DEFY COMPOSITE SEについての考察（4）

　自転車後進国の日本では、お金のない若い人はレース指向が強いため予算の関係でアルミロードにせざるを得ず、お金のある中高齢者はレース指向がほとんどないにもかかわらず、単なる高級志向でフラッグシップモデルを購入するという状況にあるように思います。本来なら、そこそこ年齢がいった人がエンデュランスモデルを購入するなら、ホイールベースが長く、ハンドル位置も比較的高目のコンフォート系から入るのが無難だと個人的には考えています。若い人ならレース系モデルのアルミでも力で抑えることができますが、年を重ねるとそれも難しくなりますから・・・

　個人的にはGIANTのCOMPOSITEモデルは剛性や耐久性に問題があるように感じていますので、セカンドロードもアルミのCAAD10にしたという経緯があります。コンフォート系ロードなら剛性はむしろマイナス要因になるケースもありますから、DEFYシリーズのCOMPOSITE化は歓迎なのですが、いくら10速化したとはいえ、コンポーネントがTIAGRAというのがどうも気に入りません。クランクにFSA、ブレーキにTEKTROといった異分子が入り込まない分DEFY COMPOSITE SEの方がいくらかましといった感じでしかないのです。

　価格的にも105と10速TIAGRAとの差はわずか1万円に過ぎません。新型TIAGRAのコンポーネント重量はカタログにも全く記載がありませんので、105との比較はできませんが、一般的に考えれば105との価格差が1万円程度なら初めから105という選択が無難だと私などは考えてしまうのですが・・・残念ながら105搭載のCOMPOSITEモデル（TCR COMPOSITEも同様）はありません。DEFY DEFY COMPOSITE 2 （TCR COMPOSITE2）はSRAM APEX搭載となっています。
　ADVANCEDシリーズには105搭載モデルはありますし、ALLUX SLのTCRやDEFYにもフルではありませんが、105搭載モデルはあるのに、COMPOSITEシリーズからは105が完全に姿を消してしまいました。これが大きな謎なのです。海外では105搭載のTCR COMPOSITE2は勿論、ULTEGRA搭載のTCR COMPOSITE1のラインナップもあるのです。

　2012年モデルを大幅に改良したGIANTですが、性能はともかくとして、SRAM色が極端に薄まったこと、ホイールが自社製になったこと、カラーリングが大幅に変わってしまったこと等々の理由から、セカンドロードの選択肢からGIANTを消しました。選択したCAAD10には天候や路面状況の関係でほとんど乗れていない状況ですが、今のところセカンドロードをCAAD10にしたことを後悔する気持は全くありません。唯一の不安はフレームサイズが52の為、クランク長を165ｍｍにステム長を80ｍｍにしているので、適切なセッティングができるかどうかに尽きます。

　CADD10のフレームセットとDEFY COMPOSITE SEの完成車価格が1万円しか違わないのですから、全くの初心者が始めて乗るカーボン製のロードバイクとしてはお手頃なのは確かだと思っています。また、軽量化という面でも5万5千円で1ｋｇもの軽量化が可能なのも大きな魅力ではないでしょうか？ただ、TCR COMPOSITEの場合は剛性が足りない気がしますので、少しでもレース指向のある人や将来のある若い人ならALLUX SLのTCRかCAAD10をお奨めしたいと思います。