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童話と絵本の会

楽しい童話や絵本を集めています。気にいった童話や絵本があればお知らせください。

童話と絵本の会 2023.12.2 赤い鳥 二生生 ぶたの 子

2023-12-02 18:29:04 | ハ行の絵本

2023年 12月 2日(土)晴れ  6℃  63%RH am8:00

 

童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

 

今日の絵本

_ぶたの 子=与田準一 え=早川良雄

__赤い鳥 二年生  赤い鳥の会 代表 坪田譲治 与田準一 鈴木珊一 

___1980  株式会社小峰書店 

_____私の蔵書

 

ぶたの子は

目が しょぼしょぼだ、

まばゆそうに

日に てられている。

 

はなは はな

うえを むいている。

なんだ ぷう

わらを つけている。

 

でも、 みみは

いいな, ももいろ、

ぴらぴらと

なにか、 きいている。

 

あたたかで

こやは、 からっぽ、

げんげたば、

日に しなびてる。

 

 

(おわり 

 

                                                                                    

   

御来訪ありがとうございます。


童話と絵本の会 2023.5.5 赤い鳥 二年生 ふうせんだまうり

2022-02-11 20:10:14 | ハ行の絵本

2023年  5月  5日(金)晴れ 18℃ 78%RH am7:05

 

童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

 

今日の絵本

_ふうせんだまうり=木内高音 え=小沢良吉

__赤い鳥 二年生  赤い鳥の会 代表 坪田譲治 与田準一 鈴木珊一 

___1980  株式会社小峰書店 

_____私の蔵書

 

あるところに、きみょうな、ふうせんだまうりの 男

が ありました。 その男は、 こうえんの 大きな 木の

上に すんでいました。 そうして ひるの あいだは、

町を あるきまわっては、青や 赤や みどりや、 むら

さきや、いろんな 色の ふうせんだまを うっていま

した。 そうして ゆうがたに なると、 木の 上の 

お家へ かえるのでした。

 ふうせんうりは、 いつも、 その かえり道で、 どんな

みせでも さいしょに とびこんだ みせ 一けんだけで、 

ばんの しょくじに たべるものを かうことに

きめていました。 ですから、 ときどき みょうなものばかり 

かわなければ ならないことが ありました。 また、 

ふうせんうりは、 じぶんの しょうばいに むすび

つけて、 なるべく かるい

しょくじを することに

していました。 で、 その

かいものも たった 二しなと

きめて いました。 

ですから、 その みせによって、 

キャラメル と ビスケットだけの

こともありますし、 また、

いちじくと ぶどうだけの こともあります。 また、 

にんじんじんと たまねぎの だけの こともあります。 

しかし ふうせんうりは、 かえって それを おもしろがって 

いました。 なんでも かったものを ポケットへ 

いれると、 にこにこしながら、 お家へ かえりました。 

その お家にしている 木と いうのは こうえんじゅう

で いっとう 大きく、 いっとう 高い、 それは それ

は みごとな 大木でした。

 

ふうせんうりは、 かえり道では、 いつも きまって、 

口ぶえを ふきました。 それから かんがえだしてみました。 

じぶんの ふうせんを かってくれた かわいい 女の

子や、 かっぱつな 男の子の ことを ひとりひとり

おもいだしました。 そうして 口ぶえを ふきながら、

にこにこして あるいているうちに、 ふうせんうりの 

こころは ひとりでに、 だんだんと かるくなって いくのでした。 

れいの 木の 下へ くるじぶんには、

ふうせんうりは、 からだまでも、 ふわふわと かるくなって、

もっている うれのこりの ふうせんだまの 力で、

かるがると 高い 木の てっぺんへ まいあがることが

できるのでした。 だから ふうせんうりは、

そんな 高い 木の 上に すんでいることも できたのです。 

そこには、 こんもりとした はの しげみの 中に、

ふっくりとした しんだいのように ぐあいよく

えだの はった ところが ありました。 ふうせんうりは、

そこで つかれた からだを よこに するのです。

 ふうせんうりは、 ふうせんだまを しっかりと 木のえだへ

むすびつけて、 それから ゆっくりと、 かってきたものを

たべました。 どんなものが ポケットからでても、

おいしい おいしいと にこにこして たべました。

あおむけに ねれば 星が ピカピカと 光ります。

ふうせんうりは うたを うたったり 口ぶえを

ふいたりしているうちに、 いつも いいきもちになって

とろとろと ねむって しまうのでした。

 

