用語リストへア.インドの風土と人びと
・世界史上のインド=南アジア 現在のインド、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ブータン、スリランカ、
などを含む。北側にヒマラヤ山脈、南部にインド洋が広がる。
西側にa インダス川 、東側にb ガンジス川 の大河が流れ、中央にデカン高原が広がっている。
・気候:c モンスーン 気候帯 雨期と乾期がある。夏は南西風、冬は北東風が卓越する。
さらに、多くの民族、言語、宗教が共存している。
などを含む。北側にヒマラヤ山脈、南部にインド洋が広がる。
西側にa インダス川 、東側にb ガンジス川 の大河が流れ、中央にデカン高原が広がっている。
・気候:c モンスーン 気候帯 雨期と乾期がある。夏は南西風、冬は北東風が卓越する。
Text p.53
・文化圏:北部のa アーリヤ 文化圏と南部のb ドラヴィダ 文化圏に分かれる。さらに、多くの民族、言語、宗教が共存している。
補足 インドの言語
インドは10億以上の人口を有し、25の州は「言語州」といって言語の違いで分けられており、州の境目を超えると言葉も代わることになる。公用語は18(1992年現在)もあり、紙幣には10を超える文字で金額が記されている。その言語系統は、インドの北半分ではヒンディー語やベンガル語などインド=ヨーロッパ語族に属し、南インドにはタミル語などのドラヴィダ語族に属している。その他にも周辺にはシナ=チベット語族やオーストロ=アジア語族の言語が見られる。
このうち最も広く用いられているのがヒンディー語でその話者人口は中国語、英語に次いで世界第3位に位置する。インド憲法ではヒンディー語を「国語」と規定しているが、南インドなどでは反発が強い。イギリスの植民地時代に使われた英語が依然として共用の言語として通用している。なお、インドと分離して独立したパキスタンではムガル帝国時代にペルシア語とヒンディー語が融合してできたウルドゥー語が公用語とされている。
用語リストへイ.インド文明の形成
■ポイント インダス文明の特徴は何か。
A インダス文明 前2300頃 a インダス川 流域にb 青銅器文明 起こる。
・主要遺跡 c モエンジョ=ダーロ (中流)、d ハラッパー (上流)など。
・特徴 e 沐浴場 、穀物倉などを備える。煉瓦づくりのf 都市遺跡 。
g 印章 とh 彩文土器 を使用。
hインダス文字 未解読。シヴァ神の原型や牛の像はj ヒンドゥー教 の源流か。
・前1800年ごろ 衰退。原因は不明。洪水や環境破壊、塩害などが考えられている。
・特徴 e 沐浴場 、穀物倉などを備える。煉瓦づくりのf 都市遺跡 。
g 印章 とh 彩文土器 を使用。
hインダス文字 未解読。シヴァ神の原型や牛の像はj ヒンドゥー教 の源流か。
・前1800年ごろ 衰退。原因は不明。洪水や環境破壊、塩害などが考えられている。
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補足 インダス文明
最近、メソポタミアの紀元前2350年頃のアッカド王国サルゴン王の碑文などの資料から、「メルッハ」というところから金、銀、銅、黒檀などを輸入していたことがあきらかになっている。このメルッハはインダス文明のことを指すのではないかと考えられており、前1800年頃のインダス文明の消滅の時期と一致してその名が消えている。
インダス文明の代表的遺跡であるモエンジョ=ダーロとハラッパーはいずれも現在のパキスタンに含まれることに注意すること。他にロータル・ドーラーヴィーラーの二つの重要遺跡があるが、これらはいずれもインド西部にあたる。
インダス文明を生んだのは、ドラヴィダ人(イラン方面から移住したものと思われる) 説が有力である。特徴としては、上記の他に綿花を世界で最初に栽培したことや、彩文土器にろくろを使用したことなどがあげられる。
