【東日本大震災】(18日午後4時すぎ)
枝野幸男官房長官が18日午後4時過ぎから首相官邸で行った記者会見の詳細は以下の通り。
「まず私から。
残念ながら福島市において産出された露地栽培の原木シイタケ、露地栽培に限られる、について出荷規制の指示を出すことにした。
詳細は厚生労働省と農林水産省にお尋ねいただきたい」
--住民の帰宅について。
今朝の会見で、戻って復興してもらうことができる地域が少なからずあると言ったが、少なからずある地域とはどこか
「具体的にどこかを挙げれば、挙げていなかったところは違うのかということになりかねない。
具体的にある段階から詳細な土壌の調査を行った上で、そして条件が許すところからできるだけ早く元の地に戻っていただきたいと。
そしてここまでのさまざまなサンプリングの状況などを考えれば、そういった地域がある程度あるのは間違いないと思われる。
ただし、具体的な地域を申し上げると、それ以外はどうなんだということになる。
その上で全体についてはまさにそうした調査を踏まえた上で判断せざるを得ないので、現時点ではニュートラルだと申し上げた通りだ」
--少なくとも工程表通りになるとすれば、緊急時避難準備区域ついては、解除可能なのではないか
「具体的には、実際に解除する段階においては、まさに安全性の観点からしっかりとその時点、あるいは少なくともそれまでに、さらに情報をしっかりと把握した上で、できるだけ早く、可能なところから解除できるならしたいと考えている」
--復興できる地域はあると言ったが、復興できない地域はないと想定している場合もあるのか
「具体的には、特に原子力発電所に近い地域については土壌などのサンプリングがほとんどできていない。
線量のサンプリングも必ずしもできていない。
こうした地域についてはある程度の安全性が確保された段階から順次、しっかりとそうしたモニタリングを行った上で、もちろんできるだけ早く戻っていただいて復興をしていくという決意を持っているが、具体的な内容についてはそうした情報をしっかりと把握した上で、安全性を確保しながら戻って復興へと進んでいただこうと考えている」
--経済産業省幹部の電力会社への再就職自粛の件について。
他の省庁幹部の再就職との整合性はどうするのか。
午前の会見で抜本的な見直しをする必要があると言ったが、中央省庁全体の天下り規制などどのように制度設計を進めていくのか
「ある段階、ある時期までは幹部、公務員の再就職については、自分の所管していた事務と関連する民間企業への再就職は、ある期間禁止されていたと。
それを公務員改革の流れの中で、これは政権交代前だが、むしろそうした事前規制ではなくて、斡旋(あっせん)とか、元の役所への働きかけとかという行為規制へと変えたところであった。
そうした中で今回の特に東京電力に対する長年にわたる再就職の実態。
そして、今年の1月に再就職されて、それが事後報告された状況、そして今回の事故を踏まえると、政権交代前に出された法改正が良かったのかどうかを含めて抜本的な検証が必要だろうと思っている。
ただ、そうしたことには一定の時間がかかることは間違いない。
そうしたことの中で特に今、原発については安全性の観点からも含めて、さまざまな疑義を持たれないようにすることは重要だと考えるので、海江田万里経産相と相談の上、電力会社に限っては現行法の中でできる最大限の対応として、自粛とそれに対する各電力会社の協力を要請することにしたものだ」
--斡旋禁止の規定を強化する方針を閣議決定したが、今回の趣旨は斡旋があるかどうかではなくて、疑念を持たれることが自体が望ましくないということだ。
今までの規制と趣旨が相いれないが、整合性はどうするか
「私は今回の自粛などの話の前の段階から国民から疑念を持たれることは避けるべきであると、そういうことを避けるための手段として、これは斡旋とかそれから再就職後の働きかけなどという事後規制のところでしっかりと疑義が生じないようにすると。
そしてそれについてより客観性高く強力な監視の組織をしっかりと立ち上げるという話だと思っていて、ただ、実際に今年の1月にまさにこの事後規制、行為規制という中で再就職がなされていて、そして今回、そこがダイレクトにこうした事故が起こり、その関係について疑義を持たれている状況の中にあるので、その抜本的に今の法制度に基づく事後チャックというものでいいのかどうかを含めて、国民の疑義を生じないための対策は抜本的に考えるということだ」
--閣議決定したものは見直して考え直すのか
「これは法改正を要することについては、残念ながらわれわれ参議院で過半数を持っていない状況で、それは各党各会派の意見などもある程度踏まえた上で進めなければならないので、一定の時間がかかる問題だと思うし、そもそもこの間、長年にわたってさまざまな議論がなされていることで、そう簡単ではないと思っている。
そうしたことの中では、こうした自粛のような事実上の措置と、それから現行法をいかに厳格に適用するかという措置とある意味では両面でやらざるを得ないと思っているので、その限りにおいては、当面、現行法に基づいてより厳格にどうやって監視を行っていくのかということは前に進めていかないといけない」
--今回の自粛に関し資源エネルギー庁長官以外に該当者はいるのか。
航空業界や鉄道業界いろんな業界が考えられるが今後どうしていくのか
「東電以外に対する再就職の状況については、すでに調査を指示いて、経済産業省がその調査に着手している。
それから他の業種についてだが、今回の自粛の要請とそれに対する協力の各電力会社に対する協力の要請ということを踏まえて、まあ普通の国民とともにある企業や業界であれば、独自に判断するのではないかと思っている」
--福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋内で49ミリシーベルトが観測された。
1~3号機の現状はどうなっているのか。
放射線によって内部作業が難しいようだが、収束見通しに影響はあるのか
「残念ながら原子力発電所の事故によって、それぞれの原子炉から一定の放射性物資が漏れていると思われる状況で、建屋内のモニタリングができれば、一定の数字が出てくる可能性というのは少なくとも私は想定していた。
実際にロボットなどを駆使して、そうしたものがかなり具体的に測れるようになったことは、逆にそれを前提にして作業員のみなさんがどうすれば安全に、どの程度の時間、どういう作業ができるのかということが、逆にこれを踏まえて具体的な検討ができることだろうと受け止めている。
私も一定の放射線量が観測される可能性があると想定していたぐらいですから、当然東京電力含む関係者のみなさん、専門家のみなさんはそうしたことも想定に入れて工程表を作られたものだと理解している」枝野長官会見(2)「予断を許す状況ではない」に続く
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