5番の刺繍糸

趣味の針仕事・庭仕事・料理を中心に、日々のあれこれを綴ります。

懐かしの本からのタペストリー

2016年11月10日 | 洋裁ほか

久し振りに、本当に久し振りに、刺しゅうをしてみました。
忙しいのは相変わらずですが、目のイボもすっかり跡形なく治ったし(笑)、
たまたま入った手芸店で刺しゅうのタペストリーを見かけて、
その爽やかさ可憐さに「いいなぁ~」と触発されてしまいました。

思わず、キットを買ってしまいそうになりましたが、
いやいや、いくらでも家に材料はあるのだから…!と、
ここは我慢して何も買わずに帰宅。
というか、キットはなんであんなに高いのかしら!

”キット”といっても、ただの材料ですからねぇ、
図案や作り方も込みとはいえ、あのぼったくり具合はいかがなものか。
私なんかは、材料を吟味して揃えるところから楽しいものですが、
やはり必要なものが全部揃ってる、これさえ買えば一発ポン!
という便利さ手軽さは、抗い難い瞬発力があるのかもしれません。
ただ慣れてくれば、自分のものをイチから揃える、
という楽しみも知って欲しいですね。
なにしろ、経済的ですし(笑)。

その手芸店で一緒にいた友人も、
「素敵ッ!あんなの欲しい!」と言っていました。
小物はまだしも、大きな刺繍やパッチワークは好みが分かれると思いますが、
趣味のいいものは間違いなく需要があるな…と思いました。(笑)
昨年辺り、ハンドメイドの店を立ち上げる話が持ち上がっていたこともあり、
”需要”という視点は、頭の中に常にあります。
好きなものを作りつつ、いかにほかの方にも素敵と思ってもらえるか。

皮肉なもので、「お店を」と気持ちを固めた頃から、
日常の忙しさが加速度的に増してきて、
自分や家族のための手づくりにも時間が取れない状況なので、
今、本当に手づくりは完全休業状態です。
昨シーズンは編み物も一切しませんでしたね。びっくり。
今年はオパールのソックヤーンをひと玉だけ買ったので、
これで夫のスパイラルソックスを
編むつもりです。
かかと編みのいらない、まっすぐ編むだけでフィットするソックスです。



そんな中、このタペストリーです。
手持ちの古い本から、まったくそのまま作りました。
出来上がりサイズは37.5cm×39cmです。
私はカゴのカバーにしてもいいなと思って作ったのですが、
薄いのですが、密度高めのキルト芯を入れたので、
思いのほかかっちり出来上がって、一層タペストリーっぽくなりました。
カバーにする場合にも、芯なしでは使いにくいと思いますので、
もっと柔らかくて薄い芯を入れるといいですね。

これは、私が小学生の頃、母に教えられて刺していた刺しゅうの雰囲気。
ああ、懐かしい…。
子供の頃は、刺しゅうだけ自分で仕上げて、
あとの仕立ては母にお任せでした。
母の作ってくれた、クリスマスカラーのベルベットのポシェットや、
刺しゅう入りの巾着、フリルの入った夏のオレンジ色のワンピース…
あの頃自分で作ったり、作ってもらったりしたものは、
今でも記憶の中に鮮明に残っていますが、
残念ながら実物はほとんど手元に残っていません。
巾着の類いは、母はよく人にあげていたので、
母の古い友人などに久し振りに会うと、
その巾着がいまだにバッグの中から出てくる瞬間があって、
その時の懐かしさと言ったら、
奇跡的に時間を巻き戻されたような、何にも代えがたい気持ちになります。
私には、こういう経験を送り渡していく子孫はいませんが、
でも、大事にこういうものを作りたいと思います。

刺しゅう、楽しかった!
使ったステッチは、バックステッチ、サテンステッチ、
アウトラインステッチ、チェーンステッチです。
久し振りなので、どれほどの目がそろうかな…と思っていましたが、
一番心配だったサテンステッチは結構以前と同じように刺せたので、ひと安心。
イニシャル刺しゅうなどで、そこそこ経験したものなので、
コツを手が覚えていてくれました。
それに反して基本中の基本、バックステッチがことのほか難しく、
思い通りの目は出ませんでしたねぇ。
私、以前から思ってましたが、
実はバックステッチが一番、習熟度が出るのではないでしょうか。
常に刺してないと、手がコツを保ち続けられないのでは?と思います。

周りの布は、裏布の縁を折り返して額縁仕立てにしていますが、
どうせ作るなら、ピシッと真っすぐ作りたい性格なので(笑)、
バイアスになる角の始末が、案外手間取りました。
なんてことない額縁ですが、なかなか寸法通りにいきません。
刺しゅうをした表布に手でまつってます。

あと、刺しゅうはキルト芯を重ねて刺すという指定でしたが、
私は裏の処理が面倒になるのと、
刺しゅうに沿ってチマチマと凸凹が出るのが嫌だったので、
布1枚で刺しゅうをした後にキルト芯を重ねて、
端から3cm程のところ(額縁の下に隠れる部分)に、
仮止めのミシンをかけました。
額縁の処理をするときには、表布が浮かないように、
額縁の下に押し込むようにしてまつっていくのも、
きれいに仕上げるコツですね。

この次は、ソックスを編まなくちゃなんですけど、
またもうひとつ、刺しゅうのタペストリーを作りたいなぁ。
もうちょっと大きいやつ。
花がいっぱい入ったやつ。

”予定”の図案はすっかり頭の中に列をなしてあるんですけど…
機会を逸する前に、ちゃちゃっと準備してしまおう。
布に図案を写して刺繍糸の色を全色トレイに揃えてしまえば、
あとはもう、放っておいても作業は進みますから。(笑)
今回も空いた時間でちょこちょこ刺しました。
毎日は出来なくても、10分でも20分でも、
テーブルの脇にあれば(今はコタツ!)、これ以上の幸せの種はありません。

あと余談ながら、星野源出演のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、
あれが意外にツボにはまっています。

星野源、いいですね!
あの地味な魚顔が、なんだかかわいく見えてきました。





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