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気球に乗って月旅行(後編) - ポー『ハンス・プファアルの無類の冒険』より

2017-05-20 16:55:54 | 架空世界
 5/14の記事の後編です。

 ところで "Pfaall" という名はおもしろおかしい名前としてポーが創作したものらしく検索するとこの作品関連のことしかでてきません。で、イメージ検索で気球の画像がたくさん出てきますが、ロッテルダム上空に現れた気球と乗員の姿を原作の描写通りに描いたものは見つかりませんでした。それは「よごれた新聞紙だけで」作られたガス袋の下に「大きな道化帽をさかさにしたような」物体がぶら下がり、ゴンドラとして「素晴しく大きな鳶色の海狸の毛皮の帽子」が使われていました。乗員の風体はというと、
===========引用開始=====================
この小男の躰は不釣合に横幅がひろく、姿全体がおかしいほど丸々としていた。足は、もちろん、まるで見えなかった。手は馬鹿に大きく、髪は灰色で、お下げのようにうしろにたばねてあった。鼻はいやに長く、ひんまがっていて、炎症を起していた。眼は円く、きらきらと輝いて、鋭かった。顎と頬は、年をとって皺がよっていたが、大きく肥えふとって、二重になっていた。だが、耳らしいものは頭のどこにも見あたらなかった。この奇妙な小男の紳士は、空色の嬬子(しゅす)のゆったりとした外套[a loose surtout of sky-blue satin]を身にまとい、膝のところを銀の留金で締めた、外套によく似合うきっちりしたズボンをはいていた。チョッキは目のさめるような黄色い生地で出来ていた。白い琉珀織(こはくおり)の帽子[a white taffety cap]が頭に横っちょに小粋にかぶられ、最後に、画竜点晴といった風に、血のように赤いハンカチが彼の咽喉をつつみ、すてきに大きい、一風変った蝶結びになって、みやびやかに胸の上に流れていた。
===========引用終り=====================

 とあるゲームそのモバイル版の人物がそのようです。まるで不思議の国のアリスの人物みたいに派手ですね。なお、ロッテルダム上空に現れた人物はPfaall氏本人ではなく、代理人の月世界人ですので誤解なきように。月の6倍の重力下で大丈夫なのかと心配になりますが、本作品には表面重力の違いに関する記載は・・ちょっと奇妙な理論がでてきます。


 さて自作の気球船を完成させ月へ向けて旅立ったプファアル氏は、人類未踏の超高層大気世界で驚異的な現象の数々に出会います。出発の準備に借金の債権者達を言葉巧みにだましてこき使い、出発と同時に爆薬で吹き飛ばすという犯罪を犯していますが、ディズニーがアニメ化したりするとこのシーンさえユーモラスに描かれそうですね。

 ともかく4/01夜に出発準備を始め、翌朝の夜明け近くに気球が飛び立っています。出発の時に債権者を吹き飛ばすために使った爆薬の衝撃で気球から逆さにぶら下がり、しばしのアクロバットの後に籠の中に戻るという、第3者から見るというユーモラスな騒動を演じた直後が6:00で高度は(3+3/4)mile[6.03km]。8:00には16mile[25.74km]で8:15には呼吸の苦しさが耐えられなくなり、グリム氏の凝縮器を改良した装置で空気を作り出す準備を始めます[*1]。

 すなわち「非常に丈夫な、完全に密閉された、だがしなやかな、弾性ゴムの袋」を使って吊藍(ゴンドラ)と乗員を下から覆い、上方で閉じて空気室を作るのです。そして「このバリケードの内部に、凝縮器を用いて、呼吸の目的のために充分に凝縮された大気を若干導き入れる」ということをします。

 この空気室を閉じる直前8:40には「気圧計の水銀は極限まで下り」、高度は25mile[40.0km]となりました。その10分後には、落とした羽毛が「弾丸のように、まっしぐらに落ちて行き二、三秒で見えなく」なるという驚異の現象が生じます。当然ながら力学的予測は正確なのですが、どう見ても希薄な空気の生物への影響を過小評価しています。そういったデータが少なかった時代なので無理もないのかも知れません。

 プファアル氏は一つがいの鳩と一匹の猫を気球に持ち込んでいて、猫はなんと途中で3匹の仔猫を産んだのですが、鳩の方はこれほど空気が希薄になる前にすでに放しています。4匹の猫たちは空気室の外に置いたまま!

