昔はこんな大根も、よく有りました。
筋っぽくなって、隙間があいている大根です。
年寄りになって、すじすじだらけです。
こんな大根でも、関東だき、おでんの事ですが、
煮物にして食べさせられていました。
味も、苦みが出て、まずい、まずい、
野良犬でも、喰わんのと違うかと思うぐらいです。
今のは、白くて、太くて、柔らかくて、みずみずしくて、
そのまま、かじれるぐらい美味しそうです。
昔のは、上の葉っぱに近い所は固くて緑色になっているし、
当然葉っぱも付いてます。
途中は曲がっている、虫が食っている、下の方は土が付いて、
へたすりゃ、根っこのひげも、ちょろちょろ生えていました。
今風に言えば、オーガニックでボタニカルです。
昔はよく、そんな大根でも、太短い足に大根足と言っていましたが、
今の大根で、大根足と言うと、ほめ言葉になってしまいます。
昔は、野菜のレパートリーが少なくて、
そこらへんの、道端に生えてる雑草やら、
裏山の六甲山で取ってきた山菜みたいな、
よくわからんゴミのようなもんが、売っていました。
栗とかも、ホントに仕入れてきたのか怪しいやつを
いっぱいくれた時が有りました。
喜んで、ふかして食べようとしたら、ほぼ全部虫が喰ってて、
中に虫がいて、食べれる所は、ほとんど無かったです。。
なんじゃ、こりゃーと思いましたが、昔はそんなもんです。
以前にくれた、タケノコも渋くて食べたもんやなかったですから、
ただで、まともなもんなんて無いのが当たり前でした。
最後は、野良の餌になるんです、贅沢言ってはいけません。
あの時代は毎日が、何らしかの罰ゲームとの戦いです。
こんなもんでは人間は死にません。
映画のベネディクト・カンバーバッチのクーリエを見て、
ソビエトの監獄の食事は、まだ甘いなと思いました。