(1)極地の雪原で、一面の雪の乱反射のために天地の区別や方向・距離などの感覚が失われる現象。
(2)猛吹雪のために視界が極度に低下すること。
と辞書にあった。
雪の降らない地方の人は、あまり体験がないかもしれないけれど、私は(2)を体験し、本気で遭難するかと思ったことがある。
住宅地の、車がやっとすれ違えるほどの道。
道の両脇には、除雪でできた厚さ0.5m、高さ1.2mほどの雪の壁あったの。
雪の夜に歩いていたら、だんだん吹雪いてきて、民家の明かりが見えなくなってきた。
夜は暗いはずなのに、まるで黒い絵に白いスプレーを振りまいたように、何もかもが白く滲んで消えていく。
街灯の明かりも、家の明かりも、白い雪の色に溶けて、見えなくなっていく。
風が凄くて息ができない!
とにかく雪壁の間に隠れて吹雪をやり過ごそうと思ったが、すぐ脇にあったはずの雪壁すら、全く見・え・な・い!
手探りで探そうと手を伸ばしたが、何も触れるものはない。
自分が、どっちの方を見て立っているのかすら分からない、一切の白い闇。
すぐ道の脇は民家なのに、それも見えず、まじめに遭難するかと・・・
しかも自分の家から10mくらいの場所で!
時々思う。
原初の神の姿はこれだったのだろう・・・と。
自分がどこにいる何者なのか。
知りたかったのは、神自身なのだと。
そっと後ろから近づいて、そんな神の肩を抱いてやりたい。
あなたの欠片が、ここにいますよ・・・と、その耳にささやいてあげたい。
私がしっかり私であることを生き抜くことが、私という神の欠片の輪郭をはっきりさせる。
それこそが、あなたの望んだことだと思うから。
雪は、私にそんなことを思い出させてくれる白。
皇心のセッションルーム Angel's smail です。