良い文章だったので掲載します
幕末から明治にかけて日本に来た欧米人の多くが、
この国を「子どもの楽園」と見たのはよく知られる。
たとえば英国の旅行家イザベラ・バードは
「これほど自分の子どもに喜びをおぼえる人々を見たことがない」と紀行文につづった
大森貝塚の発見で知られる米国の動物学者モースは、
日本ほど子どもが親切に扱われる国はないと感嘆している。
わが子に愛情を注ぐだけでなく、世の中全体が子どもを大事にし、寛容でもあったようだ
そんな昔とくらべて気の毒になる投書を東京の声欄で読んだ。
ある母親が8、3、1歳の3人を連れて新幹線に乗った。
東京駅で降りるとき、年配の女性から「うるさいのよ、あんたたち」
と吐き捨てるように言われたそうだ
申し訳なかったと思いつつ、もう家族旅行はしたくないという気持ちが押し寄せてきたという。
別のお母さんも、「わが子が赤ちゃんだった頃、何がつらかったかと言えば、
泣き声などが周りに迷惑をかけているというストレスだった」と書いていた
中には親子ともども、しつけの足りない場合もあろう。
親はほったらかし、子はしたい放題。だが多くの親は周囲に気を使い、くたびれはてる。
不機嫌な視線を意識して、神経をすり減らす
詩人の高田敏子さんに幼い女の子の靴をうたった詩がある。
〈おとなの 疲れた靴ばかりのならぶ玄関に/
小さな靴は おいてある/花を飾るより ずっと明るい〉と結ばれる。
夢ふくらむ靴をはいて、幼子(おさなご)も旅に出る夏休みである。
思い出に、大人の寛容を添えてあげたい。
幕末から明治にかけて日本に来た欧米人の多くが、
この国を「子どもの楽園」と見たのはよく知られる。
たとえば英国の旅行家イザベラ・バードは
「これほど自分の子どもに喜びをおぼえる人々を見たことがない」と紀行文につづった
大森貝塚の発見で知られる米国の動物学者モースは、
日本ほど子どもが親切に扱われる国はないと感嘆している。
わが子に愛情を注ぐだけでなく、世の中全体が子どもを大事にし、寛容でもあったようだ
そんな昔とくらべて気の毒になる投書を東京の声欄で読んだ。
ある母親が8、3、1歳の3人を連れて新幹線に乗った。
東京駅で降りるとき、年配の女性から「うるさいのよ、あんたたち」
と吐き捨てるように言われたそうだ
申し訳なかったと思いつつ、もう家族旅行はしたくないという気持ちが押し寄せてきたという。
別のお母さんも、「わが子が赤ちゃんだった頃、何がつらかったかと言えば、
泣き声などが周りに迷惑をかけているというストレスだった」と書いていた
中には親子ともども、しつけの足りない場合もあろう。
親はほったらかし、子はしたい放題。だが多くの親は周囲に気を使い、くたびれはてる。
不機嫌な視線を意識して、神経をすり減らす
詩人の高田敏子さんに幼い女の子の靴をうたった詩がある。
〈おとなの 疲れた靴ばかりのならぶ玄関に/
小さな靴は おいてある/花を飾るより ずっと明るい〉と結ばれる。
夢ふくらむ靴をはいて、幼子(おさなご)も旅に出る夏休みである。
思い出に、大人の寛容を添えてあげたい。