枕もとで道路工事！？

よんどころない事情でＭＲＩ検査を受けた。
はじめてのことで少し心配しながら器械のベッドに乗る。
頭が動かないように型みたいなところに頭を置く。
さらに、うるさいのでとヘッドフォンを装着する。
２５～３０分ほどですから頭を動かさないように、
もし気分が悪くなったら右手に持った膨らみを押して、
という注意の後に機械が稼動をはじめた。
みたくもないので目をつむる。
係りの人は眠っていてもいいですよ、だって。
が、とたんに工事現場か土木作業のような音が頭の周りで
しはじめた。眠れるわけないじゃない。
ＭＲＩってこんなにうるさいものなの？ってな感じで。
その騒音も一定でなくしばらくすると違う音になる。
今度はどんな音になるのかな、という興味は湧かない。

どうやらこれは現代クラシック音楽のひとつかも、と思った。
シュトックハウゼンのミュージック・コンクレートも
かくやと思われるような音の連続だ。
やれやれ。

そのうち、こういう状態であまり好みでない音を聞かされる
我が身が「時計仕掛けのオレンジ」の主人公に思えてきた。
彼の場合は動けない状態で嫌なことをされながら好きな
ベートーベンの曲を聞かされるという苦痛。
私は枕もとでの道路工事の音、もとい、現代音楽を聞かされ
ながら、動こうと思えば動けなくもない状態で動かないことに
努めるという苦痛だ。動くと検査はおじゃん。
だから動かないように自らを律する。

少しは似ていないだろうか、と思った。
シチュエーションが。

それにしても騒々しい機械だ。
おかげで脳の水分子が活性化し脳のシナプスの凝りが
ほぐれて気分爽快になった。
少しは脳年齢が若返ったかな？