その日は朝からお母さんは忙しそうだった。
大掃除する!
と、言ったかと思うと
いや、普段通りで!と言ってみたり。。。
そうこうしているうちにピンポンが鳴り
知らない男の人がやって来た。
お母さんが中へ入れたけれど
ボクは「誰だ!おまえは!」とワンワン吠えてやった。
男の人は
「うるさい犬だな」とため息をつきながら
どんどん部屋へ入っていく。
「勝手に入ったらダメだから!」
ボクはますます大きな声で吠えてやった。
すると、お母さんが
「MOOくん、少しこの中で待っててね」
と クレートの戸を開けたのですぐに中に入った。
この中にいたらボクはとても安心出来る。
お母さんと男の人は
パソコンを見ながら難しそうな話をしている。
姫1ちゃんの新しい病気の事
姫2ちゃんの引越しの事
他にも色々話してたけどボクには分からないから
寝てる事にした。
しばらくすると
お母さんがクレートの戸を開けて抱っこしてくれた。
どうやらこの人は敵じゃないらしい。
「Mooくん、このおじさんは姫1ちゃんと姫2ちゃんのパパだよ」
とお母さんが教えてくれた。
「おやつ貰ってごらん」
ボクは知らない人からおやつをもらうのは苦手だけど
姫ちゃん達のパパなら食べてやっても良いかな。
おかあさんがボールを出してくれたので
姫ちゃんのパパのところにも持って行ってみたけど
やっぱり渡すのは止めた。
姫ちゃん達のパパは帰る時
ボクをなでてくれた。
ボクはク~~ンと声を出して
「もう帰るの?」と聞いてみた。
姫ちゃん達のパパが
「じゃぁ」と玄関のドアを閉めた。
MOOくんに会うのは最初で最後だね
ボクを抱っこしているお母さんが呟いた。
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