木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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製品の「きれいさ」とは?(その3)

2012年07月24日 | 造形の構成原理(コツツボ)
<中小企業のシンプルな製品「フォトラ」>


◆製品の「きれいさ」とは?(その3)
85:【デザイン相談室】第85発


 こんにちは!
 中小企業のデザインコンサルタントの木全(キマタ)です。
 中小企業の方々に向けて工業デザインのエッセンスについて、毎週更新してお知らせしています。

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よくある中小企業からのデザイン依頼の内容

 中小企業さんとお付き合いをさせていただいて、よく言われるのが、次のような言葉です。

 「うちの製品、もうちょっとかっこよくしてください。」
 「もっとかわいくしてください。」
 「もう少し美しい形にしたいんです。」
 「きれいな製品にできませんか。」

 これらのご依頼にお答えするのはなかなか難しいです。(笑)

 「かっこいい」「かわいい」「美しい」「きれい」

 曖昧模糊としていて、人によって感じ方がまったく違う言葉で、こんな便利な言葉はないのですが、これを具体的な形にするのはとても難しい。

 6月から「きれいさ」とは?(その1)「きれいさ」とは?(その2)というお話をしています。

 今回も製品の「きれいさ」と「美しさ」について考えてみます。(念のため、このあとの議論は、あくまで製品に関するものです、とおことわりして)



シンプルデザインはきれい

 これまでの議論で、「きれい」は、外面的な清潔さ・鮮やかさの意味が強く、商品外観に係わる仕事である工業デザインにとって、「きれい」が、商品に求められている外観形状の基準だと話してきました。

 そして、その評価軸は「基本形と装飾の二項対立」であり、「秩序・単純・整然・軽快・規則性・明るい・普遍性」に近いほうが「きれい」になると考えられます。

 モダンデザイン、いわゆるシンプルデザインの造形は、丸三角四角などの単純な基本形を、シンメトリーなどの一定の秩序に基づいた、整然とした規則的な組合せで構成され、軽快で明るい表情を持っています。

 そのようなシンプルデザインは、民族や時間の壁を越えた普遍性を獲得しています。

 それはまるで、部屋を「きれい」にする掃除と同じです。

 掃除も、一定の秩序に基づいて整然と規則的に部屋を整理整頓して、部屋を軽快で明るい印象にして、だれが見ても(普遍的に)「きれい」に見えるようにすることです。

 シンプルデザインは「きれい」そのものです。

 シンプルデザインであれば、誰もが「きれい」だと感じることができます。

 商品の外観形状は「シンプルできれい」であればよいのです。

 (ただし、これは中小製造業の場合です。大企業の場合はまた別の考え方が必要になります。詳しくは拙書「売れるデザインの発想法」をお読みください。)

 (この項、終わり。)


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