2017年 1月 3日(火)晴れ 7.5℃ 75%RH am8:55
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。
今日の絵本
_かっぱと くま(1~3完)
__ドイツのむかし話 文 星野慎一 絵 田名網敬一 久保雅勇 小林与志 箕田源二郎 滝原章助 __1967 研秀出版株式会社
__御器所教会蔵書
村はずれの川のそばの水車小屋に、粉屋がすんでいました。
ひょうきんな、明るい男でした。
おかみさんも、しんせつで、そのうえ、こぞうも女中さんも、みんな人のよい、平和な一家でした。
ところが、この川に、一ぴきのかっぱがすんでいて、それが粉屋の、なやみにたねでした。
このかっぱときたら、わるがしこい、みにくいやつで、かみの毛は、びしょびしょにぬれ、とがった歯と、水かきのついた、ひらべったい足を、もっていました。
はじめは、水から、ひょっこり頭を出して、あたりを見ているだけでしたが、やがて、岸からはいあがり、べったりすわりこんで、粉屋の人たちを、じっと見つめるようになりました。
「あの かっぱを みると、ぞっと するよ。」
「まったく、きみの わるい やつだ。」
おかみさんも、こぞうさんも、じょちゅうさんも、
かっぱを きらいました。
ある 日のこと。とうとう
かっぱは、こやに はいって きて、
「こんにちは こなやさん。」
と いうと、だんろの そばに
すわりこみました。
それからは、あさ ひる ばん、
まいにち やって きては、
いえの なかを、のそのそと
あるきまわりました。
ある ばん、みんなが ねようと すると、
いつの まにか、かっぱが
ベッドの まんなかに、まるく なって ねて いました、
シーツは びしょぬれです。
じょちゅうさんは、ひまを とって、
うちへ かえって しまいました。
やがて かっぱは、おかみさんの まねを して
だんろで さかなを やくように なりました。
そして、まよなかに なると、
すいしゃを うごかしては、
こなやと おかみさんを おどろかせました。
とうとう、こぞうも にげて しまい、
おかみさんまで、おかあさんの ところへ
かえって しまいました。
あとに のこされたのは、しゅじんだけです。
きみの わるい ひが、つづきました。
ある ばんの ことです。
「こんばんは。」
と いって たずねて きたのは、
くまつかいでした。
「ひとばん とめて ださいませんか。」
こなやは、かっぱの ことを
くまつかいに はなしました。
「わたしでさえ、
にげだしたいくらいなのですよ。」
「かっぱなんか へいきですよ。
ぜひ とめて ください。」
くまつかいが たのむので、こなやは、
くまつかいと くまを、とめる ことに しました。
つぎの あさ、ふたりが
だいどころへ いって みると、
かっぱは、もう きて いて、
さかなを やいて いました。
「そら、あれですよ。」
と、こなやは なさけなさそうに
ささやきました。
がっぱは、はを むいて いいました。
「おはよう。 こなやさん。」
でも、くまつかいには しらんかおです。
くまつかいは、くまに いいました。
「そうれ。あさごはんの さかなだよ。」
すると、くまは のこのこと
かっぱに ちかより、
すばやく かっぱの さかなを
たべて しまいました。
かっぱは、はらを たてました。
「こんちくしょう。 でて いけ。」
かっぱは、くまに とびかかりました。
すると、くまは、
まえあしで
ぽかりと、かっぱをなぐりつけました。
かっぱは、きゃっと さけんで、
いちもくさんに にげて いきました。
こなやは やっと、ほっと しました。
それっきり、かっぱが こなく なったからです。
そして、おかみさんを むかえに
いこうと おもいました。
すると、 ある ばん
また、ひょっこり
かっぱが かおを だしました。
かっぱは ききました。
「あの おおきな ねこは、もう こないのかね。」
かっぱは、くまを、ねこと
まちがえて いるのです。
とっさに、こなやは いいました。
「こねこを うんだんだよ。七ひきもな。
もう じき、ぞろぞろ、やって くるぞ。」
「なに、七ひき。そりゃ、かなわん。」
かっぱは、あわてて そとへ とびだすと、
かわへ とびこんで、
それきり どこかへ いって しまいました。(完)
御器所教会 ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください。

御来訪ありがとうございます。
