行方不明レシピ

今から12年ほど前、ケーキづくりに凝っている時期がありました。

基本的には焼きっぱなしのケーキが好きで、
昔、「ニュースステーション」にも出ていたフリーアナウンサーで、
現在はアメリカ在住の、渡辺みなみさんのケーキをよく焼いていました。

実家に住んでいた私は深夜、やおら材料を冷蔵庫から取り出して、
ボウルを丹念に磨きなおし、ビーターをセットして、
秤の目盛りと睨めっこしながら作業は始まりました。

翌朝起きてきた父が、キッチンにケーキが並んでいるのを見て、
「グリム童話の“小人の靴屋”みたいだな...」と、母に話していたのを思い出します。

当時、多いときには一度に2～3台のケーキを焼いておりましたので、
半分は家族の胃袋の中へ。あとの半分は私や母の友人のお宅へ。

自分でつくったお菓子は、自分で食べても何だかピンとこないもので、
私はあまり進んで食べませんでしたが、
人様から聞くには、それなりに評判が良かったのを覚えています。

その中で、今でも残念でならないのは、
雑誌『non・no』の切抜きで持っていた、チーズケーキのレシピを失くしてしまったこと！
普通の材料で、普通の作り方でしたが（何だったら手軽な方だった）、
これがどの方からも評判が良く、今でも母から「あのチーズケーキが食べたい」
などと言われる代物なのであります。

『non・no』のほんのちょっとした、6～7ページの特集だったのですが、
レシピノートにはさんでいたのが、いつのまにか失くなってしまいました。(>_<")
その後、『non・noお菓子基本大百科』などでも調べたのですが、
結局、二度と再び出会えず...です。

その後、新しいチーズケーキのレシピを試してみるも、
......ふ～む、可もなく不可もなく......
これなら売ってるケーキでいいんじゃない？ということになり、
それからぱったり、チーズケーキを焼くことはなくなりました。

嗚呼、あのチーズケーキをまた焼いてみたい...

返す返すも、残念なことよ！

（誰か、このレシピをお持ちの方はいないでしょうかね...）


photo by ミントBlue