新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

安倍晋三より酷いアメポチに成り下がった岸田文雄

2024年04月16日 11時54分18秒 | 岸田文雄外交

米国から「国賓待遇」ということで喜び勇んで訪米した岸田文雄が帰国したのだが、報道によれば短期間で数多くの会談をしたらしいのだが、問題はバイデン大統領との日米首脳会談と首脳会談後に行われた共同記者会見内容であろう。
 
その中身の詳細は国民には伝わらず日本の主要メディアは歯の浮くような記事しか掲載していなかった。
 
『現代ビジネス』編集次長の近藤 大介がかなり詳細にリポートしてくれていた。
 
岸田首相『国賓訪米』で痛感した、国民の知らぬ間に、日本が新たな制度や同盟関係に引きずり込まれるリスク
 

■日米首脳会談の大きな議題
「岸田政治は、見かけによらない大胆さが特徴だ」――ある側近の議員は、岸田文雄首相の執政をこう評す。
たしかに、内閣支持率は2割前後と低迷しているが、5年間で43兆円という防衛費の増大から、最近の自民党39人処分による派閥解体まで、岸田首相は見かけによらず(?)、大胆な政治を断行している。
そんな岸田首相が、今度は外交面でも一歩踏み出した。4月8日から14日まで1週間にわたって、アメリカを国賓として訪問。アメリカとの同盟関係を新たな段階に「深化」させたのだ。
まず、岸田首相の訪米の主な日程は、以下の通りだった(アメリカ東部時間)。
9日: アーリントン国立墓地訪問、ブラッド・スミス・マイクロソフト社副会長兼社長と懇談、全米商工会議所及び米日経済協議会主催の昼食会、日米友好・協力を担う次世代と対話、全米日系米国人慰霊碑を訪問、ジョー・バイデン大統領との非公式夕食会
10日: ホワイトハウスでの歓迎式典、バイデン大統領との日米首脳会談、共同記者会見、桜の苗木贈呈式、公式晩餐会
11日: マイク・ジョンソン連邦下院議長(共和党)との懇談、同上下院幹部との懇談、米国連邦議会上下両院合同会議で演説、ジョンソン下院議長主催レセプション、カマラ・ハリス副大統領及びアントニー・ブリンケン国務長官主催の午餐会、バイデン大統領、フェルディナンド・マルコス・フィリピン大統領との日米比首脳会談
12日: トヨタがノースカロライナ州に建設中の電気自動車(EV)向け電池工場、ホンダの新型ビジネスジェット機工場を視察
故・安倍晋三元首相が、共和党のドナルド・トランプ前大統領とウマが合ったように、岸田首相は民主党のバイデン大統領とウマが合う。2020年9月の自民党総裁選に合わせて出版した『岸田ビジョン』(2020年、講談社刊)にも、ジョン・ケリー元国務長官を始めとする米民主党の面々との交流を記している。
1週間にわたる訪米のハイライトは、三つあった。一つ目が、バイデン大統領との日米首脳会談である。首脳会談後に行われた共同記者会見で、岸田首相は力強い口調で述べた。
「私たちは、国際社会が直面する様々な課題について意見を交わしました。まず私たちは、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所であれ断じて許容できず、同盟国・同志国と連携し、引き続き毅然として対応していくことを確認しました。
そのような観点からも、中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことで一致しました。同時に、中国と対話を継続し、共通の課題については協力していくことの重要性を確認しました。
また、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促すとの考えを確認しました。(中略)法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現も改めて確認し、明日予定する日米比首脳会談の場を含め、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
ロシアによるウクライナ侵略については、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」との認識の下、日本が自らの問題として厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していく決意を述べ、同志国との緊密な連携で一致しました」
このように、「中国問題めぐる諸課題」が、日米首脳会談の大きな議題となったことを示唆したのだった。
■共同声明に示された「中国への対抗」
実際、首脳会談後に発表された日米共同声明「未来のためのグローバル・パートナー」も、「中国への対抗」を際立たせた内容となった。
〈 我々は、日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の礎であり続けることを確認する。
バイデン大統領は、核を含むあらゆる能力を用いた、同条約第5条の下での、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントを改めて表明した。岸田総理は、日本の防衛力と役割を抜本的に強化し、同条約の下で米国との緊密な連携を強化することへの日本の揺るぎないコミットメントを改めて確認した。
バイデン大統領はまた、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて確認した。我々は、尖閣諸島に対する日本の長きにわたり、かつ、平穏な施政を損なおうとする行為を通じたものを含む、中国による東シナ海における力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みにも強い反対の意を改めて表明した。
我々は、日米の抑止力・対処力を強化するため、南西諸島を含む地域における同盟の戦力態勢の最適化が進展していることを歓迎し、この取組を更に推進することの重要性を確認する 〉
〈 我々は、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映された国際法と整合的な形で、全ての国が航行及び上空飛行の自由を含む権利と自由を行使できることの重要性を強調する。
我々は、海上や空中での危険な遭遇や係争のある地形の軍事化、海上保安機関の船舶及び海上民兵の危険な使用等の南シナ海における不安定化をもたらす行動を含む、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みにも強く反対する。
南シナ海における不法な海洋権益に関する主張を後押しする最近の中国による危険でエスカレートさせる行動や他国の海洋資源開発を妨害する試みは、UNCLOSに反映された国際法と整合的ではない。
我々はまた、2016年の南シナ海に関する仲裁判断が同仲裁手続の当事国に対して最終的かつ法的拘束力を有することを強調する。我々は、地域の海洋安全保障を支援し、国際法を堅持するために、特にASEANにおけるパートナーと協働することを決意する。
我々は、台湾に関する両国の基本的立場に変更はないことを強調し、世界の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を改めて表明する。我々は、両岸問題の平和的解決を促す 〉
日本が実効支配する尖閣諸島へのアメリカのコミットメント(日米安保条約5条適用)は、日本側が切望しているものだ。また、「2016年の南シナ海に関する仲裁判断」とは、「南シナ海における中国の主張には国際法上の根拠がない」とした常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断で、中国はこの判断を「紙くず」としている。
■共同声明に示された「中国への対抗」
実際、首脳会談後に発表された日米共同声明「未来のためのグローバル・パートナー」も、「中国への対抗」を際立たせた内容となった。
〈 我々は、日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の礎であり続けることを確認する。