 朝は 小鳥たちの こえで めが  さめます。 それから

ふうせんだまを えだから ほどいて、 りょう手に

はんぶんずつ わけて もって とびおりますと、

ふわふわと かるく じびたへ おりることが できます。

 それから ちかくの やたいみせへ いって 朝の

ごはんを たべると、 また 一日じゅう ふうせんだまを

うっては あるくのでした。 こうして まい日 まい日が

ぶじに すんでいました。 ところが あるばんのこと、

ふうせんうりは、 どうしても 木の 上の お家へ

かえることが できなくなって しまいました。 いったい

どうしたのでしょうか。 これから その わけを おはなし

いたしましょう。

 

 その日は、朝から あつくるしくって、 しめっぽい 風が

ふきまくり、 ほこりっぽくて それは いやな 日でした。

だもんですから、 町じゅうの 人は、 みんな いらいらして

おこりっぽく いじが わるくなって いました。

ふうせんうりは、 いつものように 家へ かえろうとしても、 

なにひとつ「いいこと」を おもいだすことが できませんでした。 

小さい 女の子は、 おかあさんが、 青いのの かわりに 

みどり色の ふうせんを かったのが わるいと いっては 

じだんだを ふんで なきました。 男の子は、 あいての 子が、

「ぼくの ふうせんだまの ほうが きみのよか 大きいや」と

いったと いっては おこって その子を けとばしました。

小さな きょうだいは、 ふたりとも ふうせんだまの うばいあいをして

ふたりとも ふうせんだまを 空へ とばしてしまって なきました。

ほかの 子どもたちも ひとりとして、 いいことをしたものは ありませんでした。

 

 ふうせんうりは、 そんなことばかり おもいかえして いるうちに

じぶんも なんだか はらがたって むかむかしてきました。 いつもは

朝から ばんまで にこにこしていた ふうせんうりが きょうは いちども

わらったことが なかったのです。 そのうえに 風は いじわるく

ふうせんだまを あちこちと ふきとばそうと します。 ふうせんうりは、 すっかり

ふきげんになって しまいました。

 おまけに、 ふうせんうりは、 ばんの たべものを かうのに まちがえて、 かなものやへ とびこんで しまいました。 まえにも いったとおり ふうせんうりは さいしょ  はいった みせより ほかでは かいものを しないことに きめていたのですから こまりました。

「 ええと …… くぎを 二ほん ください。」 ふうせんうりは しかたなしに そう いいましたが、

きゅうに おもいなおして、「いや、 くぎを 一ぽんと ……びょうを一ぽんと。」と いいました。

おなじ かたい ばんめしでも 二しなのほうが  すこしは ましだろうと おもったからです。 

で それを ポケットに いれると、 くらい 道を 力なく とぼとぼと あるきだしました。

「なにか、 おいしいものでも  たべて げんきを つけようと おもっていたのに、 くぎを

たべなければならないとは、 なんということだ。」 ふうせんうりは つぶやきました。

 

木の 下に きても、 星は みえませんでした。 ふうせんうりの こころは、 

だんだんと おもくなって きました。 れいの 口ぶえを ふくことさえも 

できませんでした。 だから いつものように ふうせんうりの からだは 

かるくなっては くれないのです。 いくら じぶんでとびあがっても どしんと 

おもたい 足が じびたに ぶつかるばかしです。

ふうせんうりは くぎを ポケットから だしてすてました。 いくらかでも からだを

かるくしようと おもったのです。 しかし おなじことでした。 足は ぴったりと

 じびたに くっついたまま はなれようとも しません。 しかたなしに 

ふうせんうりは 木の みきを よじのぼろうと しました。 ところが みきは

 三かかえも 四かかえもある ふとさなので、 ふうせんうりは ただ じびたへ 

おっこちて はなのさきを うっただけでした。

 「えっ、 いまいましい。」ふうせんうりは、 ぷんぷんして いいました。

「こんなことでは いつまでたっても 家へ かえれはしない。 ふうせんだまよ、

 なぜ もっと つよくひっぱらないんだ. この おれ ひとりぐらい もちあげて 

くれても よさそうなものだ。」

 そこで ふうせんだまたちは しにものぐるいになって ぐいぐいと ひっぱりました。

 しかし ふうせんふりの からだは なまりにように おもたいのです。 プスン! 

