島ちゃんからもらった命のバトン

2009.1月急性骨髄性白血病発症。
2010.12月、旅立ち。
島ちゃんの軌跡と島ちゃんが遺してくれたもの。

慰霊祭

2011-10-18 21:36:12 | Weblog
島ちゃんが入院していた大学病院で慰霊祭が厳かに行われた。

最期の時を迎え、今後の医療の発展のため、医師を目指す学生さんを育てる為に解剖が行われます。

島ちゃんは生前「もし俺が死んだ時には献体して欲しい。ホントは臓器提供したいが、2年も抗がん剤治療をしてきたから、薬づけになってる。

こんな体の臓器なんて役に立つことなんてできない。それやったらせめて献体して、俺と同じように白血病に効く新薬を一日も早く開発

して欲しい。まぁ、そう言っても俺はまだまだ死なへんけどな。」

と、私に話した。

島ちゃんが死ぬなんて考えてもなかったけど島ちゃんが真剣な顔をして私に話すもんやから急に悲しくなって泣いてしまったんよね。

そんな私に島ちゃんは「俺はまだまだ死なへんけどな。」って笑って付け加えて、私も「ほんまやで。パパにはまだまだやってもらわな

アカンことがいっぱいあるんやで。」って笑った。

島ちゃんはいつも自分の事を後回しにして周りの人の気持ちを考える人やったな。

「もし俺が死んだ時には・・・」ってどんな思いで話したんだろう。パパのその心境を考えると胸が苦しくなるよ。

泣きたいのはパパの方やったのに私が先に泣いちゃったから、パパは泣かれへんかったんやね。

わたしはパパに与えてもらうばかりで、パパに何もできなかったな。

 島ちゃんが亡くなった時に担当医師が私に「しまださんは、自分の体を何かの役に立てて欲しい。とおっしゃってました。」と言った。

私はどこまでも自分のことより人のこと、と考えるパパに少し呆れちゃったけど、パパらしいな、って素直に納得できた。

解剖から戻ってきたパパは、つい数時間前まで体中、管だらけで機械によって生かされ、苦しみに顔をゆがめてたなんてウソみたいに

それはそれは、真っ白で綺麗な肌をしていてとても穏やかな顔で、仏様のお顔のように口角が上がり優しく幸せそうな表情でした。

「パパ、ホントにお疲れ様。やっと帰ってきてくれたね。お帰り。」ってパパを抱きしめたんだよね。

島ちゃんは冷たかった。


 慰霊祭で解剖をされた方、一人一人の名前がよばれた。

「島田浩二郎殿」その瞬間、一気に涙があふれた。

慰霊祭には、大学病院の医師はもちろん医師を目指す沢山の学生さんが参加していた。

パパの死を決して無駄にしないで欲しい。

生きたいのに無念にも一生を終えてしまう命があります。

この先、生きていれば色んなことがあると思う。子供たちが大きくなればそのうち反抗期も来るだろう。

それでも生きていれば、なんだって出来ると思う。

「死ぬ気になれば何でもできる。」って本当やと思う。

大好きなパパはいつも私の背中を押し「頑張れ、頑張れ」って言ってくれてるんよね。





おやすみなさい

2011-10-16 21:27:39 | Weblog
子供たち島ちゃんのお仏壇の前で「おやすみなさい」のご挨拶をしました。

「今日一日、みんなが元気で、楽しく過ごせたのはパパのおかげです。今日もありがとう。おやすみなさい。」

と言って手を合わせます。

次男坊に「おとうさんはいつも次男坊を抱っこして大好きだよ。って言ってたんだよ。」って言うと「うん、うん、ぼくも大好きって言ってたよ。

あらあら、おとうしゃん大きくなったねって言ってるわ」と、とびきりの笑顔。


仏壇の前の島ちゃんはずっと同じ顔なんだけど、いつも表情は違うんだよね。

笑ってる時も有れば怒ってる時もあり、背中をおしてくれたり、ずっと話を聞いてくれたり、姿はなくともちゃんと存在は感じてる。

それは私だけでなく子供たちも同じなんだよね。

とうちゃん、存在感アリアリなんだよね~


長男坊、抜けた前歯がなかなかはえてこないのが嫌らしく島ちゃんのお骨箱を見ながら「おとうちゃん、歯、くれへんかな・・・?」

島ちゃんの顔が変わったぞ~。

「おい、長男坊よ。そのお願いは・・・却下や!」

ご褒美?

2011-10-15 21:39:39 | Weblog
今朝も早朝から長男坊の野球の試合で、遠方までお世話係で行ってきました。

長男坊は前回、試合で負けた時に私が「もっともっと練習せな勝たれへんってことやで。」って言ったら「頑張ってもおtおとうさん、見に来られ

へんやん。」というので、人のせいにするなんてもってのほか!カッチーンときた私は「そんな事、言ったってどないしょうもないやろ!