バイデン大統領は、核を含むあらゆる能力を用いた、同条約第5条の下での、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントを改めて表明した。岸田総理は、日本の防衛力と役割を抜本的に強化し、同条約の下で米国との緊密な連携を強化することへの日本の揺るぎないコミットメントを改めて確認した。

バイデン大統領はまた、日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることを改めて確認した。我々は、尖閣諸島に対する日本の長きにわたり、かつ、平穏な施政を損なおうとする行為を通じたものを含む、中国による東シナ海における力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みにも強い反対の意を改めて表明した。

我々は、日米の抑止力・対処力を強化するため、南西諸島を含む地域における同盟の戦力態勢の最適化が進展していることを歓迎し、この取組を更に推進することの重要性を確認する 〉
〈 我々は、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映された国際法と整合的な形で、全ての国が航行及び上空飛行の自由を含む権利と自由を行使できることの重要性を強調する。
我々は、海上や空中での危険な遭遇や係争のある地形の軍事化、海上保安機関の船舶及び海上民兵の危険な使用等の南シナ海における不安定化をもたらす行動を含む、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みにも強く反対する。
南シナ海における不法な海洋権益に関する主張を後押しする最近の中国による危険でエスカレートさせる行動や他国の海洋資源開発を妨害する試みは、UNCLOSに反映された国際法と整合的ではない。
我々はまた、2016年の南シナ海に関する仲裁判断が同仲裁手続の当事国に対して最終的かつ法的拘束力を有することを強調する。我々は、地域の海洋安全保障を支援し、国際法を堅持するために、特にASEANにおけるパートナーと協働することを決意する。
我々は、台湾に関する両国の基本的立場に変更はないことを強調し、世界の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を改めて表明する。我々は、両岸問題の平和的解決を促す 〉
日本が実効支配する尖閣諸島へのアメリカのコミットメント(日米安保条約5条適用)は、日本側が切望しているものだ。また、「2016年の南シナ海に関する仲裁判断」とは、「南シナ海における中国の主張には国際法上の根拠がない」とした常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断で、中国はこの判断を「紙くず」としている。
■自衛隊に「統合作戦司令部」を新設する計画
共同声明では続いて、自衛隊を変革していくことが示された。
〈 米国は、日本が自国の国家安全保障戦略に従い、2027日本会計年度に防衛力とそれを補完する取組に係る予算をGDP比2%へ増額する計画、反撃能力を保有する決定及び自衛隊の指揮・統制を強化するために自衛隊の統合作戦司令部を新設する計画を含む、防衛力の抜本的強化のために日本が講じている措置を歓迎する。
これらの取組は共に、日米同盟を強化し、インド太平洋地域の安定に貢献しつつ、日米の防衛関係をかつてないレベルに引き上げ、日米安全保障協力の新しい時代を切り拓くこととなる。
我々は本日、日米同盟を更に前進させるためのいくつかの新たな戦略的イニシアティブを発表する。地域の安全保障上の課題が展開する速度を認識し、日米の二国間同盟体制がこうした極めて重要な変化に対応できるようにするため、我々は、作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため、二国間でそれぞれの指揮・統制の枠組みを向上させる意図を表明する。
より効果的な日米同盟の指揮・統制は、喫緊の地域の安全保障上の課題に直面するに当たり、抑止力を強化し、自由で開かれたインド太平洋を促進していく。
