スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

チョ・ジェジンの一発でKO@清水対C大阪

2005-12-29 19:28:25 | サッカー
互いに様子見のロングボールを蹴り合う静かな立ち上がりで天皇杯準決勝は幕を開けた。リーグ制覇を逸したC大阪は、ベストメンバーで天皇杯に臨める数少ないチームだけにテッペンへの思いは強かったはず。が、ゴールを割られなかったもののGK吉田の緩慢な判断ミスや、DFがお見合いをするなど集中力に欠けた。さらに、清水DFが踏ん張ったしても、攻撃の起点である西沢にボールを収めることができなかった。15分に古橋が単独突破からシュートを放つがトップの3人、西沢、森島、古橋が絡んだ攻撃はお目にかかれなかった。それゆえに、アタッキングエリアにまでボールを運ぶもフィニッシュまで持ち込めなかった。

マルキーニョス、市川が不在の清水は、森岡が右サイドバックを務め、高い位置をとるもボールが回ってこなかったためにクロスを入れられなかった。ようやく36分に青山のクサビを久保山が落とし、森岡が上げたクロスからチョ・ジェジンがヘディングを繰り出すもシュートは枠を大きく反れた。C大阪も39分にPエリア内で西沢が反転ボレーを披露するが力なくGKにキャッチされた。両者とも攻めあぐね前半を折り返す。

後半2分、縦パス一本に森島が反応しシュート。絶好機だったがGK西部のファインセーブに阻まれる。先制点の機会を逃した。

窮地を脱した清水は左サイドを起点に、3列目からボランチの枝村が攻撃参加し前半とは打って変わりC大阪を攻め立てる。6分に久保山、10分に枝村がゴールを脅かす。

主導権を握られたC大阪はゼ・カルロスを下げて酒本を投入し、悪しき流れを変えようと試みるが、事は上手く運ばなかった。32、34分と立て続けにチェ・テウクにゴールに迫られる。前田の身を投げ出してのブロックで難を逃れるが苦しい状況が続いた。それでも、終盤には下村がCKからヘディングシュート、”職人”西沢がボレーシュートを打つ。だが、ゴールネットを揺らせなかった。規定の時間では白黒はっきりせず。勝負行方は延長戦に委ねられた。

延長に突入すると清水のサイド攻撃にC大阪は対応しきれなくなる。タッチライン際を疾駆してきた山西のオーバーラップを止められないまま、容易にクロスを上げさせてしまう。6、10分の左クロスからの危機は脱したが、11分に右から森岡が狙いすまして上げてきたクロスは防げなかった。中央でチョ・ジェジンに完璧にとらえられた。先制点を許す。

無冠のままシーズンを終えるわけにはいかないC大阪は、後半になると宮原、黒部と2枚のカードを切る。9分には宮原の大きなサイドチェンジから黒部がゴールラインギリギリでボールを残し、内へ返したボールをDFのマークを剥がしながら古橋がターンしてシュート。プロセスは申し分なかったが、フィニッシュが拙かった。枠を大きく外す。ロスタイムに訪れた格好の機会でも、酒本のシュートはカーブのかかりが悪く、ゴールマウスをかすめるにとどまった。

リーグ戦優勝を寸前のところで逃したがここ最近は負けなしだったC大阪が、降格争いに絡んでいた清水に敗れ去った。

天皇杯準決勝 清水1-0C大阪 静岡スタジアム(エコパ)


最新の画像もっと見る