とうとう いとが きれて ふうせんだまは、 みんな ちりぢり ばらばらに 

とんでいって しまいました。

 

「ああ、 もう なにもかも おしまいだ。」そう いって

ふうせんうりは からだを なげだしたまま、 じぶんの

頭の けをでも かきむしるように、 そこいらの 草を、

むしりとっていました。

「そんなことを していたって なんんも なりゃし

ないじゃないか。」

 そのこえに おどろいて みあげると、 それは ふう

せんうりと 木の 上で 良く 顔を みしっている

一わの ふくろうでした。

「じゃあ、 どうすれば いいんだ。」

「ふうせんだまを さがしに でかけたら いいじゃないいか。」

「どうして。 ……さがすなんて できやしない。」

「いったい きみは、 かえってくるときに、 いつもの

口ぶえを ふかなかった。 それが いけないんだよ。」

「だって ふきたくないんだ。 おもしろくなくって

むしゃくしゃして なさけrなくって しょうがありゃし

ない。」

「なにが なさけないことが あるもんか。 それが

いけないんだ。 みんな きみが ふきげんに なったから

おこったんだよ。 ふせんだまを なくしたのも 家へ

かえれないのも みんな。」ふくろうは いいました。

「さぁ、 まず 口ぶえでも ふいて みたまえ。」

 

ふうせんうりは おきあがりました。 しかし はじめは 

どうしても 口ぶえを ふこうと いうきには、 なれませんでした。

しかし、 とうとう しまいに、 よわよわしい かすかな

音が ふうせんうりの くちびるから もれでました。 それは じつに 

ひんじゃくな こっけいな 音だったので、 もし ふきげんになって

いなかったら、 ふうせんうりは、 たぶん じぶんで ふきだして

しまったことでしょう。 

 ふうせんうりは、 もういちど ふいてみました。

こんどは すこし よくなりました。

 「だんだん よくなるじゃないか。」 ふくろうが いました。

ふうせんうりは こんどは、 おとくいの うたを ひとつ

ふいてみました。 すると、 すっかり きが かるくなってきました。

「ばんめしの かわりに、 くぎを かうなんて アッハッハ。」

ふうせんうりは、 とうとう 大きな こえで わらってしまいました。

 

★★★★★★★★★★★つづきはここから★★★★★★★★★★★

 

「どうして これが おかしくなかったんだろう。」

「アッハッハッハ。」

「アッハッハッハ。」

ふうせんうりと ふくろうとは こえを そろえて

わらいました。 それから ふうせんうりは ふくろうに

てつだってもらって ふうせんだまを みんな ひろい

あつめました。

 ふうせんうりの からだは いつのまにか かるくなって

いたと みえて、 こんどは らくらくと 木の 上

へ かえることが できました。

 

 それからのち、 ふうせんうりは、 もう どんなに 

おもしろくないことが あっても、 かえり道には、 きっと

口ぶえを ふくことを わすれなかったそうです。

 

(おわり 長い間ありがとうございました。)

 

                                                                                    

   

御来訪ありがとうございます。


童話と絵本の会 2017.09.21 ぴょんぴょんとびの きょじんじいさん(1~2完)

2017-09-21 20:27:50 | ハ行の絵本
2017年 9月 21日(木)曇り 19.5℃ 75%RH am7:50
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_ぴんぴょんとびの きょじんじいさん(スウェーデン) (1~2完)
__北欧のむかし話 文 谷川慧子 絵 山中冬児 清水美智子 油野誠一 池田浩彰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし かねもちの おひゃくしょうと
びんぼうな おひゃくしょうが、ひろい ぼくじょうを、
いっしょに つかって いました。
ある ひ、かねもちの おひゃくしょうが いいました。
「くさかりきょうそうを して、かった ほうが、この
ぼくじょうを、ぜんぶ、もらう ことに しよう。」

かねもちの おひゃくしょうは、おかねを つかって、
くさを かる ひとを、おおぜい あつめはじめました。
「このぼくじょうを とられて しまったら、うしに たべさせる ものが、
なくなって しまう。どう したら、いいだろう。」
すると その、とき、ひとりの おおおとこが、ぴょんと あらわれました。
「そんなに かなしまなくて いいよ。くさかりが はじまったら、
三ど つづけて、 『ぴょんぴょんとびの きょじんじいさん』
と、よびなさい。わしが たすけに きて あげよう。」