我々は、日米それぞれの外務・防衛担当省庁に対し、日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)を通じて、この新しい関係を発展させるよう求める。このビジョンを支えるに当たり、我々はまた、日米共同情報分析組織(BIAC)を通じたものを含め、情報収集、警戒監視及び偵察活動における協力並びに同盟の情報共有能力を深化させるという目標を改めて確認する 〉
ここに書かれた「統合作戦司令部」は、現在、通常国会で審議している防衛省設置法改正案の目玉とも言えるものだ。陸・海・空の自衛隊を統合した作戦司令部を、今年度末に防衛省内に、240人規模で発足させようとしている。
一方のアメリカ側も、在日米軍司令部に指揮統制権を一部付与する方向で進めている。これらは、日米共同で「中国有事」に即応していく体制を作るためと見てよいだろう。これに対して野党の一部は、「自衛隊がアメリカ軍の一部として組み込まれていく」として、警戒の声を上げている。
また共同声明では、トマホークミサイルの導入についても言及している。
〈 我々はまた、同盟の戦力態勢を強化し、高度な基地能力を構築し、脅威に対する抑止及び防衛に必要な備えを増強させるための取組を引き続き実施していく。我々は、日本固有のスタンド・オフ・プログラムを強化するための米国の物品及び技術的支援を含む、日本の一連の反撃能力の効果的な開発及び運用に向けた二国間協力を深化させることを決意する。
米国は、日本がトマホーク(TLAM)システムの運用能力を獲得するための訓練計画及び艦艇の改修を開始するとのコミットメントを表明した。我々はまた、ハイエンドな地域の極超音速の脅威に対抗するための滑空段階迎撃用誘導弾(GPI)協力開発プログラムを追求することを改めて確認した 〉
トマホークミサイルは、射程1600kmで、岸田政権が「反撃能力」の目玉として導入を決めたものだ。今年1月18日にアメリカ政府と契約した。契約額は約2540億円で、最大400発を来年度から3年かけて導入する。こちらも野党の一部が、「トマホークを配備すればかえって日本が危険になる」として反発している。
■拡大する日米軍事同盟
共同声明では、日本とアメリカの軍事同盟が、オーストラリア、イギリス、韓国などとも連携していくことも謳われた。
〈 日米両国は二国間関係を強化するのと同時に、志を同じくする地域のパートナーとの関係を引き続き構築していく。
我々は本日、増大する経空脅威に対抗するため、日米豪の間で、ネットワーク化された防空面におけるアーキテクチャーに関して協力するビジョンを発表する。日本の強み及びAUKUS諸国との間の緊密な二国間防衛パートナーシップを認識し、AUKUS諸国―豪州、英国及び米国―はAUKUS第2の柱における先進能力プロジェクトに関する日本との協力を検討している。
キャンプ・デービッド首脳会合(2023年8月)からのモメンタムを維持し、我々は、日米韓の間の毎年の複数領域における共同訓練の実施に向けた進展を歓迎する。米英間の大西洋宣言及び日英間の広島アコードにおけるコミットメントを認識し、また、インド太平洋地域及び欧州・大西洋地域がかつてないほど相互に関連している中で、我々は、共通のかつ揺るぎない安全保障を強化するに当たり、2025年から開始される定期的な日米英三か国共同訓練の発表を歓迎する。
昨年 10月の豪州の米国公式訪問時における、無人航空システムに関する日本との三か国間協力を追求するとの発表に基づき、我々は、急速に台頭しつつある連携無人機及び自律性の分野における協力の機会を追求している 〉
〈 我々は、日米豪印(クアッド)への我々の確固たるコミットメントと、地域に成果をもたらし続ける、安定し、繁栄し、包摂的である自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを改めて確認する。我々は、ASEAN、太平洋諸島フォーラム(PIF)及び環インド洋連合を含む、地域機関に対する日米豪印(クアッド)の揺るぎない支持及び尊重を改めて表明する。
