『イン・ザ・ヒーロー』

 

□作品オフィシャルサイト　「イン・ザ・ヒーロー」
□監督　武 正晴
□脚本　水野敬也、李鳳宇
□キャスト　唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島 進、草野 仁

■鑑賞日　９月７日（日）
■劇場　ＴＯＨＯシネマズ川崎
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　　スーツアクターはいいのだが、最も輝いていたのは寺島 進だったのでは（笑）
　
　特殊スーツに身を包み、映画やドラマでヒーローや怪獣の役割を演じる社長兼スーツ
　アクターの主人公・本城 渉（唐沢寿明）。　ブルース・リーに憧れ、２５年間スーツ
　アクターとしてのキャリアを重ねるも、顔出しでの映画出演がかなわず、ついに妻子
　にも逃げられてしまう。　さらに、新人俳優・一ノ瀬リョウ（福士蒼汰）の台頭によって
　追い詰められていたある日、千載一遇のチャンスが舞い込むが、その仕事は命を
　落としかねない危険なスタントだった。

　唐沢自身ももともとはスーツアクターの経験者。　時々ＴＶでその時代のＶＴＲが流れる
　こともある（笑）　なので自身の感慨もひとしおのようだった。 ただ１０代の頃はともかく、
　唐沢は５０代。　実際にクランクインまでの４カ月間、ウェイトトレーニングを重ね、肉と
　野菜中心の食生活に変え、肉体改造して挑んだそうだ。

　全編を通して、普段のお調子者の片鱗を見せつつ、スーツアクターとしての役者として
　セオリーを新人に教え込むあたり、実生活がオーバーラップしていたのかも（笑）
　それが証拠に、監督の粋な計らいか、エンディング・ロールで流れる若い頃の唐沢の
　姿が、ジャッキー・チェンのＮＧシーンとは違い、哀愁を帯びていた。

　夢を追いかけることの難しさと、諦めずに夢を追い続けること、その素晴らしさに感ぜず
　にはいられない作品だった。　ただ多少の浪花節は否めなかったが（笑）