「希望が丘の人びと」/重松 清(小学館文庫刊)
重松さんの作品はいくつか読んできました。
その中でもこの作品は、それまでのあらゆるエッセンスが
盛り込まれた僕に取っては最高の作品でした。
通勤電車の中で、思わず吹き出しそうになったり、
また涙が出そうになって、それを誤魔化すのに困ったり。
~希望は世界のどこかに転がってるぜ~
そう、何を基軸に人生を考えるのか・・・。
癌で妻を亡くした学習塾の教室長の田島(40歳)と、
娘・美嘉(中学生)と息子・亮太(小学生)。
この家族を中心に、妻・圭子のふるさとである「希望ヶ丘」に住む
人々との様々な出会いと別れ。
特に、圭子の中学時代の同級生のチクリ宮島やフーセン、
圭子の初恋の相手だったエーちゃんやその娘・マリア、
さらには舎弟のショボ。
~顔を上げろよ、少年。うつむいてると息が苦しくなるだろ……
美味い息を吸って、美味い息を吐け。それが人生だ~
~いろいろ大変なことはあっても、生きてるってのは、
もう、それだけでハッピーなんだよな~
~人生は吹きっさらしだ……だから、めんどくさくて、大変で、
苦労も多くて……でもな、そのかわり、ときどき気持ちのいい風が
吹くんだ! その風が、おまえらを……
俺たちを、いつだって元気にしてくれるんだ~
子供を持つ親なら、様々な苦労や葛藤を、
親を持つ子なら、やはり様々な苦労や葛藤が・・・。
そんなそれぞれの視点から、亡くなった母を思い、
家族を思い、友だちを思う。
全ての双方の“想い”がまるで自分ごとのように、
本当に間近で感じ取ることが出来る作品だ。
大人のエゴでなく、子供の反抗期ではなく、
それぞれの生きている人間としての対等な立場での相互理解。
やれば出来ること、そこには大人や子供の境界なんてない。
そしてここに集う人々は、
人々との出会いを通じて
大人も子供も大きく成長してゆくのである。
上・下巻の長編なのに、あっという間に読み終えた作品でした。
これ、また何年かしたら読み返してみよう。
図書館に早速行って探して来ましょう。
昭島の分館の図書館の本は30代の頃から通い詰め、殆ど読破しちゃったので
本館まで(東中神)行きます。2つ駅先ですが、自転車で・・・
>興味深そうな本ですね。 図書館に早速行って探して来ましょう。
お~、ぜひぜひ^^
>昭島の分館の図書館の本は30代の頃から通い詰め、殆ど読破しちゃったので
本館まで(東中神)行きます。2つ駅先ですが、自転車で・・・
読破ですか@@?
それはすごい読書家ですね~
koyukoさんのオススメがあれば教えて下さい^^
cyazさんのこのエントリーを観て、さっそく上下巻合わせて購入してきました!
今ちょうど上を読み終わった所ですが、これからどう話が展開していくのか楽しみです。
重松さんの作品は流星ワゴンとこの作品しかまだ読んだことないのですが、変に美化され過ぎず・現実的だけれど温かみがある雰囲気に惹かれるものがありますね^^
>cyazさんのこのエントリーを観て、さっそく上下巻合わせて購入してきました!
お~、それは嬉しいですね^^
>今ちょうど上を読み終わった所ですが、これからどう話が展開していくのか楽しみです。
なるほど^^
これから佳境に入っていくんですね~♪
>重松さんの作品は流星ワゴンとこの作品しかまだ読んだことないのですが、変に美化され過ぎず・現実的だけれど温かみがある雰囲気に惹かれるものがありますね^^
そうですね^^
他にも人々の心の機微をうまく描くことのできる、
数少ない小説家だと思います!