我々はまた、ASEAN中心性・一体性及び「インド太平洋に関するASEANアウトルック」に対する支持を改めて確認する。東南アジア諸国はインド太平洋における重要なパートナーであり、日米比三か国は、経済安全保障及び経済的強じん性を促進しつつ、三か国間の防衛及び安全保障協力を強化することを目指す。
日米両国は、太平洋の卓越した機関である PIFやブルーパシフィックにおけるパートナー(PBP)を通じたものを含め、「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」に明記された地域の優先事項を支援するために取り組む意図を改めて確認した。
我々は、自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを追求する中で、地域の重要な志を同じくするパートナーとの間に強固な絆を築き続ける。キャンプ・デービッドでの日米韓首脳会合の歴史的な成功を基礎として、日米韓は、地域の安全保障の推進、抑止力の強化、開発・人道支援の調整、北朝鮮の不正なサイバー活動への対抗並びに経済、クリーン・エネルギー及び技術に関する課題を含む協力の深化において引き続き連携していく。
日米両国はまた、平和で安定した地域を確保するため、豪州との三国間の協力の推進に引き続きコミットしている 〉
■日本の防衛装備移転三原則改正を歓迎
共同声明はさらに、防衛装備移転三原則の改正や、ミサイルの共同開発などについても言及している。
防衛装備移転三原則は、安倍政権時代の2014年に定めたもので、防衛装備品を輸出する際、1)紛争当事国には輸出しない、2)国際協力や日本の安保に資するものとする、3)目的外の使用や第三国への移転は事前に日本の同意が必要とする、というものだ。
岸田政権は今年3月26日、「グローバル戦闘航空プログラム」(イギリス、イタリアとの次期戦闘機の共同開発及びパートナー国以外への移転)を推進するため、防衛装備移転三原則を改正した。
防衛省が開発する次期戦闘機のイメージ図(令和2年版防衛白書より)
〈 米国は、地域における抑止力を強化するための共同開発・生産を通じた協力を増進することになる、日本の防衛装備移転三原則及びその運用指針の改正を歓迎する。
我々は、長期的に重要な能力の需要を満たし即応性を維持するためにそれぞれの産業基盤を活用することを目的とし、日米の防衛産業が連携する優先分野を特定するために、日米の関係省庁と連携し、防衛省と米国防省が共に主導する日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)を開催する。
この優先分野の特定の対象には、ミサイルの共同開発及び共同生産並びに前方に展開された米海軍艦船及び第4世代戦闘機を含む米空軍航空機の日本の民間施設における共同維持整備が含まれる。DICASは、既存の防衛装備庁・米国防省(研究・工学担当)定期協議(DSTCG)と共に、我々の防衛産業政策、取得及び科学技術のエコシステムをより統合し整合させていくものである。
DICASは、日米「2+2」において、日米それぞれの外務・防衛担当閣僚に進捗の最新情報を提供する。我々はまた、AI及び先進的なシミュレーターを含む将来の戦闘機パイロットの教育及び即応性、そして即応態勢の整った次世代戦闘機の航空防衛力を維持するための日米共通のジェット練習機といった最先端技術の共同開発・生産の機会を追求する作業部会を設置することにコミットする 〉
以上である。
■南シナ海、東シナ海での中国の脅威に対抗
岸田首相はこの日の夕刻、初となるバイデン大統領、マルコス比大統領との日米比首脳会合に臨んだ。約50分間に及んだ3首脳会合が、三つ目のハイライトである。
和訳文で6ページに及ぶ「日比米首脳による共同ビジョンステートメント」には、以下のように明記された。
〈 我々は、南シナ海における中国の危険かつ攻撃的な行動について、深刻な懸念を表明する。我々はまた、南シナ海における埋立て地形の軍事化及び不法な海洋権益に関する主張を懸念している。我々は、南シナ海における海上保安機関及び海上民兵船舶の危険で威圧的な使用、並びに他国の海洋資源開発を妨害する試みに断固反対する。