長男坊より、天国にいってしまったおとうちゃんのほうがよっぽど悔しいんやで!」

ってなぜかとても熱くなってムキになって言いました。

そんな私に長男坊、「わかった!」って真っ赤な顔してバットを持って外に行き一人素振りをしてました。

最近になって島ちゃんが居ないことにとても寂しく感じて島ちゃんの事を思うとすぐに涙が出てきます。

長男坊に大声で言いながら、その言葉は自分に一番に言い聞かせてたんだと思います。

ウジウジしてる私より一人バットを振ってる長男坊のほうが、よっぽど強いですよね。

そんな長男坊、本日は活躍しました!

チームは負けちゃいましたが、バッチリ、ヒットで得点を入れました。

  おとうちゃん、長男坊のことちゃんと見ててくれたんやね。 ありがとう。 

  お父ちゃんがいつも、スキな野球が出来ることはそれだけで幸せなんやぞ。長男坊が好きな野球を頑張るんならパパは

  いつも応援してるから。
  
  って言ってくれてたよね。
  
  パパはちゃんと約束通り、応援してくれてるんやね。

長男坊のヒットは島ちゃんからの頑張ってるご褒美やね。

ありがとう。

ご飯ですよ

2011-10-13 21:00:30 | Weblog
次男坊は朝の目覚が良くいつも朝はご機嫌さん。

今朝、いつものようにパパの仏壇の前に座りご挨拶をしてたら次男坊が鼻歌交じりに「おとうしゃん、朝ごはんだよ~」と

言って自分が使ってたプラスチックのお皿にオモチャの魚釣りセットに入ってる、イカ、エビ、カニをお皿に入れ「ど~ぞ、めーしあがれ」

と無造作に置いて自分はおむすびにがっついてた。

写真のパパが苦笑してるように見えたのは気のせいか?

いつも要領の良い次男坊、パパを見方にしてやりたい放題のような・・・。

パパがお空から言ってるぞ。

「おい、次男坊よ。お父ちゃんは刺身は好きやけど、さすがに朝からイカ、エビ、カニは食えんぞ。おまけにピンクにアカに黄色のにっこり笑った

エビ、カニ、イカはもっと食えん。それより次男坊が持ってるおにぎりをおくれ。」ってね。

運動会

2011-10-11 21:27:09 | Weblog
日曜日は次男坊の運動会でした。

昨年は3歳児クラスでの参加で、参加種目は少ないものの歩いてるだけでかわい~って感じだったのを、思い出します。

次男坊、昨年は運動会開会早々、大泣き。担任の先生に抱っこされっぱなしだったなぁ。

島ちゃんは入院中だったので、ビデオで次男坊の様子をみて「アカンたれやの~」って言いながら、数少ない参加競技を、何度も、何度も

巻き戻して愛おしそうにみてたなぁ。

あれから一年。毎日一緒にいると子供の成長にあまり気付かなかったりするのですが、しっかり成長してました。

お遊戯も親子競技も、玉入れもガッツリ頑張ってました。

私は運動会の協力係をしてましたので、一番前の席で次男坊の競技を見れるのですが、次男坊がとびきりの笑顔で張り切って踊ってる姿は

とても、とてもかわいくて「あ~いつの間にかこんなに大きくなってたんだ。今の次男坊の姿をみたらパパはなんて言うだろ。パパと

一緒に見たかった。パパに見せてあげたかった。」そう思うと涙がただただ溢れて、笑顔なんだけど涙でボロボロの顔になってもう写真、

ビデオを撮る余裕なんて何処にもなかったです。

閉会式で全園児、折り紙で作った金メダルを首にかけてもらいます。

次男坊はその金メダルを「金メメダル、金メメダル。」と、とても嬉しそうに持って帰りパパの仏壇の前でちゃんとパパに報告してました。

長男坊が「金メダルだよ。金メメダルとはちゃうで。」って言ったら「そっか~、金メメダルやね。」って。

運動会を見にきてくれた私の兄が「メの数だけ嬉しかったって事や。」って一言。

長男坊、その言葉に素直に「そうなんやね。」と納得。

運動会、頑張った証の金メメダルは次男坊のお気に入りで首に寝る時もしっかり持ってました。

毎日

2011-10-08 09:21:44 | Weblog
毎日、それなりに楽しいことが沢山あり、ブログにのこしておきたい事はいっぱいありますが、家に帰り、パソコンを開く

