地理の部屋と佐渡島

2009年4月よりの佐渡単身赴任があけ、2014年4月より長岡へ。別れが絆をより深めた。今後ともよろしくお願いします。

レイキャビク(アイスランド)

2006年11月12日 09時36分20秒 | 図・表・グラフ




 【国家の概要】
 北大西洋に位置する同国。その首都レイキャビクは北緯64度で、北極圏(66度)に迫ろうとする高緯度にある。国土の面積は10.3万km2(日本の約1/4)。人口は30万人(2006年1月・アイスランド統計局による)で、我が長岡市とほぼ同規模である。言葉はアイスランド語で、国民の大半が福音ルーテル派のキリスト教徒であるという。

 この国の起源はスカンディナビア半島から移住した人々によるとあるが、移住が9から10世紀の事であると言うから、日本の時代区分で言うと平安時代のことだ。建国以後紆余曲折はあるが、1944年にアイスランド共和国となって現在に至っている。
 主要産業は水産業とその加工である。また、地熱や水力発電による豊富な電力で、アルミニウムの精錬やフェロシリコン(鉄鋼原料)の生産も盛ん。一人あたりのGDP(国内総生産)は高い。

外務省HP/各国・地域情勢参考
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iceland/index.html



【火山国ならではの地熱利用】

 アイスランドは大西洋中央海嶺の上に位置する火山国である。過去幾たびも火山の噴火を経験。その惨事から国土と生活を守ってきた国民の物語(ヘイマエイ島の噴火など)はしばしば語りぐさになる。
 しかし、そんな火山はこの国の国民に豊かな恵みをもたらしている。地熱。この再生可能でクリーンなエネルギーがこの国を環境に配慮した形の国家の有り様を支え、化石燃料への依存度は小さいと聞く。下記URLはそんなアイスランドの地熱利用について紹介している。


市民のための環境学ガイドHP
アイスランド地熱発電 07.10.2004
http://www.yasuienv.net/IcelandGeoPower.htm


Mr.アイスランドがご案内するアイスランド旅情報の館HP
アイスランドの地熱地帯と温泉
http://www.iceland-kankobunka.jp/gnrl/info/outline/geothermal_1.htm



【気候概観】

 さて、この国がかなりの高緯度にあるということは先述したとおりであるが、ずいぶん寒冷な気候になるのだろうと想像される。グラフは全体的に下の方にあるのでそれは当たっているが、その割に真冬の気温低下を見ないのが特徴的である。単純に比較をしてはならぬが、山形県山形市の最寒月は1月で-0.5℃。こちらは北緯40°に満たない中緯度の土地であるから何か理由がありそうだ。

 気候区分の方法としては、最も暖かい月の平均気温が10℃を超え、なおかつ最寒月平均気温が-3℃を下回らなければ温帯と区分する。それらの条件を確認すると、最寒月平均気温は1月の-0.6℃で、最暖月平均気温は7月の10.7℃である。ここからレイキャビクは温帯と区分される。実はロンドンやパリなどと同じ西岸海洋性気候。沿岸を北上する北大西洋海流と偏西風が、この気候的特徴を導く背景となっているのだ。

 この西岸海洋性気候の特徴はこうだ、比較的涼しい夏で冬は緯度の割に温暖。従って最寒月平均気温と最暖月のそれとの温度差(気温の年較差という)が極めて小さい気候である。レイキャビクの場合気温の年較差は11℃前後の結果が出るが、比較のために持ち出した山形市は8月の平均気温が24.7℃。気温差は25℃を超えるので、こちらは年較差の大きい気候である。実は、大陸内部や東部では比較的この様に気温の年較差の大きくなる傾向があるのだ。

 アイスランドはその名『氷の土地』のとおり、国土には広く氷河が見られる。内陸部や北部に行くと地表は夏でも雪氷に覆われた土地である。また、11月を迎えた今頃はずいぶん日の出ている時間が短いはずである。なぜなら北極圏は冬至を中心に極夜を経験する。つまり一日中太陽が昇らないのである。であるからそこにいたらずとも、それに近い土地であれば、それに近い現象が起こるわけで、12月の冬至に向けて今は極めて夜の長い季節をおくっているわけである。

 何か暗く陰鬱な感じがするが、緯度的にはアラスカなどと同じ。漆黒の闇をオーロラの怪しくも美しい光のベールが包むこともあろう。極北の神秘の国の冬は思っているほど暗く・陰鬱ではないかも知れない。行ってみたい国の一つである。




---------------------------------------------------
geographical figure graph list 013
---------------------------------------------------
地理の部屋と佐渡島 2006.11.12
---------------------------------------------------
http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/
---------------------------------------------------


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
印象になった国 (アコード)
2006-11-12 15:18:51
文化施設に音楽演奏で来た少年たち、駿河の国は
暑いのだろう皆ランニングシャッ一枚になって練習
していました。その時世界地図を見て北極にあまり
に近いことに驚きました。
返信する
アコードさんへ。 (かんりにん..)
2006-11-12 18:36:20
こんばんは。

彼らにとってはとにかく暑いと思います。
かの国の真夏は、こちら新潟の4月か11月
の月平均気温ですから。

それこそ、熱帯の国と思ったにちがいあり
ません..(笑)。


返信する
Unknown (nakamura)
2006-11-12 21:38:42
こんばんは。
高校時代の地理の授業のようです(笑い)。
単位の足りない生徒には、このブログで単位をあげたいですね・・・。
返信する
単位を (たまの)
2006-11-12 23:17:41
ほしいくらいですw

アイスランド、スカンジナビアと同じくらい行ってみたい国のひとつです。物価が結構高いと聞いたことがありますが、もう一昔ふた昔の話しです。
返信する
nakamuraさんへ。 (かんりにん..)
2006-11-13 06:38:12
おはようございます。

>単位の足りない生徒には..

ワッハ...。

どうぞ、そうしていただきたい。
ただし、ずいぶん偏向的地理ですねぇ..(笑)。

さて、この様なシンプルなグラフなのですが、
この表現方法は気候的さが顕著に現れますの
で、楽しいものです。

紹介している画像作成には結構手間がかかります。
データをメモ帳などテキストエディターで作成。
Plotw32というソフトでそれを読み込み。
グラフとしての体裁まである程度ここで作る。
そして画像をクリップボードに。
さらに、ペイントに貼り付けて、地名データ等を
付け加えて、jpeg形式にて保存。

とまぁ、一つ作るまでに手際よくしても10分~15
分は間違いなくかかります。そもそもこのカテゴ
リーはこのために作ったのですが、今では古い地
形図と併せてのカテゴリーにしています。

時々しかやりませんが、お付き合いを..(笑)。

返信する
たまのさんへ。 (かんりにん)
2006-11-13 06:42:09
おはようございます。

>ほしいくらいですw

いやいや..(笑)。
あげましょう..。

ですが、こちらの講座は時々しか
開講していないからねぇ~(笑)。

講義はゆっくりとしたペースにな
ります。時々やりますから、皆さ
んと共に..、であります。

北欧の国々同様、いってみたいで
すよね。こちらからシベリア経由
で、ロンドンなどをめざす機中か
らは、眼下にバルト海あたりは
視界に入ったと思いますから、ア
イスランドは無理ですが、近いと
ころを見れますよね。

とはいえ、当方もヨーロッパはず
いぶん以前のことです。
返信する