐があったというものです。

まあこの辺はもうサイエンスではなく、接客に近いものがあります。


年内に再投稿出来ればいいのですが、いろいろな手続きも必要だし、ボスのサインも貰わなくてはならないし、ぎりぎり間に合うかどうかというところです。




bandが出た~

2005年12月26日 | 日記・備忘録
先週からたった一本のバンドのためにいろいろと試行錯誤していたのですが、ようやく出てくれました!!!

いやーほっとした。出るはずのものが出ないと、ほんと何なの!?という感じで困っていたのですが、ラボの講師の先生と話しているうちに、どうやらその結果だとPCRの条件が悪くて反応が行ってない可能性がある、と言われました。
annealといって、自分が設計したプライマーが鋳型のDNAに張り付く反応があるのですが、その反応温度はプライマーのデザインによって変えなくてはいけません。
温度を高くすると、特異性はある程度保たれますが反応がいきにくくなり、温度を低くすると反応はいくのですが非特異的な増幅も増えると言われています。
その温度を少し下げてみたら、あっさりバンド出現。

このことに気づくのに1週間ですよ。

研究なんてそんなもんです(二回目)。

ようやく次のステップに進めそうです。


論文のねつ造

2005年12月24日 | 日記・備忘録
今日はクリスマスイブですが、午前中検診センターのパートに行き、午後から実験をしています。

たった一本のバンドを確認するために、この一週間を費やしてしまいました。
研究なんてそんなものです。



ソウル大の黄禹錫(ファン・ウソック)先生が論文のねつ造をあきらかにし大きなニュースになっています。
ねつ造は研究者として最もやってはならない背信行為であり、黄先生は辞職するそうですが、関係者はたまったものではないですね。

日本でもRNA研究では非常に著名な研究者が現在ねつ造疑惑にさらされています。
第一人者のプレッシャーは大変なものがあると思いますが、それをやってしまっては研究者としては失格ですね。


HPVのワクチン

2005年12月22日 | 日記・備忘録
最近になって知ったのだが、メルクがHPVのワクチンを作っていて、それが非常に有効なのだという。


Merck HPV Vaccine Effective in Preventing Infection With Four Strains Linked to Genital Warts, Cervical Cancer, Study Says
メルクのHPVワクチンは子宮頸癌やコンジローマなどに関係する4種類のHPVに感染するのを予防する

ということで、講師の先生に教えて頂いたのだが、要するにHPVのウイルス蛋白質だけを作り、それを投与するということである。
pubmedではここ


私がいる研究室では以前よりSV40というウイルスの研究をしていおり、ウイルス様粒子の作成に成功している。
これがHPVだとワクチンになるというのだから、なるほどねえ、という感じである。

遺伝子工学と診断学の発達により、とうとう子宮がんも予防する時代が来たわけである。


クリスマス

2005年12月22日 | 日記・備忘録
世の中はクリスマス真っ最中なのだろうか?

論文のリバイスのための実験を毎日繰り返し(失敗→条件変えて再トライ→ちょっといいかも→・・・)ており、クリスマスどころじゃない。

研究室の学生さんたちも毎日実験をやっていて、ラボはちっともクリスマスの雰囲気がない。


しかも、クリスマスが終わると今度は大慌てで年賀状を書かなくちゃいけないじゃないですか!

新聞記事にも、年賀状めんどくさいという人が55%にもなるという報道が出ていました。

師走は忙しいですね・・・。