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【秦一族の陰謀】自説

2009年12月06日 | 【寺社と坊主の話】

【秦一族の陰謀】

 秦が漢に滅び、融通王の子孫が朝鮮半島を通り、応神天皇の時代に葛野井(嵐山付近)へ流れてきた。新羅を秦韓と呼ぶことから新羅から来たと言う説や、日本書紀による百済より来たということから百済から来たと言う説もある。私は、日本古来の宇佐地方の神と新羅の神が宇佐八幡となったと考えているので、百済が正しいと思っている。と言うのは、聖徳太子や蘇我氏と百済との関係、更に、斉明天皇と百済との関係を考えると新羅の民を受け入れるとは思えない。宇佐の地方ならともかく大和に近い京都の地に根を下ろすことを黙って許すはずがないと考えるのが自然だ。
 秦氏を新羅から来たとする説の根拠となっているひとつが広隆寺の弥勒菩薩半迦思惟像にある。つまり、新羅では、弥勒信仰が流行り多くの弥勒菩薩半迦思惟像があり酷似していることからだとされている。しかし、日本書紀では、応神天皇十四年、弓月君が百済から来て、天皇に奏上した旨書かれている。つまり、新羅説を言う学者は、自説に都合の良いときだけ古事記や日本書紀を引き合いに出し、そうでないときは後の者の記述であると否定する。所詮、学者という生き者は、都合主義に凝り固まった人種に過ぎないのである。
 では、秦氏が百済から来たとする私は、当然、広隆寺の弥勒菩薩半迦思惟像を否定する。更に、幡を祀ると考えている学者も多々あるが、八幡神は新羅の氏神と結びついた神であり、八幡神が新羅系であるから幡と秦を結びつけて新羅説をとるには無理がある。法隆寺の百済観音が虚空蔵菩薩であり、中宮寺の弥勒菩薩が如意輪観音であるように、広隆寺の弥勒菩薩を否定せざるを得ない。日本で弥勒信仰が定着するのはもっと後の時代であり、秦一族がこの葛野井(嵐山付近)に根を下ろす頃は、弥勒信仰がほとんどなく、遠い未来より、まだまだ政権が安定していない現在の安泰を求めるのが自然だ。

 秦氏の神は、いったい何なのか。それは、虚空蔵神である。土木治水技術と農耕、工業の神として虚空蔵菩薩を氏神としていた。渡来人である秦氏がまず行ったことが、実権を握っていた蘇我氏と聖徳太子に近づき取り込まれることに違いない。崇仏派である二人に接して百済人とも敵対しない為には、弥勒菩薩はありえないことだし、八幡神もありえない。法隆寺百済観音や斑鳩法輪寺、嵐山の法輪寺、これらに共通するのが虚空蔵菩薩であり、土木治水技術と農耕、工業の神としていたことからも確信が持てる。


 日本仏教に貢献し、大陸文明と引き替えに根を下ろすことを許され定着した秦一族が、渡来人からの脱却を図ったとしても不思議ではない。平城京から長岡京へ移り排仏機運が出てきたことで、葛城を中心として飛鳥の宮を支えてきた賀茂一族と関係を深くする方法をとったと思われる。藤原氏は、深く天皇一族と結びついていたために渡来人に見向きもしなかった。その点、賀茂一族は、勢力を確保する為に秦一族と利害が一致したと考え、互いが利用価値を認めたとみる。で、秦一族が真っ先に手がけたのは、賀茂一族のノウハウを利用し松尾大社と言う仏教より神として存在を誇示することを行った。
 新羅系が遠い宇佐の地で八幡神として日本に取り込まれ大仏殿建立に力を発揮し神としての存在感を示したのに対し、秦一族が日本仏教に多大な影響を与えたにも関わらず、その存在感たるや影の薄い存在である。八幡神に対抗するためにも虚空蔵菩薩を日本古来の神にする必要があったと考えても不思議でない。第一歩が松尾大社であったが、絶対なる神としての存在感を示すには役不足だった。そこで、伏見稲荷大社を建立し、虚空蔵神を稲荷神・大和神として結びつけたと考える。

 秦一族は、百済人と共に渡来し日本に仏教国を築き、賀茂一族と接触し日本古来の神として氏神である虚空蔵神を神格化し稲荷として定着した。以来、明治時代まで秦氏が神職を務めてきた。更に、聖徳太子ゆかりの寺院でも秦氏は、勢力を維持し僧侶として根付いてきたのである。

 

宇佐神宮と八幡神
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/750b46fc61d4c764a2496dbfad762e5a
広隆寺弥勒菩薩は、虚空蔵菩薩だ。自説
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/93a357a70935cd56432bc824387c2758
【173】法輪寺 京都嵐山
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/2beb3e2165d24296927ccf24b76e30aa
【167】広隆寺 京都
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【107】中宮寺  奈良 斑鳩
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/3b0f750c6a06de8393f50c0b076c9c8b

【088】法輪寺  奈良 斑鳩
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/fbfd4fc576bc7ba098359abe429dc85c

【087】法隆寺  奈良 斑鳩
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/9524834a058e46b743968a82585a121e


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