さて、皆さんは観てますか?『逃げるは恥だが役に立つ』。
ドラマが始まる時期には、初回を全て録画して見続けるものを決めるのですが、
今回の『逃げ恥』は、久し振りに放送日を楽しみにしているドラマです。
巷では、恋ダンスがどうのという話題が騒がしいですが、
あのダンスも可愛いさは認めるとしても、まず言わなくちゃいけないのは、
脚本がよく出来てるということ!
原作の漫画を読んでないので、今はとりあえず”脚本”と言っておきますが、
書いたのはこれまた好きなドラマだった『重版出来!』を書いた、
野木亜紀子さんなので、恐らくその路線は間違ってないと思います。
ストーリー展開が気持ちいい。さらに無駄がない。
全てのシーンが次に、そのまた次に繋がっていって、
4話辺りに来て、ちょっとくらい無駄があってもいいぞ?と思うくらいに(笑)、
楽しく素晴らしい話運び。
全ての登場人物が欠かせない完璧な構成。
いや、その前にまず端的に言ってしまおう。
悪い人が出てこない。それがいい。
夕食の後片付けも終えて、ほっとひと息、
コーヒーをすすりながら観るテレビドラマなんていうのは、
刑事ものならいざ知らず、普通の生活を描いていて、
悪意の人があちこちで手ぐすね引いている物語なんてのは、
ちょっともう勘弁!で疲れてしまう。何を好きこのんで!?
話は変わるが、例えば同クールでやっている『砂の塔』。
予告での松嶋菜々子、『家政婦のミタ』以降路線定着か?と思われるあの怪しさは、
ちょっと確認しておきたい気もして3話辺りまで観ていたら、
もうちょっと、再々同じようなママ友いびりにギブアップ。
全編通していびりにいじめ、嘘に策略。…能がない。
この時間を使って作り手は何が言いたいんだと、
とうとう、待っていられなくなりました。
いやゴメンナサイ、もっと根本の話、深刻なことを言うと、
菅野美穂とガンちゃんの関係……ご冗談でしょう!(汗)
その点、この『逃げ恥』は素晴らしい!
突拍子もない設定でありながら、何なんだ、このリアリティと心地良さは!
悪い人は誰一人出て来ない。素晴らしいよ、素晴らしい……(涙)
契約結婚なので、”新しい結婚の形”という触れ込みで広まっていますが、
でも実は、昭和30年代くらいまでのお見合い結婚に似てるんじゃ?
と私は思っています。(あ、だからリアリティがあるのか?)
もっと言えば、親が決めた相手と会ったその日に祝言をあげるような、
紛れもなく、遠からぬ日本にあったあの習慣。
新妻は敬語を使い夫に仕え、きっちりと時間を決めた家事労働、
手抜きなし、文句なし、そんな昔の夫婦の姿。
お揃いの浴衣で、湯あたりした夫の背越しにうちわを扇ぐ妻なんて、
なんていいものだろうと思いました。新鮮だけど懐かしくて。
ただ、昔の現実がドラマと違うのは、妻に給料が発生しないのと、
本物の夫婦になっていけばいい保証の上にあるってこと。
決定的な障壁がない限り、本物の夫婦になっていく…
でも、『逃げ恥』はあくまでも他人のままで続けなければいけない。
その微妙なバランスから上手く描いたもので、
これまた絶妙に起こり得そうな、摩訶不思議な今の時代背景を捉えて、
よく作り込まれてるなぁと感心するのです。
平匡さんのような人、今、いますもんね。
ただ結婚できないんじゃなくて、異性と付き合ったことがないという。
(”ヒラマサさん”って聞いたとき、私は魚のヒラマサで頭がいっぱいになった。
と思ったら、原作の海野つなみさん、本当に魚からとってたんですね!)
いやしかし、この辺も昔は結婚しない限り、
男女ともこういう状況にあったんじゃあなかろうか。
私が高校生の時に聞いた祖母の娘時代の話に、心当たりあります。
ああそうか…ということは、特別目新しいことでもないんだな…
事情は多少違えど。
私がそれこそ高校生の頃は、こんなドラマ成り立ちませんでした。
時代は巡るにゃ巡るけど……なんだか不思議。
夫も引きずり込んで、ドラマ楽しみにしています。
世間で言うムズキュンというより…私は可笑しくて楽しくて!
くっくくっく笑いながら、なんでなのー?突っ込みながら、
録画をヘビロテで観ています。
あと、みくりさんを目の当たりにして、
家事をいつもより丁寧にやってるかも。(笑)
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