とこまでにたどり着かず、ほったらかしになっております。

10月は息子たちの運動会や参観日、野球の試合などなどイベントごとが沢山で、土曜日、日曜日のスケジュールは全て埋まりました。

暇な時間があるとよからぬ事を考えてしまったりするので、時間うまってるほうが良いですけどね。

 私も子供達も誰かに助けられ、支えられ毎日楽しく充実出来た生活が出来てる事に、感謝です。

「ありがとう」の気持ちはいつも大切にしておきたい気持ちです。


さて、本日はこれから、長男坊の野球の試合です。

ココは、体育会系の母としては勝負事となれば熱くなります。

絶対、勝つぞ~。ガンガン行けよ~

また行こうね

2011-10-02 20:20:55 | Weblog
昨日は長男坊、運動会予行演習のため学校へ。

いつも休みの日は長男坊の野球に付きっきりなので次男坊はかっちゃんに預けてばかり。

そこで、昨日は次男坊と二人の時間を過ごそうと思い次男坊に「遊びにいこっか?どこに行きたい?」って聞くと「お魚みにいこ。」

っていうので須磨水族館へ行きました。

須磨に着くと水族館にはなかなか到着せず、まず須磨海岸で散々遊び、少し寒くなったので「もう中に入ろう~」って言うと

「うん」といってやっと水族館に向かって走り出したと思ったら、今度は近くの公園で松ぼっくりを発見。これまたあちこちに落ちてる

松ぼっくりを拾い、それをキレイに並べはじめ、またもや足止めをくらい11時には着いてたのに水族館についたのは13時を回ってました。

次男坊はとってもこだわりが強く、頑固者。しっかり島ちゃんのDNAを受け継いでおります。

だから本人が納得するまで前には進めず、昨日は「今日は次男坊の時間」と決めてきてましたので、みっちり付き合いました。

次男坊は次から次へと遊びを考え、とってもご機嫌さん。私も彼の笑顔と発言に大笑いしめちゃめちゃ癒されました。

夕方になり納得したのか「そろそろ、帰ろっか」とさっきまで遊んでたかと思うと急に出口に向かい車までアッと言う間に到着。

帰りの車の中でも「イルカしゃんいたね~。あのさ、あのさ、イルカしゃんは海を泳いできたんだよ。」と私に教えてくれました。

彼が言うならそうかも?!

「こんどは、二人で動物園にいこうね」って言うと「おにいちゃんも一緒だよ。おにちゃんと、かっちゃんと、おかあしゃんと、また来ようね。」

とみんなが一緒でなければ面白くないそうです。

そしてキレイな雲を見て「あそこにパパがいるんだよ。ほらほら、見えるでしょ」って張り切って言ってました。

そして家に近くのコンビニが近づくと「あっ、いいことおもいちゅいた!パパにおみやげをかってあげよう。」と言いコンビニへ誘導。

彼は真っ先にレジ横のみたらし団子へ直行。レジの人に「パパにあげるんだ~」といって得意なスマイル。

みたらし団子をもって「ただいま~」と家に入り、かっちゃんと長男坊が「たのしかった」って聞くと「うん、ほらこれ美味しそうでしょ。」

パパの仏壇の前でパパに見せただけで「ありがと」と言って次の瞬間には口の中に入っていました。

かっちゃんとおにいちゃんはお土産話もお土産団子も無く、ただただ、みたらし団子を美味しそうに頬張りながら「ね、これ美味しいでしょ。

また行こうね~」しか聞かされてませんでした。

この「また行こうね。」は水族館へなのか、コンビニへなのかナゾですけどね。

神様

2011-10-01 16:45:47 | Weblog
昨日、仕事から帰ってきたら長男坊が「プールの試験合格したよ」

と私に嬉しそうに報告をくれた。

長男坊、週に一度スイミングに通ってる。私も毎日、健康維持の為に仕事から帰ってきてプールに通ってる。

夜のプールにはおじちゃん、おばちゃんが多い。私がプールに行く時に長男坊は必ず着いてくる。

毎日通ってると、顔見しりになり、そこで、一人のおっちゃんに出会った。

おっちゃんはとっても優しい笑顔で「毎日、泳ぎに来て感心やね。僕、何年生や?」って聞いてきて、「1年生です。」って答えた息子に

おっちゃんは「よし、そしたらおっちゃんと一緒に泳ごうと」毎日、私たちが来るのを待ってくれて一緒に泳いでくれます。

おっちゃんの水泳歴は相当長く、70歳とは思えない体力、そしてとっても綺麗に泳ぎます。

長男坊はそのおっちゃんに教えてもらって12メートルほどしか泳げなかったのにたった10日で50メートルを泳ぐようになった。

長男いわく「スイミングのコーチより面白いし、わかりやすい」そうです。

母としては、月謝を払ってるとこよりわかりやすいとは・・・とちょっと複雑。

おっちゃんのお陰でメキメキと上達した長男坊はスクールの昇格試験に合格しコーチに「すごい上達したな。ビックリや。」と言われたらしい。

そして、昨日、私がプールに行く時に長男坊が走ってきて「プールの神様に合格したよ。ありがとう。と絶対に言っといてな」と伝言を

預かり、早速プールでおっちゃんに長男坊の事を話すと「そうか、そうか、良かった。長男坊君はセンスあるしとっても素直やからこれから

もっと伸びるよ。おっちゃん、長男坊君がガンガン泳げるのを見届けなけれアカンから、長生きするわ。」とにっこり。

おっちゃんはいつもご夫婦で来られていて、奥様が「毎日、長男坊くんの事を自分の孫のようにはなしてるのよ。いつでも、家に遊びに来なさい。」

っていってくださいました。

パパが病気で亡くなったこと、パパは病気と闘って強かったこと、長男坊はおっちゃんに話してたみたいで、余計におっちゃんは長男坊を

気にかけてくれるようになったと奥様が話して下さいました。


そんな、おっちゃんのことをいつの間にか長男坊は「プールの神様」とよんでいた。