我々は、危険で不安定化をもたらす行為となる、中国によるフィリピン船舶の公海における航行の自由の行使に対するたび重なる妨害及びセカンド・トーマス礁への補給線への妨害に対して、深刻な懸念を改めて表明する。最終的かつ法的拘束力を有する、2016年7月12日の仲裁判断は、この地形はフィリピンの排他的経済水域内にあると決定しており、我々は中国に対してこの判断を遵守するよう求める。
我々は、東シナ海の状況について深刻な懸念を表明し、尖閣諸島に対する日本の長きにわたり、かつ、平穏な施政を損なおうとする行為を通じたものを含む、中国による東シナ海における力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みにも強い反対の意を改めて表明する。
我々は、世界の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を確認し、台湾に関する我々の基本的立場に変更はないことを認識し、両岸問題の平和的解決を促す 〉
セカンド・トーマス礁は、現在、フィリピンと中国が凄まじいバトルを繰り広げている、いわば「フィリピンの尖閣」だ。一応、フィリピン側が実効支配しているが、中国が攻勢をかけており、予断を許さない状況である。
この3首脳会談に先駆けて、4月7日には南シナ海のフィリピンのEEZ(排他的経済水域)内で、初となる日米豪比の4ヵ国共同訓練を実施した。4ヵ国の共同声明には、こう謳っている。
〈 最終的に、海上協同活動は、4か国の自衛隊・各国軍のドクトリン、戦術、技量、手続といった相互運用性の強化につながるものです。我々は、平和で安定したインド太平洋地域の礎である法の支配に基づく国際秩序を擁護する全ての国とともにあります。4か国は、2016年の南シナ海に関する仲裁裁判所判断が最終的であり、紛争当事国を法的に拘束する決定であるという立場を再確認します 〉
こうして岸田首相の訪米は、幕を閉じた。まさに岸田首相が公式晩餐会でスピーチしたように、「誰も行ったことのない場所へ大胆に進もう」(映画『スタートレック』のセリフ)という訪米だった。
■中国が岸田発言に猛反発する理由
今回の岸田首相の訪米に、中国は猛反発している。12日には中国外交部の劉勁松アジア局長が、北京の日本大使館の横地晃首席公使を呼んで、日米首脳会談や日米比首脳会合での中国批判に対して、厳正な申し入れ、厳重な懸念と強烈な不満を表明したと、外交部が発表した。
同日の中国外交部の定例会見でも、毛寧報道官が吠えた。
中国外交部HPより
「中国は日本の関連する言論(岸田首相の米連邦議会発言など)に強烈な不満と決然たる反対を表明し、すでに日本側に厳正に申し立てを提出した。私が強調するのは、中国は永遠に世界平和の建設者であり、全世界発展の貢献者であり、国際秩序の保護者であるということだ。中国は終始、平和的発展の道を堅持し、防御的な国防政策を堅く実行していく。もともと主動的に戦争を引き起こしたことはなく、いかなる国に対しても脅威とはなっていない。
アメリカと日本は仲間を引っ張り込んで「ミニグループ」を作り、集団的な対抗を策動している。それこそが地域の平和と安定にとって直面している真の挑戦だ。
日本はかつて軍国主義の道を進み、侵略戦争を発動した。それによって厳重な反人類的犯罪を犯し、地域と世界に重い災難をもたらした。日本は侵略の歴史を心から反省し、アジアの隣国の安全への懸念を尊重しなければならない。周辺の安全を威嚇する感染行為を停止し、自身の軍事力増強の口実を探すことを止め、アジアの隣国と国際社会の信用をこれ以上失うことを止めるべきだ」
今回の岸田首相訪米を見ていて、前回2015年の安倍首相の公式訪米から9年で、日本を取り巻く状況が激変していることを再認識した。そうした状況の変化に合わせて、日本の制度や同盟関係のあり方を変えていくのは理解できるが、同時に日本国民の意識がついていっていないことも痛感した。
このままでは、国民が知らぬ間に、新たな制度や同盟関係にずるずると引きずられていくことになるだろう。帰国後の岸田首相には、国民への丁寧な説明を求めたい。


