ゴルフは、元々、そんなに好きでなかったのですが、
付き合いで、それなりにやっていました。
ゴルフの経歴は、18才ぐらいから打ちっ放しの練習場で、
友達と暇つぶしで、適当に打っていました。
当時は、野球のバッティングセンターと同じぐらいの金額で、する事ができ、
そのわりに、最初の頃のゴルフブームだったせいか、
町の中に、ちょこちょこ有って、案外手軽にやれました。
只、本気でコースを回ろうと思ったら、
道具全てが、輸入品で、とんでもなく高かったです。
例えば、今から40年以上前で、
ゴルフボール一個が、500円以上していました。
そけだけに、ゴルフは、オッサンになり、
金持ちになった人間がする、お遊びやと思っていました。
小学生の時、私のオヤジが仕事の付き合いで、
ゴルフをしなければいけないという事で、
今では、新幹線の新神戸駅の後ろの山で、
布引のハーブ園の所に有った、打ちっ放し場に連れて行かされ、
かごに入れたボールを出して、オヤジが打ちやすいように、
一個一個打つたびに、前に置かされていました。
ここは、町の中の打ちっ放し場と違い、
山の上から、谷を挟んで、向かいの山に打つので、
球筋と距離感が分かり、そして爽快感も有るので、
見ていても、気持ち良かったです。
私は若い頃、柔道をやっているのもあって、体力を持て余していたので、
練習場で何発打っても、全く、疲れなかった。
元々、どうせ、コースに出るつもりもなく、
上手くなろうという気がないし、ただの暇つぶしで、力任せに打っていたので、
たまに、思いっきり地面を叩き、
地面に置いてある、マットを前に飛ばすか、
アイアンのクラブのシャフトを、曲げていました。
そういうのもあって、ゴルフの面白さが全く分からなかったです。
柔道ばっかりやってたせいで、
人間より遥かに軽い、ゴルフクラブを両手で持っても、
若い頃は、軽すぎて、持ってる感覚が無かった。
なにせ、人間様を投げる力が普通なのですから、
そのせいで、振り方が、全く分からなかったです。
本来、ヘッドの重さを感じて、振り下ろさなくてはならないのに、
感じないんですから、スイングが全く一定せず、
あっち飛び、こっち飛び、めちゃめちゃでした。
ひどい、どスライスになると、真横か、
下手すりゃ、ブーメランのように、後ろに飛んで、
とっても、危なかったです。
一度なんて、5か所ぐらい、右隣で打っているオッサンの足元に飛んで行き、
オッサンが、目を剥いていこっちを向いていて、
冷や汗を流しながら、知らんぷりをしていました。
自分でも怖かったです。
この程度で25才ぐらいの時、初コースデビューした時は、
とんでもなく、大変でした。
安月給なのに、いやいや、付き合わされて、
ゴルフは紳士のスポーツやから、
クラブハウスに入って行く時は、必ず、
ジャケットを着てなきゃいかん、と言われ、
前日に、わざわざ、一番安いジャケットを買いに行き、
ゴルフのフルセットを一万円で買い、
中古のゴルフボールを、何十個も買い、
ちびりそうな状態でゴルフ場に行きました。
全ての段取りが、全く分からないので、
人の言われるがまんま着替えて、
クラブハウスの前のグリーンで、どこに行くかわからんパターの練習をした後、
スタートする人が並んでいる、カート道に行き、
ど緊張の状態で、打ち方が、その時までよく分からんままのドライバーを、
汗を怒涛の如くかいている手で、握り方を何度も、確認している間に、
ついに自分の順番が回ってきてしまった。
自分のグループだけならまだしも、
カート道に、次の順番を待っている、他のグループのオッサン共が、
静かにして、ジーと見ている。
現在、オッサンになったから分かりますが、
あの時は絶対、オッサン共は、心の中で、
この若い奴、一応、ナイスショット言うたるけど、
俺より、ええ玉打ったら、許さんどー。
そない言うて、空振りでもしようもんなら、もっと許さんどー。
チョロでもして、とっとと、前に進まんかい。
お前は、いっちょ前にドライバーなんか持たんと、全部パターで打て、
もう、ОBでええから、早よ前に行け、
と思っていたに違いありません。
現実は、ど緊張過ぎて、他人の事を考えている余裕もなく、
視野狭窄になり、その上、ティーアップしたボールは、豆粒のように見え、
持ってるクラブは、カラオケのマイクと間違って、
私の持ち歌の、井上陽水の、傘がない、を歌ってしまいそうでした。
すいません、ちょっと盛り過ぎました。
実際、初めてコースに立つんですから、
打つ方向さえ、はっきり分かってない。
取りあえず、前に打った人と大体同じ方向に打つだけです。
そんな状態やのに、
構えが悪い、グリップが悪い、足の位置が悪い、などと、
この期に及んで、いらんアドバイスを言われます、
顔が悪い、頭が悪い、と一緒で、
突然、修正できるかーーー。
