コルまで下りきるとまた登り。このあたりの岩の不安定さは鎖場より緊張します。
足を置く岩のほとんどがぐらぐらしていて、落石させないように慎重に慎重に登ります。
横の岩も何かあったらすぐに崩れてきそうで、上部にも注意しながら登りました。目印は
たくさんありますが、極力自分でよく確認しながら自分でルートを決めて登った方がいいと
思います。
ちょっと一息。
そして間ノ岳に到着。振り返ると西穂がかなり離れて見えます。
ジャンダルムを見ると雲に覆われていました。次は天狗ノ頭です。
ここも当然のように不安定な岩場が続きます。
途中長い鎖場があり、ここは安定して足を置ける足場が少なく、雨の日はかなり怖いかもしれません。
先行者はすでに逆層スラブに取り付いていました。
間ノ岳と天狗ノ頭の間のコルに到着。見上げるとそこは逆層スラブだらけ。
ここには笠と反対側には前穂を見ながらのんびりできるビバークサイトがありました。
ただ、風の通り道のようで、悪天時はかなり厳しい状況になるのではと思いました。
西穂から天狗ノ頭手前までは、とにかく足場が悪く、常に踏み外しや落石を起こさない
よう注意が必要です。ある意味ここがこのルートの核心部かもしれません。この先
高度があっておっかないところは多いのですが、安定した岩場が多いので、ここよりは
気が楽です。
このような場所でのストックの使用は他人に勧められませんが、自分はこのような場所
のほうがダブルストックを多用します。
危なそうな不安定な岩はストックで事前確認ができ、急な上り下りはストックのリーチを
活かしてバランスをとりながら行動できます。
常に両足とダブルストックでバランスをとり、動かすのはいずれかの一つで、3点確保の
要領で行動し続けるようにしているので、はた目にはやばそうなんですが、本人的にはかなり
余裕をもった状態で行動ができるので楽です。
でも理想はこのルートを余計な装備にたよらず最小限の装備で駆け抜けれたらなあなんて思っています。