童話と絵本の会

楽しい童話や絵本を集めています。気にいった童話や絵本があればお知らせください。

童話と絵本の会 2017.08.28 あざらしの おかあさん(1~2)

2017-08-28 16:54:02 | ア行の絵本
2017年 8月 28日(月)曇り 26℃ 75%RH am8:00
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本がれば教えてください。

今日の絵本
_あざらしの おかあさん(デンマーク) (1~2)
__北欧のむかし話 文 谷川慧子 絵 山中冬児 清水美智子 油野誠一 池田浩彰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

ある あさの ことです。
わかい りょうしが つりに でると、
いわの うえに、あざらしの けがわが
たくさん ならんで いました。
りょうしは まずしかったので、
その けがわを、うろうと おもって
一まい もって かえりました。

ゆうがた、りょうしは、また
いわのちかくを とおりかかりました。
すると、うつくしい おんなのひとが、ないて います。
「もしもし、むすめさん。どう したのですか。」
と、りょうしは たずねました。
「わたしは あざらしなのです。
けさ、ここで、けがわを ぬいで あそんで いると、
だれかに、けがわを とられて しまいました。
けがわが なくては、もう、うみへ かえれません。」
そういって、また、なみだを こぼしました。

りょうしは、かんがえました。
(かわいそうに。あの けがわは、この むすめの ものだったのだ。
かえして やろうか。いやいや。けがわが なければ、この むすめは
うみへ かえれない。だから、もしか すると、
わたしの およめさんに なって くれるかも しれない……。)
りょうしは、やさしく いいました。
「こんやは、わたしの うちに、おとまりなさい。」
「それでは、おせわに なります。
そう いって、むすめは、
りょうしについて いきました。

りょうしの いえに きた あざらしの むすめは、
りょうしの ために、ごはんを たいたり、
せんたくを したり、おそうじを して くれました。
ある ひ、りょうしは いました。
「あなたの けがわは、どこに あるのか わからない。
もう、うみへ かえるのは あきらめて、
わたしの およめさんに なって ください。」
むすめも、りょうしが やさしい ひとなので、
りょうしを すきに なって いました。
「はい。」
と こたえて、むすめは、
りょうしの およめさんに なりました。

ふたりの あいだには、
こどもが 七にん うまれて、
しあわせに くらして いました。
けれども おかあさんは、
ときどき、うみべに たって
じっと おきの ほうを
みて いる ことが
ありました。
りょうしは、とても
しんぱいでした。
(あれが けがわを みつけたら、
うみへ かえって
しまうかも しれない。わたしが、うそを ついたのも、
ゆるしては くれないだろう。)
それで りょうしは、
けがわを かくして ある
はこの かぎだけは、
いつも からだから
はなしませんでした。(つづく)

御器所教会  ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください

   
御来訪ありがとうございます。

童話と絵本の会 2017.08.21 あざらしの おかあさん(1)

2017-08-21 23:13:50 | ア行の絵本
2017年 8月 21日(月)曇り一時晴れ 28℃ 74%RH am8:25
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本がれば教えてください。

今日の絵本
_あざらしの おかあさん(デンマーク)(1) 
__北欧のむかし話 文 谷川慧子 絵 山中冬児 清水美智子 油野誠一 池田浩彰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

ある あさの ことです。
わかい りょうしが つりに でると、
いわの うえに、あざらしの けがわが
たくさん ならんで いました。
りょうしは まずしかったので、
その けがわを、うろうと おもって
一まい もって かえりました。

ゆうがた、りょうしは、また
いわのちかくを とおりかかりました。
すると、うつくしい おんなのひとが、ないて います。
「もしもし、むすめさん。どう したのですか。」
と、りょうしは たずねました。
「わたしは あざらしなのです。
けさ、ここで、けがわを ぬいで あそんで いると、
だれかに、けがわを とられて しまいました。
けがわが なくては、もう、うみへ かえれません。」
そういって、また、なみだを こぼしました。

りょうしは、かんがえました。
(かわいそうに。あの けがわは、この むすめの ものだったのだ。
かえして やろうか。いやいや。けがわが なければ、この むすめは
うみへ かえれない。だから、もしか すると、
わたしの およめさんに なって くれるかも しれない……。)
りょうしは、やさしく いいました。
「こんやは、わたしの うちに、おとまりなさい。」
「それでは、おせわに なります。
そう いって、むすめは、
りょうしについて いきました。(つづく)

