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福島県白河市 福島県文化財センター白河館「まほろん」②縄文時代 

2024年08月01日 15時50分43秒 | 福島県

福島県文化財センター白河館「まほろん」。福島県白河市白坂一里段。

2024年6月1日(土)。

大木8a式土器。法正尻(ほうしょうじり)遺跡。磐梯町・猪苗代町。

法正尻遺跡は、磐梯町の法正尻地区から猪苗代町遠出にかけての磐梯山の南西に広がる翁島丘陵地東部、標高560m前後の場所に営まれた縄文時代中期(約5400~4400年前)を中心とする集落遺跡である。遺跡の位置する丘陵は、火山性の岩なだれ堆積物から構成された直径200~400m、比高10~50mほどの小丘、いわゆる“流れ山”が連続した波曲状の地形をなしている。流れ山の間は窪地や小盆地のようなところが何箇所もあって、かつては湿原や沼地も多くあった。こうした窪地は、流れ山が風よけとなり、豊富な湧水もあって、古くから生活する上で好適地であったに違いない。

法正尻遺跡では、1988(昭和63)年から平成元年にかけて磐越自動車道建設に伴う発掘調査が行われた。その結果、竪穴(たてあな)住居跡129軒、土坑759基、埋甕(うめがめ。土器埋設遺構) 26基などが見つかり、出土した遺物は実に26万点という膨大な数に上っている。

大木式(だいぎしき)土器と呼ばれる東北地方南部を代表する縄文土器が多く出土したほか、関東地方の阿玉台式(おたまだいしき)土器東北地方北部の円筒式土器と共通するもの、新潟県に分布する馬高式(うまたかしき)土器と似ているものも含まれており、周辺地域との交流があったことが裏付けられた。

2009(平成21)年には、こうした文化の交流の実態に迫る貴重な出土資料として、縄文時代中期を中心とする土器・土製品・石器など855点が国の重要文化財に指定されている。

中でも装飾品として身に着けた長さ8cm以上ものヒスイ製の大珠は、新潟県の糸魚川地区産の石材で、規模の大きな遺跡に限って出土する大変珍しい遺物として知られる。その他、石器に利用された黒曜石もまた新潟県や栃木県からもたらされたことが分析によって判明している。このように、出土したさまざまな遺物は、今から約5,000年前、山間のこのムラに多くのヒトとモノが集ったことを物語っており、その情景はまさに縄文文化の十字路と呼ぶにふさわしい。

桑名邸(くわなやしき)遺跡。天栄村大里字西畑。

縄文時代中期を中心とした集落遺跡。奥羽山脈の東側に広がる丘陵地帯の、丘陵の平らな段丘面に位置する。遺跡からは、縄文時代中期の竪穴住居跡37軒、土坑511基が見つかっている。土坑は、貯蔵穴と思われるものが含まれ、土器が投棄された状態で見つかったものもある。遺物は、完形品を含む縄文土器のほか、石器類、土製品などが見つかっている。縄文土器は、完全な形をしたものが多く見つかり、なかには関東地方や、北陸地方の影響を受けた文様を持つものもある。

上ノ台(うえのだい)A遺跡。飯舘村大倉上ノ台。

縄文時代中期前葉から後期前葉に至る集落跡。阿武隈高地を流れる河岸段丘上に位置する真野(まの)川とその支流の木戸木(ことぎ)川および大倉沢に挟まれた舌状浸食段丘上に立地する。昭和五七―五八年(一九八二―八三)に真野ダム建設に伴う調査が行われ、住居跡・土坑群・配石遺構・礫群などの祭祀遺構などが明らかとなった。出土遺物の量から縄文時代中期前葉において大倉地区の中核的集落を形成していたと考えられる。遺跡からは、竪穴住居跡70軒、土坑41基、埋甕25基、配石遺構6基などが見つかっている。石と土器を巧みに組み合わせてつくられた「複式炉」といわれる炉が見つかっている。遺物としては、縄文土器や石器の他に石剣も見つかっている。また、ニホンジカとイノシシの獣骨も見つかっており、縄文時代の生業(狩猟)の一端を示す貴重な資料となっている。

