「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【参加報告】8/2佐藤学さん講演会「市民運動はどう政治を動かしたか、そしてこれからどうする」(寄稿)

2016-08-12 23:59:42 | 参加報告


<管理人より>
 佐藤学さん講演会への参加報告をご寄稿いただきました。

【参加報告:佐藤学さん講演会「市民運動はどう政治を動かしたか、そしてこれからどうする」】
まずは、「憲法9条-世界へ未来へ 連絡会(9条連)」のFacebookの情報より、企画概要は以下の通り。

「安全保障関連法に反対する学者の会」の発起人であり、「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)」を結成した佐藤学さんに『選挙後とこれから』を語っていただきます。
〈日 時〉8月2日(火)14:00~16:00
〈場 所〉衆議院第二議員会館 多目的ホール
〈講 師〉佐藤学さん(東京大学名誉教授・学習院大学教授)
〈主 催〉9条フェスタ市民ネット
【9条フェスタ市民ネット・参加団体】
●基地のない平和な沖縄を実現する会
●憲法9条-世界へ未来へ 連絡会
●NPO法人・東京都地域婦人団体連盟
●婦人参政権運動を継承する(日本婦人有権者同盟)
●伊藤成彦(中央大学名誉教授)
●太田武二(命どぅ宝ネットワーク)
●海部幸造(弁護士)

以下、大久保厚さんからの当日の概要報告をご紹介いたします。

 去る8月2日、市民連合および学者の会の佐藤学先生の講演会に参加しました。参議院選と都知事選の結果を受けて、今後の市民連合としての戦い方に関する先生の問題意識と方向性を伺うことができました。
 今後の活動に関する重要な問題提起として、市民運動と労働組合運動の連帯が提起されました。すこし重いですが、避けて通れない課題だと思いました。(参加者は84名でした。)


「市民運動はどう政治を動かしたか、そしてこれからどうする」

[1]政党はもともと原理的には「共闘」となじまない存在である。
 政党間の共闘は、市民の連帯、市民団体の共闘の下にしか存在しない。9月強行採決以降、加わった運動団体の継続協議の会合をもつこととなったが、その目的は、「政党間の共闘」を回避するためのものであった。12月段階で方針を変更して、「待ちの姿勢」ではなく、市民側が動くことで共闘を展望することができた。この流れを決定づけたのは、2月19日民主党「戦争法廃止」決議であった。
 いずれにせよ政党間、運動団体間の共闘は、市民の連帯と市民の共同によってのみ、効果を発揮する。「統一候補」があっても市民(団体)間の共同がない限り、成功しない。今回の都知事選の教訓だと思う。

[2]市民運動の狙いは選挙投票率の飛躍的な向上にある。
 今回の参議院選挙では、若干の投票率は向上したが、飛躍的な向上につながっていない。これが現状の到達点であり、出発点である。現状は20代世代が最大の保守層。つまり最も政治を必要とする世代が政治との距離をとっている。
 「無党派層とは「政治的無関心」ではなく、「政治に絶望し希望を見いだせない人びと」である。若い有権者の低投票率を飛躍的に改善すること。公選法の改正が必要。現在の投票所は葬式的雰囲気。選挙期間を祝祭空間に変えること。

[3]今度の課題は、市民運動と労働運動の連帯をすすめること。
 野党共闘を含めて今後の共同闘争にはこの連帯が不可欠。670万人を組織する「連合」との関係をどう構築するかにある。「連合」は「原発再稼働反対」を受け入れない。労働運動との連帯を今後どのようにすすめるかの視点をもつことが重要である。

[4]市民連合の今後の課題
①戦争法の廃止
②南スーダン派兵阻止
③辺野古基地阻止
④憲法改正阻止
⑤軍学共同研究阻止。

[5]その他の情報
 最新号の「神奈川大学評論」(84号)に「シールズの組織的な特性」に関する論評を書いた。参考にしてほしい。


1 コメント

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8/15SEALDs解散! (K.M)
2016-08-17 01:38:35
奥田愛基くんのFacebookでの発信にあったこの英語の2つの言葉に泣けてきました(T-T)
‪‬This Emergency Action is over.
But the Unfinished Project Must Go On.
2016年8月15日、戦後71年の節目をもって、SEALDsは解散します。
http://sealdspost.com/tobe/

‎SEALDs、本当にありがとうm(_ _)m
それと上記の動画にかぶるステートメントがうまく読めないことがあるので、以下にコピペしておきます。
2016 年 8 月 15 日、戦後 71 年の節目をもって、SEALDs は解散します。
私たちは、日本の自由と民主主義の伝統を守るために、立憲主義・生活保障・安全保障の 3 分野で、 明確な立場を表明し、デモや街宣などの行動を起こしてきました。とくに昨年の安保法制の強行採決に 反対する国会前でのデモや、今年 7 月 10 日に行われた参議院選挙に向けた野党共闘の実現、市民参加 型の選挙に向けた行動などを行ってきました。
結果として、ほとんど不可能だと言われていたにもかかわらず、野党共闘のもと、参議院選挙では 32 の 1 人区全てで野党統一候補が決まりました。また、選挙の風景にも変化が起こりました。昨年の夏、 自発的にデモや勉強会などを自主的に行った市民たちを含め、選対には多くの人々が積極的にボランテ ィアとして参加しました。これまで選挙に関わることの無かった人々が自ら応援演説に立ち、電話がけ をし、ポスターやフライヤーをデザインしてポスティングしたのです。候補者自身も、市民との関わり の中で、よりいっそう候補者としての自覚と責任を持つようになっていきました。
しかし、当然ながら、私たちは選挙結果を含め、これで十分だったとは思っていません。改善すべき 問題点は山のようにあります。市民が立ち上げる政治は、ようやく始まったばかりです。個人として路 上に立つのと同じように、「わたし」の声で、日常の目線から政治を語ること。隣近所・家族・友人・恋 人と政治について語り合うこと。自分の選挙区の候補者に会いに行き、自ら選挙の景色を変えること。 こうした営みは日々行われるもので、一朝一夕に政治を変えるものではありません。この動きを末永く、 ねばりづよく続けていく必要があります。その積み重ねは、長い時間をかけて社会に根をおろし、じっ くりと育ち、いずれは日本の自由と民主主義を守る盾となるはずです。
あの戦争が終わってから、71 年が経ちます。私たちは、立憲主義を尊重する政治を求めます。私たち は、持続可能で健全な成長と公正な分配によって、人々の生活の保障を実現する政治を求めます。私た ちは、対話と協調に基づく平和的な外交・安全保障政策を求めます。そして私たちは、戦後 71 年でつく りあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します。
SEALDs は解散します。しかし終わったというのなら、また始めましょう。始めるのは私であり、あ なたです。何度でも反復しましょう。人類の多年にわたる自由獲得の努力から学びながら。孤独に思考 し、判断し、共に行動し、そして戦後 100 年を迎え、祝いの鐘を鳴らしましょう。
This Emergency Action is Over. But the Unfinished Project Must Go On.
2016年8月15日
SEALDs/Students Emergency Action for Liberal Democracy-s
自由と民主主義のための学生緊急行動
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