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CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

今年のパリ~ルーベは白熱のバトル(2)

2025-04-15 11:56:32 | プロ・ツール
 昨年秋に100㎞超の多段式ロケット走法で世界選手権を逃げ切って見せたポガチャルでしたが、それはマチューも読んでいたということなのでしょう。削るつもりが自分の脚が削られて行くことになったようです。加えて、ここまで2年連続でマチューに次ぐ2位のヤスペル・フィリップセンが前半の落車から復帰し、先頭集団に入ったため、ポガチャルは数の不利とも戦うことになりました。抑え役として後ろの集団にいたフェルメールスではフィリプセンは止められなかったようです。第15セクターのアタックでピーダスンを切り離したものの、しばらくはアルペシンの2名とポガチャルの3名体制が構築されることになります。

 数的有利な状況を作り出したアルペシンに対し、孤軍奮闘するポガチャルという状況。そのまま3名は順調にパヴェセクターを越えていき、この日2つ目の5つ星第11セクターに突入。その石畳が終わる直前の残り46.1km地点でマチューが加速し、反応したポガチャルがカウンターアタックを仕掛けます。そのペースアップにフィリプセンはついていけず、ここから新旧世界王者2名のよるバトルが繰り広げられるかと思われたのですが、第9セクターのコナーをオーバースピードで侵入したポガチャルがオーバーランでチェーントラブルという大きなミスを犯してしまうのです。

 ストラーデビアンケでも下りをオーバースピードで落車していたポガチャルですが、パリ~ルーベは初めてなので、ここまで何事も無くこなして来たことが凄すぎたのです。ストラーデビアンケでは復帰しそのままピドコックを付き離したポガチャルでしたが、流石にパリ~ルーベでマチュー相手では厳しかった。しばらくは20秒以下のタイム差で食らい付いていたポガチャルでしたが、最後は流石にいっぱいいっぱいになってしまったようでした。

 マチューもパンクに見舞われますが。ポガチャルとのタイム差が1分以上空いていたため、チームカーが入っていて、スムーズにバイク交換が出来ました。ここまでポガチャルがライバルたちに取って来た戦い方をマチューにされてしまったのです。流石のマチューも出し切った感じでしたが、ポガチャルに1分18秒の大差を付けてパリ~ルーベ3連覇を達成したのです。

 これはパリ~ルーベではマチューの経験がポガチャルを上回った結果だと見ています。ポガチャルも大きなミスをしながらも、2位は立派な成績です。何といってもこれが初めてのパリ~ルーベだったのですから。ポガチャルには不満でしょうが、チームスタッフは心から安堵していることでしょう。これで、何事もなくツール・ド・フランスへ臨めるのですから。

 ただ、ポガチャルの中では既にツール・ド・フランスより、残す2つのモニュメント(ミラノ~サンレモとパリ~ルーベ)制覇へ気持ちが傾いているはずなのです。次の目標はリエージュ・バストーニュ・リエージュの連覇とモニュメント9勝でしょう。勿論、2023年はこのレースで落車し手首の骨折に見舞われているので、楽観はできません。

 ポガチャルは気質的に失敗を引きずるタイプではないので、ストラーデビアンケの落車もパリ~ルーベでのミスも成長の糧にしてくれるはずです。何せツールで2年連続ヴィンゲゴーに敗れてからポガチャルは大きく成長を見せているのです。来年の雪辱を強く心に刻んで、次の目標に向かってくれると信じています。

 ロンドとはポディウムの並びは変わりましたが、予想通りの顔ぶれとなりました。ポガチャルに足りなかったのはレース強度での経験に尽きるので、来年こそはという気持ちが強くなっているはずです。個人的にはライバルのマチューが30歳ということを考えると、来年か再来年にはポガチャルが5大モニュメント完全制覇するだろうと見ています。
 




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