安曇野の遊び人の日記

安曇野在住の遊び人の日記です。

雪洞泊のススメ

2017-03-01 22:44:41 | 

雪洞泊ってめんどくさそうと思われるかもしれませんが、 雪洞泊には雪洞泊ならではの良さがあります。
例えば、

 1.風を気にしなくて良い(入り口うまるけど、風に対してほぼ無敵。そして静か)
 2.冷えすぎない(雪は保温材。外がどんなに冷えても-5度以下にはならないことが多い)
 3.自由な形に作れる
 4.テントの場合と異なり、斜面に作ることが多いので、意外と景色のいいところが多い

です。その他いろいろ良さはあります。
ただもちろん欠点もあります。
例えば、
 1.作る場所間違えると完全に風雪で埋没する
 2.0度以上にあったまらない。(火を焚いてもすぐに熱が吸収されるので)
 3.非常に湿度が高く装備が濡れる
 4.空気穴等適切に作成しないと酸欠、一酸化中毒になる 
 5.天井が下がってくる!意外と恐怖です。

まあ、そんな雪洞泊ですが、一度体験するとけっこう病みつきになってしまいます。
雪洞泊をするにあたっては、以下の装備が特に必要になってきます。

 ・雪山装備一式
 ・スコップ(先が丸まったタイプがベスト)
 ・スノーソー
 ・ツェルト
 ・ビニールシート(100均などの軽量のタイプで良い)
 ・マット(エアータイプよりマットタイプがベスト)
 ・シュラフカバー
 ・ゾンデ(雪の深さ、奥行きの確認用、空気穴作成などにも)
 ・大き目のゴミ袋(装備を濡らさないため)

作成手順ですが、以下のように進めます。

1.場所の選定
  風下になりやすい適度な斜度のある斜面が良いですが、
   ・雪崩の走路にないこと
   ・雪庇部分に該当するような場所でないこと
   ・クラックが発生しやすい地形(地形の支えがない場所)でないこと
  などを慎重に吟味しておく必要があります。
  ここを間違えると命に関わります。
  次に
   ・滑走ルート
   ・登山者が歩くルートになりやすい場所
  は、踏み抜きや踏み抜きで怪我をされるのを防ぐためにも考慮する必要があります。

 
2.掘り始めの前のチェック
 掘り始める前に、効率良く作業し、また後で作り直しにならないように以下を考慮します。
   ・十分な雪の厚さ及び奥行きがあること
     ※ゾンデなどを使ってすぐに地形につきあたらないか確認
   ・雪を捨てやすい場所であること
     ※ある程度斜度があると、雪をどんどんかきだせます

3.作成にあたって
  ここまできたら後は以下のポイントを押さえつつ好きなように掘っていきます。
   ・入り口は大きくしすぎない(もしくは後で小さくする)
   ・入り口部分は床に対して低くする(出入りのしやすさや風の吹き込みを防ぐため)
   ・極力スノーソーなどを使ってブロックで雪を切り出す。
   ・雪がさらさらの場合、ビニールシートに掘り出した雪をのせ、たまったら外に捨てる
   ・最初はまっすぐ掘り進み、ある程度彫り進んだら横に広げる。
     ※いきなり横に広げると崩壊しやすくなります。
   ・天井は雪が柔らかければ、掘らずに、立って背中を上に向かって押し付けて広げる
     ※気温が低い場合は、雪は圧縮してある程度放置すれば固まります。 

4.仕上げ
  中で十分体を動かせるスペースができたら以下の点に注意しながら仕上げていきます。
   ・寝る部分を平らもしくは少し傾斜をつけて踏み固める。(サボると凹んで寝づらくなります)
   ・天井を上に向かってたたいて固めた後、凸凹が残らないよう円型に削ります。
     ※スコップの先が丸型だとこの時きれいに仕上げることができます。
      ない場合は、コッヘル等で円型になるよう仕上げます。
   ・ 入り口部分を少し深めに掘り下げます。
     ※風の吹き込みを防ぐことができ、また出入りがしやすくなります。
   ・ゾンデ・ストックを使って、空気穴を何箇所か作成します。 
     ※酸欠・一酸化炭素中毒にならないためにこの作業は重要
   ・入り口にツェルトを張り、風が吹き込まないようにします。
   ・自分の好みに合わせて、棚やテーブルになるような部分を作成します。

5.雪洞内で快適にすごすためのポイント
  ・使わない装備は極力ビニール袋に入れて、湿気を遮断する。
    ※煮炊きを始めるとすぐにびしょびしょになります。
  ・シュラフは、シュラフカバーの中に入れておき、表面が湿気てきたら極力タオル等で拭き取る。
    ※サボるとシュラフのロフトが湿気でなくなって寒い思いをします。
  ・ 常にアウターを着ておく。
    ※ダウンジャケットやフリースを雪洞内にさらすと気がつかないうちに水分を含んで保温力がおちます。 
  ・雪洞内の空気は適宜入れ替えるようにする。 

 以上です。あとは実際にチャレンジしてみてください。

最後に、これは非常時のためのポイントです。

  ・スコップ、ストックは雪洞内に入れておく。
  万が一崩壊したり、入り口がうまった時にこれらがないと非常に困ります。
 ・積雪時等は入り口が埋まりやすいので、入り口の雪をどかしやすいようにある程度斜度がある場所に作成する
 ・雨が予想される場合は、雪洞泊はしない(雪洞内に水がたまったり、崩壊等いろいろ起こります) 

では〜


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