===========引用開始====下線は私の強調============
親猫の方はまたしてもひどく苦しんでいるようでしたが、この苦痛は主として呼吸困難によるものだろうと私はすぐ判断しました。ところが、仔猫の方の実験の結果は、ちょっと妙でした。親猫ほどではないにしても仔猫も苦痛の色を示しているに相違ないと私は予期していて、こうなれば、下界の気圧を躰に受け慣れていたからだという私の考え方が確証されたはずなのです。しかし、意外にも、仔猫どもは、よく調べてみると、呼吸も大変安らかで規則正しく、気分がわるいような様子はすこしも見せず、あきらかに非常に健康そうでした。気球のまわりの非常に稀薄な大気は(私がそれまで当然のことと考えていたように)生存の目的のためには化学的に欠けているものがあるとするのは事実と異なるのかも知れません。そんな媒体のなかで生れた個体は、もしかすると、そんな稀薄な空気を吸うことから生じる不快など意識しないのかも知れず、かえって、地球に近い濃い空気の層へ戻って行けば、私がさっき味わったような苦痛をなめさせられるかも知れない--こんな風に私の説を敷衍(ふえん)すれば、仔猫の健在という事実の説明がつくのでした。
===========引用終り===============================

 いやー、まあ、生命が化学反応であり酸素が必須であるという仮説も未だ仮説の域を出なかった時代なのでしょうね。そもそもプファアル氏は希薄な大気による生命の危険については次のような楽観的予測をしています。

===========引用開始====下線は私の強調============
相当の高さまで気球で上昇して行く場合、呼吸困難のほかに、頭と躰全体に非常な苦痛を感じ、これは鼻血その他の警戒すべき症候をしばしばともない、高度を増すに従っていよいよ不快になることが今まで認められております。これは若干驚くべき見方でありました。このような症候が次第に嵩(こう)じていって、ついには死に到ることも考えられるのではないでしょうか。が私は、結局、そんなことにはなるまいと思いました。右のような症候の起る原因は、身体の表面に加えられる正常の圧力が次第に除かれ、その結果、身体の表面の血管が膨脹するという事実に求めらるべきであって--大気の密度が心室内で血液を然るべく更新するには化学的に不充分になった、あの呼吸困難の場合に見られる、動物体の積極的解体から起るのではありません。このような血液更新が不可能にならぬ限りは、真空のなかででも、生命を維持できないはずはないと私は思いました。なぜなら、普通呼吸と呼ばれている胸廓の膨脹と収縮は、純粋に筋肉の活動であり、呼吸の締果ではなくて原囚なのであります。要するに私は、肉体が大気の圧力の不足に慣れてくるにつれて、苦痛の感覚も次第にうすれてゆくに違いないと考えました。そして、苦痛の感覚がつづいている間それに耐えるためには、私の体質の鉄のごとき頑強さに安んじて依り頼んだのです。
===========引用終り===============================

 ところでプファアル氏は高度の測定を気圧から推定しているので、高くなると実際の高度は不正確になります。04/07には7254mile[11670km]に達したと推定していますが、この推定はそれまでの経過時間と高度との関係から外挿した値です。そしてなぜかここで北極の上空に達します。たぶん読者サービスですね。なにしろこの時代は北極点到達どころか極地のほとんどが未踏の領域だったのです。極地には地球内部へと続く巨大な穴がある、などという仮説もむげには否定できない時代だったのです。ポーの作品では『壜のなかの手記(Manuscript Found in a Bottle)』にも謎の極地のことがでてきます。幸いにも雲も少なかったようで、プファアル氏はほぼ地球の直径の高度からの北極の壮大な眺めを楽しみます。

