クリエイティブビジネス論!~焼け跡に光を灯そう~

元コピーライター・境 治が、焼け跡になりつつあるこの国のクリエイティブ業界で、新たな理念を模索するブログなのだ!

メディアの選択肢が増えるとデフレが起こる・カッコ仮説

2009-11-11 00:30:27 | 再生のギョーカイ
まずその、集中と拡散が同時に起こる、という説。これ、いわゆるロングテール現象のひとつの解釈なんだよね。

上の図の左と真ん中を見比べてほしい。左側は、"選択肢が限られている場合”のモデル。競争的ではあるけれど、選択肢が少ないと、こうなる。例えばいままでの映像コンテンツはこうだった。テレビ番組の視聴率がとれない!と言っても、5%の視聴率は何百万人も視聴していた。視聴率トップの番組とビリの番組の差は大した事無く、こういう普通のピラミッド状態になる。

選択肢が増えると、真ん中の感じになる。集中するコンテンツにどんどん集中していく。ダメなものはいままでよりもっとダメになり差が開く。映画で言うと、シネコン時代になってこんな感じになった。興行される映画の本数が増える。すそ野が広がる。で、いわゆるメガヒットが登場したりする。メガヒット作品はいままでの興行収入をびっくりするくらい超える数字をたたき出す。

と、まあ、ここまではけっこういろんな人が言っていたことね。

で、ここからが本日のポイント。選択肢がさらにどんどん増えると、右の状態になる。裾野はさらに広がる(仮説)。いわゆるロングテールがどんどん伸びる(仮説)。その一方で、ランキングのトップの頂上はいままでよりむしろ下がる(仮説)。

あくまでカッコ仮説なんだけど、メディアのデフレ、クリエイティブのデフレ、ってのは、こういうことなんじゃないだろうか。

選択肢が増えると、規模が小さなプレイヤーでもチャンスが増える。『やわらか戦車』のようなアマチュアだった人の作品が、ある日とつぜん、人びとの目に留まるようになる。

一方で、メガヒットは出てこなくなる。メジャーなプレイヤーもあまりヒットを出せなくなる。あるいは、ランキングトップをとってもいままでほどのヒットではなくなる。

そういうことがいま、起こっているのだと思うんだ。

映画で言えば、世界的メガヒットは『ハリーポッター』でおしまいなんじゃないか。B'zやミスチルみたいなメガヒットミュージシャンはもう登場しないんじゃないか。旬のイケメン俳優が主演するテレビドラマも視聴率30%なんてこの先、ありえないんじゃないか。

いままで、左のピラミッド構造の中で5番手6番手ぐらいのポジションだったプレイヤーは生きていけなくなるんじゃないか。1番手2番手のプレイヤーも、それまでの1番手2番手が勝ち得た数字は絶対に越えられないんじゃないか。

ただとにかく、いままでのメディア構造だと世の中とアクセスすらできなかった人たちが、とにかくロングテール上で活動はできるし、ふとしたはずみで1番手2番手に躍り出たりする可能性が増えるんじゃないか。

これがクリエイティブデフレの正体。その背景なんだと思う。・・・いまいち根拠が薄いんだけど、言われてみると、そんな感じしてこない?・・・

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4 コメント

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はじめまして (藤田)
2009-11-11 01:50:31
ちょくちょく最近、読ませていただいてます。
3つ目の図は、なんとなく感じていたことを示された感じで、納得感のあるものでした。

ヒット自体は確かに、メガヒットは少なくなっていくと思うのですが、同時に制作コスト(それこそ、やわらか戦車のように)自体が下がって、メガヒットによって、その他の赤字を帳消しにする必要も薄くなっていくと思います。

また逆に、

ミュージシャンのマシュー・エベル氏は一般的にはほとんど無名の新進ミュージシャンだが、基本的に音楽活動のみで生計を立てている。彼の収入(額は明かされていないが「家賃を払って車を持ち、好きな物を好きなときに食べられる程度」ではあるらしい)の26.3%は、わずか40人のハードコア・ファンからもたらされたものだ
http://sourceforge.jp/magazine/09/11/02/0319245/2

のように、そもそもメガヒットしなくても、成り立つ仕組みが成立していく部分も感じます。

すいません、自分の中でも、まだ整理できてないのですが、ここ最近、感じたこととして。。。
あ、うれしい (denmipapa)
2009-11-11 02:26:47
藤田さん、こんばんはー。書いたらすぐのコメントで、うれしいでーす。

「言われてみると、そんな感じ」してきましたね。と言うか、同じようなことをすでに感じてたってことですね。

そう、デジタル化ってメディアの選択肢を爆発的に増やしたのと同時に、コストを劇的にダウンさせた面もありますよね。

アキバ系友人氏に似た話をこないだ聞きました。"同人音楽"ってのが最近あって、CDを5万枚売るケースもある、と。

なんだか大変なことになってきました。

てな感じで、またコメントしてくださいねー。
たしかに、コンテンツは多い。 (原田です。)
2009-11-11 04:16:48
(もしかしたら、あたし「アキバ系友人』とよばれている人を知ってるかも!)
たしかに、いま、コンテンツは数が多い。
そのジャンルではかなりのヒットと言われ、話題にもなっているんだけど、追っかけきれな!!
ゲームに、ニコ動に、アニメに、ライトノベル、マンガ、iPodアプリ、twitterにmixiにpixiv・・・ホントに量が多くて・・・。
だから、全然知らないヒット作がたくさんできてしまっている。もう、勘弁して! って感じっす。
故に、「メチャおもしろい!」って事も多いのですが・・・

ぼくは、古典的なヒット映画はETで終了・・・と、考えていました。
あれは、みんな見ていたって実感がありましたが、今は、大ヒット映画もけっこう見てない人は見てなくて・・・。

音楽も、No.1 セールスの安室奈美恵CDの中で、私が歌える歌は1曲もない。
その時のヒット曲って、どういう意味があるのだろう・・・周辺のお仲間とそんな会話を最近よくしています。
プロとアマの差がなくなる! (shige)
2011-01-30 17:25:07
2011年はデジタルメディア&コンテンツの元年になるのでは、と思っている。

7月24日アナログ波が止まる。
急速にスマートTV
〈インターネット接続ノTV〉が普及するという。

映像制作にたけた芸大の学生が作った面白い短編映画がTwitterで話題になり、
1回30円課金のスマートTVで10万人が見た結果、
300万円の売上げを1週間で上げる事が十分に予想される。

つまり、ある属性の人たちに支持されるか、
でコンテンツが売れるか否かが問われる時代になるのではと読むのだが・・

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