居心地

相棒のワンコとの暮らしの風景
他愛ない日常のあれやこれ

テンペスト

2009年05月08日 | 
著者 池上永一

上 若夏(ウリズン)の巻


下 花風(カフウ)の巻



時は19世紀

日本は幕末 薩摩からの姫が江戸へ上がった頃

中国は清王朝の繁栄が翳りを見せ始めた頃


美と教養の国 琉球王朝の地

千年振りの龍の目覚めと共に生を受けた少女 真鶴。

自分の身代わりとなって命果てた父の望みを叶えるべく

父のつけた男名「寧温」となり

最難関の試験 科試を突破し政治の表舞台へ駆けのぼる。

女性としての心を晒で封じ込め宦官と偽り生きる道を選んだ「寧温」は

そこで美しい女形となり王宮の踊り手となっていた

行方不明の兄との運命的な再会を果たす。


塾生時代から互いに切磋琢磨し合う 朝薫(チョウクン)と共に

王朝に降りかかる難題を解決してゆく。


首里城の表舞台が男の世界ならば

奥の世界は魑魅魍魎蠢く女の世界。

美しくもオドロオドロしい権力闘争に

ついに「寧温」となった真鶴も巻き込まれる。


何故 小国 琉球が清と薩摩からの支配を上手に渡り

独立王国としての地位を保っていられたのか

それは優れた官僚達の知恵に他ならない。


読み終えた後、首里城の隅から隅までを

見て回りたくなる事請け合い


ノンストップ・ジェトコースター・大河ロマン

あれよあれよと琉球王朝の波に飲み込まれる。


琉球人の誇りと気高さにひれ伏す一冊

とにかく 面白い!

コメント (4)
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