===========引用開始====下線は私の強調============
 四月十日。今朝五時ごろ、わけのわからない、大きな、ばりばりっという、おそろしい物音に、突然、眠りから醒まされました。その物音は、ほんのわずかのあいだしかつづきませんでしたが、それは、私が今までに聞いたどんな音とも、まるで違っていました。
===========引用終り===============================

 気圧計の水銀が既に極限まで下がっているというのに、現代の作家がこんなことを書いたらハードSFでなくても笑いものですが、非常に希薄な大気の世界というのは人類にとって未知だった時代ならいたしかたないことかも知れません。さてこの音の正体は四月十五日に明らかになりますが、月の火山から隕石が飛び出す音だったのです。そう、月ではものすごく活発な火山活動が起きていたのです。

 ところで次の文章の下線部の意味はわかるでしょうか?
===========引用開始====下線は私の強調============
 四月十三日。十日の朝私を吃驚仰天(びっくりぎょうてん)させた、あの大きな、爆発音のような物音がまたしても起り、私はふたたび色を失いました。この問題について永いこと考えましたが、満足すべき結論は得られませんでした。地球の直径と思われるものが、さらに非常に小さくなりました。それはいま、二十五度を少し超える角度で地球に対していました。月はほとんど私の真上にあるために、まったく見ることができません。気球はなおも楕円軌道の平面上にありましたが、東の方へ、ほんのわずか進んだだけでした。
===========引用終り===============================

 二十五度とは何と何との角度なのでしょうか? Ref-2の方も似たような文章で首をひねるばかりでしたが、原文は次のとおりです。
===========引用開始====下線は私の強調============
April 13th. Was again very much alarmed by a repetition of the loud crackling noise which terrified me on the tenth. Thought long upon the subject, but was unable to form any satisfactory conclusion. Great decrease in the earth's apparent diameter, which now subtended from the balloon an angle of very little more than twenty-five degrees. The moon could not be seen at all, being nearly in my zenith. I still continued in the plane of the ellipse, but made little progress to the eastward.
===========引用終り===============================

 "subtend" がキーワードで辞書では「辺や弦が角を限定する」などと、またわかりにくい定義をしていますが、"L subtend θ from P." で「中心Pの円の中心角θに対応する弦がL」という意味になります。つまりこの角度は気球から見た地球の視角だったのです。ですので、わかりやすく訳せば、「地球の直径は非常に小さくなり、気球から見た視角は二十五度よりも小さくなった」となるでしょう。視角は天体の見かけの大きさを表すのによく使う表示で、天文ファンなら誰でも知っています。だからハードSFの翻訳は・・・・。

 さて視角θがわかるのなら[*2]、地球半径Rは既知ですから気球から地球中心までの距離rは次の式で求められます。

   R/r=tan(θ/2)

 さてこの視角θは、4/13には25度(r=18,000mile=29,000km)で、4/16夜には7度15分(7゚15'=7.25゚)以下(r>63,000mile=101,600km)となりました。ところが、翌04/17朝には少なくとも39度と、急に大きくなっていました。すわ気球が破裂して地球へ墜落を始めたのかと恐慌に陥ったプファアル氏ですが、やがて落ち着くとともに真相に気付きます。そう、お察しの通り、地球の重力よりも月の重力の方が強くなり、今や気球の乗員から見た下方は月であったというわけです。

 ここで上記式のRを月の半径に置き換えると、月までの距離は約3,000mile=4,900kmと求められますが、これは中心からの距離なので、月表面までの距離は約2,000mile=3,300kmとなります。それにしても月と地球の中心間距離237,000mile=381,000kmから計算すると、171,000mile=273,000kmを一夜で移動したことになります。うーむ、真実らしさを与えようとする試みが多少破たんしているような気もしますね。この27万キロの間は重力が少ないから速いとか考えた、というより定量的な距離計算をさぼったように思えますね。月に到着した後は、地球の視角は2度ほどだという正確な描写をしているのですが。[補足1]。