インダス文明の滅亡については、かつてはアーリア人の侵入によって滅ぼされたと言われていたが、現在では否定されている。代わって乾燥化やインダス川の大洪水などの自然要因説が有力になっている。
インダス文明 (緑色部分がインダス文明遺跡の分布範囲)

インドの重要地名
a インダス 川
b ガンジス 川
c パンジャーブ 地方
d カイバル 峠
e ハラッパー
f モエンジョ=ダーロ
g ドーラーヴィーラー
h ロータル
Text p.54
用語リストへウ.アーリヤ人の進入とガンジス川流域への移動
■ポイント アーリヤ人のインド侵入によって成立したカースト制度とはどのようなものか。
A アーリヤ人 の侵入 前1500年頃 西北からカイバル峠を越えて移住。
・a インド=ヨーロッパ語系 の遊牧民。インド北西部のb パンジャーブ 地方に定住。
社会 貧富や地位の差のない部族社会。
信仰 雷や火などの自然現象を崇拝し、祭式を行う。 → 宗教知識をc ヴェーダ に記す。
その中の最古の自然に対する賛歌集がd 「リグ=ヴェーダ」 である。
社会 貧富や地位の差のない部族社会。
信仰 雷や火などの自然現象を崇拝し、祭式を行う。 → 宗教知識をc ヴェーダ に記す。
その中の最古の自然に対する賛歌集がd 「リグ=ヴェーダ」 である。
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B ガンジス川流域 への移住 前1000年頃、アーリヤ人が東方に居住権を拡大。
・a 鉄製の農具 森林の開拓を進め、鉄の刃をつけた木製の犂を牛に引かせ、稲を栽培。
→ 先住民とまじわりながらb 定住農耕社会を形成し、貧富の差、社会的身分の違いが生じる 。
→ 生産に従事しない王侯、武士、司祭などの階層が生まれ、強い権力を持つ王が支配する。
→ 先住民とまじわりながらb 定住農耕社会を形成し、貧富の差、社会的身分の違いが生じる 。
→ 生産に従事しない王侯、武士、司祭などの階層が生まれ、強い権力を持つ王が支配する。
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C カースト制度 の成立
・a ヴァルナ 本来は、アーリヤ人と先住民の皮膚の色の違いを示す「色」の意味。
→ 身分的上下関係を示すようになる。 → 基本の4身分からなるb ヴァルナ制 の形成。
・ 支配階紋(非生産階級) c バラモン (司祭)・d クシャトリヤ (武士)
・ 被支配階級(生産階級) e ヴァイシャ (農民・牧畜民・商人)・f シュードラ (隷属民)
→ これ以外に被差別民としてg 不可触民 がいる。
・商業の発展に伴い、e ヴァイシャ は商人を、f シュードラ は次第に農民・牧畜民の意味に変化する。
・i ジャーティ 本来は「生まれ」を意味する=j 特定の信仰や職業と結びついた世襲的集団 。
→ 他とは結婚したり食事で同席することが制限される。多数うまれ、上下関係が細かく定まる。
→ ポルトガル語で血統を意味する「カスタ」から、西洋人がk カースト といった。
・C カースト制度 l ヴァルナ制とジャーティが結びついた細分化された身分制社会 。
→ 身分的上下関係を示すようになる。 → 基本の4身分からなるb ヴァルナ制 の形成。
・ 支配階紋(非生産階級) c バラモン (司祭)・d クシャトリヤ (武士)
・ 被支配階級(生産階級) e ヴァイシャ (農民・牧畜民・商人)・f シュードラ (隷属民)
→ これ以外に被差別民としてg 不可触民 がいる。
・商業の発展に伴い、e ヴァイシャ は商人を、f シュードラ は次第に農民・牧畜民の意味に変化する。
Text p.55
・最上位の司祭が司る宗教をh バラモン教 という。・i ジャーティ 本来は「生まれ」を意味する=j 特定の信仰や職業と結びついた世襲的集団 。
→ 他とは結婚したり食事で同席することが制限される。多数うまれ、上下関係が細かく定まる。
→ ポルトガル語で血統を意味する「カスタ」から、西洋人がk カースト といった。