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今日の絵本
_かっぱと くま(1~3完)
__ドイツのむかし話 文 星野慎一 絵 田名網敬一 久保雅勇 小林与志 箕田源二郎 滝原章助 __1967 研秀出版株式会社
__御器所教会蔵書
村はずれの川のそばの水車小屋に、粉屋がすんでいました。
ひょうきんな、明るい男でした。
おかみさんも、しんせつで、そのうえ、こぞうも女中さんも、みんな人のよい、平和な一家でした。
ところが、この川に、一ぴきのかっぱがすんでいて、それが粉屋の、なやみにたねでした。
このかっぱときたら、わるがしこい、みにくいやつで、かみの毛は、びしょびしょにぬれ、とがった歯と、水かきのついた、ひらべったい足を、もっていました。
はじめは、水から、ひょっこり頭を出して、あたりを見ているだけでしたが、やがて、岸からはいあがり、べったりすわりこんで、粉屋の人たちを、じっと見つめるようになりました。
「あの かっぱを みると、ぞっと するよ。」
「まったく、きみの わるい やつだ。」
おかみさんも、こぞうさんも、じょちゅうさんも、
かっぱを きらいました。
ある 日のこと。とうとう
かっぱは、こやに はいって きて、
「こんにちは こなやさん。」
と いうと、だんろの そばに
すわりこみました。
それからは、あさ ひる ばん、
まいにち やって きては、
いえの なかを、のそのそと
あるきまわりました。
ある ばん、みんなが ねようと すると、
いつの まにか、かっぱが
ベッドの まんなかに、まるく なって ねて いました、
シーツは びしょぬれです。
じょちゅうさんは、ひまを とって、
うちへ かえって しまいました。
やがて かっぱは、おかみさんの まねを して
だんろで さかなを やくように なりました。
そして、まよなかに なると、
すいしゃを うごかしては、
こなやと おかみさんを おどろかせました。
とうとう、こぞうも にげて しまい、
おかみさんまで、おかあさんの ところへ
かえって しまいました。
あとに のこされたのは、しゅじんだけです。
きみの わるい ひが、つづきました。
ある ばんの ことです。
「こんばんは。」
と いって たずねて きたのは、
くまつかいでした。
「ひとばん とめて ださいませんか。」
こなやは、かっぱの ことを
くまつかいに はなしました。
「わたしでさえ、
にげだしたいくらいなのですよ。」
「かっぱなんか へいきですよ。
ぜひ とめて ください。」
くまつかいが たのむので、こなやは、
くまつかいと くまを、とめる ことに しました。
つぎの あさ、ふたりが
だいどころへ いって みると、
かっぱは、もう きて いて、
さかなを やいて いました。
「そら、あれですよ。」
と、こなやは なさけなさそうに
ささやきました。
がっぱは、はを むいて いいました。
「おはよう。 こなやさん。」
でも、くまつかいには しらんかおです。
くまつかいは、くまに いいました。
「そうれ。あさごはんの さかなだよ。」
すると、くまは のこのこと
かっぱに ちかより、
すばやく かっぱの さかなを
たべて しまいました。
かっぱは、はらを たてました。
「こんちくしょう。 でて いけ。」
かっぱは、くまに とびかかりました。
すると、くまは、
まえあしで
ぽかりと、かっぱをなぐりつけました。
かっぱは、きゃっと さけんで、
いちもくさんに にげて いきました。
こなやは やっと、ほっと しました。
それっきり、かっぱが こなく なったからです。
そして、おかみさんを むかえに
いこうと おもいました。
すると、 ある ばん
また、ひょっこり
かっぱが かおを だしました。
かっぱは ききました。
「あの おおきな ねこは、もう こないのかね。」
かっぱは、くまを、ねこと
まちがえて いるのです。
とっさに、こなやは いいました。
「こねこを うんだんだよ。七ひきもな。
もう じき、ぞろぞろ、やって くるぞ。」
「なに、七ひき。そりゃ、かなわん。」
かっぱは、あわてて そとへ とびだすと、
かわへ とびこんで、
それきり どこかへ いって しまいました。(完)
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ぜひご訪問ください。




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