ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

アメリカで座禅を

2009年05月29日 | その他
PSU(ポートランド州立大学)では、学生向けに様々な無料セミナーやワークショップが提供されていて、効率的な時間管理法や人前でのスピーチをいかに成功させるかなどマネジメント関係から、ダンス・コースやエクササイズと言ったレクリエーションなど様々。

これまで機会を見つけては、色々参加してみたのだけれど、最近アタリだったのは、“Mindfulness”と呼ばれるメンタル・エクササイズのコース。早い話、瞑想と自己対話によって精神鍛錬を行う、というもので、ともすると、オカルトや新興宗教などに結び付けられてしまいそうだけれど、心理学にも深く根ざしたこの分野、個を尊重するアメリカでは、かなり一般にも浸透していて、ポピュラーな存在。

で、そのインストラクターが、私がこれまで禅寺で座禅したことがある、と言ったことから、ポートランド市内でも座禅が出来る場所を紹介してくれた。

これまで、市内近郊では2つの寺社(日蓮宗の“Nichiren Buddhist Temple of Portland”と浄土真宗の“Oregon Buddhist Temple”)があるのを知っていたけれど、この“Zen Center of Portland”は超党派で特定の宗派に属しておらず、閑静な住宅街にひっそりたたずんでいる。

禅“Zen”は、アメリカでも知ってる人はかなり信奉しちゃってるポピュラーな瞑想方法の一つで、なぜか中国の禅よりも日本の禅が一般的で、おそらく日本人の老子(禅の高僧)が1920年代にサンフランシスコで布教したことから、ヒッピー文化と結びついて全国的に広がったことと関係がある模様。

なお、日本でお寺と言えば、座禅とかカーツッという警策が容易に思い浮かぶけれど、大まかに言って宗派はたったの3つ。元々天台宗だった栄西さんが始めた京都・建仁寺を中心とする臨済宗、建仁寺で修行した道元さんが永平寺を建立して始めた曹洞宗、中国僧・隠元さんが来日して布教し煎茶道の祖ともされる日本黄檗宗。

本題から逸れちゃったけど、このセンターでは個人宅を誰でも座禅・瞑想が出来るように開放されていて、天窓があって明るい20畳ほどのスペースには、壁に沿って座禅用クッションが置かれていて、みな壁に向かって1回45分程度瞑想する。毎朝と水曜夜、それに日曜のお昼にも座禅を行う機会が設けられていて、仏像はないもののお香が焚かれていたりと、私には懐かしい雰囲気。参加者は、アメリカ人→自己鍛錬に興味→禅にも興味、という、いわゆる典型的なアメリカンではないため、片言の日本語を知っていたり、日本語で挨拶すると喜んじゃったり。とりあえず、物見遊山の新参者を暖かく迎えてくれたのはうれしいけれど、このセンター、これからもどんな活動をするのか、楽しみ~。

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