 

羽白(はじろ)C遺跡。飯舘村大倉羽白。

縄文時代前期を中心とする縄文時代早期から晩期の集落跡。真野(まの)川流域、大倉盆地南東部に形成された河川浸食段丘上に立地する。遺跡からは縄文時代の竪穴住居跡141軒、土坑501基、埋甕49基などが見つかり、縄文時代前期の地域の中心となる集落であったと考えられる。

遺物としては、大量の縄文土器や石器のほかに、土偶や土版などの祭祀に関係した土製品が見つかっている。祭具の石剣の製造過程が解明された点は注目され、石剣の未完成品の出土が目立つ。土でつくった錘(おもり)なども見つかっており、真野川で行われたであろう漁労活動の一端もかいま見ることができる。

荒小路遺跡。郡山市田村町谷田川字荒小路。

縄文時代後期を中心とした集落の跡で、福島県のほぼ中央、郡山盆地東部に位置している縄文時代後期前葉~後期中葉の集落跡である。竪穴住居跡のほか、埋甕、配石遺構、狩猟用の落とし穴などが発見された。多数の縄文土器や石器のほか、土偶や獣形などの土製品が見つかっている。

出土した土偶の1つは、顔の形状がハート形を呈する土偶(ハート形土偶)の代表的なもので、2009年ロンドンの大英博物館に出展された。

土偶。縄文時代後期。柴原A遺跡。三春町柴原字柴原。

縄文時代の中期から後期を中心とする集落跡。遺跡は、阿武隈高地を流れる大滝根川の河岸段丘上に位置している。遺跡からは、竪穴住居跡20軒、敷石住居跡8軒、埋設土器40基、集石遺構60基等が見つかった。なかでも、縄文時代後期の石を敷いて作られた敷石住居跡は残りが良く、洪水の堆積層の下から当時の集落跡がそのまま見つかった。

縄文土器や石鏃等の石器類、土錘や土偶などの土製品等も大量にみつかっており、土偶には完全な形のものもある。

 

福島県白河市 福島県文化財センター白河館「まほろん」①旧石器時代


北海道 標津町歴史民俗資料館①伊茶仁カリカリウス遺跡 古代北方文化 トビニタイ文化

2024年08月01日 13時09分59秒 | 北海道

標津町歴史民俗資料館・ポー川史跡自然公園ビジターセンター。標津(しべつ)町伊茶仁(いちゃに)。

2022年6月15日(水)。

野付半島のトドワラを見学後、12時ごろ標津町歴史民俗資料館ポー川史跡自然公園の駐車場に着いた。伊茶仁カリカリウス遺跡の見学が主目的であるが、遺跡はポー川史跡自然公園の中にある。標津町歴史民俗資料館はポー川史跡自然公園のビジターセンターの中にあり、無料だが、遺跡エリアと併設の開拓の村見学の際は入園料330円が必要である。受付はビジターセンターの中にある。

 

伊茶仁とはアイヌ語で、イチャニ(サケマスの産卵場)の意、カリカリウスは、カリ・カリ・ウシ(回る・回る・たくさんある)で川が湿原で蛇行するさまを表現している。ポーは「フルポク」(丘の陰の川)が略されたものという。琉球語・ギリシャ語・イタリア語のような響きが面白い。

国後島を間近にのぞむ北海道東部の町、標津のオホーツク海にそそぐ標津川の西岸には標津湿原と呼ばれる低湿地がひろがり、さらに西方に標高20メートル前後の標津丘陵地が展開する。この低丘陵の西裾には標津湿原から流れ出た小流ポー川が、また北裾には伊茶仁川があり、集落を形成する好適地となっている。この地を流れる伊茶仁川の流域は、トビニタイ文化や擦文文化など北方古代文化の住居跡が密集する一大竪穴群地帯であり、豊かなサケ・マス資源を求めてこの地に生きた北方文化の交錯と盛衰の軌跡が残っている。

