5番の刺繍糸

趣味の針仕事・庭仕事・料理を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『逃げるは恥だが役に立つ』 そのもの編

2016年11月18日 | 日々のこと

さて、皆さんは観てますか?『逃げるは恥だが役に立つ』。
ドラマが始まる時期には、初回を全て録画して見続けるものを決めるのですが、
今回の『逃げ恥』は、久し振りに放送日を楽しみにしているドラマです。

巷では、恋ダンスがどうのという話題が騒がしいですが、
あのダンスも可愛いさは認めるとしても、まず言わなくちゃいけないのは、
脚本がよく出来てるということ!
原作の漫画を読んでないので、今はとりあえず”脚本”と言っておきますが、
書いたのはこれまた好きなドラマだった『重版出来!』を書いた、
野木亜紀子さんなので、恐らくその路線は間違ってないと思います。

ストーリー展開が気持ちいい。さらに無駄がない。
全てのシーンが次に、そのまた次に繋がっていって、
4話辺りに来て、ちょっとくらい無駄があってもいいぞ?と思うくらいに(笑)、
楽しく素晴らしい話運び。
全ての登場人物が欠かせない完璧な構成。

いや、その前にまず端的に言ってしまおう。
悪い人が出てこない。それがいい。
夕食の後片付けも終えて、ほっとひと息、
コーヒーをすすりながら観るテレビドラマなんていうのは、
刑事ものならいざ知らず、普通の生活を描いていて、
悪意の人があちこちで手ぐすね引いている物語なんてのは、
ちょっともう勘弁!で疲れてしまう。何を好きこのんで!?

話は変わるが、例えば同クールでやっている『砂の塔』。
予告での松嶋菜々子、『家政婦のミタ』以降路線定着か?と思われるあの怪しさは、
ちょっと確認しておきたい気もして3話辺りまで観ていたら、
もうちょっと、再々同じようなママ友いびりにギブアップ。
全編通していびりにいじめ、嘘に策略。…能がない。
この時間を使って作り手は何が言いたいんだと、
とうとう、待っていられなくなりました。
いやゴメンナサイ、もっと根本の話、深刻なことを言うと、
菅野美穂とガンちゃんの関係……ご冗談でしょう!(汗)

その点、この『逃げ恥』は素晴らしい!
突拍子もない設定でありながら、何なんだ、このリアリティと心地良さは!
悪い人は誰一人出て来ない。素晴らしいよ、素晴らしい……(涙)
契約結婚なので、”新しい結婚の形”という触れ込みで広まっていますが、
でも実は、昭和30年代くらいまでのお見合い結婚に似てるんじゃ?
と私は思っています。(あ、だからリアリティがあるのか?)
もっと言えば、親が決めた相手と会ったその日に祝言をあげるような、
紛れもなく、遠からぬ日本にあったあの習慣。
新妻は敬語を使い夫に仕え、きっちりと時間を決めた家事労働、
手抜きなし、文句なし、そんな昔の夫婦の姿。
お揃いの浴衣で、湯あたりした夫の背越しにうちわを扇ぐ妻なんて、
なんていいものだろうと思いました。新鮮だけど懐かしくて。

ただ、昔の現実がドラマと違うのは、妻に給料が発生しないのと、
本物の夫婦になっていけばいい保証の上にあるってこと。
決定的な障壁がない限り、本物の夫婦になっていく…
でも、『逃げ恥』はあくまでも他人のままで続けなければいけない。
その微妙なバランスから上手く描いたもので、
これまた絶妙に起こり得そうな、摩訶不思議な今の時代背景を捉えて、
よく作り込まれてるなぁと感心するのです。

平匡さんのような人、今、いますもんね。
ただ結婚できないんじゃなくて、異性と付き合ったことがないという。
(”ヒラマサさん”って聞いたとき、私は魚のヒラマサで頭がいっぱいになった。
と思ったら、原作の海野つなみさん、本当に魚からとってたんですね!)
いやしかし、この辺も昔は結婚しない限り、
男女ともこういう状況にあったんじゃあなかろうか。
私が高校生の時に聞いた祖母の娘時代の話に、心当たりあります。
ああそうか…ということは、特別目新しいことでもないんだな…
事情は多少違えど。
私がそれこそ高校生の頃は、こんなドラマ成り立ちませんでした。
時代は巡るにゃ巡るけど……なんだか不思議。

夫も引きずり込んで、ドラマ楽しみにしています。
世間で言うムズキュンというより…私は可笑しくて楽しくて!
くっくくっく笑いながら、なんでなのー?突っ込みながら、
録画をヘビロテで観ています。
あと、みくりさんを目の当たりにして、
家事をいつもより丁寧にやってるかも。(笑)


 



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