・C カースト制度 l ヴァルナ制とジャーティが結びついた細分化された身分制社会 。
説明 カースト制度
カースト制度はインドを理解する上で最も重要なキーワードであるが、その仕組みは複雑で多岐にわたり、なかなか理解は難しい。大まかに言って、身分制度であるヴァルナと、職業的世襲集団であるジャーティが結びついたもの、といっていいだろう。特にバラモン教とそれから発展したヒンドゥー教というインド固有の宗教と深く結びついている。
基本となる4つの身分を一般にカーストというかが、カーストは大航海時代にインドに来たポルトガル人が使った言葉であり、インドではヴァルナと言っていた。ヴァルナはさらに多くのジャーティに分かれ、その数は3000にものぼるという。さらに「カースト外」とされる被差別民が存在した。現代のインドでは、憲法によってこれらの身分差別は禁止されているが、現実には社会に深く定着しており、現在でもインドの社会問題となっている。
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・前6世紀ごろまでをバラモン教の聖典が編まれた時代であることから、m ヴェーダ時代 という。
用語リストへエ.都市国家の成長と新しい宗教の展開
■ポイント 仏教とジャイナ教は、どのようにして成立した、どのような宗教か。
A 都市国家 の形成 前6世紀 前6世紀ごろまでに、階級社会が形成され、部族社会が崩れた。
・政治、経済の中心がa ガンジス川中下流 に移り、城壁を持ったb 都市国家 が生まれる。
中流域のb コーサラ国 、その後に下流域のb マガダ国 が有力となる。
→ d クシャトリヤ とe ヴァイシャ が勢力を伸ばす。
中流域のb コーサラ国 、その後に下流域のb マガダ国 が有力となる。
→ d クシャトリヤ とe ヴァイシャ が勢力を伸ばす。
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B 仏教 の成立 前6~5世紀 開祖 a ガウタマ=シッダールタ
Text p.55
・形式化したバラモン教の儀式やヴェーダ祭式、ヴァルナ制などを否定。
= b 煩悩 を断ち、正しい修行を行うことによって 輪廻転生 から 解脱 する道
を説き、人間のe 慈悲 の心を説いた。悟りを開いた人、の意味でf ブッダ と尊称された。
→ 原始仏教教団が生まれる。
= b 煩悩 を断ち、正しい修行を行うことによって 輪廻転生 から 解脱 する道
を説き、人間のe 慈悲 の心を説いた。悟りを開いた人、の意味でf ブッダ と尊称された。
→ 原始仏教教団が生まれる。
説明 ブッダ
ガウタマ=シッダールタの生年は紀元前563年と前463年の百年の差の二説あるが、現在では後者が有力とされている。現在のネパールのヒマラヤ山麓にあったシャカ族の王子として生まれたので、広くシャカ(釈迦牟尼)とも言われるが本名はガウタマ=シッダールタ。ブッダ(仏陀)というのは「悟りを開いた人」の意味で名前ではなく、尊称である。生老病死に悩む人間の救済のため、29歳で出家し、バラモンの修行を積むが得られるところなく、35歳で悟りを開いた。
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C ジャイナ教 の成立 前6~5世紀 開祖 a ヴァルダマーナ
・形式化したバラモン教の儀式や難解なヴェーダ祭式、ヴァルナ制などを否定。
特に苦行とb 不殺生 を強調した教え。 → マハーヴィーラ(偉大な勇者の意味)と言われる。
特に苦行とb 不殺生 を強調した教え。 → マハーヴィーラ(偉大な勇者の意味)と言われる。
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D バラモン教の改革
・祭式至上主義から脱脂で内面の思索を重視し、a ウパニシャッド哲学 を成立させる。
=宇宙の根源であるb ブラフマン(梵=普遍) と人間存在の根源を意味するc アートマン (我=自己)