 でも次のように定量的描写に気を使ってもいるのです。4/02,6:20、出発直後の高度5マイルでの描写です。
===========引用開始====下線は私の強調============
私がこのとき地球のどのくらいの面積を一望の下におさめ得たかは、球面幾何学を用いれば、きわめて容易に算定できます。或る球体のどんな弓形をとっても、その凸面状の表面の球体自体の全表面に対する比は、その弓形の正矢(ヴァースト・サイン)の、球体の直径に対する比に等しいのです。さて、私の場合、この正矢--つまり、私の下の球面弓形の厚さのことですが--は、私の気球の高度、すなわち地表を見渡す視点の高さにほぼ等しいのでした。とすると、「五マイル対八千マイル」というのが、このとき私が見た地球の面積の比率を示すことになります。
===========引用終り===============================

 正矢(versed sine)はわざわざ名前を覚える必要もない三角関数で、1-cosθ のことです。もっとも上記引用文では[1-cosθ×地球半径]の意味で使っていますが、下線部で述べている関係は近似ではなく厳密なものです。[補足2]。しかし最後の結論は近似値です。それは「私の下の球面弓形の厚さ」は「地表を見渡す視点の高さにほぼ等しい」だけだからです。視点の高さの正確な関数としても簡単に示せるのですが。また想像するだけでもわかりますが、視点の高さが無限大に近づけば上記の面積比は1/2に漸近しますし、地平線は大円に漸近します。


 さて4/19午前に無事に月へ到着したプファアル氏・・、いえ、あまり無事でもなくなかなか怖い思いをします。
===========引用開始====下線は私の強調============
月の容積に比例して大気が濃くなるに違いないと私が考えたのはおそらく誤っていなかったとしても、この大気の密度が月の表面において気球の吊藍のなかに含まれる大きな重量を支えるのに充分であろうと推定したのは誤っていた、ということで、これには警鐘を乱打される思いでした。が、地球と月とにおける物体の実際の重力が大気の凝縮状態に比例するものと考えた場合に、これは事実であったでしょうし、地球の表面におけると同じ程度に事実であるかも知れません。
===========引用終り===============================

 うーむ、ニュートンの理論とは異なる不可解な理論ですが、当時はこんな仮説が流布していたのでしょうか? 天体の表面重力に万有引力以外のエーテルの凝縮状態が含まれているといったような。ともかく実際には月の大気密度が地球より小さかったため、プファアル氏は減速のためにあらゆる物を投げ捨てるという、これまた第3者から見るとユーモラスな騒動を演じます。

 さてプファアル氏は5年間そこで暮らしたのですが、望郷の念が増し、月の驚くべき情報と引き換えに出発時に債権者達を殺した罪を許して家に帰らせてほしい、との願いで手紙は結ばれていました。おしまい。


 なお月の世界の驚異については簡単に示唆するだけで終わっていますが、なかなかおもしろそうな点もあります。月の軌道がその天候に与える影響などはしっかり考察されていそうです。月の住人はみな、最初に登場したロッテルダム上空の気球の乗員のように背丈が小さいのですが、彼らについて次のことが示唆されていました。

・非常に特殊化された大気のなかでは無用の長物にすぎぬ耳を彼等がもたないことについて、

  あれ、やはり音は伝わりにくい? というわけでもなさそうな。その特殊化された大気で5年間も暮らして健康に影響はなかったのでしょうか? まあその点ではポーの予測は楽観的でしたからねえ。

・したがって、言語の用途や特性について彼等がまったく無知であることについて、

  むろん音声言語という意味のはずです。

・彼等が言語に代る奇妙な相互伝達の方法をもっていることについて

  テレパシーでしょうか? 当時はテレパシーという言葉は生まれていないと思いますが、似たような魔術的概念はあったのでしょうか?


