龍泉洞。入口。岩手県岩泉町岩泉神成。
2023年6月7日(水)。
久慈琥珀博物館見学後、安家洞など南の丘陵地帯を通り抜けて11時30分ごろ岩泉町の龍泉洞の駐車場に着いた。さすがに観光客は多く、ドイツ人ファミリーも来ていた。1990年代後半、八戸市、田野畑村の北山崎海岸、宮古市の浄土浜、盛岡市とJRを使って周遊したが、内陸にある龍泉洞には立ち寄らなかった。
龍泉洞の溢水状況をテレビニュースで見たのは、2016年9月2日に台風10号の影響で地底湖が増水し、数日に渡り入口から大量の水があふれ出たときで、水流の強さが印象的だった。照明や通路が被害を受け、翌年3月19日まで閉鎖されたという。2023年8月にも洞窟から水があふれて長期閉鎖されたという。
龍泉洞は、大規模な地底湖と多彩な鍾乳石群の美しい造形が見られることから、秋芳洞(山口県美祢市)・龍河洞(高知県香美市)と共に日本三大鍾乳洞のひとつに数えられ、日本の地質百選にも選ばれている。
龍泉洞の洞内は、明らかなところだけでも3600m以上あり、全容は5000m以上に達すると言われている。一般に公開されている1 200mの区間では、歩道、照明、解説板が整備され、安全に観察することができる。
龍泉洞の水は世界でも有数の透明度を誇っていることで知られ、1985年(昭和60年)には龍泉洞地底湖の水として名水百選のひとつに選定されているおり、入口前広場には名水の取水場も設けられている
龍泉洞の奥から湧き出る清水は多くの地底湖を形成しており、水量は1万7千㎥/日以上の流量を有している。
カルシウム分を多く含む弱アルカリ性のおいしい水として国際食品品評会(モンドセレクション)において大金賞を受賞するなど世界も認めた日本の名水であり、岩泉町の水道水として利用されているほか、ミネラルウォーターとしても商品化されている。
龍泉洞・新洞などの鍾乳洞は、約2億数千万年前(中生代三畳紀)の火山島の上に有孔虫やサンゴなどの生物の殻が堆積してできた石灰岩(安家層)が、大陸縁に付加した後隆起して地上に押し上げられ、長い時間をかけて雨水に侵食されて形成されたものである。安家(あっか)層は岩泉エリアに広く分布しており、南斜面に石灰岩の断崖がそそり立つ宇霊羅山(うれいらさん)や鍾乳洞などで石灰岩特有の地形や景観を見ることができる。
入口に温度表示がある。周辺気温22度、洞内最低気温9.6度である。11時40分ごろに入洞して、12時20分頃に出たときは、23度、9.5度だった。
順路の矢印があるが、暗いせいか分かりづらかった。三原峠への階段は一方通行だったが、逆行していた。帰りの「長命の泉」付近も行き帰り違う二つのルートがあるが、元に戻ってリングワンデルング状態になってしまった。
長命の泉。
一口飲むと3年長生きするという古い言い伝えにちなんで名付けられた。
階段。第一地底湖手前。
洞内奥の突き当り(第三地底湖)までいくと階段の登り口がある。 こちらの階段は上り下り合わせて270段ほどあり、この階段の途中には第一地底湖を展望できる場所がある。(第一地底湖展望台)階段を上った先は大変狭いため、途中で折り返すということはできない。
足腰に自信がない人や高所恐怖症の人は無理をせず、第三地底湖からは、階段を昇らずに、元のルートを戻るように案内されている。
第一地底湖展望台。
第一地底湖が上からのぞける展望台。天井にはつらら石などの鍾乳石群が広がる。
三原峠。標高が高いせいか、12.5度と気温も高い。
三原峠・第三地底湖間の階段。ドイツ人ファミリーとすれ違った。
第三地底湖。
世界有数の透明度を誇る水深98mの第3地底湖は、ドラゴンブルーの名の由来となった青みがかった水を湛えている。
龍泉洞を見学後、宮古市の崎山貝塚へ向かったが、海岸近くで三陸沿岸道路に誘導され、宮古北インターチェンジで降りた。