くさかりきょうそうが はじまりました。
かねもちに やとわれた、おおぜいの くさかりたちが、
どんどん くさを かりながら、すすんで きます。
びんぼうな おひゃくしょうは、たった ひとりです。
いくら がんばっても、まけて しまいます。
その とき、おおおとこの ことを おもいだしました。
「ぴょんぴょんとびの きょじんじいさん。」
と、おおごえで よんで みました。
でも、おおおとこは きて くれません。
もう いちど よびました。 やっぱり だめです。
みんなは くさを かるのを やめて、わらいごげました。
びんぼうな おひゃくしょうは、なきそうに なって、
三どめに さけびました。
「ぴょんぴよんとびの きょじんじいさん。」

すると、どうでしょう。きょじんじいさんが、
おおきな かまを もって あらわれた のです。
ざくり。ざくり。ざくり。ざくり。
もう、ぼくじょうの はんぶんは、かれました。
おかねもちの おひゃくしょうは、かんかんに おこって、
きょじんの あしを けとばしました。 さあ、たいへん。
けとばした あしが、ぺたりと くっついて しまったのです。
きょじんじいさんは、くさを かって しまうと、
かねもちの おひゃくしょうを ぶらさげたまま、
ぴょん ぴょん とんで いって しまいました。
こうして、ひろい ぼくじょうは、ぜんぶ、
びんぼうな おひゃくしょうの ものに
なったと いう ことです。
 
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童話と絵本の会 2017.09.09 ぴょんぴょんとびの きょじんじいさん(1)

2017-09-11 19:46:14 | ハ行の絵本
2017年 9月 11日(月)曇り 24.5℃ 77%RH am7:45
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本がれば教えてください。

今日の絵本
_ぴんぴょんとびの きょじんじいさん(スウェーデン) (1)
__北欧のむかし話 文 谷川慧子 絵 山中冬児 清水美智子 油野誠一 池田浩彰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし かねもちの おひゃくしょうと
びんぼうな おひゃくしょうが、ひろい ぼくじょうを、
いっしょに つかって いました。
ある ひ、かねもちの おひゃくしょうが いいました。
「くさかりきょうそうを して、かった ほうが、この
ぼくじょうを、ぜんぶ、もらう ことに しよう。」

かねもちの おひゃくしょうは、おかねを つかって、
くさを かる ひとを、おおぜい あつめはじめました。
「このぼくじょうを とられて しまったら、うしに たべさせる ものが、
なくなって しまう。どう したら、いいだろう。」
すると その、とき、ひとりの おおおとこが、ぴょんと あらわれました。
「そんなに かなしまなくて いいよ。くさかりが はじまったら、
三ど つづけて、 『ぴょんぴょんとびの きょじんじいさん』
と、よびなさい。わしが たすけに きて あげよう。」
(つづく))

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童話と絵本の会 2017.07.14 ふしぎな ぶどう(1~4完)

2017-07-14 23:42:59 | ハ行の絵本
2017年 7月 14日(金)曇り一時雨 25.5℃ 81%RH am6:20
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。

今日の絵本
_ふしぎな ぶどう (1~4完)
__中国のむかし話  文 那須田稔 絵 井江春代 山本まつ 市川禎男 中尾彰 安泰 
__1967 研秀出版株式会社 
__御器所教会蔵書 

むかし、ある むらに、
ぶどうひめと よばれる、
うつくしい ひとみの
むすめが いました。
むすめは 十二の とき、
みなしごに なって、
おばさんの いえに
ひきとられました。
けれども。ある ひ、
いじわるな おばさんは、
とうとう、むすめを
おいだして しまいました。
それでも むすめは、
むらの がちょうたちの
せわを しながら、
げんきに はたらいて いました。

それから 一ねんほど たって、
おばさんに あかちゃんが うまれました。
ところが、 その あかちゃんは、
うまれつき めくらでした。
むらの ひとたちは、おばさんが、ぶどうひめに
いじわるを したからだと、うわさしました。
おばさんは、くやしくて なりません。
おつきみの よるの ことです。
むすめが、かわぎしに すわって いると、
おばさんが、ぶどうの かごを もって、
とおりがかりました。
「おばさん、その ぶどうを
ひとふさ くださいな。
あさから、なにも
たべて いないのです。」
すると おばさんは、
おそろしい かおで
むすめを にらみつけました。