御器所教会  ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください

   
御来訪ありがとうございます。

童話と絵本の会 2017.08.18 たいこじいさん(1~4完)

2017-08-18 15:02:30 | タ行の絵本
2017年 8月 18日(金)雨のち晴れ 25.5℃ 82%RH am6:55
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_たいこじいさん (1~4完)
__中国のむかし話  文 那須田稔 絵 井江春代 山本まつ 市川禎男 中尾彰 安泰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし、ある やまの ふもとに、
おはなしの すきな おじいさんが おりました。
おじいさんは、たいこを たたいて、
「わしの うたを きいとくれ。
わしの はなしを きいとくれ。」
と うたいながら、むらじゅう あるきます。
こどもたちは、おじいさんの はなしを
きくのが、とても たのしみでした。

おじいさんの むらの そばに、
ながれの はやい かわが ありました。
かわは ときどき あふれて、
みちも はたけも、みずびたしに なるので、
ひとびとは、とても こまって いました。
ある ひ、おじいさんが あるいて いると、
「たすけて―。」
と いう、こえが しました。
みると、おんなの ひとと こどもが、
おぼれて います。
おじいさんは、すぐに かわに とびこんで、
たすけようと しましたが、まにあいません。
おんなの ひとと こどもは、うずに のまれて、
ながれて いって しまいました、
おじいさんは、きしに あがると さけびました。
「よし。この かわに、わしが、きっと
はしを かけて みせる。」

けれど、おじいさんは びんぼうでした。
はしを つくる おかねなど、
どこにも ありません。
「なにか いい くふうは
ない ものか。」
おじいさんは かんがえました。
ある ばんの こと。
おじいさんは ゆめを みました。
りっぱに できあがった
はしの うえで、
おじいさんの たいこに あわせて、
むらびとたちが、たのしそうに
おどって いるのです。
ゆめの なかで、おじいさんは
とても しあわせでした。
おじいさんは、ゆめから さめると、
ぽんと ひざを たたいて、
にわへ でました。
そして、もくせいの きに たいこを ぶらさげ、
その したに きの はこを おきました。

つぎの ひ、おじいさんは
もくせいの きの したに、
むらびとを あつめて いいました。
「これから、わしの はなしを ききたい ときには、
この はこに おかねを いれて、
たいこを たたいて。よんで おくれ。」
すると、こどもたちは いいました、
「もう ただでは きかせて くれないの。」
「ああ。はしを つくる おかねが できるまではね。」
むらびとたちも こどもも、
おじいさんの かんがえに、だいさんせい。
それからは、たいこの ならない ひは、
一にちも ありません。
きの はこの おかねは、
すこしずつ ふえて いきました。

うつくしい はなし、かなしい はなし。
ゆかいな はなし、ぼうけんものがたり。
おじいさんが はなしを はじめると、
おとなや、こどもばかりで なく、
ことりや、そらの ほしたちでさえ、
じっと みみを かたむけるのでした。
こうして 十ねん たちました。
ある ひ、おじいさんが はこを あけて みると、
かぞえきれないほどの おかねが、でて きました。
「これで よし。」
おきいさんは、その おかねで いしを かい、
さっそく、はしを つくりはじめました。

むらびとたちも、おうえんにやって きました。
「ぼくらも てつだうよ。」
こどもたちも やって きました。
ことりたちも くちばしで くわえて、
こいしを はこびます。
こうして、みんな ちからを あわせて、
あせを ながして はたらきました。
みんな しごとに つかれると。
おじいさんは うたいます。
「もくせいの はなが さくよ。
たいこが どんと なれば、
みんな あつまる。
はじまるよ、じいさんの はなし。
みんな あつまれば、はしが できるよ。」
みんなは おじいさんの ちからづよい
やさしい うたに はげまされ、
はしづくりに せいを だしました。

すこしずつ、すこしずつ、
はしが できて いきます。
そして、つぎの としの はる、
とうとう。りっぱな はしが
できあがりました。
この はしが あれば、
もう、かわの ために
ひとびとが くるしむ
ことも ないでしょう。
「よかった、よかった。」
ひとびとは みんな
かたを たたきあって
よろこびました。
ところが、それから まもなく
おじいさんが、おもい
びょうきに かかって
しまったのです。
はしを つくって いた とき、
あしに うけた きずが、
ひどく なったのです。