 
残念ながら日本の首相は国民に「滅多に丁寧に説明」することはまず行わず、「丁寧に説明しなければならない」という呪文を丁寧に言うだけである。
 
そして歴代の首相で本格的に米国の利益にならないことをすれば「首が飛ぶ」という事実を何度も見せられているので、宗主国に対する朝貢外交が後を絶たないことから、「故・安倍晋三元首相が、共和党のドナルド・トランプ前大統領とウマが合ったように、岸田首相は民主党のバイデン大統領とウマが合う」ということになっている。
 
ところで、ロシアに侵略されているウクライナの大統領が渡米してアメリカ議会で軍事的な援助を求めるための演説で最大限の米国賛辞が飛び出すことは当然なのだが、今回の訪米で岸田文雄の米国の上下議会での演説に対しては、京都大学大学院の藤井聡藤井教授が辛辣に批判していた。
 
『この人アカンわ』岸田総理の米議会“売国演説”を京大教授が激辛採点!新聞が報じぬ対米従属 日本を壊す不治の病
 
■この人、全然もう、あかんわ…」藤井聡教授も愕然
岸田首相は11日午前 日本時間12日未明、アメリカ議会の上下両院合同会議で演説しました。今朝のチャンネル桜のフロントジャパンというネット番組にて、昨日の岸田首相の米国議会での演説が、如何に酷いものであったのかを解説いたしました。
ついてはここでは、そこでお話しした内容を改めて、文字起こしし、抜粋、編集しつつ下記にご紹介したいと思います。
 
  
まず岸田さんの演説は、原稿を読まずに、比較的ちゃんとした英語をつかっておられるので、中身について頓着しないで、あれを見ると好感を持つ方は多いと思います。実際、SNSでも、岸田さんを賞賛する声は多いようですね。
でも、中身をじっと聞いていると、「ぎょっ」とするようなこといっぱい言ってて、「この人、全然もう、あかんわ…」と思いましたね。
一般の方はなかなかそのあたり分からない方も多いかも知れませんが、これまでの歴史や大局的状況を踏まえて彼の演説の中身を批評すると、日本に対する巨大な禍根を残す極めてな問題を抱えた演説だった、ってことが見えてくる、そういう代物でした。
ちょっとそのあたり、じっくり解説してみようと思います。
■岸田演説は「最低最悪」、称賛するマスコミも同罪だ
まず、全体のストーリーはこういうものでした。
アメリカは世界の警察として世界の秩序を守ってきた。でも、最近は、中国の台頭やロシアの戦争等によって、米国の苦労も随分増えてきており、米国も困ってきている。だから米国の1番の親友である我々日本が友達としてあなたのこと助けてあげる。軍事的にも経済・産業的にも、日本が助けてあげる。
まぁ、酷い内容だったんですが、この演説を聴いた後にまず最初に僕がやったのは、改めて安倍さんの米議会での演説をもう1回読み返すっていうことでした。
なぜかっていうと、あの日米の戦争についての言及が皆無なのが凄く違和感があったんです。
で、安倍さんはどうだったかを確認したんですが、安倍さんは日米の戦争のことをたっぷりと語っている。我々は戦った過去があるけれども、ああやって戦い、そして、融和し、これからの未来を作ろうという、あの第二次大戦を一応踏まえた上、現在と未来の日米について論じている。
ちなみに僕は、原爆を落とされた経緯を踏まえれば、こうやって安倍さんのように語ること自体が問題だとは思いましたし、今でもそう思っています。が、それでも、一応は、あの戦争の過去を踏まえた上で日米関係を作ろうという話になっている。
ところが、岸田さんは原爆を落とされた話どころか、日米の戦争の話が一切ない。徹底した未来志向のため、ということらしいですが、それにしても全く日米間のホントの歴史を無視したものとなっている。
ちょうど「進撃の巨人」の物語で、人類がなぜ壁の中に住んでいるかを(王によって記憶を飛ばされた結果)誰も覚えていない、というような状況を前提とした話になっている。
でも、あの進撃の巨人の物語っていうのはそんな記憶喪失ではいかんのだと言って、エレンがどんどんどんどん戦って深掘りしていって、最終的に記憶を取り戻し、未来を切り開く、っていう話になっている。岸田さんの今回の演説は、そういうエレンがやった物語とは完全逆の、過去を完全に忘れるということを前提にしてるんですよね。
これでは「まっとうな未来」なんて絶対につくることはできない。
もうその大前提が、(僕にとっては大きな不満を感じていた)安倍演説なんかよりももっともっとレベルの低い、最低最悪のものとなっている。

