スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

ローマ対マンチェスター・ユナイテッド@チャンピオンズリーグ・クウォーターファイナル1leg

2008-04-03 23:22:18 | サッカー
ローマとマンチェスター・ユナイテッド(以下、マンU)がベスト4進出を懸け、鎬を削った。

トッティ、ペロッタ不在のローマはブチニッチをワントップに据えた4-2-3-1。アウェーのマンUは4-3-3の布陣。

引いてブロックを作り、スペースを消去し、引っ掛けたボールからカウンターを狙ったローマ。マンUの攻撃力を殺ぎ、自分達のペースで試合を押し進める。持ち味を発揮できないマンUは、ターゲットのブチニッチにボールを収めさせないように、こちらも守備に気を配る。互いに手堅いサッカーを展開したことで大きな動きは見られなかった。先制したのはCBヴィディッチが負傷退場したマンUだった。ローマの堅陣を抜く。左へ注意を引きつけている間に右のスペースへと侵入したスコールズからのクロスを、走りこんできたC・ロナウドがヘディングで叩き込んだ。失点直後、ブチニッチがドリブルで突っかけシュートを放つもボールはゴール前を横断しただけだった。

ビハインドを背負ったローマは後半になると猛攻を仕掛ける。ブチニッチのポストプレーからトネットがPボックス内でシュート。決定機を逸するも反撃の狼煙をあげる。右からのスローインをマンシーニがフリック。ファーポストのパヌッチがダイレクトボレーも枠外へ。2度の絶好機を逃したローマだが、両サイドバックが果敢に攻撃参加を繰り返し、左右から攻め入る。17分、手にしたCKからブチニッチのシュートも、GKファンデルサールがファインセーブ。3度目の正直ならず。好機をゴールに繋げられなかったローマとは対照的に、マンUは右からのアーリークロスを先発起用のパク・チソンがヘディングで折り返し、GKドニが掴み損ねたルーズボールをルーニーがプッシュ。耐え凌いだ末に貴重なゴールを得る。追加点を与え、サイドに蓋をされたことで勢いに陰りが見られたローマは鋭利なカウンターを浴び続ける。しかし、幸いにも傷口はひろがらずにすんだ。0-2の敗戦は痛いが、まだ希望は残されている。決定的な3ゴールを奪えなかったマンU。2legに響かなければいいのだが。

この試合、雌雄を決したのはフィニッシャーのクオリティだった。C・ロナウド、ルーニーと決めるべき人が決めたマンUに対して、ローマの前線は悲しいかな役不足だった。やはり、ポイントはトッティ。エースを欠いても伍して戦えていたことは心強いだけに、怪我からどれくらいまでコンディションを戻せるかがベスト4への鍵となるだろう。

CLクウォーターファイナル ローマ0-2マンチェスター・ユナイテッド @スタディオ・オリンピコ

<ローマ>GKドニ、DFトネット(シシーニョ)、パヌッチ、メクセス、カセッティ、MFアクイラーニ(→エスポージト)、デロッシ、マンシーニ、ピサーロ、タッディ(→ジュリ)、FWブチニッチ

<マンチェスター・ユナイテッド>GKファンデルサール、DFエブラ、ファーディナンド、ヴィディッチ(→オシェイ)、ブラウン、MFスコールズ、アンデルソン(→ハーグリーブス)、キャリック、FWパク・チソン、C・ロナウド、ルーニー(→テベス)


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