を一致させること(梵我一如)によって、精神の自由を得て輪廻から解脱することが出来る、と説く。
・ ヒンドゥー教 の萌芽 バラモン教が民間宗教を吸収し、仏教・ジャイナ教の影響を受ける。
→ヴェーダの神々にかわり、シヴァ神やヴィシュヌ神を主神とする宗教体系を作る。(後出)
=宇宙の根源であるb ブラフマン(梵=普遍) と人間存在の根源を意味するc アートマン (我=自己)
を一致させること(梵我一如)によって、精神の自由を得て輪廻から解脱することが出来る、と説く。
・ ヒンドゥー教 の萌芽 バラモン教が民間宗教を吸収し、仏教・ジャイナ教の影響を受ける。
→ヴェーダの神々にかわり、シヴァ神やヴィシュヌ神を主神とする宗教体系を作る。(後出)
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用語リストへオ.統一国家の成立
■ポイント インド最初の統一王朝は、どのようにして生まれ、どのようにインドを統治したか。
A アレクサンドロス大王 前4世紀 東方遠征を行い、アケメネス朝を滅ぼす。
・前327年 西北インドに進出。 → インダス川流域にa ギリシア系 政権が成立。
ガンジス川流域では都市国家の一つb マガダ国 が有力になる。
ガンジス川流域では都市国家の一つb マガダ国 が有力になる。
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B マウリヤ朝 の成立 前317年 a チャンドラグプタ王 がマガダ国を倒し王朝を建てる。
・都をb パータリプトラ におく。インダス流域に進出し、ギリシア人勢力を一掃し、
c 初めてインドを統一する。
→ 西南インドとデカン地方を征服、支配域を広げる。
c 初めてインドを統一する。
→ 西南インドとデカン地方を征服、支配域を広げる。
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C アショーカ王 前3世紀半ば 最盛期となる。
・デカン高原の東南部、カリンガ国を征服。最南端部を除きインドのほぼ全域を支配。(下図でその範囲を確認)
→ 犠牲者を出したことを悔いa 仏教 に帰依。
→ 武力による征服戦争をやめ、b ダルマ(法) =守るべき規範による統治に転換。
・c 磨崖碑 、d 石柱碑 を建立し、ダルマに基づく勅令を刻む(下の地図を参照)。
→ サールナートの仏跡の石柱碑が有名。
・e 仏典結集 (シャカの教説の編纂)を援助。
・各地に ストゥーパ(仏塔)を建てる。サーンチーが有名。
・f スリランカ に仏教を布教。
・死後、財政困難、バラモン層の反発などにより衰退。
→ 犠牲者を出したことを悔いa 仏教 に帰依。
→ 武力による征服戦争をやめ、b ダルマ(法) =守るべき規範による統治に転換。
・c 磨崖碑 、d 石柱碑 を建立し、ダルマに基づく勅令を刻む(下の地図を参照)。
→ サールナートの仏跡の石柱碑が有名。
・e 仏典結集 (シャカの教説の編纂)を援助。
・各地に ストゥーパ(仏塔)を建てる。サーンチーが有名。
・f スリランカ に仏教を布教。
・死後、財政困難、バラモン層の反発などにより衰退。
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マウリヤ朝と仏教関係遺跡

マウリヤ朝までの仏教関係の重要地名
・マウリヤ朝の都
a パータリプトラ
・仏教の4大聖地
b ブッダガヤ シャカが悟りをひらいた所
c カピラヴァストゥ シャカが生まれた所
d クシナガラ シャカが死去(入滅)した所
e サールナート シャカが最初の説法をした所
・仏教遺跡
f サーンチー ストゥーパ(仏塔)のある所
● g 磨崖碑 の分布
■ h 石柱碑 の分布
Text p.57
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