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宇佐神宮と八幡神

2008年08月07日 | 【神社の御朱印】

 八幡宮の総本宮宇佐神宮が、伊勢神宮に次ぐ勢力をもつのは何故なんでしょうか。役行者小角でさえもできなかったことを一人の色男の詐欺師弓削道鏡が、単なる地方の宇佐の氏神の神託をもって天皇乗っ取りを成し遂げようとしたこの事件。この神託によって日本列島に激震が走り、和気清麻呂によりかろうじて防ぐことができたのも宇佐神宮の神託によるものです。その汚点を挽回し八幡宮への信頼を取り戻すためかどうかは不明ですが、東大寺大仏建立へ全力投球し成し遂げたことから伊勢神宮につぐ第二の宗廟として崇敬の地となったと言えるのです。

 八幡神とは、応神天皇と神功皇后と比売大神の三つの御神の霊が一体となって八幡神となったようです。しかし、本当のところは、多少異なるようです。八幡神を神格化する上でのこじつけ、大和の大神と結びつけるシナリオを作り出した結果のようです。
 一つは、この宇佐地方の農耕の神として大昔からあった氏神です。もう一つは、新羅からの渡来人がもたらした朝鮮にあった氏神です。そしてもう一つが、大和大神です。この渡来人とは、八幡から秦一族とする説があります。しかし、私は違うと思っています。秦一族が唯一神として考えていたのが虚空蔵菩薩です。国東半島、宇佐地方に虚空蔵菩薩を本尊とする寺がないことがその理由です。もし、渡来人が始皇帝の末裔である秦一族であるならば、神宮寺を含め虚空蔵菩薩を本尊または脇侍とする寺院が多く見られるはずです。それが殆どなく神宮寺の本尊が弥勒菩薩や薬師如来という事は、幡と秦を結びつけるには多少無理があります。もっと後の時代に隼人との戦の折、八幡神と虚空蔵寺と法鏡寺の勢力も加わったとあります。このころに秦一族の勢力である虚空蔵寺や法鏡寺と、八幡神が結びつけられたようです。
 地方の氏神と新羅の神と大和の大神。大和の大神は、大和朝廷の全国制覇による進出です。もともと九州は、邪馬台国の九州説でも分かるとおり大和と深い結びつきがあります。あっさりと受け入れた可能性があります。新羅の渡来神は、異文化の神を押しつけるより溶け込み誇示することを狙ったようです。地方の氏神は、比売大神が御許山に天降られたと日本書紀に記されている神だと思います。宮崎にも天から降りてくる神があり、農耕を司り、豊作し山より天に昇られる神としてこの地にも氏神として存在していたようです。これらの神々の戦いで誰が勝って誰が負けたかと言うとトラブルの元となることから、きわめて日本的解決と言うか、三神一体と言うことで丸く収めたようです。

 宇佐八幡の勢力拡大と武家との結びつきとしての八幡神は、薩摩の隼人との戦に参戦し大勝利をもたらしたことによるようです。これは、大和朝廷の全国制覇によるものの一つの戦いですから、この時点で既に宇佐の神は、大和朝廷の配下となっていたことになります。また、この戦で大量殺戮をしたために、八幡神が仏教に救いを求めたことから神仏習合し八幡大菩薩とされるようになったようです。また、戦勝の神として武将に祀られることになったようです。平安京の守護のため石清水八幡宮、鎌倉の守護のため鶴岡八幡宮を建立され分霊したことから全国に八幡宮が建てられるようになったようです。
 天平時代の東大寺の大仏の開眼に八幡神の入京し成功させたことで、八幡神宮に対し、天皇より冠、経文、神馬、僧を奉げられ、神宮寺の弥勒寺に三重塔が建立されたいる。この成功で八幡大菩薩の名を賜り、仏教界にも二大宗教の真言宗、天台宗に一目置かせ国家神としての地位を確立した訳です。

 ひとつの地方の氏神に、新羅の渡来人がもたらした神が加わる。日本人特有のなんでも受け入れる風土が外国の神をも溶け込ませた。たまたま銅が採れたことから力を誇示し、大和の神とも和合し過去の氏神として新羅の神としての名を捨て、大和の神の名に変えて勢力を拡大し全国に分霊していったのが宇佐八幡神だったと言う訳です。


参考

役行者小角
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/18c6c55b6036c0fabf664c4624ee6742
弓削道鏡
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/9017f52d7dce36c6ac0d79629f28f7e2
和気清麻呂
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/9ecad11ee8f2c88ce140195a384da674
秦一族【173】法輪寺 京都嵐山
http://blog.goo.ne.jp/dangonotare/e/2beb3e2165d24296927ccf24b76e30aa


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