「どれ。おまえの
ぶどうのように
きれいだと いう
めを みせて ごらん。」
おばさんは そういうと、
いきなり、すなを つかんで
むすめの めに すりこみました。
かわいそうに、むすめは、
うつくしい めを
つぶされて しまったのです。
めくらに なった むすめは、
なきつづけて いる うちに、
むかし、おかあさんから きいた
ふしぎな ぶどうの はなしを
おもいだしました。
「その ぶどうを たべると、
どんなに わるい めも
なおって しまうの。
でも、とても とおい
やまの なかに あるのよ。」
むすめは、その ふしぎな ぶどうを
さがしに いこうと けっしんしました。
「ふしぎな ぶどうさえ みつかれば、
わたしの めも、おばさんの あかちゃんの
めも、なおるんだわ。」

むすめは、ながい たびを
つづけました。そして、
だんだん、やまの なかに
はいって いきました。
すると、とつぜん、けものの
うなりごえが しました。
くまが きたのです。
むすめは、そばの きに
やっと よじのぼり、
じっと して いました。
「うおーっ。」
くまは、きの まわりを 
まわって いましたが、
その うち、どこかへ
いって しまいました。
むすめは、ほっと しました。
すると、こんどは、
ばさばさと おとが して、
たかが まいおりて きました。
するどい くちばしで きを つつくので、
きが ぐらぐらと ゆれます。
むすめは、がたがた ふるえました。
けれど、たかは、むすめに きづかずに、
とびたって いって しまいました。
でも、その とき、つよい かぜが
ふいて きて、むすめは、きの えだから、
ふきとばされて しまいました。

きから おちた とき、むすめは
あしを くじいて しまったので、
はって いく ことに しました。
こうして、また、なんにちも たちました。
きものは ぼろぼろに やぶけ、
かおや てには、ちが にじんで います。
「どこまで いったら、ふしぎな ぶどうが
みつかるのかしら。」
でも、むすめは ゆうきを だして、
すすんで いきました。
その うち、つめたい やわらかい ものに
ぶつかりました。おおきな へびです。
でも、めくらの むすめは、きづかずに。
へびの うえを はって いきました。
その とき、へびが とびはねました。
むすめは、まっさかさまに たにそこへ。

たにそこに たおれたまま、むすめは
みうごきも できません。
「おかあさん……。このまま、わたしは
しんで しまうのね。もう、
なかよしの がちょうさんたちと
うたを うたう ことも
できないのね。」
その とき、かおに、ふわっと
くさの つるのような ものが
ふれました。
はっと して、さわって みると、
まるい たまのような ものが
ついて います。
「もしか したら。」
むすめは、まるい たまを
ちぎって なめて みました。
すると、めが、ぱっと
ひらいたでは ありませんか。
これこそ、さがしつづけて いた
ふしぎな ぶどうだったのです。

あたり いちめん、ぶどうが しげり、
きれいな はなが さき、ことりたちが
たのしそうに さえずって います。
「めが みえると いう ことは、
なんて すばらしいのでしょう。」
むすめは、ぶどうの つるのうえに すわって、
うたを うたいながら、かごを ひとつ あみました。
「はやく むらへ かえて、めの わるい ひとに
ぶどうを わけて あげましょう。」
そして、かごに いっぱい ぶどうを つみました。
その とき、きゅうに あたりが
くらく なって きました。
そらには ほしが またたき、
ことりたちも、いなく なりました。
「どう したのかしら。」
と、ふしぎに おもって いると、
うしろの ほうから、
「おーい。」
と、よぶ こえが しました。
おおおとこが、やまを またいで、
こっちへ やって くる ところです。

おおおとこは、おおごえで いいました。
「むすめよ。ここへ なに しに きた。」
「ふしぎな ぶどうを さがしに。」
むすめは。すこしも おそれません。
「わしは この くにの おうだ。
わしと いっしょに、すばらしい
この もりで、くらさないか。」
おおおとこは、むすめを
てのひらに のせて、
もりを ゆびさしました。
みると、たくさんの ほうせきが、
まぶしく きらめいて います。
「どうだ。わしの むすめに ならないか。」
「いいえ。わたしは むらへ かえって、
めの わるい ひとたちに、
ぶどうを わけて あげなければ。」
むすめは、きっぱりと いいました。
おおおとこは、おこって、むすめを
そらたかく ふきとばしました。

むすめは、ほしの きらめく そらを
ぐるぐる まわって、また、
おおおとこの てに おちました。
むすめは、なんど ふきとばされても
いうことを ききません。
「むすめよ、わしは あきらめよう。
この えだを もって おかえり。」
おおおとこの くれた
みどりの こえだを にぎると、
むすめは、ふしぎに はやく
はしる ことが できました、
ぶどうの かごを かかえて、
むすめは、なつかしい むらへ
かえって いったのでした。
 
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