 まあ、昔の作品を読むと色々と常識のギャップがあって楽しいですね。


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Ref-1) 『ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)』(1974/06/28)に収録。小泉一郎(訳)
Ref-2) 『ポオ小説全集〈3〉冒険小説』春秋社(1998/09)に収録。谷崎精二(訳)

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*1) グリム氏の凝縮器にモデルとなる実在の装置があったのかどうかわからなかった。現在なら多様な種類のガス分離膜や、それを使ったPSA(Pressure Swing Adsorption ;圧力変動吸着法)により様々な気体を作り出せるのだが。もっともプファアル氏の気球に積むには動力源をなんとかしないといけない。
*2) 視角を正確に測るにはそれなりの道具が必要だが、その記述はない。あらかじめ気球に積み込んだとされるのは、「望遠鏡、或る重要な変更を加えた気圧計、寒暖計、電位計、羅針盤、磁針、秒読みの時計、鐘、拡声器などです。そのほか、空気を抜いて注意ぶかく栓で蓋をした球形のガラスの器--凝縮装置、いくらかの生石灰(きせっかい)、棒状の封蠣(ふうろう)、沢山の水、比較的嵩(かさ)ばらず、しかも栄養豊富な肉膏(ペミカン)など、多量の食物」と書かれている。比較できる基準でもないかぎり目視だけで作品中のような精度が出せるはずがない。

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補足1) 以下は本作品で採用されている月と地球の諸量である。現在採用されている値と比べると3-4桁目で違いがある程度である。
   地球半径  4,000mile (6,400km)
   月の半径  1,080mile (1,740km)
   地球と月との平均距離 237,000mile (381,000km)

 上記の値を使い、以下の視角を計算した。
   地球から見た月の視角 0.52 (0゚31')
   月から見た地球の視角 1.93 (1゚56')

 地球による重力と月による重力とが等しくなる点Lの位置を求める。
 地球質量をM、月質量をm、地球と点Lとの距離をr1、月と点Lとの距離をr2とする。
   MG/(r1)^2=mG/(r2)^2   Gは万有引力定数
   (r1/r2)^2=G/m=0.0123
   r1/r2=√0.0123=0.111=1/9
  (本当は遠心力も考慮すべきで、L点はもう少し地球に近くなる)
  (「ラグランジェ点 計算」で検索してみるとよい  )

 すると上記の地球と月との平均距離を9:1に配分して、
   r1=213,300mile=342,900km、 r2=23,700mile=38,100km
 するとL点から見た月と地球の視角が計算できまる。
   L点から見た月の視角 5.22 (5゚13')
   L点から見た地球の視角 2.15 (2゚ 9')


補足2) 地球中心を原点とし、気球(観測点)の方向にx軸を取る。観測点の高度をhとし、地平線上の点、つまり観測点から地球表面に引いた接線の接点のx軸からの角をαとする。地平線内の面積Sは、次の積分により求められる。
   S=∫(0~α)(2πRsinθ)Rdθ
 ここで、 x=Rcosθ、 dx=-Rsinθdθ、 なので、
   S=∫(R~Rcosα)(-2πR)dx
    =[-2πRx](R~Rcosα)
    =2πR2(1-cosα)
 地球の全表面積S0=4πR2 なので、
   S/S0=(1-cosα)/2=(1-cosα)R/2R
 こうして作品中の関係が求められた。

 次に、cosα=R/(R+h) なので高度hを使うと、
   S/S0=(1/2)h/(R+h)
 すなわち、最後の結論は厳密には「五マイル対八千十マイル」となる。


 これが観測点直下の地球表面地点から地平線までの距離lを求めようとすると、
   l=Rα=Rcos-1(R/(R+h))

 となり、面積とは違って暗算では求めにくい式となる。
 αが小さい場合の近似値なら、三平方の定理を使い次の式が誘導できる。
   l~√(2hR)

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