■我が国の歴史を無視し、米国に媚びを売った岸田演説
しかも、岸田氏は戦争について一切言及しない上に、次のようにも述べています。
「日本は長い年月をかけて変わってきました。第2次世界大戦の荒廃から立ち直った控えめな同盟国から、外の世界に目を向け、強く、コミットした同盟国へと自らを変革してきました。
これを耳にしたときにもひっくりかえりました。
戦後直後の日米関係は、「同盟」なんかじゃない。GHQに占領されとったんです!  
しかも、未だにその占領は続いている。横田も沖縄も横須賀も占領されっぱなしなわけです!六本木という東京のど真ん中にも、米軍基地がある!!
しかも日米合同会議があって、米軍が日本の政府組織を、国会や首相官邸に何のお伺いもたてずに自由に使える体制が今もなお残っている。そのことについての現実認識が全くない。
だから、岸田さんが言うような「対等なパートナー」と言い得るような状況には、未だに全くない。
僕がアメリカ人だったら、こんなこと総理が米国議会で演説してたら、「どんだけでかいネギしょってこの鴨やってきたんだ?」ってことでもう確実に鼻で笑うでしょうね。
以上が全体的な、岸田演説に対する僕の第一印象です。要するに、歴史観も大局観も何もない。真実の歴史や大局的状況を全て無視し、薄甘い皮相的なタテマエの物語で、米国に媚びを売っている…そう解釈するしかない代物としか解釈できない。
■岸田首相の「メチャクチャな嘘」とネオコンの影
さらに今回の演説、聞いているといくつも耳を疑うようなメチャクチャな事をいくつも言っている。
例えば、岸田さんは、この世界のことを「自由と民主主義という名の宇宙船」だと表現している。そして、その宇宙船の乗務員として全力で働くといってるわけですが、この表現はもうメチャクチャな表現です。
今世界は、民主主義国家と非民主主義国家だったら、非民主主義の国の数の方が多いしかつ人口も多い状況なんです。例えば、中国やロシアといった大国は、いわゆる「権威主義国家」と呼ばれる国々です。それ以外にも世界中にはごまんと権威主義国家があるんです。
で、この地球が「自由と民主主義」という名前の宇宙船だってことは、この地球は「民主主義国家」のためのものであって、「非民主主義国家は存在している資格がない」という事になる
で、日本はそんな資格のないやつと付き合えないので、例えば日中外交すらもやらないって言ったに等しい。で、日本も、「自由と民主主義」という価値観以外をもっていたら、生き残る資格がない、だから徹底的に「自由と民主主義」の国になるんだと主張したわけです。
だから、この地球を「自由と民主主義」と呼称するということは、日中外交、日ソ外交、イランとの外交も全てやめて、戦争を仕掛ける対象と見なすと共に、国内の「国体」もそのうちもう解体するのだ、と言う事にも繋がるわけです(というかそう言ったに等しい)。
そもそも、自由と民主主義のイデオロギーってのは、普遍的なものじゃない。そんな特殊なイデオロギーで世界を支配しようなんていうのは、米国の「ネオコン」思想そのものです。
■米議会「総立ちの拍手」で徹底的に舐められた日本
米国はもともとキリスト教思想があって、十字軍的な思想があり、それがネオコン思想につながり、特定イデオロギーのためには戦争を仕掛けることも大量に人々を殺戮することも厭わない、という思想があるわけです。
したがって、「自由と民主主義」という名前の宇宙船だって発言を、歓迎する議員は米国には少なくはないと思います。だから、彼らが拍手喝采するのは分かる。
しかも、そんな事をかつて戦争で打ち負かしてボコボコにしてやった日本のリーダーが、自分たちをボコボコにしたアメリカの理想である「自由と民主主義」のために貢献するぞ、ってのこのこ議会にまでやってきて言いに来よったら、「おおそうか、愛い奴よのう、よっしゃよっしゃ」と褒めてつかわす、ということにもなるでしょう。
でも、僕がアメリカ人なら、そうやって表面的には褒めてやりながら、心の底で、「コイツホントばかだなぁ、俺達の言うことなんでも聞く奴だぜ」と思うでしょうね。
逆に言うと、日本はロシアや中国も含めた「自由と民主主義」の価値観を共有しない大量の国々とも付き合って行かなきゃいかんわけで、彼らについても一定尊重しなきゃいかん以上、この地球のことを「自由と民主主義」だなんて呼んじゃいかんわけです。
岸田さんってホントに米国に媚びるためなら何でも言ってしまう奴なんだなということが、地球は「自由と民主主義」という名の宇宙船だという発言一つからも見て取れるわけです。