もう、おじいさんの たいこは きけません。
むらは ひっそりと しずまり、
ひとも くさも ことりたちも、
ためいきを つきました。
「もう いちど たいこを たたいて、
みんなに おはなしを して あげたいな。」
おじいさんが そう おもった とき、
たくさんの ことりたちが
まどから とびこんで きて、
おじいさんを つばさに のせると、
そらたかく まいあがりました。
そして、その まま、つきの ひかりの なかに
すいこまれて いきました。
それからは、つきの あかるい よるには、
どこからか、たいこの おとが、
きこえて くると いう ことです。
きっと。おじいさんが、つきの なかで
たいこを たたいて いるのです。

御器所教会  ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください。

   
御来訪ありがとうございます。

童話と絵本の会 2017.08.17 たいこじいさん(1~3)

2017-08-17 19:22:00 | タ行の絵本
2017年 8月 17日(木)曇りのち晴れ 27℃ 78%RH am7:30
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_たいこじいさん (1~3)
__中国のむかし話  文 那須田稔 絵 井江春代 山本まつ 市川禎男 中尾彰 安泰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし、ある やまの ふもとに、
おはなしの すきな おじいさんが おりました。
おじいさんは、たいこを たたいて、
「わしの うたを きいとくれ。
わしの はなしを きいとくれ。」
と うたいながら、むらじゅう あるきます。
こどもたちは、おじいさんの はなしを
きくのが、とても たのしみでした。

おじいさんの むらの そばに、
ながれの はやい かわが ありました。
かわは ときどき あふれて、
みちも はたけも、みずびたしに なるので、
ひとびとは、とても こまって いました。
ある ひ、おじいさんが あるいて いると、
「たすけて―。」
と いう、こえが しました。
みると、おんなの ひとと こどもが、
おぼれて います。
おじいさんは、すぐに かわに とびこんで、
たすけようと しましたが、まにあいません。
おんなの ひとと こどもは、うずに のまれて、
ながれて いって しまいました、
おじいさんは、きしに あがると さけびました。
「よし。この かわに、わしが、きっと
はしを かけて みせる。」

けれど、おじいさんは びんぼうでした。
はしを つくる おかねなど、
どこにも ありません。
「なにか いい くふうは
ない ものか。」
おじいさんは かんがえました。
ある ばんの こと。
おじいさんは ゆめを みました。
りっぱに できあがった
はしの うえで、
おじいさんの たいこに あわせて、
むらびとたちが、たのしそうに
おどって いるのです。
ゆめの なかで、おじいさんは
とても しあわせでした。
おじいさんは、ゆめから さめると、
ぽんと ひざを たたいて、
にわへ でました。
そして、もくせいの きに たいこを ぶらさげ、
その したに きの はこを おきました。

つぎの ひ、おじいさんは
もくせいの きの したに、
むらびとを あつめて いいました。
「これから、わしの はなしを ききたい ときには、
この はこに おかねを いれて、
たいこを たたいて。よんで おくれ。」
すると、こどもたちは いいました、
「もう ただでは きかせて くれないの。」
「ああ。はしを つくる おかねが できるまではね。」
むらびとたちも こどもも、
おじいさんの かんがえに、だいさんせい。
それからは、たいこの ならない ひは、
一にちも ありません。
きの はこの おかねは、
すこしずつ ふえて いきました。

うつくしい はなし、かなしい はなし。
ゆかいな はなし、ぼうけんものがたり。
おじいさんが はなしを はじめると、
おとなや、こどもばかりで なく、
ことりや、そらの ほしたちでさえ、
じっと みみを かたむけるのでした。
こうして 十ねん たちました。
ある ひ、おじいさんが はこを あけて みると、
かぞえきれないほどの おかねが、でて きました。
「これで よし。」
おきいさんは、その おかねで いしを かい、
さっそく、はしを つくりはじめました。

むらびとたちも、おうえんにやって きました。
「ぼくらも てつだうよ。」
こどもたちも やって きました。
ことりたちも くちばしで くわえて、
こいしを はこびます。
こうして、みんな ちからを あわせて、
あせを ながして はたらきました。
みんな しごとに つかれると。
おじいさんは うたいます。
「もくせいの はなが さくよ。
たいこが どんと なれば、
みんな あつまる。
はじまるよ、じいさんの はなし。
みんな あつまれば、はしが できるよ。」
みんなは おじいさんの ちからづよい
やさしい うたに はげまされ、
はしづくりに せいを だしました。(つづく)
 
御器所教会  ここをクリックすると、きよらかなパイプオルガンの音とともに、キレイなホームページが開きます。
ぜひご訪問ください。

   
御来訪ありがとうございます。