その最大の特徴は、竪穴住居跡やチャシ跡が、現在の地表面から窪みとして観察できることにある。竪穴住居跡の窪みとして残り、その総数は、約4,400か所に達し、日本最大規模を誇り、1万年前の縄文時代早期から約800年前の擦文時代に至る竪穴住居跡や、約500年前のアイヌ文化のチャシ跡などが残されている。

遺跡群の内、伊茶仁カリカリウス遺跡、 古道(ふるどう)遺跡、三本木遺跡の3つの遺跡が、「標津遺跡群」として国の史跡に指定されている。

伊茶仁カリカリウス遺跡は、ポー川と伊茶仁川に挟まれた標高20mの台地に位置する。1200あまりの竪穴住居跡が台地縁辺部で観察され、縄文時代・オホーツク文化末期・トビニタイ文化・擦文文化の竪穴住居の構造が明らかにされている。

伊茶仁カリカリウス遺跡は、特にトビニタイ文化の遺跡があることが特徴である。オホーツク文化の人びとが内陸部への移動の第一歩を印した遺跡である。かれらは道東根室海峡側で、サケ・マス漁を主体とするトビニタイ文化を起こした先駆者であった。

トビニタイ文化は、9世紀ごろから13世紀ごろにかけて、北海道の道東地域および国後島付近に存在した文化様式の名称である。1960年に東京大学の調査隊が羅臼町飛仁帯(とびにたい)で発見した出土物が名称の由来である。

トビニタイ文化の直接の源流はオホーツク文化である。オホーツク文化に属する人々は以前から北海道に南下していたが、7世紀から8世紀にかけては道北・道東に広く進出していた。その後、9世紀になって擦文文化に属する人々が道北に進出すると、道東地域のオホーツク文化圏は中心地である樺太から切り離されてしまった。その後この地域のオホーツク文化は擦文文化の影響を強く受けるようになり、両者が融合したトビニタイ文化に移行した。トビニタイ文化はその後、13世紀初め頃には姿を消して、中世アイヌ文化に移行した。

斜里町のウトロ地区入口にある、トビニタイ文化期のチャシコツ岬下B遺跡から2005年、ヒグマを祭祀に用いた痕跡と思われるヒグマの骨が発見された。これにより、擦文文化には見られなかった一方でオホーツク文化には存在した熊崇拝が、トビニタイ文化を経由してアイヌ文化にもたらされ、イオマンテ(クマ送り)の神事となったのではないかとの見方が浮上している。

北海道別海町 野付半島 トドワラ ナラワラ 原生花園


新型コロナ変異株「KP.3」の恐怖「9月には感染者が2000万人も」

2024年08月01日 09時10分41秒 | 社会

「9月には感染者が2000万人も」免疫を “かわす” 新型コロナ変異株「KP.3」の恐怖を医師が警鐘

Yahoo news  2024/8/1(木)  SmartFLASH

 

あなたの地元は?全国コロナ感染者数

 

新型コロナ陽性になりました。(略)現在、大阪も全国的にもかなりコロナが流行しています。感染力強いです》

 7月26日、自身のXでこう明かした吉村洋文大阪府知事。28日には《症状はほぼ消失し、かなり回復しました》と公務復帰を宣言したが、吉村知事が言うように、コロナの脅威が背後まで迫っているのは事実だろう──。

 

 厚生労働省が7月26日に発表した感染状況(7月15日から7月21日までの1週間)によると、全国平均で13.62人と、11週連続の増加となった。全国でいちばん感染者が多かったのは佐賀県で31.08人。これに宮崎県の29.72人、鹿児島県の27.38人……と、おもに九州の県が並ぶ。東京(8.50人)はまだ低い水準だが、今後、8月中旬から下旬にかけて感染のピークに向かっていくとみられる。

 

「いまや準緊急事態と言っていいでしょう」

 こう警告するのは、昭和大学 名誉教授の二木芳人氏だ。

 