■日本の新聞が正確に訳さなかった「在日米軍の大問題」
…で、次の酷い言葉がこれです。在日米軍について彼は、「日本のために拡大している軍事的抑止力」と表現してるんです。これは和訳ですが、英語で「U.S. extended deterrence for Japan.」といっている。
「U.S. extended deterrence」というのが「米国の拡張抑止力」という意味です。で、抑止力というのは、あっさりいって、軍隊、という意味です。
つまりこの言葉は、「米国の拡張抑止力for Japan」という意味。
で、ここで問題なのが「for」です。 
これはどう考えても、「ために」と訳す他はない。
ですが、僕だったら、「米国の拡張抑止力for Japan」ではなく、「米国の拡張抑止力in Japan」あるいは「米国の拡張抑止力into Japan」という英語を使います。これなら、「日本における」米国の拡張抑止力、つまり、在日米軍、という事になります。
で、その在日米軍が存在する目的については言及しない。ただただ、日本に存在する米軍だ、というだけの意味になります。
しかし、「米国の拡張抑止力for Japan」と「for」をつかうと、日本を守る「ための」軍隊だ、という事になるわけです。
これは極めて問題のある発言です。
ちなみにこの部分、日経新聞ではなんと訳してるのかというと…
「米国の日本への拡大抑止」
と訳してます。ハッキリ言って、何言ってるか分かんない日本語ですね。「抑止」なんて意味不明だし、「拡大抑止」に至ってはもっと意味不明。「日本への拡大抑止」って、一体何言ってるのかさらに分かりません。
つまり、この翻訳者は、「日本のための在日米軍」っていうことを総理が言ったってことを意図的か無意識的かは分かりませんが、隠蔽しようとして、こういう意味不明な和訳をつかったわけです。
■在日米軍は「米国のため」に日本に存在している
じゃ、本来なら在日米軍をどう表現するかと言えば、一応タテマエとして、
米国の国益のために、極東に軍隊を配置したいと考え、日本にその旨を提案した、
その提案を、日本が吟味し、日本の主権をもってして受け入れ
つまり、日米双方の国益の視点から在日米軍の存在が合意されている
という事を前提とした発言としなければなりません。
だから、絶対に「米国の拡張抑止力for Japan」ではなく、「米国の拡張抑止力in Japan」と言う言葉を使わねばなりません。
しかも実際には、そのextended deterrence は「against Japan」という側面もあるんです!
つまり、二重統治論と言いますが、在日米軍は、中ソ朝に対する抑止力として日本に(in Japan)存在しているという側面があると同時に、日本の再軍国主義化を抑止するためのものとして(against Japan)も存在しているんです!
つまり、そのextended deterrenceはin Japan、つまり「日本に」存在しているのは存在していますが、その目的は徹頭徹尾、for USA、つまり「米国のため」に存在しているのであって、決してfor Japan、「日本のため」に存在いているのではないのです!
だからちゃんとした英語にするならextended deterrence in Japan for USAと言わなけりゃいかんかったわけです!
■誇り高きサムライから飼い犬に堕ちた日本
もちろん、米会議で米国にケンカを売る必要はありませんが、以上の認識をもって演説しなきゃいかんのです。日本の総理は。
ところが、あっさりと、在日米軍は日本のためにあるんだ、なんていう言葉を米国議会で岸田さんは言っちゃったわけです。
僕がアメリカ人なら、「ホントコイツ、メチャクチャな愚か者だなぁ」と心底侮蔑するでしょうな。
何と言っても、日本を押さえつけ、搾取するためにおいている米軍に対して、その日本人が「その軍隊のおかげで、助かってますだぁぁぁ」とニコニコしながら言ってるわけですから。「愚か者」以外の何者にも見えないでしょうね(苦笑)。


 
「『愚か者』以外の何者にも見えない」岸田文雄は、ついに国際的にも認められていた愚か者の安倍晋三を遂に超えたもかもしれない、とオジサンは思う。  

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