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円キャリートレード解消、市場に抜き難い不安残す-落ち着き取り戻すも

2024年08月12日 17時32分48秒 | 社会

キャリートレード解消、市場に抜き難い不安残す-落ち着き取り戻すも

2024年8月12日  Bloomberg  Matthew Burgess、Maria Elena Vizcaino、Vinicius Andrade

 

円急伸受けてトレーダーはローン返済のために資産売却を急ぐ

世界的な市場混乱、日本の低金利継続を頼りにしたリスク露呈

The Bank of Japan (BOJ) raised its benchmark interest rate and unveiled plans to halve its bond purchases in actions that underscore its determination to normalize policy.

 

今となっては、今月5日の世界的な市場混乱はどちらかと言えば、日本銀行の小幅な政策転換と米国のリセッション(景気後退)懸念の再燃によって引き起こされた短期的な動揺つかの間のパニックのように見える。

しかし、これほど急に動揺が生じ、素早く収束したのは、ヘッジファンドが世界のほぼ全域での賭けで、何千億ドルもの資金を投じるのに利用する戦略に対し、市場がいかに脆弱(ぜいじゃく)であるかをさらけ出すものだ。

円資金のキャリートレードは簡単に利益を得られる確実な方法だった世界最後の低金利資金供給源である日本資金を借り入れ、利回り10%超のメキシコ債券や高騰するエヌビディア株、あるいは暗号資産(仮想通貨)ビットコインに資金をつぎ込むだけだった。円安が続けばローンの返済コストはさらに低下し、その見返りはそれだけ大きくなった。

その後、投資家は一斉にこの取引から手を引いた。円相場は猛烈な反騰を見せ、トレーダーたちは追加証拠金に対応するために資産を売却し、株式や他の通貨から急速に資金が流出した。日本の株式市場も動揺し、円の急激な上昇が輸出企業に打撃を与えるとの懸念から、1日としては1987年以来最大の下げを記録した。

ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)責任者デーブ・ルッツ氏は「円キャリートレードは現在も市場の全ての震源地だ」と言う。

キャリートレードの人気スポットが失速し、ナスダック100指数が最高値から反落、米金融当局が金融引き締めを長期化させ過ぎているとの懸念も強まっていたことから、数週間前から市場への圧力は高まっていた。

そんな中、日銀の追加利上げが飛び込んできた。日銀の政策金利はまだわずか0.25%で先進国で最低水準だが、先月末の引き上げは、日本の金利は常にゼロ近辺にとどまるという長年の信念を投資家に再考させるに十分なものだった

 

Yen Funded Carry Trades Have Capitulated

Yen-funded returns have given up most of the year's gain

Source: Bloomberg

Note: Figures represent the cumulative total return of eight EM currencies -- BRL, MXN, INR, IDR, ZAR, TRY, HUF, PLN -- that are short JPY, CNH or USD

市場は落ち着いたとはいえ、今回のエピソードは、新型コロナウイルス禍後の物価高騰の中でも日銀が資金を供給し続けたことで、日本に絡んで積み上がったレバレッジについて警鐘を鳴らすものだ。不安なトレーダーらは巻き戻しが終わったのか、それとも今後数週間も市場に波及し続けるのかを見極めようとしている。

答えを見いだすのは難しい。キャリートレードにどれだけの資金が絡んでいるのか、公式な推計がないためだ。グローバルデータTSロンバードによると、キャリートレードには約1兆1000億ドル(約161兆円)が投じられていた。これは、2022年末以降の外国勢の日本での借り入れが全てキュリートレードのファイナンスに使われ、国内投資家が外国資産購入にレバレッジを活用したとの想定に基づく。

先週の劇的な巻き戻しの後、JPモルガン・チェースのストラテジストは、世界の通貨キャリートレードの4分の3が解消されたとの分析を示した。シティーグループのストラテジストらは、現在のポジション水準は「危険ゾーン」を脱したと指摘した。

 

JPモルガン「キャリトレ75%解消」年内の米景気後退確率35%に上げ

しかし、BNYメロン・キャピタル・マーケッツのように、巻き戻しはさらに進む余地があり、円相場が1ドル=100円を目指す可能性があるとする見方もある。

ロンドンのスタンダード・バンクでG10戦略を担当するスティーブン・バロー氏は先週の顧客向けリポートで、「キャリートレードの巻き戻しはさらに進みそうだが、このバブル崩壊の最も重大で破壊的な部分はもはや過去のものとなった」としている。

円が数十年ぶりの安値水準から急反発し始めたのを受け、トレーダーがキャリートレード解消で利益を確定し、借り入れた円資金返済のための投資家による買いで円がさらに押し上げられ、フィードバックループが形成された。

日銀が7月31日の金融政策決定会合で今年2回目の利上げを決め、その後、8月2日に発表された7月の雇用統計が予想よりも弱い内容だったことで、米金融当局が政策方針転回で後手に回っているとの懸念が浮上し、こうした流れは加速した。

日経平均株価が5日に12%安となった後、日銀の内田真一副総裁は7日、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはないと述べ、投資家に安心を呼び掛けた。市場は安定を取り戻し、ヘッジファンドの間では円への強気が幾分後退した兆候が見られる。

最近の潮流変化を背景に、円資金のキャリートレードは少なくとも一時的には沈静化した可能性がある一方、トレーダーは外国為替市場で年内にさらなるボラティリティーの高まりを見込んでいる

ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「永続する取引はない。そして現実が変わった」と指摘。「日銀が引き締めて何かが壊れた。今回の場合、キャリートレードだ」とコメントした。

原題:Carry-Trade Blowup Haunts Markets Rattled by Rapid-Fire Unwind(抜粋)


網走市 国史跡・モヨロ貝塚・モヨロ貝塚館③オホーツク人の祈りの姿 婦人像 クマ彫刻

2024年08月12日 09時11分26秒 | 北海道

国史跡・モヨロ貝塚。モヨロ貝塚館。網走市北1条東。

2022年6月16日(木)。

貝塚からは屈葬された人骨が多数出土したほか、骨角器、土器、石器が出土し、また本州で制作されたとみられる鉄の刀(直刀・蕨手刀・毛抜形太刀など)や鉾、大陸から持ち込まれたとみられる青銅の鈴なども出土した。土器や骨角器にはクジラ・イルカ、クマの彫刻が見られる。牙で熊など動物をかたどった像があり、中には優れた造形の牙製婦人像もある。道具類の比重から海獣の狩猟に重点があったと推測されている。

オホーツク文化の遺跡では、動物の骨や牙を素材とした彫刻がしばしば見つかるが、こうした彫刻にも動物の姿を表現したものが多数ある。

海洋民族にふさわしく海獣など海に関連するデザインのものが多いが、もう1つ特徴的なのがクマの彫刻で、クマの全身像の他、クマの頭の彫刻をしたものもある。クマは細部まで表現され、オホーツク文化の人々にとってクマは特別な動物であったようで、クマを崇拝する風習があったと考えられる。

モヨロ貝塚出土。牙製婦人像。クマの彫刻品。網走市立郷土博物館。

オホーツク人には骨塚といって、住居の奥に海獣、ヒグマなどの動物の骨を丁寧に並べる風習があった。並べられた動物は様々だが、特に熊が重要視されていた。熊の重視は、道具類の意匠にも見られる特徴である。

弥生時代以降の本州と同様に家畜である豚と犬を飼い、どちらも食用にしていた。道東では豚飼育は低調だった。

 

このあと、13時45分ごろにモヨロ貝塚を出て、海岸西沿いにある北見市の常呂遺跡へ向かった。