スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

スピードに沈む@横浜Fマリノス対名古屋

2007-05-12 17:08:41 | サッカー
リーグ序盤で躓くも盛り返してきた横浜Fマリノス(横浜)は、スタートダッシュに成功したが連敗街道に突入してしまった名古屋をホーム日産スタジアムで迎え撃った。共にフォーメーションは4-4-2だった(中盤は横浜はダイヤモンド型、名古屋はボックス型)。

急造4バックを敷いた名古屋の前線からの圧力に横浜は戸惑う。寄せが早くボールを自由に扱わせてもらえない。ビルドアップがままならず、蹴らされるシーンが目に付いた。横浜の出鼻を挫いた名古屋はキムがヘディングで競り落としたボールを栗原、中沢のマークを受けながらも杉本が持ち込んでゴールへと流し込んだ。試合開始から狙っていた背後を突くカタチで先制する。ビハインドを負った横浜は4バック+4枚の中盤が形成した相手の守備ブロックを崩せない。スペースがなかったことも影響したが、人もボールも動かなかった。山瀬功治は前を向かせてもらえなかった。がっちりと守りを固めた名古屋は杉本のスピードを利したカウンター一本に絞る。17、35分と中沢の中途半端なクリアに突け込みゴールを脅かした。

後半、立ち上がり3分。本田のスルーパスに反応したのは、またしても杉本だった。GK榎本は1対1と絶体絶命の危機を迎えるが、腕一本で辛うじてボールに触れ、死守した。失点を免れると、河合の浮き球に抜け出した吉田孝行がGK楢崎と接触し、PKを獲得する。同点機が巡ってくるもキッカー山瀬功治の右下へのキックはGK楢崎に読まれてしまう。試合を振り出しに戻せなかった。この失敗が後々まで響く。窮地を脱した名古屋は徹底してカウンター勝負を繰り返す。足をつって杉本が退いても、ゲームプランに変更はなかった。こだわり続けたことが実を結ぶ。杉山と交代した片山が阿部のパスに飛び出し、豪快に追加点を挙げる。これで雌雄は決した。横浜は山瀬功治が汚名を返上しようとゴールに迫るもシュートは枠を外れ、大島の反転シュートもGKに弾き出されてしまった。狩野、清水と交代カードを切るも最後まで運動量は上がることなく、ハーフナー・マイクをベンチに座らせたままパワープレイも敢行せずに淡々と時間だけが過ぎ、敗戦を受け入るかっこうとなった。

前からの激しいプレッシングが好調の一因であると聞いていたのだが、疲労のためか横浜のプレスの掛かりは悪く、試合をコントロールすることは叶わなかった。トップにボールが収まらず、山瀬功治が活かされるスペースを与えてもらえなかったことから、両サイドバックの攻撃参加も数えるほど。名古屋の戦術にはめこまれ、大量得点を叩き出していた攻撃陣も沈黙したままだった。

セットプレイでは脆さを見せた名古屋の4バックだが、流れの中では個々人が踏ん張ったことで零封に成功した。アウェーで2―0。杉本の決定力に課題が残ったものの、再浮上の切っ掛けを掴んだのではないだろうか。

J1第11節 横浜Fマリノス0-2名古屋 @日産スタジアム

<横浜>GK榎本、DF小宮山、田中、中沢、栗原、MF河合、山瀬功治、山瀬幸宏(→狩野)、吉田孝行(→清水)、FW坂田、大島

<名古屋>GK楢崎、DF大森、米山、阿部、吉田麻也、MFキム、藤田(→竹内)、本田、山口、FWヨンセン、杉本(→片山)


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