遂に、満を持して振り下ろしてしまいました。
かすかに、ボールに当たり、
取りあえず、前と思われる方向に転がって行きました。
大役を終えて、ホッとし、これでもう帰ってもエエわ、とまで思いました。
次に打つのが、私と同じように、ゴルフ、ド素人の仕事仲間です。
彼も、可哀想なぐらい緊張しているのが、見て取れました。
取りあえず、ボールに当てたらええからな、と言ってやりましたが、
構えて、振り下ろそうとした瞬間、
無慈悲な一言が、
それじゃあ、アカンわ。
その一言で、クラブヘッドは、
ボールの30センチぐらい上空を、通り過ぎました。
その後、無慈悲な一言が、振り上げるごとに連発し、
2回空振りし、
彼の顔は、あっちの世界に行ってしまったかのように、
無表情で、粘土のような土気色になり、
やっと4回目にして当たり、
ボールは、右の藪の中に、飛び込んで行きました。
見ていて、可哀想と言う言葉しか出てこない状況でした。
昭和はゴルフでさえ、無慈悲です。
その後も、だんだんオッサンに近づいてきたせいで、
渋々ながらも、誘われてぼちぼち行っていましたが、
スコアは110から120ぐらいを行ったり来たりしていて、
下手くそながら、大たたきしないような技術を、
自分なりに、開発していきました。
なにせ、ほとんど、ボールは、真ん中のフェアウエーに無く、
左右両側の、土手、崖、藪、林、雑木林、これは、漢検て゛はありません。
ましてや、隣りのコースにまでとんで行き、
その上、隣りのコースから、戻ってくる事が出来ず、
隣のコースでやっている人に迷惑をかけつつ、
並走しながら、最後に隣りの見えない所から、何故か、
元のコースのグリーンに、ナイスオンするという謎、
同じグループの人間と顔を見ない、存在感のない状態で、参加している、
実際、隣の誰もいないコースのフェアウエーから打つのは、
疎外感が有って、寂しいから、
早くみんなと、一緒にプレーしたいと焦るほど、
余計、あらぬ方向に飛んでいき、マスターベーションになっていきます。
もうオッサンやねんから、勘弁して、何発も無理や !
失礼いたしました。
これは、果たしてゴルフなのかというゴルフをやってきました。
お陰で天候にも、ほとんど恵まれず、
霧の中や、雨は当たり前で、前が見えなくなるほどの土砂降りの雨、
雪、雷、最悪なのが、台風のど真ん中を2回、
流石にこの時は、本当に死ぬかと思いました、
台風が来るのは、分かっているのに、まだ来てないからと、
したくてたまらない人が、やめとこうというのに、スタートさせてしまう、
しかし、やっている内に、台風が段々近づいてきて、
状況が、どんどん悪くなり、特に風が強くなり、
ティーアップしたボールでさえティーから落ちる、
打ってしまったボールは、あさっての方向へ飛んでいってしまう、
風が無かっても、あさっての私なんか、来週か、再来週です。
ショートホールの打ち下ろしなんか、
数少ないナイスショットで、ニアピンやと思ったら、
グリーンの上空で、ビューと強風が吹き、直角に曲がり、OBになりました。
状況がもっと悪くなってくると、
当然、土砂降りで、体は、下着、靴下、靴の中まで、ずくずく、
カッパなんて、何の意味もありません。
その上、フェアウエー、バンカー、グリーン、全部、水溜まり、
遂には、余りの強風で、周りの木の枝が、バキバキと折れだし、
いろんな物が、空中を舞い、まさに、魑魅魍魎が跋扈する地獄絵図です。
コースには、他のグループは当然いなくて、
私らの4人だけが、全くまともなゴルフになっていないのに、
仕方なく、何故か義務的にやっている。
元々、下手くそな私は、上手い人が下手くそと一緒になっていくので、
こうゆう状況になると、ワクワクしてきます。
実際、かなり危険な状況に、なってきて、
このまま、コース上で遭難するんじゃないかと考えだし、
遂に、帰ろうかと言い出しました、ザマアミロです。
人の不幸は蜜の味です、自分もやけど。
しかし、ゴルフ場からの迎えも来ず、
トボトボ歩いて、やっとの思いでクラブハウスに辿り着いた時は、
流石にホッとしました。
帰りの車の中では、誰もしゃべらず、盛り下がる盛り下がる。
これまで、一人て゛サバイバルゴルフをやってきた私は、
どんな過酷な状況になろうとも、へこたれず、
ちっちゃいボールを前に打つという能力は、磨かれていきました。
ちゃんとしたゴルフをせず、兎に角、スコアをまとめる技術は、
手の九番も含め、色々開発してきました。
何が、紳士のスポーツやねん。
この多彩な、年の功の、いかさま技術は、
昔のテレビ番組で、パーマーとプレイヤーを見ていた私には、
最盛期のタイガーウッズにも、負けず劣りません。
この秘伝の技術を知りたければ、
私のメルマガで知ることが出来ます。
メルマガないけど。
続く。