清華大学でMBAをとってきた変わり者

中国TOP「清華大学」で中国語ゼロ、唯一の日本人でMBA取得。現在会社側の「中国語完璧」の勘違いで上海で仕事中!

遅刻ルール③

2008-04-06 | 中国人事労務
ということで、労働契約法施行への対処としての様々な就業規則見直しという大きなイベントに便乗して、遅刻への処罰ルールを厳格にした。

これまでは遅刻した場合にはその程度に従い、訓告、罰金、減給、出勤停止、解雇となっており、「程度ってなんやねん?」という日本企業にありがちな曖昧な、どうとでも運用できる、逆に言えばその都度検討しないといけない基準が不明確な規則であり、全く適用されたことのない無意味なものがあった。

工場になると低学歴の、田舎から出てきている出稼ぎの従業員がその多くを占めること、「中国」「国有企業の名残」という国独特の日本では通用しない道徳観(血族以外は人を信用しない、自己中心、遅刻OK、一生懸命仕事しても無駄、楽した人の勝ち、ゴミはその辺に捨てても専用掃除人が掃除、ルールはあっても運用は別等)が存在することからかなり厳しく、細かいルールがある。

例えば指定時間以外でタバコを吸ったら10元罰金とか、ゴミを指定場所以外に捨てたら20元罰金とか、生産ラインに個人の携帯電話を持ち込んだら50元罰金とか。

上海などのオフィスでは少なくとも高学歴、道徳レベルが大都市にふさわしく洗練されている人が多いという前提でまさか田舎の人ほどレベルが低いとは想像がつかず、日本的な曖昧な運用ルールとなっていた。

来てみてびっくりしたのは、これまでに書いてきたとおりだ。もう一度書くと、
・仕事中にとうもろこしを食う
・スリッパで事務所内をうろつきまわる
・平気で備品を自分のところに持ってきてしまう
・事務所で飯を食う
・帰る時に電気を消さない
・椅子を机の中に入れない
・電話をとらない・・・・・

そして「遅刻」である。とにかく遅刻が多い。しかもそれをアホ日本人が注意しない。そこで遅刻してきた輩に自分が言う。

自分:「遅刻じゃん」
相手:「勤務開始時間に近いです」
自分:「近くても2分遅刻だよ」
相手:「バスが渋滞で」
自分:「渋滞したら遅刻してもいいってことじゃない」
相手:「でも上海は渋滞がすごいです」
自分:「渋滞するのがわかってるのなら早く家を出ればいい」
相手:「自分は1時間の遠いところから通っている」
自分:「だから何?とにかく遅刻するな」
相手:「バスの渋滞による遅刻は回避出来ない、コントロール出来ない」
自分:「地下鉄使うとか方法はあるだろ」
相手:「まだ中国はそんなに便利じゃない」
自分:「じゃあ早く家を出れば?」
相手:「中国では渋滞によるバスの遅刻は、遅刻にしない」
自分:「うちは国有企業じゃあねえぞ」
相手:「遅刻に厳しくすると従業員の士気が下がる」
自分:「俺は遅刻はダメだと当たり前のことを言っているだけだ」
相手:「それは日本流だ。ここは中国だ」

と屁理屈の応酬である。そこへアホ日本人が割り込んできて言う。
「フレックスタイム制を入れるのはどう?」

俺はキレて言うのだ。
「そんなら、法律に基づいていれば何やっても良いっていうルールにしてやろうか!」

緩くするのは簡単だ。ジーンズもOK、仕事中に友達とチャットするのもOK、バナナをぱくつくのもOK、株取引もOKと何でもOKにできる。

何故ルールを作るのか。それは究極的には「コーポレートカルチャー」を守る為なのだ。

最新の画像もっと見る