「5類に移行後のピークは、2023年8~9月の20.50人。これが第9波です。その後、去年の暮れから10波があり、現在は11波と言えます。足元の水準(13.62人)はまだ低いですが、ピークは8月中旬から後半と見られるので、これからも増えていくと予想されます。

 

 9波や10波ではそれぞれ累計1000万人以上の感染者が出たと考えられますが、今回も、すでに1000万人以上の感染者が出ていると推計されます。今後、さらに感染者が増えて、9波を超える可能性もあります。そうなれば、9月には感染者が1500万人から2000万人に増えることになります」(以下「」内はすべて二木氏)

 

 今回の感染拡大は新変異ウイルスの「KP.3」株が主因と言われている。東京都が発表した変異株サーベイランスでも、7月18日時点で、全体の87%を「KP.3」が占めている。新たな変異株の感染力と症状はどれほどのものなのか。

 

『KP.3』はオミクロン株の一種で、同じ系統の『JN.1』から派生したウイルスですが、感染力がとくに強いわけではありません。特徴は伝播力(実効再生産数)が強いことです。つまり、感染が広がっていくスピードが速い。

 そして『KP.3』は、自然感染やワクチン接種によってできた免疫を “かわす” 能力(免疫逃避能)が『JN.1』より2倍程度高いことが確認されています。それが伝播力の強さにつながっているのです。

 感染すると、おもにあらわれる症状はのどの痛みと発熱とされています。また、咳や倦怠感、下痢症状もあります。今のところ、どんどん重症者が出て、どんどん人が亡くなるという状況ではありません。それはやはり、ほとんどの人がワクチンを打ったり、すでに感染したりして集団免疫がある程度できているからだと思います。

 しかし、高齢者やある種の病気を持つ人々には、やはり危険な感染症であることは変わりありません。免疫をかわす逃避能があることを考えると、より重症化するリスクもないとは言い切れません」

    

 夏場は冷房を効かせるために換気がおこなわれにくく、マスクを外す人も増えることから、感染が広がりやすい。また、夏休みを行楽地などで過ごす人が増え、人の移動が盛んになることで、患者の数は増え続けると考えられる。

 

 二木氏によると、感染拡大のいちばんの原因は感染対策の緩みだという。換気や手洗いを徹底すること、重症化しやすいとされる高齢者は人混みに出る際にマスクの着用を徹底すること、それに症状が出た場合、早めに医療機関を受診することなど、これまでよりも少し強めの対策を心がけてほしいと警鐘を鳴らす。

 今回の感染拡大の原因は、夏特有のものだけではない。コロナ5類化の影響でワクチンの接種率が低下したことも一因だという。

「厚生労働省が患者への支援策を終了し、2024年3月を最後に、ワクチンの無料接種は終わりましたが、そのワクチンの効果はすでに落ちています。

 10月から接種を再開しますが、インフルエンザと同様、原則として接種費用の一部自己負担が求められるようになる。自己負担額は自治体によって変わりますが、最大で7000円となるようです。ワクチン接種費用が壁となってワクチン接種がさらに減ることも考えられます。そうなれば、11波が秋には12波となるかもしれません。

 もし感染してしまっても、治療薬『ゾコーバ』などは効果が実証されていますが、これも支援策は3月いっぱいで打ち切られています。 

 これまで最大9000円で済んだのが、より高額の自己負担が求められるようになりました。たとえば、『ゾコーバ』を5日間処方された場合、薬の価格およそ5万2000円のうち、医療費の窓口負担が3割の人で、およそ1万5500円となります。夫婦2人なら3万円あまり。そんなに高額なら服用しないという患者さんも、実際に増えているようです。

 急速に患者が増えている今こそ、国が検査や治療薬の費用を補助するなど臨機応変な対策を取るべきではないでしょうか。また、いまは準緊急事態と言えますが、インフルエンザのように感染者数が一定の数を超えたら注意報や警告を発するなど、国が基準を決めておくべきかもしれません」

 

 本当の “緊急事態” は、すぐそこまで迫っている。このまま何もせず変異ウイルスと戦えるのだろうか。